中盤から、ああきっと病気なんて、大したこと無いんだろうなって思うのだけど、もうそんなの初めからどうでもよくって、ただ「5時から7時までのクレオ」を映しているんだ、そんな映画なんだって妙に納得。「元祖女の子映画」なんてTUTAYAの「うたい文句」にはあったが、ちょっと大柄だし、女の子って言うには若くない気もしたけど、不安定な行動や、突然真剣に歌い出し、そうかと思えば罵倒し、気付けばランデブーって、やっぱり「虚ろぎ」な女の子っぷりであった。
パリのシャンソン歌手、クレオは自分が病気ではないかと不安に駆り立てられている。現在時刻は5時。彼女は自分が病気か否か、7時に病院から診断結果が出されるを待つ。そんな映画。
字幕で「5時13分から5時18分までのクレオ・・」などと場面が変わる度に出てくる。時間軸もほぼ現実の進み具合と同じ。これだけ並べると何とも実験的映画という感じだが、「あたり」はいたって軽い。それがまた楽しんでいるようで、素人っぽくって良いのだ。そしてパリを車で走るシーン。おもむろに街を行く人々がドキュメント的に映し出される。紛れもない現実の中を映画が突っ走っている臨場感がある。
様々に凝らした演出のディテールをかいくぐり、ちょっと物足りない気もするエンディング。だが「刻一刻」と移り変わっていくクレオの姿、それを感じ取るのがこの映画の楽しみ、そして魅力の全てだ。・・ミシェル・ルグランの歌にはちょっとジーンと来てしまった。
2002.07.22k.m
カテゴリー-映画
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