そこは桜が咲いていた。
そこには泉こなた、柊かがみの2人しかいなくて、桜吹雪が舞っていた。
そこには泉こなた、柊かがみの2人しかいなくて、桜吹雪が舞っていた。
「いや~いいね~♪」
「そうね…なんてゆうか、趣深いわね」
そこは公園で、桜並木があった。
辺りはまだ明るかった。
辺りはまだ明るかった。
「意外ね、あんたがお花見しようなんて」
「私も時には乙女になるのだよ」
「なんだそれ」
かがみはそう言って笑った。
こなたの心は、そのとき確かに時めいた。
こなたの心は、そのとき確かに時めいた。
「なんで黙るのよ?」
「…別に?」
辺りは風が木々を揺らし、揺れる音しかしなかった。
静かだった。
「最近、あんたいつもそう。そうやってはぐらかしちゃうんだから」
「はぐらかしてなんてないよ?」
「どうだか」
花びらが舞う。
「桜と私、どっきが綺麗?」
こなたはかがみに言った。
「…はぁ?」
「桃色の花と青色の私、どっちが…綺麗?」
普段は決して言わないことだった。
春だから、やはり心が騒ぐ。
春だから、やはり心が騒ぐ。
「なに言ってるのよ、あんたは」
「はぐらかすの?」
「お前がいうか」
サラサラと揺れる、青色の髪。
ヒラヒラと舞う、桃色の花びら。
ヒラヒラと舞う、桃色の花びら。
「…ま、あんたが綺麗と言っとくわ」
頬を桃色にしたかがみはそう言った。
こなたの口に笑みが浮かんだ。
こなたの口に笑みが浮かんだ。
「ありがとね」
それだけ言って、桜を見つめた。
かがみも同じように、桜を見上げた。
かがみも同じように、桜を見上げた。
「…なんかあった?」
かがみは聞く。
「…かがみは、私のこと…好き?」
あまりにも静かに言うから、風にかき消されそうだった。
「…もちろん」
かがみは言った。
透き通らない返事だった。
透き通らない返事だった。
「じゃあ…キスして?」
こなたは言った。
風が2人の間をかけてゆく。
時が一瞬だけ止まった。
風が2人の間をかけてゆく。
時が一瞬だけ止まった。
「…そうゆう、好きじゃないよ」
桜が舞い散る。風はやんだかにみえて、しかしまだ吹こうとしていて。
「…ごめん」
かがみは言う。
「…別に、いいよ。かがみん」
こなたは答える。
こなたの言葉は雲のようだった。
つかみ所のない、輪郭のない、まるで、雲のようだった。
つかみ所のない、輪郭のない、まるで、雲のようだった。
かがみは聞く。
「私のどこが好き?」
気になるのは当然だった。
「…ツインテール」
「…はぁ!?」
かがみは拍子抜けした。
もっと、それらしい返答を期待していたのに。
もっと、それらしい返答を期待していたのに。
「もしかして…さっきの告白も冗談?」
「いやいや、それは…本気」
焦ったこなた。こなたは更に言った。
「…私たち、親友?」
かがみは少しだけ考えて。
「…かもね」
とだけ言った。
桜の花びらが、こなたの髪についた。
かがみはそれをとってあげた。
桜の花びらが、こなたの髪についた。
かがみはそれをとってあげた。
「ねぇ、かがみ。のど乾かない?」
「タイミングいいわね。私もよ」
2人は自販機へ向かった。
自販機は、公園に沿った道端にあった。
自販機は、公園に沿った道端にあった。
「何飲む?」
「かがみは?」
「…じゃあ、ココア」
「じゃあ、私も」
2人は自販機の前に立っている。
「真似すんなって」
笑いながら、かがみは言う。
「かがみが真似したんでしょ?」
「…またあんたは理不尽な発言を…」
2人はまた、公園に戻ってきた。
ベンチに座る。
ベンチに座る。
「甘いわね」
「…私には苦い」
「へ?これが?」
「…私とかがみの距離は、甘くないもん」
拗ねたように言うこなた。
「こればかりはね…無理やりの甘さなんて、あんただって嫌でしょ?」
「…うん」
黙るこなた。ばつが悪そうなかがみ。
「…ねぇ、いつから?私にそうゆう感情持ったの」
「…教えない」
「なんでよ~。教えなさいよ」
ニヤリと笑うこなた。よくない兆候。
「じゃあかがみは今体重いくつ?」
「はぁ!?いきなり何を言うのよ」
「それと引き換えに教えてあげる」
「意味わかんないわよ。関係ないじゃない」
「わかってないなぁ。プライバシーってことだよ」
なんとなく納得、いや丸め込められ、それ以上のそれへの言及はなかった。
「…じゃあさ、今度こそ教えてよ。私のどこが好き?」
「…しつこいなぁ」
確かに色々としつこいかがみ。でもそれだけ、知りたいのだった。
顔を赤くしたこなたはかすれるくらい小さな声で言った。
顔を赤くしたこなたはかすれるくらい小さな声で言った。
「………やさしい、ところ…」
吹き行く風にかき消されかけたが、しかしきちんとかがみに伝わった。
辺りは夕暮れになりつつあった。
「夜桜もみたいね、かがみん」
「あんたいつまでいるつもりよ」
東の空は闇が広がりつつあった。
月が、顔を出していた。
月が、顔を出していた。
「ねぇ…私、このまま好きでいてもいい?」
こなたは聞く。
「…いいわよ」
かがみは答える。
「でもあんた、私が誰かを好きになったらどうする?」
「…泣いちゃうかな」
「なんでニヤニヤしながら言うか?」
「…さぁね♪」
風はいつの間にか止んでいた。
桜を2人はまた見上げた。
桜を2人はまた見上げた。
「…帰ろっか」
「…そだね」
2人は公園を後にした。
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- GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-08-18 23:07:43)
- きっと2人なら愛しあえる! -- かがみんラブ (2012-09-19 23:46:18)
- まあこの二人ならいつか両想いになるでしょう -- 名無しさん (2011-01-02 17:52:11)
- 甘い片思いで読んでてホッとしました -- 名無しさん (2010-04-07 23:51:49)
- ゆったりとしたこうゆう百合小説が好きです -- 名無しさん (2009-05-05 12:06:38)
- ほろ甘いですなw -- 名無しさん (2009-03-31 03:10:04)
- ちょっぴり切ないけど、こういう感じの小説好きです!! -- チハヤ (2009-03-30 18:39:49)