「らき☆すた 第X話 あるいはこんな日常」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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あるところに、強い愛で結ばれた二人の少女がいた。
悲惨な物語の中で命を落とした少女達は、死者の世界で蜜月の時を過ごした。
しかし、やがて転生の時がやってきた。生まれ変わってもまた愛し合おうと誓い、二人は新たな世界へ旅立った。
◇ ◇ ◇
――とある世界の日本・埼玉県――
私、枢木かがみには、小さい頃から何度も見ている夢がある。
それは、おぞましい殺人ゲームの夢。それだけなら、その夢はただの悪夢でしかなかっただろう。
でもその夢に必ず出てくる一人の少女が、悪夢を悪夢でなくさせていた。
彼女は私より一回りも二回りも小さい体で、青い髪を膝の辺りまで伸ばしていた。
そして、よく気の抜けたような笑みを浮かべていた。
以前この話を友人に聞かせたら、「ロリスキー」というありがたくないあだ名をもらってしまった。
そりゃ確かに私は男より女が好きだけど、特にロリコンってわけじゃないのに……。
◇ ◇ ◇
高2の夏休みは、特にドラマティックな出来事もなく過ぎていった。今日からはまた、学校生活が始まる。
廊下で妹と別れて教室に入り、久々に会うクラスメイトと他愛もない会話をする。これまでと何ら変わらない、普通の学校生活だ。
やがて先生が入ってきて、HRが始まる。
「おーっす、みんな! 楽しい夏休みは過ごせたかー?」
八重歯を輝かせながら、いつも通りのフランクな口調で先生が話し始める。
「これから始業式やけど、その前に転校生がうちのクラスに入ることになったから紹介しておくでー。」
転校生。
そのフレーズを聞いて、なぜだか私の心がざわめく。
「ほんなら、入ってきてええぞー。」
先生に促され、転校生が教室に入ってくる。
それは、青い髪を膝の辺りまで伸ばした、小柄な女の子だった。
「!」
私は、大声を出しそうになるのを必死でこらえていた。
なんていったって、いつも夢に出てくる女の子とそっくりの人が現実で目の前にいるのだ。大声を出しそうになったって無理はないじゃないか。
そんな私の事情など知るよしもなく、先生は話を進める。
「こいつが転校生の赤戸や。んじゃ、自己紹介でもやってもらおうか。」
「はい。」
微笑を浮かべ、赤戸という苗字らしい転校生は自己紹介を始める。
「初めまして。大阪から来ました赤戸こなたです。
地理が得意なので、向こうでは『地図ちゃん』なんてあだ名で呼ばれてました。
これからよろしくお願いします。」
しゃべり終えて、頭を軽く下げる赤戸さん。直後に、教室中から歓迎の拍手が巻き起こる。
「あー、みんな仲良うしたりや。
始業式終わったら席替えするけど、とりあえず今だけ赤戸は一番後ろの空いてる席に座っといてくれ。」
「わかりました。」
先生の指定した席に向かって、赤戸さんはとてとてと歩き出す。結果として、私に接近してくるわけで……。
まずい、どうしよう。心臓がものすごいバクバクいってる。たぶん、顔も真っ赤になってるだろう。
あーもう、赤戸さんに変な人だと思われちゃうかも……。
私が一人でパニックに陥っていると、赤戸さんが私のすぐ横で足を止めた。
げっ、本当に変な人だと思われた?
おそるおそる、私は赤戸さんの顔をのぞき込んだ。
赤戸さんは、笑っていた。でもその目元には、なぜかうっすらと涙がにじんでいた。
「やっと会えたね、クーちゃん。」
私にしか聞こえないようなかすかな声で、赤戸さんはそう呟いた。
「ちぃ……ちゃん……?」
THE END(?)
|304:[[仮面ライダー 希望2008]]|投下順に読む|:[[]]|
|304:[[仮面ライダー 希望2008]]|時系列順に読む|:[[]]|
|300:[[GAME OVER]]|地球破壊爆弾No.V-7||
|300:[[EXフィルム パヤパヤを求めて☆]]|クールなロリスキー||
あるところに、強い愛で結ばれた二人の少女がいた。
悲惨な物語の中で命を落とした少女達は、死者の世界で蜜月の時を過ごした。
しかし、やがて転生の時がやってきた。生まれ変わってもまた愛し合おうと誓い、二人は新たな世界へ旅立った。
◇ ◇ ◇
――とある世界の日本・埼玉県――
私、枢木かがみには、小さい頃から何度も見ている夢がある。
それは、おぞましい殺人ゲームの夢。それだけなら、その夢はただの悪夢でしかなかっただろう。
でもその夢に必ず出てくる一人の少女が、悪夢を悪夢でなくさせていた。
彼女は私より一回りも二回りも小さい体で、青い髪を膝の辺りまで伸ばしていた。
そして、よく気の抜けたような笑みを浮かべていた。
以前この話を友人に聞かせたら、「ロリスキー」というありがたくないあだ名をもらってしまった。
そりゃ確かに私は男より女が好きだけど、特にロリコンってわけじゃないのに……。
◇ ◇ ◇
高2の夏休みは、特にドラマティックな出来事もなく過ぎていった。今日からはまた、学校生活が始まる。
廊下で妹と別れて教室に入り、久々に会うクラスメイトと他愛もない会話をする。これまでと何ら変わらない、普通の学校生活だ。
やがて先生が入ってきて、HRが始まる。
「おーっす、みんな! 楽しい夏休みは過ごせたかー?」
八重歯を輝かせながら、いつも通りのフランクな口調で先生が話し始める。
「これから始業式やけど、その前に転校生がうちのクラスに入ることになったから紹介しておくでー。」
転校生。
そのフレーズを聞いて、なぜだか私の心がざわめく。
「ほんなら、入ってきてええぞー。」
先生に促され、転校生が教室に入ってくる。
それは、青い髪を膝の辺りまで伸ばした、小柄な女の子だった。
「!」
私は、大声を出しそうになるのを必死でこらえていた。
なんていったって、いつも夢に出てくる女の子とそっくりの人が現実で目の前にいるのだ。大声を出しそうになったって無理はないじゃないか。
そんな私の事情など知るよしもなく、先生は話を進める。
「こいつが転校生の赤戸や。んじゃ、自己紹介でもやってもらおうか。」
「はい。」
微笑を浮かべ、赤戸という苗字らしい転校生は自己紹介を始める。
「初めまして。大阪から来ました赤戸こなたです。
地理が得意なので、向こうでは『地図ちゃん』なんてあだ名で呼ばれてました。
これからよろしくお願いします。」
しゃべり終えて、頭を軽く下げる赤戸さん。直後に、教室中から歓迎の拍手が巻き起こる。
「あー、みんな仲良うしたりや。
始業式終わったら席替えするけど、とりあえず今だけ赤戸は一番後ろの空いてる席に座っといてくれ。」
「わかりました。」
先生の指定した席に向かって、赤戸さんはとてとてと歩き出す。結果として、私に接近してくるわけで……。
まずい、どうしよう。心臓がものすごいバクバクいってる。たぶん、顔も真っ赤になってるだろう。
あーもう、赤戸さんに変な人だと思われちゃうかも……。
私が一人でパニックに陥っていると、赤戸さんが私のすぐ横で足を止めた。
げっ、本当に変な人だと思われた?
おそるおそる、私は赤戸さんの顔をのぞき込んだ。
赤戸さんは、笑っていた。でもその目元には、なぜかうっすらと涙がにじんでいた。
「やっと会えたね、クーちゃん。」
私にしか聞こえないようなかすかな声で、赤戸さんはそう呟いた。
「ちぃ……ちゃん……?」
THE END(?)
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