アカルイミライ


  • 2002日本/アップリンク
  • 監督・脚本:黒沢清
  • 出演:オダギリジョー/浅野忠信/藤竜也/笹野高史/白石マル美/りょう/小山田サユリ

「ニンゲン合格」を見て以来、黒沢映画にすっかり魅了され、どんな作品であろうと「とりあえず」見ておきたい衝動に駆られている(とは言え過去の作品すべては見きれていないけれど・・)。そんな準備が出来ているために公平な判断などできるはずも無いが、やはり今回も素晴らしかった。

どこが良いのか例によってあまり表現できない。それは中原昌也の言い難さにも通じる。ただ依然として監督の作品には断然が描かれている。不可解なまでにその存在自体をあっけらかんと描く。オダギリジョーの演技は十分にはまっていた。浅野忠信も分からない人間だった。もちろん殺されたオヤジにも不可解さはある。世代の断絶があるとすればやはり両方にある。オヤジも何か云いたそうだった。だた年齢を重ねた分だけ、自分の不可解さに対して思考停止された部分が大きすぎただけだ。

大人が何か分かったようなことを言う。それは自身に言い聞かせているだけであって、不可解なものは何も無くなっていない。そしてほとんどの理解とは思考停止でもある。何かを区別することが、そのまま差別を生んでいるように。この現実はやり切れないものを生み、何処かに蓄積しているのだ。それが世代間に漂う運動であるとも言える。


追記トーク/2003.02.11

k.m :「黒沢=不可解な恐怖」という記号になっているので、浅野忠信の演技が妙にはまっていました。

i.m:浅野忠信が、いろいろな監督の作品に出演しているのも、単なる彼の人気に拠るところではなく、あの独特の雰囲気なんでしょうね。

k.m :それとエンディングの曲、なんていったっけ?。あれが流れたらなんかよく分からないけれどジーンときましたよ。そのまえに、オダギリジョーが「行け!のサイン出てたのになにやってたんだろう」ってすごく晴れやかな表情で言ってたのがまた浮かんできたりして・・。最初にあのセリフ聞いたときは、なんかやらかすのか?ってちょっとコワイ気もしたんだけど。

i.m:THE BACK HORNというバンドですね。とても印象に残る主題歌でした。映像と合っていたんでしょうね。

k.m :ところで途中近所(笹塚)のリサイクルショップが登場してきたんで驚きました。

i.m:いや〜、これは笹塚住民としては、単純にうれしかった!ちなみに、もう一ヶ所、藤竜也が軽トラを路駐して、電話をかけているシーンも近所でした。(ミーハー丸出しっ!)

k.m:エンデジングにはやられたって感じです。じわじわと終わってくあの少年たちが街を歩くシーン。決してあそこにアカルイミライを見れるわけではないところがまた良い?。のでは。

i.m:う〜ん、黒沢清監督らしい観客への投げかけだなぁ〜、などと思いました。個人的には、いろいろと考えられて、好きなパターンです。アカルイミライとなるのかどうかは、未来だけに分からない。現在は曖昧な状態。ただ、明るくあって欲しいし、それは少年に託されているって、ところですかね。(うまく表現できなくて、すみません)

2003.02.01 k.m


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  • ぷつぷ>私も2月まで笹塚に住んでいたので、偶然このDVDであのリサイクルショップを観て「おおーーー!」と驚きました。「アカルイミライ」、とても好きな作品です!2003-08-21 (木) 02:14:09
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    カテゴリー-映画笹塚

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最終更新:2008年04月11日 08:01