1名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:10:37.94iZwrLarF0

あれは、俺達が中学生、高校生だった頃
マジック・ザ・ギャザリングなるカードゲームが暴風雨のように流行していた時代

地元にできたデュエルスペースに毎日集まったあの頃、
沢山の既知外との出会いがありました

--

俺が、懐かしの「MTG」に関連した既知外の思い出を
思い出せなくなるまで綴っていくスレッド

2名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:12:25.52dA5GrL2x0

みんな高いカード買えない中、2千も3千円もするカードで勝ちまくってため省かれたたかし君

3名前:はげうじ◆Gs8ip3eZBo投稿日:2006/06/09(金) 15:13:15.41LXAg8O220

>>2
たかしくんはいつも金にものいわせてたから嫌われてたよね

4名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:14:05.73iZwrLarF0

《イカサマ》

それは、カードゲームというフィールドでは当たり前のように飛び交う実弾。
この存在を知る者と知らない者を同じ土俵で語ることはできない。
戦場で発砲するかどうかは大きな問題ではなく、
銃が存在するということを知るかどうかが問題なのだ。

俺達がデュエルスペースに集まっていた頃も、イカサマは一部で横行していた。

5名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:14:54.85iZwrLarF0

>>2
たかし君空気嫁wwwwwwwwwwwwwwwww

だが俺達の中ではたかし君がマジョリティーだった('A`)

6名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:17:51.76iZwrLarF0

天性のサマ師――そう呼ばれる男が、俺の学友に居た。名をテツオという。
彼は中学生であるにも関わらず卓越したサマテクニックを持ち、
MTGは愚か、遊びでのトランプですら誰にも見抜けぬサマを駆使し勝利し続けた。
常に手札が増え続ける彼が常勝の道を歩んでいたのは当然のことであり、
界隈で彼は、三本の指に入る実力者であった。

無論、すぐにテツオのサマは誰もが知るところとなる。だが現場を押さえられる者はいない。
それどころか、やられたことにすら気づかないのが大半であった。
それほどに、彼の技術は卓越していた。

7名前:綾部あや◆AYAYOvpoRs投稿日:2006/06/09(金) 15:19:11.56cHh8QWUG0

キタ━━━━━━ヽ(≧∇≦)ノ━━━━━━!!!!!

8名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:27:06.48iZwrLarF0

「Jリーグチップスを、購入することなく全種類集める」
数件のコンビニをローテーションしながらそんな修行(窃盗行為)が、テツオのサマを磨いた。
鍛え抜かれた彼のサマ、そしてサマに何より必要不可欠である「度胸」全てが彼には備わっていた。

皆、テツオが頭角を現すにつれ、彼のサマのことを常に気にかけるようになる。
実際、テツオのサマは一朝一夕で真似できるものではなかったし、
少なくとも俺が知る限り、サマを日常的に使用していたのはテツオしかいない。
だが、サマの手口を知るのと知らぬのとでは大きな差がある。

テツオがサマをやっていることだけは、頭に叩き込んでいれば五分――
悪くても4:6、あとはプレイングと構築技術で勝負。
皆、そういう決心でテツオと接していた。

9名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:33:43.49iZwrLarF0

テツオのサマの手口は(知る人曰く)多彩であり、

・デッキの一番下のカードを一番上に抜く
・いつの間にかカードを引いているドロー倍増(通称オートネクロ)
・マナ誤魔化し、マナ増やし(通称オートエルフ)
・墓地の順番を変え、自分に都合のいいよう並べ替える
・積み込み、常に初手から最高クラスの手札が来る
・相手に捨てられると困るカードはライブラリーに隠蔽

等を駆使していた。

中でもオートネクロ、オートエルフは異名がつくほど圧倒的な優位性をたたき出し、
ただでさえ積み込みで良好なドローのテツオにそれらが加わるのだから
彼のサマを知らず、見過ごす者は絶望的な敗北を迫られる。

10名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:36:13.81iZwrLarF0

>>7
あっあやよさん、貴方以前VIPでMTGのスレでいきなりMoma使用して
対戦相手を瞬殺したそうですね><既知の外の出来事として御噂は聞き及んでおります><

11名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:38:10.66j7ek5RIW0

>>7
さすがあやよ。だてにトリバレしてないな

12名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:39:56.19iZwrLarF0

鳥バレしてるのかwwwwwwwww把握したwwwwwwwwwwwwwwww

久々の休みに興奮してスレ立ててしまったので酒でも飲みながら
ダラダラ書いていこう⊂ニニニニ( ^ω^)ニニ⊃

13名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:46:40.65iZwrLarF0

さて本日の最初は、そんなテツオのMTGでの悪行三昧について書き連ねていこうと思う

彼のサマのテクニックは前述した通りだが、彼はそれに留まらず、
そのテクをMTGのルールと絡めることで、莫大なアドバンテージを獲得した。

彼が5色のnWoデッキを組んでいた頃。
例えば初手の手札がこんな感じだったとしよう。

《森/Forest》、《森/Forest》、《解呪/Disenchant》、《花の壁/Wall of Blossoms》、
《ウッド・エルフ/Wool Elves》、《巻物棚/Scroll Rack》、《マナ漏出/Mana Leak》

通常、この手札はキープし、プレイを始める以外に選択肢はない。
マリガンし、手札を1枚減らしてまで変えたいほど酷い手札ではないのだから。

だが、彼の場合はこの手札はマリガン対象である。

14名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:52:51.06iZwrLarF0

彼は《極楽鳥/Birds of Paladise》か《真鍮の都/City of Brass》、または
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》のいずれかが手札に来るまでマリガンを続ける。
彼にとっては、初手に5色のマナが出てようやくデュエルが始まるのだ。

結果、手札が6枚、5枚、時には4枚になろうとも、それは大した問題ではない。
ゲーム中には勝手に手札が増えていくのだから、初手7枚と同等、またはそれ以上である。

彼にとってマリガンとは、悪い手札を変えるために手札が1枚減るというルールではなく
デュエル開始時に欲しいカードを引けるというルールであったのだ。

15名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:52:59.34FT2O07K/0

wktk

16名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:54:52.01L8AHx1tk0

待ってました━━(゚∀゚)━━━!!

17名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 15:57:31.57iZwrLarF0

また、先程、マリガンの結果手札が4枚になろうとも…という旨があったが、
当然のことながらその心配はほぼ無用である。
マリガンの際には、ライブラリーのシャッフルを伴う。
それはテツオがサマを駆使できる最高の機会だからだ。
一度、または二度マリガンすればほぼ全ては終わる。

18名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:00:30.80iZwrLarF0

テツオにとって「良い手札」は当たり前のことであり日常であった。
それは、nWoが環境から引退する間際には

「5色のマナソースに加えて《繰り返す悪夢》か《適者生存》が手札にないと怒った」

ということからも自明だ。

19名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:04:19.86iZwrLarF0

あと当然、《極楽鳥/Birds of Paladise》を1ターン目に焼いても怒ったが
残念ながらそれはテツオに限ったことでもないのでテツオは責められない。
罪を憎んで人を憎まず。テツオの卓越した技術には時に陰で賞賛すら贈られた。

20名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:06:54.88dxSDu4QE0

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
待ってたZEEEE

21名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:10:13.48iZwrLarF0

さて、彼は中学生にして、ある意味でMTGのプロであった。
彼は、当時俺達のいたデュエルスペース内でただ一人
「金銭を稼ぐことのできる」男だったので、当然注目を浴びた。

その手口は、最初はカードショップの売買システムを利用した
語弊を恐れず言えば「まだ可愛い」手法であった。

22名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:13:02.38iZwrLarF0

彼が一番最初に着目したのは、地域ごとの情報の偏りであった。
大手カードショップと、個人経営の小さなカードショップではカードの価値が違う。
彼はそこに着目すると、安い価格で大量に仕入れたカードを
それより高値で買うショップに売り払うことにより利益を得た。

このシステムは今でもG○O等の、買取システムのあるゲームショップ等を悩ます、
ブラックリストに載るとも言われる転売である。

23名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:14:15.549dYNpNnJ0

まとめサイトあったっけ?

24名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:15:02.9973bYxmuc0

>>22
ttp://www13.atwiki.jp/hellkite/

25名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:16:14.549dYNpNnJ0

>>24
おー ありが㌧!

26名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:17:42.27iZwrLarF0

その当時の彼の、こんな光景は脳裏にはっきりと焼きついている。

生粋の引き強でもあった彼はまず、テンペストのブースターパックを1個購入する。
価格にして400円のそのパックを開けると、中ではレアカードが燦然と輝く。
《呪われた巻物/Cursed Scroll》
当時買い取り価格1300円のそのカードを彼は即座に売ると、その金で
3パックのブースターを購入する。

その3パックで彼はまた、高値で売れるカードを引き当て、売る。

無限ループの完成である。

27名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:22:20.17iZwrLarF0

このコンボで彼はその時、実に15パック近くのブースターを購入したように思う。
流石のテツオでも、ブースターの中身までは操作できまい。
すると彼には天性の引きの強さも備わっていたのだ。俺はその時そう感じた。

彼という人間と、サマの高い技術がめぐり合ったのも、天性の強運ゆえに相違なかった。

ともかくこれに味を占めた彼は、転売という稼業へと足を踏み入れることになる。
その第一歩が上記のカード価格差を利用した転売であった。

28名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:22:27.41L8AHx1tk0

>>26
そんな高額レアがほいほいあたるのか。運いいな

29名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:24:51.94iZwrLarF0

次第にテツオは、もっと巨額の儲けを得ようと考えるようになる。

シャーク・トレード――価値の高いカードを、何も知らない初心者から安く買い叩く、極悪非道の行いである。

30名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:24:53.70cPx8YNrmO

ちらつき蛾の生息地をバカバカ引いた記憶があるな

手元に残ったのは二枚だけだが

31名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:29:56.23iZwrLarF0

彼は、当時デュエルスペースにいた、可愛い小学男児、「小宮」をはじめとして
むしり取れそうな奴からは手当たり次第にシャークを試みた。

高価なカードを、言葉巧みに手に入れては売りさばく。
その金は莫大なカード購入資金となり、テツオのカードプールを肥やし、
更なる儲けの温床となる。そんな無限ループを彼は繰り返した。

見知らぬ人間がデュエルスペースに来ると必ず発せられる第一声、
「ファイルみせてー^^トレードしようよ^^;」
には、誰もが吐き気を催した。

32名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:34:16.73iZwrLarF0

そして噂に聞いた、彼の究極の転売が
「気に入らない奴のファイルから直接カードをぶっこ抜く」
「気に入らない奴のファイルそのものをぶっこ抜く」
ここまで来ると非道の極みだが、彼の人間性からすると不思議でもなんでもない。
彼ならばさもありなん――そう思えるような男、危険な香りの漂う男であった。

33名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:37:33.58dxSDu4QE0

テツオひどいです><

34名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:38:20.47iZwrLarF0

さて、話をMTGのゲームに移す。

時代は、ミラージュブロックが退場、テンペストブロックにウルザブロックが参入したあの頃。

35名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:38:57.56L8AHx1tk0

wktk

36名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:43:19.66iZwrLarF0

そのデュエルスペースには、様々な人間がいた。

驚異の人間力とヒキを誇った強者、通称「チャンプ」
なぜか毎日誰よりも早くデュエルスペースに居た大学生「横田」
そして、デッキ構築の天才と呼ばれた男「山田」――

37名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:46:30.55iZwrLarF0

山田の作るデッキは通称「ヤマディアン」と呼ばれ、
独自のカードセレクト、独自の理論に基づいた超デッキ構築は
多くのプレイヤーに衝撃を与えた。

赤単色のバーンに《悪疫/POX》を加えた超デッキ「ヤマディアンバーン」に端を発する
ヤマディアンデッキの数々は、ウルザブロック参入後も次々生み出されていった。

38名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:57:23.95iZwrLarF0

彼がウルザ期に生み出した処女作は、「パーフェクトブルー」と呼ばれるものだった。

2ターン目から《ブーメラン/Boomerang》等のバウンスにより
相手の土地やパーマネントの展開を阻害、
自らは《サファイアの大メダル/Sapphire Medallion》を並べてゆき、最後には

1、島を全てタップしマナを出す
2、《転換/Turnabout》で島を起こす
3、余ったマナで《公証人/Scrivener》を出し、《転換》を手札に戻す
4、《転覆/Capsize》で《公証人》を戻す

を繰り返し無限マナを生成、相手を完全にロックするという恐ろしいデッキである。

39名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:57:54.35L8AHx1tk0

人少ないね(´・ω・`)

40名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 16:58:46.42iZwrLarF0

ミラージュブロック退場の衝撃から暫く立ち直れなかった山田だが、
この「パーフェクトブルー」構築をきっかけに、何かが切れたようにデッキを生み出し続けた。

彼が次に執心したのが「スタンピード山田」であった。

41名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:03:58.45iZwrLarF0

《ペガサスの暴走/Pegasus Stampede》
白1
バイバック:土地を1つ生け贄に捧げる。
飛行を持つ白の1/1のペガサス(Pegasus)・クリーチャー・トークンを1個場に出す。

この強力無比なソーサリーの存在に着目した山田は、
土地が続く限り無尽蔵に湧き出るこのペガサス・トークンで相手を蹂躙しようと考えた。
その結果生み出されたのが、《ペガサスの暴走/Pegasus Stampede》を
メインクリーチャーに据えた、8クルセイド・ウィニーであった。

42名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:04:54.92iZwrLarF0

>>39
なんか前いつも立ててるのこの時間だったからこんな感じはテラナレスwwwwwwww

43名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:09:20.39iZwrLarF0

《十字軍/Crusade》、《栄光の頌歌/Glorious Anthem》が2、3枚も並ぶと、
《ペガサスの暴走/Pegasus Stampede》は2マナ3/3、4/4の既知外カードへと変貌する。
そしてそのペガサスは、土地の続く限り湧き出し相手を叩き潰すのだ。
対戦相手にとって、除去しても湧き出してくるこのペガサス・トークンは
驚異以外の何者でもなかった。

44名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:15:18.90iZwrLarF0

バイバックこそ最強のシステムである――山田はそれを体現していた。
その圧倒的なカードパワーに、山田はこのカードを
《霊の鏡/Spirit Mirror》と並んで「最強のクリーチャー」と称した。

そして、「スタンピード山田」のポテンシャルをさらに高めたのが
白の最強戦略《ハルマゲドン/Armageddon》である。

45名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:18:52.60iZwrLarF0

《ハルマゲドン/Armageddon》は、白ウィニーの優勢を固定し反撃の芽を摘み取る。
そしてハルマゲドンの炸裂した荒野を、クルセイドによって強化された
《サルタリーの僧侶/Soltari Priest》や《サルタリーの修道士/Soltari Monk》が走るのだ。

46名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:22:19.56iZwrLarF0

白の選ばれたクリーチャーのみがが有した強力な能力「シャドー」をフルに利用した、
まさに当時最強の白ウィニー戦略がそこにはあった。

《ハルマゲドン/Armageddon》を打つために、
《ペガサスの暴走/Pegasus Stampede》のバイバックを使用しないというのが
このデッキにおける重要なプレイングテクニックの一つでもあったのだ。

47名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:22:52.30RADx8icm0

ちょっとまてwwww

48名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:24:06.56LPtGrRQi0

キトゥアーーーーーー!

49名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:24:21.85yPcrNUpI0

待ってました

50名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:28:03.87iZwrLarF0

一見すると、《ペガサスの暴走/Pegasus Stampede》と《ハルマゲドン/Armageddon》は
アンチシナジーを形成しているかのように見える。だがそれは誤りである。
山田はこのデッキに、全てを円滑に活用することのできる
あるアーティファクトを投入している。

《アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altar》

参考:ttp://whisper.wisdom-guild.net/card/Ashnod%27s+Altar/

53名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:31:50.20iZwrLarF0

クリーチャーを1体生贄にすることで2マナを生み出すこのアーティファクトは
《ペガサスの暴走》、そして《ハルマゲドン》と凄まじいシナジーを有する。

《ハルマゲドン》で消えるはずの土地が、ペガサストークンへと変換され、
その一部はマナを生み出し、《ハルマゲドン》のプレイへと繋げる。

「スタンピード山田」は、まさにシナジーの塊であった。

54名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:34:34.79dxSDu4QE0

山田SUGEEEEEE

55名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:35:47.44iZwrLarF0

しかし、このような凄まじいシナジーも山田の想定していたごく一部でしかなかった。
山田は後に、
「無色2マナでは白マナが足りず《ペガサスの暴走/Pegasus Stampede》が連発できない」
とさも失敗であるかのように語ったのだ。

山田の想定通りに事が運んだら、一体どれだけのトークンが
対戦相手に襲い掛かっていたのだろうか。考えるだに恐ろしい。

56名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:38:47.53DLsTj6B30

期待age

57名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:42:11.06iZwrLarF0

この、スタンピード山田は、赤コントロールの蔓延していた当時の環境で素晴らしい勝率を誇った。

プロテクション赤の《サルタリーの僧侶/Soltari Priest》だけが生き残り殴り続け、
マナ・アーティファクトを悉く《解呪/Disenchant》が粉砕してゆく。
無人の荒野を駆けるシャドーに、赤コントロールはなすすべもなかったのだ。

58名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:45:37.45iZwrLarF0

特にサイド後は圧巻で、《ペガサスの暴走》や《アシュノッドの供犠台》が
全て対策カードに変わり対戦相手を圧倒する。
デッキのコンセプトをも変えるアグレッシブ・サイドボードすら使いこなす
山田ならではのデッキであったのだ。

59名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:46:46.60yPcrNUpI0

さすが山田wwwwww

60名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:51:51.80BuZ4MSWf0

それぶっちゃけペガサスも供犠台もいらない子だっただけじゃねw

61名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:54:15.63iZwrLarF0

スタンピード山田で加速した彼が次に着目したのは、
テンペストのコモン《余震/Aftershock》だった。

参考:ttp://whisper.wisdom-guild.net/card/Aftershock/

《忍び寄るカビ/Creeping Mold》と違い、アーティファクトに加えて
クリーチャーまでも破壊できるこのカードが弱いはずがない。

アーティファクトも壊せる《ネクラタル》だと彼は語った。

そして当時の赤は、《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を始めとする優秀クリーチャーで
溢れかえる環境でもあった。その環境への回答の一つが5CR――5色赤単。

62名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:56:35.06cPx8YNrmO

アルターはさすがにねーよwww

63名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:58:19.20cPx8YNrmO

>>五色赤単
この矛盾を誰か説明してくれないか

64名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 17:59:55.50BuZ4MSWf0

五色のスペルが入ってるけどメインは赤

65名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:01:36.93iZwrLarF0

ファイブシーアール、その微妙に語呂が悪いデッキを彼はゴシーアールと呼んだ。

高速化する《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》や5色ランドからのマナをベースに
各色の優秀スペルを満載した、より攻撃的にシフトした5色デッキであった。
白から投入された《解呪/Disenchant》、このデッキの根幹となる攻撃的な
《火葬/Incinerate》、《炊きつけ/Kindle》、《ジャッカルの仔/Jackal Pup》、
《呪われた巻物/Cursed Scroll》といった優秀な呪文の数々。

66名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:07:12.38iZwrLarF0

特に《デレロー/Derelor》は《ハルマゲドン/Armageddon》ととてつもないシナジーを誇った。
高速で召喚されるデレロー、そこからのハルマゲドンは見るものを恐怖に陥れた。
青からは、予想される同系5CRに備えて《寒気/Chill》が、緑からは《窒息/Choke》が用意された。

67名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:10:34.74iZwrLarF0

ただ、残念なことに彼はこのデッキでトーナメントを闘うことはなかった。
曰く、《真鍮の都/City of Brass》経由で《余震/Aftershock》で4点喰らうのは
いくらなんでも痛すぎたとのことであった。
数少ない山田の失敗談だった。

68名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:14:14.12iZwrLarF0

さて、ウルザズレガシー発売から暫くして、俺達を最大級の衝撃が襲う。

それが「基本セット第六版」の襲来であった。

単なるカードセットの入れ替えではなく、ルールそのものが大きく変更された
この第六版の導入では、プレイヤー達は壮絶に混乱した。
俺も混乱した。

69名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:14:26.59BuZ4MSWf0

失敗は数少なかったのか・・・


70名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:14:46.5911Dd3kK8O

いや、「寒け」入れちゃ駄目だろ

71名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:15:42.98LPtGrRQi0

そうそう。インタラプトがインスタントになったはびっくりだった

72名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:17:00.27iZwrLarF0

>>70
その指摘には、俺では完璧に答えるのは難しい。
山田の言葉の趣旨を引用して答えるしかない。
「こっちは他の色がある分有利」

73名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:18:36.27BuZ4MSWf0

カウンターフェチは絶望しただろうなあ


74名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:19:11.42iZwrLarF0

インタラプト、そしてマナソースまでもがインスタントに変更

スタックルールの導入、それに伴うカードの使い方の違い…

特に、「リンボ」という単語をこよなく愛していた俺には衝撃以外の何者でもなかった。
リンボがスタックに取って代わられたあの悲しみ。

75名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:23:20.92iZwrLarF0

まず、《暗黒の儀式/Dark Ritual》がカウンターできることに極限の違和感を感じた。
打ち消せない、それ故に黒は強かったはずだ。

次に、《魔力消沈/Power Sink》でカウンターされそうになっても
対応して他のインスタントをプレイできるようになった、これにも絶望した。

76名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:25:05.15BuZ4MSWf0

そもそもダリチューが間違ってたんじゃね
黒なのにマナ加速できるのって違和感あるじゃん
つうかヒッピー死ね

77名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:27:54.57iZwrLarF0

今思った
カードの略称にどうしても嫌悪感があったのが
《暗黒の儀式/Dark Ritual》→ダクリ

これだけは許せなかった。
「沼、ダクリ、ダクリ、バッドームーン…」
とかやられると発狂しそうになるくらい嫌だった。

 ダ ー ク リ チ ュ ア ル と 言 え 。

ダリチューは今はじめて聞いたwwwwwwwwwwwwwww

78名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:29:27.53gFtv+D5I0

ぼくの ともだちは すごく すごく つよいらしい です

79名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:30:04.05yPcrNUpI0

うちの地域はリチュアルだったな

80名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:33:47.42iZwrLarF0

そんな衝撃でおかしくなってしまったのだろうか、
山田やチャンプが、競うように「初手で何枚カードを持てるか」に挑戦していたのも
その頃だったと記憶している。

テツオのサマを再現するところからエスカレートし、
カードが湿気を帯びた状態で強く圧縮→カード同士がくっつく
という理論を駆使し、初手でいきなり10枚持ち等を練習していたのだ。
小宮もそれに付き合わされた。

81名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:35:55.27iZwrLarF0

俺も、おかしくなった時期はその頃だった。

ふと、テツオのサマ・アドバンテージが気になってしまったのだろう。
サマを練習するチャンプへ対戦を申し込んだ。デッキは失念した。

82名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:37:44.14iZwrLarF0

確かチャンプの展開するクリーチャー群に押し切られそうになる、そんな展開だった。

俺に、物陰から魔の王がささやく。
「今だ。今しかない。ぼうや、カードをお抜きよ」

83名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:38:52.72f4B4rXXoO

文体が好きだから頑張ってほしい

84名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:40:16.96iZwrLarF0

俺(魔王が僕になにかいうよ)「エンド」
チャンプ「アンタップアップキープドロー…」
王「ほうら、今だ、カードは目の前だ」
チャンプ「アタック」
王「このままでは押し切られてしまうよ」
俺「通し…」
チャンプ「エンド」
俺「アンタップアップキープ…」

魔王「ぼうや今だよ」

俺「ドローwwwwwwwwwwwwwwwww」

85名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:40:19.32/CAJchjfO

ウノの戦法をもう一回読みたい

86名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:42:32.44Yxhndesi0

>>85
>24

87名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:43:23.17BuZ4MSWf0

>>85
wikiのウノの項目に乗ってたぞ


88名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:47:14.86iZwrLarF0

俺の右手が走る。

手札に加わる2枚のカード!それが俺の人生初サマの瞬間だった。
だが、なにしろサマを試そうと思ったのも初めてなら当然やったのも初めて、
勝っても負けても楽しいはずの野試合ですら猛烈にドキドキした。
後で謝ろうと思ってもドキドキは収まらない。

そっとチャンプの方を見るが、バレてはいないようだ。

だが、運命は正義に忠実だった。

89名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:51:16.79iZwrLarF0

俺の後ろで見ていたのは、当時(小学生の小宮を除いて)最年少の、
MTG最弱プレイヤーの名を欲しいままにしていた男、田村だった。

「田村、お前って本当にマジックが下手だな」

という台詞は爆発的に広まり、いつどこでどんなデッキで対戦しようが、
それこそたとえデュエルに勝利しようがその台詞が付きまとう男だった。

90名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:54:15.36iZwrLarF0

その男が、眼光鋭く手札を見ていたことに俺は気づかない。

俺が引いたカードを確認しようと、重なった2枚のカードをさりげなく剥がした瞬間
空気が変わった。

いや、田村の怒号によって空気が変えられたのだ。

田村「増えたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

91名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:57:38.76iZwrLarF0

俺「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!111」
田村「増えたwwwwwwwwwwwwwwwカードwwwwwwwww手札wwwwwwwww」
チャンプ「(´・ω・`)?」
田村「手札wwwwwwwwwwwwwwwふえwwwwwwww増えたwwwwwwwww」

最弱だと侮った男に見破られ即座に暴露され、謝る場すら失った俺は
あとはひたすらチャンプに説教されるのみだった。
考えてみれば、田村はMTGは弱かったが、デュエルスペースに併設されている
「キングオブファイターズ」は異常なまでに強かった。
彼の動体視力を侮るべきではなかったのだ。

92名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 18:57:46.69aBMKsJzv0

ちょwwwwおまwwwwwwwww
なにバレてんだよwwwww

93名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 19:02:12.06iZwrLarF0

今思えば、コンスタントに《師範の占い独楽/Sensei's Driving Top》のような効果すら
発動させていたテツオは、その技術以上にとてつもない胆力の持ち主であったことが推測される。

6版導入のショックからなかなか立ち直れなかった男の
悲しい一夜の出来事であった。

94名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 19:06:35.46iZwrLarF0

さて、話はMTGのゲームに戻る。

6版が導入された後も、山田のデッキビルドは留まるところを知らなかった。
むしろ、全体的に弱まったカードパワーのおかげで、彼の構築技術はより輝きを増した。

95名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 19:13:44.58CjWxnWaSO

初めてリアルで見れた!

96名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 19:15:34.51iZwrLarF0

ヤマディアンメダリオン――その蒼いデッキはそう呼ばれた。

満載するバウンスこそパーフェクトブルーと同様の構造だったが、
ヤマディアンメダリオン(途中めんどくさくなってヤマディアンメダルと呼んでいた)は
それらとは明らかに一線を画していた。

導入されたのは、彼の最も愛するカードの一つ
《ぐるぐる/Twiddle》にバイバックのついた、あのカード。

《理性のゲーム/Mind Games》――

参考:ttp://whisper.wisdom-guild.net/card/Mind+Games/

97名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 19:15:41.15IQOdcjSF0

kofwwwwwwwwwwwwwwwwwww

98名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 19:16:42.05aBMKsJzv0

ちょwwwアンタップできないwwwww

99名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 19:18:52.13+VLz7evU0

確かにバイバック付きのぐるぐるだがダメだろwwwwww

100名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2006/06/09(金) 19:20:13.71iZwrLarF0

《ぐるぐる/Twiddle》は、ブーメランですら成しえなかった1ターン目からのマナ拘束を実現する。
そしてそれにバイバックがつくことにより、《理性のゲーム/Mind Games》は
山田曰く「超トーナメントレベルのカード」に仕上がった。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2021年12月16日 21:06