二人が実際の夫婦になってしまったのも関係ないわけじゃないけど。結局手の込んだ夫婦喧嘩じゃん。そんな感想でもいいかと思った。
仮にラストの壮絶さの中で血まみれになって二人が抱き合うように死んでいったとすれば、蜂の巣になったウォーレン・ベイテイとフェイ・ダナウェイの『俺たちに明日はない』に匹敵する映画になっていたかもしれない。
けれど今の時代、ハリウッドにそんなリスキー・エンディングは不可能だ。まるで何事もなかったかのように微笑みあう「勝ち組夫婦」の小さな倦怠を埋めるべく付き合わされている高級カウンセリングでちゃんちゃんだ。
もちろん、そんな映画が嫌いなわけではない。まるで失神寸前な興奮の先にちょっと安心すらもらって、日常にほどよく着地させてくれる。なんて気の利いた時間、ありがとう!と言いたい。
この映画のおかげでハリウッドスター夫婦誕生に立ち会えたように、親密な気分すら抱きそうだ。ところで二人の住んでいた住宅のインテリアが気になった。パウダー・カウンターとドレス・ルームに同じような照明付ミラーがあった。あれは既製品かな?。2006-04-15/k.m
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