Fate/Another Servant 
         HeavensFeel 2 第五話ミニ劇場


~手先の器用なSAMURAI~

忠勝  「シャッシャッシャッと……むぅもうちょっと削るか」
綾香  「ランサー何してるの?」
忠勝  「ん?ああ主殿でござるか、見ての通り彫刻をちょっとな」
綾香  「へぇ相変わらず上手いわね」
忠勝  「まあ手先は器用な方でござるからな」
綾香  「……でアンタらは何をやってるの?」
ローラン「見ての通り彫刻だ!」
ラメセス「女、見て判らぬかうつけが!」
忠勝  「主殿、奴らの事は放っておいてやって欲しい。武士の情けでござる」
ローラン「シャッシャッっと……あ!斬り過ぎちゃったよおい!」
綾香  「……ねえ、セイバー?もう一度だけ訊くけど、アンタ何やってるの?」
ローラン「だから見ての通り彫刻だ」
綾香  「一体それのどこが彫刻なのよ!
     彫刻ってのは木材を削って作るものであってそんな地面から生えてる木を直接削るものじゃないわよ!」
ローラン「な、なに──!!?」
ラメセス「ハッ!これだから芸術に疎い下賎者はいかんのだ」
綾香  「そういうアンタも何やってるのよ」
ラメセス「貴様ぁ…これを見てもまだ何か判らんだと?打ち首にするぞ女。どこからどう見ても彫刻であろうが!」
綾香  「アンタこそふざけてるの!?それは彫刻じゃなくて建築!一体どこの彫刻家が木々を組み立てて家作るのよ!」
ラメセス「な───!??ば、馬鹿な……これは彫刻ではない…だと?」
ローラン「おいお前の方が全然判ってないじゃないか!オレの方がまだ惜しいじゃないかバーカバーカッ!」
ラメセス「貴様……表に出ろ王に逆らう賊がぁ」
綾香  「煩い!そこ喧嘩しない!大体セイバーも一体なにを使って木を削ってるのよアンタは!?」
ローラン「オレのデュランダルで斬れない物は無い」
綾香  「誉れ高い聖剣をそんなことに使うなー!それとセイバーの正体はローランっとメモメモ」
ラメセス「メモメモ」
ローラン「うお!?さては謀ったなランサーのマスター!汚いぞ!!」
忠勝  「今のは明らかに御主の自爆でござろうが……っと完成でござる」
綾香  「え!もうなの!?」
ローラン「な、早い!?」
ラメセス「サムライ貴様、嘘を申すな!?」

忠勝  「作品名『すてーきせっと』で御座る!」
ローラン「うおおおおお!!すげえ!美味そうだ!……なんか腹減って来ちゃった…」
ラメセス「げ、芸術だ……やるな、サムライ!」
綾香  「ちょ、アンタもアンタで何作ってるのよ!」
忠勝  「む?ステーキセットでござるが?」
綾香  「言い直さなくても判ってるわよ!わたしはなんでそんなもの作ったのかって訊いてるの!」
ローラン「滴る肉汁までもが見事に表現されている……ああ木目がまるで肉のやや赤みがかった切り口のようだ…じゅるり」
ラメセス「いかんな。俺様も腹が減ってきたぞ」
綾香  「しかもご飯まで添えられてるし……米粒一つ一つまで削り出すなんて尋常じゃないわよ」
忠勝  「勿論『こーんすーぷ』も付いてるでござる」
ローラン「槍兵の癖にやるな貴様!今日からお前はコックのサーヴァントだ!」
ラメセス「いやむしろ貴様俺様の元に下れ。料理長として使ってやる」
忠勝  「まだ驚くのは早い。主殿、これは拙者からの贈り物で御座る」
綾香  「え?なにこれ?わたしにくれるの?」
忠勝  「うむ、日頃の感謝の印なので受け取って欲しい」
綾香  「あ、アリガト……。中身は何かしら───マフラーにセーターに靴下……?」
忠勝  「拙者のお手製でござる」
綾香  「え?え?まさかコレランサーが作ったの!!?」
忠勝  「左様」
綾香  「編み物まで……手先が器用とかそういう問題じゃないわアンタ絶対変よ変!」
忠勝  「ガーーーン!せ、折角の贈り物が……orz」
ローラン「うわっ、案外酷い奴だな君」
ラメセス「家臣からの供物を受けとれんとは。なんたる無礼者だ。躾がなっていないな女」
忠勝  「うぅ、ううっ!セイバー、ライダーよ……拙者は、拙者は!うっうぅっ!」
綾香  「そ、そうだ!ランサー!タイトルコール、タイトルコールを言わなきゃ!ランサー頑張れ!」
ラメセス「本来なら俺様が言うところだがあまりに貴様が不憫であるから今回は譲ってやる」
ローラン「そうだな、よしランサー言うんだ!オレたちの変わりにタイトルコールするんだ!」
忠勝  「……う、うむ、そうでござるな。タイトルコールを……心の痛みに頑張るのだ平八郎忠勝よ…(ショボーン)
     ───ついに戦の刻限が来た。綾香の初陣。闇に蠢くマスターたち。
     不穏な空気に包まれていく冬木の町。
     激突必至の戦場に獣の咆哮が響き渡る───!
     FateAS第五話『殺戮の魔剣』其の弐。幕開けでござる」
ローラン「痛みに耐えてよく頑張ったな!感動した!」
忠勝  「セイバーよ…セイバー!」
ローラン「おう!ガシィッ!(漢同士の熱い握手)」

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最終更新:2009年07月01日 16:28