それはある晴れた日の午後のこと。
 ポイヤウンペはコンビニで買ったバリバリ君を食べながら、衛宮邸へ向かっていた。
ポイヤン「うぅ~冷える冷えるー。こういう日にアイスってのも乙なもんだよなー」
ヤマタケ「…む」
ポイヤン「げ…」
ヤマタケ「人の顔を見るなり、ご挨拶なものだな。これだから未開の蛮人は…。躾がなっていない」
ポイヤン「けっ。野蛮な侵略者がなーにを偉そうに。
     まー、てめーらみたいな蛮族にゃ、誇り高きアイヌの伝統の素晴らしさなんて理解できないんだろうな」
ヤマタケ「ほう。寒い日にアイスを食べることが、貴様らの伝統なのか?
     なるほど。蛮人は我慢大会が好き、と。体に悪いことを平気でするあたり、思慮が足りないな」
ポイヤン「…俺の時代にアイスなんてあるわけねーだろ。バカかお前」
ヤマタケ「蛮人には難解すぎる皮肉だったか」
ポイヤン「いちいちムカツくオカマだな、てめーは。…ん?そのチラシ何だ?」
ヤマタケ「なぜ貴様に教えなければならな…ってこら、勝手に見るな!これだから蛮人は…」
ポイヤン「へー、温泉か。いいねぇ、温泉。寒い日は温泉で、熱い酒に限るよなー」
ヤマタケ「ほう、貴様のような蛮人でも温泉のよさは理解できるか。
    …温泉はいい。日本人の心の故郷だ」
ポイヤン「よっし、そのヴァルハラ温泉とやらに行ってみるか」
ヤマタケ「待て貴様!温泉には私が行こうとしていたんだ。貴様は来るな、汚らわしい」
ポイヤン「おいおい、何言ってるワケ?…早いもんがちだろーが!」


弁慶「この橋は通さぬで候」
ポイヤン「どけやデカブツ。交通の邪魔だ」
ヤマタケ「…これが私と同じ民族なのか。頭の痛い話だ」
弁慶「通りたくば、刀を置いてゆくがよい。さすれば、この冬木大橋を通ることも許そう」
ポイヤン「おいおい、お前んとこの民族にはケッタイな奴がいんだな。何考えてるんだよアレ」
ヤマタケ「私が知るわけないだろう、アホ。……おい鉄人、何を思って刀集めを再開している」
弁慶「生前、刀を999本揃えたとき、拙僧は義経公と出会った。彼こそが、我が千本目の刀であったのだ。
    故に!現世にて刀を999本集めれば、再び千本目の刀、即ち義経公に会えるはず!
    故に再び刀狩をして候」
ポイヤン「うん、お前がバカだってのはわかった。オカマの民族はバカばっかりだな」
ヤマタケ「一本の木を見ただけで、森全体が推し量れるわけがあるまい。これだから蛮族は。
     我が民族がバカなのではない。アレがバカなだけだ」
弁慶「さぁ、さぁさぁさぁ!刀を置いてゆくがよい!」
ポイヤン「つか、現世で刀999本集めるって、聖杯戦争勝ち抜くよりもムリじゃね?」
ヤマタケ「刀を持っているのは英霊くらいだろうが…。己の得物を置いていくような者がいるのか?」
弁慶「ちなみに、源頼政殿は脊髄反射で刀を差し出して候」
ヤマタケ「…アイツには英霊としての誇りがないのか」
ポイヤン「お前んとこの民族って、ほんっとーにロクなのいねーな」
ヤマタケ「くっ…武蔵坊弁慶!我が民族の恥をさらしたこと、万死に値する!その首、切り落としてくれる!」
ポイヤン「えー。それって割と八つ当たりじゃね?まーでも、この橋渡るためにゃ、アイツを片付けるしかねーか」
弁慶「ぬぅ、来るか。ならば貴様らを倒し、その刀を奪うまで。
    我が『悲願千本太刀』の礎となるがよい!!」


ヤマタケ「温泉はこの森のどこかにあるのか…おいチビスケ。ついてくるな、帰れ」
ポイヤン「は?早いものがちって言っただろーが。つーか、お前が帰れよオカマ野郎」
ヤマタケ「…やるか?」
ポイヤン「手加減しねーぞ?」
熊太郎「クマー(あのー、ここで喧嘩しないでくれます?)
     クマクマ(周囲への被害が尋常じゃないんで)」
ヤマタケ「…!!?」
ポイヤン「…な!?」
熊太郎「クマー?(あれ、どうかしました?)」
金太郎「なんか二人とも固まっちまったぞ?」
ヤマタケ「(…まさか、私が討ちもらした山神か?)」
ポイヤン「(こんな強力なカムイがいるたー、おどろいたぜ…)」
金太郎「なんか、すっげー睨まれてるぞ熊太郎」
熊太郎「ク、クマー(うぅ、激しく嫌な予感…)」
ヤマタケ「ふふ、久しぶりに神殺しの血が騒ぐ…!!」
ポイヤン「カムイを恐れるようじゃ、ポイヤウンペは名乗れねー、よな?」
金太郎「お、戦いか?ワクワクしてきたぞ!」
熊太郎「クマー!?(うわー、なんでー!?)」


ヤマタケ「だから、貴様は入るな!温泉が汚れてしまうだろう!!」
ポイヤン「んなわけねーだろが。つーか、てめぇこそ入るなよ。くつろげねーだろが」
ヤマタケ「ここで闘ったら、温泉に被害が…くそっ!父上、私はどうすれば…?」
ポイヤン「お、隙あり!ははは、温泉一番乗り~!」
ヤマタケ「あ、こら待て!」
熊太郎「クマー(仲良く入ればいいのに)」
二人「「絶対ムリ」」
舜天「は~。いいお湯ですね」
二人「「って先客いるし!?」」