『ラン・ローラ・ラン』と『メメント』を足したような映画。前半はなかなか魅惑的な描き方でよかった。けれどテンポ良く進みだしたあたりから微妙な空気を感じた。
主人公は何度も記憶を書き換える行為をおこなっていった。理想郷を求める使命を果たすかのように。確かにあの状況であれば可能な限りチャレンジするだろう。けれど観ている側の印象としては、身体的リスクや未来を変えることの重大さからは遠のいていくばかりだ。
つまり簡単な行為に感じてしまう。これは非現実的な行為という意外性を失うことと、神学的な慣習を裏切る意味で2重に危なっかしい演出だと思う。おかげで最後には、ご都合主義のB級SF映画くらいにしか思えなかった。2006-07-02/k.m
カテゴリー-映画