これ以上ない栄光を手にした人間が味わう孤独とは。映画を見ることでかなえられる最上の悲劇。こうして自分のことのように味わえる破滅的な感情とは、誰にでも「わずかにでも」ある気持ちの延長を指しているからだろうか。
だとすればその普遍さを表現しうる役者のエネルギーとは、まるで万人の悲劇を背負ってしまったかのように果てしないものに思える。
話の顛末にはそれほど心をうたれることはなかったけど、ベット・ミドラーの演技と歌声にはただ驚愕の思いで、それは神を畏れるといったような、どこか遠くの対象に抱く感覚だ。2006-05-03/k.m
カテゴリー-映画