ドストエフスキー以後、文学者がキリストに向かうにはドスト氏を避けて通れないという意味では、確かにパゾリーニの作品にはドスト氏の影響は大きく深いものがあると思います。が、わたしは、ドストエフスキー文学のもうひとつの特徴である「青年の問題」、すなわち、若い世代が混乱の同時代に深くコミットして悲劇的な物語を辿る、そのモチーフもパゾリーニ作品に色濃いような気もしています。(リンク元)
デカメロンをみる。 中世の作家ボッカッチョの有名な小説を原作にした7つの物語に、パゾリーニ自身が出演するエピソードを含む2つのオリジナルの挿話を加えた、9つの話からなるオムニバス形式の作品。
パゾリーニの後期を代表する“生の三部作”の最初の一本らしい。短編の連続で、テンポが良くオチもついてて結構楽しい。
しかしやたらとモザイクがおおいのには驚いた。 「性」がテーマなのだろうけど・・・ でもそれはかえって素朴な人間像と言うか、ドキュメントっぽさにもつながっていたが。
7つの物語というフィクションだが、どれも人間の断片をかいま見ている様な感じだ。 集落の、自然に溶け込んだ風景と共に、そこに描かれた人間の風景がかさなって流れてゆくようだった。99.08.07/k.m
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