いかにもマンガっぽいつくりだ。それでもパートカラーの小洒落た映像と、ハードボイルドなモノローグで、きっちりまとめている。その律儀さが、ちょっと鼻につく感じだけど。それなりに面白い。
でも。そろそろこういった近未来SFモノには飽きてきた。何がダメという訳ではないけれど、逆にどこがスゴイとも言いがたい。当たり障りのない出来映えが、既視感を拭えない。それだけ現実のほうがグロテスクでエゲツナイし、テクノロジーも描かれるより先にエキサイティングなニュースばかりだ。
それに、これほど「ブログ」というテキスト路線でインターネット文化が進んでいるのに、未だにその方向性できっちり描いたSF映画がないように思う。絵として地味になるかもしれないけど、そうでもない気もする。
ある程度のリアルがないとSFは面白くない。バイオレンスやアクションで驚く時代は終わったのではないか。もっとナイーブでグレーでネガティブな面白みを必要とされているように思う。なんか暗そうだけど・・。2007-08-06m
カテゴリー-映画