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映画に愛をこめて-アメリカの夜


  • 音楽:ジョルジュ・ドルリュー
  • 監督:フランソワ・トリュフォー
  • 出演:フランソワ・トリュフォー/ジャクリーン・ビセット/ジャン・ピエール・レオー/ジャクリーン・ビセット/ジャン・ピエール・オーモン
  • 117分/カラー/

映画を作る現場を描いた劇中劇。

トリュフォー自ら監督役として出演。現場の空気が臨場感をもって伝わってくる。同時に、「作られたもの」というフィクションを通して作家が伝えたい真実、役者の表現にむかう姿勢なども描かれている。このような人文的・内面的な側面を見せつつ、実際に大勢が集まって一つのことをまとめあげるその生な感覚、合宿という閉じた場所と、セット撮影の閉じた世界が微妙にリンクしていること、そしてなによりもフィクションの流れを掴むことへ向かった大勢が、同じ環境のなかでそれぞれに順応していく様が面白い。

演技以外の場面でも常に演技的な振る舞いを絶やさない大女優。孤独さと自意識の高さが空間を支配していく存在だ。あるいは公私混同というよりも、「私」のなかからわずかに「公」の演技を抽出しているかのような俳優。スタッフはこの閉じた世界で、一定のテンションを保ち続ける事が何よりも重要な使命であるようだ。

スクリーンへ映し出された映像を頂点として、背後に幾つもの「別のドラマ」が展開している。この映画はそのどれもにヒエラルキーがなく、同時多発的に繰り広げられている様子がレイヤーのように重なっている。まるで見ている側の混乱を狙うかの一方で、目的へと向かう視覚・意識をしっかりと計算もされているようだ。まさにこちらが監督になったような判断力をも試されているかのように。

時折挿入される恋愛劇の一場面が、トリュフォーならではの軽やかさがあって心地よい。最後に笑いながら解散していくスタッフ達に名残惜しさすら感じてしまう。感受性豊かな彼ら自身が、何より映画という輪を通して、その閉鎖的な環境と、そこから生まれていく変えがたい愛情の絆を確認しあってもいる場面なのだから。2003.07.13/k.m


カテゴリー-映画


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