マスターV教授(+フラット君)のサーヴァント講座 六時限目


「先生ーフラット君ですよー久しぶりの皆鯖講義のお時間ですよー?」
「やれやれ全く……あっちに行ったりこっちに行ったりなんだと言うんだ…。
 おまけに何故自分の誕生日にまでこんな事をしなければならんのだ!戻って来い我が平穏!」
「先生!プレゼントを用意してるんで早く教室に来てくださいよ!」
「フラットの奴……またなにかロクでもない物を用意したんじゃないだろうな……はぁまったく」

 ~教室~
「ではさっさとやってさっさと終わるぞ。席に着け」
「うむ。ではそうするか」
「────ん?なんか聞き覚えのある声が……?」
「どうしたんですか?先生?(ニヤニヤ)」
「いや気のせいだ。あいつが此処にいるわ───」
「どうしたのだ坊主。さっさと始めんか(ニヤニヤ」
「──────は?らららライダー!!?な、なんでおまえがここ、え、え?」
「やったードッキリ大成功ですよイスカンダルさん!イエーイ(パチーン!)」
「わはははははは!おう坊主の弟子。見たかさっきの坊主の間抜けなツラ!(パチーン!)」
「は?は?意味が判らない。なんだコレはなんで何故ライダーが此処にいるんだよ!」
「SSスレとこのイスカンダルに不可能無し(キュピーン!」
「うおー超カッコイイですよ!!サ、サインよしてくださいサイン!!あと握手も!」
「おういいぞ。征服王いすかんだる。ここに征服完了、っと(カキカキ)」
「はぁ~超レアモノGETだぜっ!b」
「で、フラット説明して欲しいんだが?」
「ですから先生の誕生日のお祝いですよ。あと今回で講座SSが目標回数の6回に到達した記念も込めて」
「超特別ゲストに余が遥々張ったと言うわけだ」
「あ、これどうぞ征服王様用の来賓の席です。備品かっぱらって来たんですよ」
「お?坊主の教え子にしては気が利くな」
「王様に褒められましたよ俺!イヤッホゥ!」
「……で?フラット一応訊いておくが真意は何だ?」
「ですから先生。目標回数に一応到達したので今回で暫定的な最終回になるからですよ。
 このSS始めた辺りで完成してたのが確か皆鯖第十次前後で、お蔭様でそれなりに好評みたいでしたからせめて半分位はやりたいなーって。
 六パターンもあれば分析データとしては一応足りるかなぁとも思ってましたし。
 まあ時間があれば第七次分以降もやれたら良いなとは思いますけどとりあえずFateASの方がヤバいんで」
「やはり最終回は豪華にいかなくてはな。豪華さだけにかまけてあの金ぴかを呼ばなかっただけでも坊主の弟子は評価できるぞ」
「いや~ははは」
「───で、こいつがここに居るのか?」
「はい。先生も嬉しいでしょ!気を利かせたんですよ俺───熱うぅぅい!!葉巻!葉巻がオデコにっ!?先生それ灰皿じゃないです俺です俺!」
「ん?ああすまんすまん。ワザとだ(しかし、これは何というか………なんだこの授業参観状態は………)」
「ほれ坊主早く始めんか。身長は伸びとらん様だが中身はあの時よりはちょ~~っぴりは成長したんだろうな?ん~?(ニヤニヤニヤ」
「………ムッ………わかったいいぞ。では、第六次皆鯖の講義を始める」


「六次の面子はルノー・ド・モンドヴァン。ヴラド・ツェペシュ。トリスタン。アロンソ・キハーナ。自来也。ザッハーク。ソロモンだ。
 見ての通り大物から有名所にマイナー、さらにキワモノまで一通り揃っている泥沼戦線が六次の特徴だ」
「パラディンに円卓の騎士。串刺し公に魔術王に悪魔モドキに忍者とバイタリティ富んでますねぇ。誰が残ってもおかしくないです」
「坊主この面子の中でお前が一番注意している相手は誰だ?」
「それはライダーまたお前と組んだ場合の話か?」
「余以外のサーヴァントがどこに居るんだ」
「む、それもそうだな。………キャスターのソロモンだ。ライダーの対魔力とソロモンの能力を考えればなこいつが一番厄介だ」
「ふむふむ」


「じゃあ個別の解説に入る。アサシンの自来也からいくかな。
 自来也は高い気配遮断スキルを有しており皆鯖では真っ当なアサシンクラスの部類になる。
 こいつの最大の特徴は蝦蟇を媒介にした魔術を使う。『忍蝦蟇』という礼装を持っている為自来也が扱える魔術の種類は多様と言える」
「この人、アサシンクラスにしては結構万能な方ですよね」
「だな。アサシンの本家であるハサンに追随する気配遮断と忍法、それに妖術。幅広い戦術戦略が可能なため嘗めてかかると死ぬだろう」
「おまけに自来也の宝具は意外と使える。
 巨大な蝦蟇の幻想種に変化する『妙高仙道大妖蝦蟇』だが、背中にレンジ5~40の大砲、身体能力の強化や保護色による隠蔽の能力。
 そして最大の利点として『空蝉の術』と併用すれば一度だけなら倒されても死なないと言う保険を持っている。
 一時的に宝具を失うデメリットも大きいが、一度だけなら無事だと言う精神的な余裕は勝負所では大きなメリットになる」
「まあ死なんと判っておれば敵よりも一歩でも深く踏み込めるからな。このアサシン意外と強くないか坊主?」
「アサシンクラスにしては強いさ。総合的に見てもね。能力値も悪くないし、雷獣などの幻想種とも戦ってるから戦闘経験値も豊富だし」
「して坊主。肝心の攻略はどうする気だ?」
「まあ戦況にもよるけど僕ならこいつは出来るだけ早い内に潰しておく。
 いくら戦闘力に長けてると言っても流石に真っ向勝負をしかけてくるとも思えないからさ。
 自分の所に来たら絶対に逃がさすに返り討ちにする。
 来なかったら他のマスターを張ってそいつのところに現われた自来也を側面から叩いて潰す」
「なんだ坊主、意外なほどに積極的な方針だな?」
「自来也は放って置いたらこれと全く同じ事を自分にされるだろ。
 戦闘力に長けてる分、自分のサーヴァントが他のサーヴァントと戦闘してる場合に自来也に襲われたらその時点でその聖杯戦争は負けだ」
「難敵は倒される前に倒す、か。うむ坊主も中々戦いと言うものが判ってきたようだな!」
「……いいから次の奴に行くぞ」
「あれれ?先生照れてるんで────うぎゃ熱いっ!!!」


「次はライダー、アロンソ・キハーナ。まあドン・キホーテの方が通りはいいだろうな」
「性能の偏り方が半端じゃないですねこのドン・キホーテさん」
「まあ見ての通り英霊としての実力は下から数えた方が早いかもしれない」
「確かに英霊としてはそんなに強くはなかろうな。ステータス的に考えても」
「ライダーの持つ宝具『我、騎士道を邁進す』は補助系統の宝具だ。
 攻撃力は皆無だが英霊やマスターに対する撹乱能力がズバ抜けている。
 特に司令塔のマスターに対する撹乱が凄まじくマスターの性能透視能力が無効化されるどころか逆に仇になる」
「余はマスターでは無いからわからんのだが───実際にコレ食らうとどうなるんだ坊主?」
「普通のマスターならまずサーヴァントに与える指示や取る行動を間違えるんじゃないか?
 ステータスオールAに視えたり、場合によっては周辺物が幻想種に見えたりするタイプの宝具のようだし」
「あとスキルの『錆び付いた英雄譚』が意外に面倒なスキルだ」
「あの~先生……これ正直無敵なんじゃ?」
「私はそうでも無いと思うがな。……ライダーはどう思う?」
「余も厄介なスキルだとは思うが無敵とは思わんな」
「え?え?なんでですか二人とも!説明文読む限りじゃ無敵っぽいじゃないですか!」
「ではフラットお前に訊くが、これはいつの時代まで遡ればファンブル率が100%になるんだ?」
「あ……」
「まあそういうことだ。
 時代が古くなればなるほどアロンソに対してファンブル率が上がるが残念ながらアロンソではそこ止まりだ。
 アロンソの能力値が低い分、高い攻撃力や高い防御力を持つサーヴァントなら百発外しても一発当てられればそれで十分に勝算がある。
 特に中世辺りの英雄は錆び付いた英雄譚的に天敵だな。
 時代が半端な割には今次に居る円卓の騎士やパラディンの様なレベルの高い英雄がゴロゴロ居る」
「ガッデム!くそう!俺絶対にドン・キホーテは強いと思ったのにぃ!」
「いま言った通りアロンソは単体じゃまるで勝負にならん。
 何せ決め手になる攻撃力が全く無い。おまけに最高ランクの精神汚染まで持っている」
「うわーうわー!もう聞きたくないー!」
「だがそんなアロンソも運用法をちょっと変えるだけでとんでもなく化けるぞ?」
「キター!マスターVキター!!でその運営方法は!?」
「簡単だマスター同士で手を組めば良い。
 ただし絶対に裏切らない相棒を見繕わないと駄目だぞ?でないと最後の最後に裏切られるから。
 それか攻撃力に超特化したマスターがアロンソを召喚するかだ。
 まあこちらは少数派だな、サーヴァントすら害せる高火力マスターがそういるわけない」
「遠坂時臣さんや言峰綺礼さんがやったみたいな事ですよね?でもなんで手を組むんですか?」
「アロンソに決定的に足りないのは攻撃力だ。防御力の方はスキルと宝具で割りと低くはない。
 よってその足りない攻撃力を味方のマスターの従えるサーヴァントの力で補う。
 アロンソを前面に立たせ戦況を混乱化、錆び付いた英雄譚のファンブル能力を上手く使い敵の足止め、そしてもう一体のサーヴァントが敵を側面から叩いて潰す。
 ・・・ま、基本戦略としてはこんなところか?」
「まあ戦術としては妥当なところだな。では攻略の方はどうする?」
「強力な英雄ならば基本的に撹乱に惑わされずに真っ向勝負さえすればアロンソには勝てると思う。
 普通にやってもライダーが勝つだろうけどどうせなら最後まで残しておいて『王の軍勢』で蹂躙すれば良い。
 百発ミスするんならこっちは千発当ててやるさ」
「ほうほう(ニヤニヤ」
「な、なんだよっ!」


「ランサー、ウラド・ツェペシュの個別解説に入るが───」
「ブチ殺すぞヒューマン!!」
「エイィィィィイメンッ!!我らは神罰の地上代行者、殴っていいのは異教徒と化け物だけです」
「っておい危険なネタは止めろお前ら!!?大体ライダーお前どこでそんなネタを───」
「坊主の弟子にコレを借りた(某吸血鬼ドンパチ漫画」
「てへっ」
「フラットォライダーに妙なもん貸すなー!こいつが真似してロンドンに攻め込んできたらどうする気だ!!」
「ぶほっ!!(バキッ!)またぶたれた!?先生最近ドメスティックバイオレンス気味ですよ!」
「誰がDVだ!まったく……。さてこいつは彼の有名な吸血鬼ドラキュラなどの元ネタと言われる串刺し公だ。
 トルコ兵の串刺し山は日本でも有名だな。よって知名度による補正が貰えるかもしれん」
「肉体的性能は槍兵クラスにしてはそんなに高くは無いがその分精神的性能でカバーしとるな。結構バランスは良いぞ」
「あこらライダー、勝手に解説するなよ」
「ちょっとくらいいいだろうに」
「おほん。でウラドの保有スキルは『串刺しの杭』以外は宝具の補助をするスキルだ。
 先程触れた『串刺しの杭』はサーヴァントは恐らく無事だろうがマスターは要注意しろ。
 この手のスキルを持ってるサーヴァントと戦った場合マスターVSマスターの戦いに縺れ込まれて大抵負けるから」
「まぁ士気が激減しておるからな。どんな強者だろうと士気があまりに低くては勝てるもんも勝てん」
「………(なんか、なんだかんだと息ピッタリなんですがこの二人……)」
「さてウラドの宝具『餓え渇く飲血の領地』は夜間だけ使える血液を燃料とした吸血鬼の能力を再現する特殊能力だ。
 吸血能力を始め霧になったり蝙蝠に化けたり狼に変身したりと出来るが最大のポイントは復元呪詛が付く点だな。
 いくら死に難いサーヴァントと言えど流石に肉体の大半を戦闘で失えば消滅するのは間逃れない。……だよな?」
「うむ。流石に余も胸から下が全部無くなるような状態になれば消滅するな。
 そんな状態でもなんとか動けるのは戦闘続行スキル持ちくらいじゃないか?」
「へぇ地味だけど意外に使えるスキルだったんですね戦闘続行スキルって」
「まあAランクともなると霊核の心臓潰されてまだ抵抗できるレベルだからな。
 で話を戻すがその大半の肉体を失った状態からでも戦線復帰が可能になるのが『餓え渇く飲血の領地』の強みだ。
 また魔力ではなく血液を宝具の燃料にしているため魔力の無いヘロヘロの状態でもこの宝具は使えるのも利点だ。……とは言ってもその逆もあるが」
「そして『餓え渇く鮮血の粛杭』の方だが見ての通り使用する場所によっては無差別宝具にもなる非常に危険なシロモノだ。
 特にライダーやチンギスハンの様な軍団系宝具や巨大生物系の宝具を持つ英霊とは相性が悪い。
 これらの宝具が持つメリットがそのままデメリットとして自分たちに跳ね返るからな。
 おまけにこれだけの威力を誇っていながら燃費も良い。と言うより全体的にウラドは燃費が良く使いやすいな」
「う~むうむ。よし!では坊主よこのイスカンダルが問うてやろう。このウラド・ツェペシュ、貴様ならどう攻略する?」
「……。まず両者の性質は真っ向勝負型だ。ただ『王の軍勢』は『飢え渇く鮮血の粛杭』と相性があまり良くない数が数だから。
 それに『串刺しの杭』の存在も考慮すれば自然と答えは出るさ。
 僕も『神威の車輪』に乗って戦い、ウラドが宝具を使ってくればよりランクの高い『遙かなる蹂躙制覇』で応戦すれば僕たちの勝ちだ」
「ほう。うむうむ(ニヤニヤニヤ」
「だからなんなんだよさっきからおまえっ!!」


「次はバーサーカー、ザッハークをやる」
「こりゃまた凄いのが出てきとるな……マスター無しでも活動出来るバーサーカーとは」
「物凄く迷惑なサーヴァントですねザッハークさんって。能力値も高いから余計に」
「単独行動以外は特にこれと言ったスキルは無いな。予知スキルもバーサーカーでは有効には使えまい」
「一番の問題は宝具の『憑き纏う呪いの双蛇』だな。
 宝具性質上どう考えてもザッハークと言う怪物が聖杯戦争に紛れ込んだ──と言う構図にしかなりそうにない。
 だが宝具のランクがA+とかなり高いから下手なサーヴァントでは勝てんぞこれは」
「というか滅茶苦茶不釣合いな絵面ですよね。177cmの体にレンジ1~30もの双蛇が付いてるんですよ?
 本多忠勝さんと蜻蛉切以上の不釣合いぷりです!」
「しかし前々から思っていたんだがフラット。お前はどうでもいいような事ばかりに目が行くな?」
「そんなぁ褒めないでくださいよ照れますよ俺!!」
「全然褒めてないだろう!」
「まあこれ以上特に言うことは無い。実力のある英霊なら幻想種退治と同じ要領で倒せる筈だ」
「なあ坊主、正直こいつは貴様ならどうするよ?」
「普通なら放っておいて勝手に自滅するのを待つところだけど……性質が悪いからな。色んな意味で邪魔になるようなら倒すよ」
「倒す、か」
「そうだよ・・・」


「さて次はセイバー。ルノー・ド・モントヴァンでもやるか」
「もうセイバーがきたー!」
「まあ言わなくても判ると思うがこのルノー。まず変人で間違いない」
「なんで断言できるんですか?」
「怪人大国フランクの英雄だぞ?シャルルやローランと同じ王族の人間だぞ?
 テュルパン大司教でさえ結構微妙に変人?な気があるのにルノーがまともな訳ないだろう」
「先生が言うなら間違いないですね。なにせアレのローランさんがアレですし!」
「アレのローランがアレでなくてもローランは伝承からして元々アレだ」
「能力値とスキル共にランクの高いものが揃っており、アーチャークラスでもないのに単独行動をもってるのは良い。
 ただ伝承的に放っておくとフラフラとどこかに行きそうだからその辺は注意しておいたほうがいいぞ」
「本気で冬木の街で迷子にならないとも言い切れませんしねルノーさん……」
「シャルルズパラディンの三強の一角である以上、まず戦闘技能も非常に高いと言えるだろうな」
「しかも宝具『揺らめく焔天』は刀身に幻惑の効果があり、ルノーの通常戦闘力もあってかなりやり辛いはずだ。
 また真名の解放による宝具能力が地味に強い。
 突然剣の軌道が鞭の軌道に変わり、間合いが伸びる。その上、魔力値の低い者がまともに喰らえばその時点で燃え尽きて死ぬ。
 致死性の攻撃に加えて突然今までと攻撃のパターンがらりと変わるため、事前情報無しでは対応するのに苦労するのは間違いないな」
「まあセイバークラスである以上仕方が無いとは言え名馬『バヤール』は持っていないようだ」
「そんなに凄いんですかこの馬?」
「馬にしてはかなり凄いぞ?速い賢いタフな名馬でカタイの王女アンジェリカの居る国までルノーを案内することも出来る」
「フランス辺りから中国辺りまで……なんて馬だ…そう思いませんかイスカンダルさん?」
「余のブケファロスも負けてはおらんわ!して坊主、このセイバーはどう料理する?」
「お前に任せる」
「あん?」
「だからお前が好きな様にやればいいって言ってるの。このルノーは強力な英霊だ。小細工仕掛けても大して意味無い。
 特に与える指示も無い真っ向勝負になるんだからお前に任せて好きにやらせた方がマシだよ」
「…………ふむ」
「………ふん、次アーチャーだ」


「アーチャー、トリスタンだが能力値は筋力と敏捷が抜けているな。流石は円卓の騎士か」
「でもこの人アーチャーなのにルノーさんの単独行動スキルの方がランク高いってどうなんでしょうね?」
「私に訊くな。スキルは戦闘系が心眼(偽)と戦闘続行。非戦闘系が変装だ。
 自来也と言いトリスタンと言いウラドと言いなんで六次は化けるスキルを持つサーヴァントがこんなに居るんだ・・・」
「コスプレとかいうやつだな?」
「全然違うわ!」
「トリスタンは竜退治の逸話もある円卓の騎士の実力者なだけあって戦闘技能はかなり高い。
 所詮弓兵と嘗めて接近戦を挑みかかればまず返り討ちに遭うだろうな」
「武装は『無銘銀剣』と『弦歌幻奏』だな。
 銀剣はこれ程の一品なのに宝具じゃないのか・・・それともセイバークラス辺りで宝具化か?
 まあいい。トリスタンの宝具『弦歌幻奏』は無駄無しの弓などと呼ばれた必中の弓だ。
 アーチャークラス的に必中の弓は大して珍しくも無いが流石に矢が無い弓矢はそう無いだろうな」
「矢が無い、っていうのはどういう意味だ?」
「そのまんまだよ。この宝具は矢を弓で飛ばすんじゃなくて、弓で飛ばした物が矢になる宝具だ。
 要するに 剣 でも 矢 でも 水 でも 音 でも下手すると 概念 であっても矢として使える。
 おまけにこの『矢』は標的の直ぐ近くから突然現われる訳だからそりゃ嫌でも当たるよな」
「おい坊主こりゃどうすればいいんだ?」
「勘の良さが無いサーヴァントだと多分即死───かな?
 正直剣や矢の有形の矢はまだ何とか出来ても特に風や音なんかの無形の矢を有形物の間に挟まれたら対処しようが無い」
「はい!あのー先生、イスカンダルさんと一緒にこのトリスタンさんと戦うなら先生どうしますか?」
「お前もライダーと同じ事を訊くか?」
「余も今丁度同じ質問をしようとしたところだぞ」
「お前もか・・・・・・そうだな。『神威の車輪』だと御者台に居る僕が狙い打ちにされる可能性があるからリスクは高いけど『王の軍勢』をトリスタンに使うのも悪くないかもな」
「それはなんでまた?理由はあるんだろうな?」
「ライダーはランクの高い直感系スキルは持ってないだろ。だったら一人で駄目なら兵みんなで王駒を守らせる。
 幸い『弦歌幻奏』対人宝具だから初撃さえ凌げれば勝てる」
「はー!なるほど!みんなで死角を無くす訳ですね?」
「うん、まあそんなところ」


「そして最後がキャスター、ソロモンだ」
「この人、人気ありますよね。今でも話題になりますし、まあ良い話題なのかどうかは別として」
「さてこのソロモンだが、能力値は完全にキャスタークラスのものだが、スキルと宝具がかなり恵まれている。
 神殿を上回る大神殿の設置と魔術を行使出来る魔術書などの概念武装の製作。それに神授の叡智などがある」
「なんかインテリ系スキルっぽいですね」
「さて宝具に入るが『神約の指環』は『破壊すべき全ての符』と同系統の宝具だが神霊クラスでもいけるため正直あれよりヤバい。
 まあ問題は刺すまでのプロセスなんだがキャスタークラスであると言うのを考慮すれば出来ないことは無い」
「メディアさんも手を尽くして刺せましたしね」
「で次に『七十二の鍵符』だがこれもまた使い勝手抜群だな。
 自分でも七十二柱の魔術が使え他人でも使え魔力が無くても生命力で代用出来るか」
「先生!七十二柱の魔術ってどんなのですか!?」
「七十二種類も書けるか!自分で調べろ!と言いたいところだが生徒が調べたものがあるからいくつか紹介しよう。
 空間転移、未来予測、思考読取、動物変身、死体操作、視聴覚の剥奪、地震、毒、天候操作、使い魔賃貸
 物資調達、流体操作、植物操作、炎、ワイン製造、金属の黄金変化、精神操作、索敵・探査、交霊、
 ベホマ、ラピュタの雷などがある」
「最後の二つなんですか!!?」
「知らんのか坊主の弟子?ベホマはHPが全快する魔術、ラピュタの雷はラピュタ王の宝具だぞ。本当に知らんのか?勿体無い」
「何で知ってるんですかイスカンダルさん?!」
「そして最後が『七十二の鍵符』を建造物に使う事で真価を発揮する『王の神殿』だ。
 これは多分キャスタークラスでも最高の防衛力を誇る宝具だな。
 内部の異界化、神殿内での七十二柱の魔術行使、おまけに維持費は自作の外部電源による供給。
 おまけに透明化、空中浮遊、水中潜行、空間転移などが出来る移動要塞にもなるときてる。
 アン・ズォン・ウォンの要塞もかなり堅いがこれはもっと堅いぞ。なんなんだこの鉄壁の守りは?」
「おい坊主、これ外部から破壊するんなら同ランクの対城クラスの宝具でも持って来ないとまず完全破壊は無理じゃないか?」
「うん。僕も同意見だ・・・・・・」

「さてと、さらにふざけた事にソロモンである以上は七十二柱な訳だが」
「ま、まさか!」
「魔力量さえあれば悪魔の本体が来る可能性がどうやっても否定できないな」
「ひぃぃぃいいい!七十二体の悪魔の軍勢がぁぁぁあ!!カッコイイ!!」
「むむ余と同じく軍勢とは生意気な!」
「あ、いや盛り上がってるところ悪いが七十二体はまず確実に無理だぞ」
「え、なぜです?」
「うむ説明しろ坊主」
「冬木の聖杯が集めた50年分の魔力量でも召喚できる人数が英霊七体分だからだ。しかもクラスに当て嵌めると言う条件下で。
 この悪魔達は元神霊らしいから堕ちたこいつらのランクを神霊のワンランク下の精霊と仮定した場合でも英霊と同格。
 つまり超単純な計算をしても50年分のマナで精霊七体分しか呼べんと言うことになる。
 とてもじゃないが七十二体分の魔力量を冬木で用意するなんて理論上不可能だ」
「てことは」
「どう見積もっても一、二体が限界だろう。おまけに他にも魔力は必要になるんだ。
 無駄に数を揃えるよりは要所要所で上手く使った方が良い。
 と言うかな、私見だが正直悪魔の魔術が使える時点で本体にそうそう用は無いと思うぞ?」
「う…まあ確かにそうですね」
「正直微妙な悪魔を大量に召喚して現界維持にヒイヒイ言うくらいならいっそ強い悪魔に的を絞って一体召喚した方が全然効率が良い。まあこんなところかな?」
「おっと待て坊主!では一番訊きたかったソロモンの攻略法だ。・・・・・・さあ答えてみろ坊主?」
「・・・・・・そうだな、まずソロモンだけどこいつは『神約の指環』があるから最後まで残しておくのは不味い。
 あんまりタラタラやってたらいつの間にか他のサーヴァントがこいつの手に堕ちてる可能性があるから。
 だからソロモンの正体に見極めが付いたら真っ先に潰しておいた方がいいと思う」
「ふむそれで?」
「それで・・・一番ベストは『王の神殿』を作り上げられる前に倒す事だけどそんな都合良く行くわけが無い。だから・・・」
「だから、どうするんだ坊主」
「だから『王の神殿』に真正面から乗り込んで攻略する。征服王の軍勢と共に」
「・・・・・・」
「フ、フン!ここまで高レベルの敵との戦いになると戦略なんて無意味に近いんだ。自分たちが相手より強いか弱いかの勝負さ」
「・・・・・・・・・」
「────。最後に総評だがどれを選んでも良い。
 マスターとサーヴァントの相性さえ見誤らなければ全員に勝ち残れるチャンスがある。
 よってマスターと相性最高の相手を選ぶと良い。─────今日はこれまでだ。解散」
「あ、先生!」
「おい坊主!」


 ~廊下~

「おい坊主!ちょっと待たぬか」
「・・・・・・・・・(カツカツカツ!)」
「こら坊主と言っとるだろうが!」
「・・・・・・・・・・・・(カツカツカツ)」
「待て。ウェイバーよ」
「───っ!な、なんだよっ!」
「一言貴様に言っておくことがある」
「・・・・・・・・・・・・なにを、だよ?」
「先の講義、実に見事であった。各サーヴァントの攻略法。
 特にソロモン戦の際の貴様の意気込みは昔の貴様とは違う気概を感じたぞ。成長したなウェイバー」
「ううう、煩いな!べ、別にお前のために一人前になったんじゃない!」
「なにぃ!?貴様それが王に対する態度か!」
「僕は・・・・・・僕は偉大な征服王の家臣として恥ずかしくない力を身に付けてるだけだ!
 だからお前のためじゃない。自分のためにやってるんだ!」
「ふむ──そうか」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「あ、あのさ」
「ん?なんだ?」
「僕の部屋に、昔お前が買ってきたようなゲームが・・・色々とあるんだけどさ。ちょっと対戦、しないか?」
「・・・どういう心境の変化だ坊主?」
「ち、違う!聖杯戦争の後に折角だからもっと見聞を広げようと思って色々やってみたらたまたま面白かっただけだ!
 だだ大体お前が僕の金で買ってきたものなんだから僕にだってプレイする権利はあるだろう!」
「はっはっはっは!しかしこの征服王にアドミラブル大戦略で挑んで来るとはな!」
「結構プレイして練習したんだ、今ならお前相手でも結構やれるさ」
「ふむいいだろう。よし!ではやるぞウェイバー」
「ああ!絶対に驚かせてやるから見てろ!」

「あれれ~?なんか先生がいつの間にかウェイバーハートフルENDに到達しちゃいましたよ?」
「まあいいか。さて今回で『マスターV教授(+フラット君)のサーヴァント講座』はこれにて修了です!皆さんお疲れ様でした!」

「それではマスターのみんなバイバーイ!」



~Good End~