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陰翳礼讃

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  • 谷崎潤一郎
  • 中公文庫

谷崎の作品。きっとその昔は当たり前だったであろう日本の美的感覚について。それらは今日、日本人ですらオリエンタリズム的な目で見てしまう感性ではないか。

部屋の隅に闇を感じさせることへ、美しさではなく、不透明で不安な気持ちを抱く思いの方が多いかもしれません。ここに描かれていることを「和」のキーワードとして使用する日本人って、谷崎の目から見てどうなのでしょうか。土着的、風土的感性、もののあわれ、無常観。今日の日本人的感性にしっくりくる言葉はなんでしょう?


「つまり、一と口に云うと、西洋の方は順当な方向を辿って今日に到達したのであり、我等の方は、優秀な文明に逢着してそれを取り入れざるを得なかった代わりに、過去数千年来発展し来った進路とは違った方向へ歩み出すようになった、そこからいろいろな故障や不便が起こっていると思われる。」


すでにこの文章が書かれてから60年以上の時間が過ぎている。 谷崎が懸念した、日本人の目指した方向は依然変わらず、現在世界は、グローバルスタンダードというアメリカ型経済至上主義の市場原理に支配されている。 経済が世界の注目をあつめ、なおいっそうアメリカ型社会への変更を迫られている。

決して美的感覚が、経済とは関係あるとは思えないが、政治を見ると、日本人的感性すら否定されている様に思える。 順当に進んだ西欧の文明と違い、それを取り入れる運命を辿ってきた日本にとって、なにを守り、なにを学ぶかをもっと真剣に考えていく姿勢を、谷崎の様な視点から与えられるのではないか?99.09.12/k.m


カテゴリーエッセイ