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家路


  • 監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
  • 脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ
  • 出演者:ミシェル・ピコリ 、カトリーヌ・ドヌーヴ 、ジョン・マルコビッチ

冒頭、劇中演じる主人公の芝居のシーンが20分くらい続く。ただすでに違うドラマがはじまっていることを匂わせている。画面が捉えている「絵」とは違うところで進んでいくシーンの多い映画だ。靴を映しながら主人公とその友人が語り続けたり、芝居を見つめる監督の姿を映しながら、背景でセリフが続いたり。

今起こっている出来事を、同時に一歩手前で客観的に見ることを強いる画面。映画という時点で既に客観的でもあるのだろうが、見ている側は入り込んでしまうために、それがフィクションであることを意識の奥へ追いやってしまう。

けれど、結果的に違う絵を写し出されてしまったため、正面を向いている以上に気になってしまう。セリフへ込められた感情や文脈をリアルな「絵」を見る以上に感じ取ろうとしてしまう。

そもそも説明的なシーンの排除は、この映画全体を支配している「家族の不在」からはじまっている。冒頭に事故を知らせる会話があったきり、なんの補足もなくその後の日常へ続いている。それは時間を写し出す映画ならではの手法のように思えた。

物語が起きて、事件があって、回想シーンがあって、クライマックスがあって。そんな風にうまく場面をつないで行くばかりが映画ではなくって、時間の経過だけを執拗に追いかけるような、時間だけが止まらずに移っていくことを知らせるような、そんなことを感じさせる作品もあるし、とても充実した気分を与えてもくれる。2006-05-06/k.m

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カテゴリー-映画