マイノリティ・リポート



先行オールナイトで見てきました。久々の大作をそれも一足早く!。これってMI2以来だろうか・・。そうか、トムクルーズ好き?ってことかもしれない。

2054年、ワシントンDC。テクノロジーの発達により犯罪は予知され犯罪者は犯行前に逮捕されるという話し。フィリップ・K・ディックの原作は読んだことないし、クレジット出るまで知りもしなかったのだが、この映画の素晴らしさは、やはり原作に因るところも大きいのだろう。もちろんそれを映像化し、自らのメッセージを込めたスピルバーグはもっとすごい!。とまあ誰がすごいかなど、もう分からないくらいな大作なのだが。

「犯罪予知システム」という割に、それを担っている根本が余りにも繊細で痛々しい存在だ。この現実(映画の中の)にはちょっとショックだった。そして描かれている近未来の姿にもショックを受けた。これらの衝撃は、SF映画が「新たな領域」に踏み込んでしまったことを表しているのかもしれない。。

今まで見て来たSF映画には、近未来といえどもそれがなにか「おとぎ話」のようで、「今現在」と「描かれている世界」との連続性が見い出せないものが多かった。また逆に、連続出来ているものには、さほど驚かされるシーンの少ない「単なる意匠」としてのSFを感じた。けれどこの作品がそれらと大きく異なっているのは、描かれている世界が実に「すぐそこまで」来ているという連続感と、絶対に近づきたくない、あるいは見たくはない極端な世界としても描かれているということ。そこには、現実を「越えた」リアリティーとして表現されて来たSFの世界を、どこか裏切っているような衝撃がある。

もちろんここ数年ITが驚異的に進歩してきたという流れが、すでにSFの想像力に迫って来ているのだという実感がある。そしてさらに、CGを初めとするテクノロジーによって「描きうる領域」も驚異的に進んでしまった。この両者ゆえに、映画の中でそれらが未来を描いているのだという実感すら得られないままに、現実の延長となって現前してしまうのだ。この映画が衝撃的なのは、もうこの悲劇がすぐそばまで来ていて、じつはその発端がはじまっているのだと思えてしまうことにある。。

登場する人物達の痛々しさは、ある意味いま現在の僕らと確実に連続している。それらはデフォルメされた現実でも、ヴァーチャルなものでもなく、すぐそばの世界を描いているようにも見えてしまうのだった。2002.12.01k.m


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最終更新:2008年04月11日 08:09