虚無の続き 02


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キュルケが授業を受けている間、キャスターは図書室に篭っていた。
今後の方針のために、この世界の歴史、魔術体系を調べるためだ。
文明レベルは、地球に比べてかなりの遅れがあった。
地形、名前に知識とかみ合う部分をいくつか見つけるが、やはり別物。
(フランス辺りかもと、僅かな期待はしたけど……並行世界とも違う、完全な異世界のようね)
そして、この世界では再現可能な現象でも、区別なく「魔法」と呼ばれていること。
(魔法の域も魔術の域も混ざり合っている……常識から違う時点で、比較にもならないけど)

四系統魔法
その起源は、始祖ブリミルが6000年前、この世界「ハルケギニア」に持ち込んだ魔法。
火、水、風、土の四系統であり、系統を幾つ足せるかでランクが決まる。
一でドット、二でライン、三でトライアングル、四で最高のスクウェア。
それを行使するための力は、使用者の精神力……小源(オド)だ。
大気中の大源(マナ)を必要としないというのに、魔術では不可能な神秘も当然のようにやってのける。

魔術と似ているところもあるのだが……セイバーのマスターくらいデタラメな部分も多い。
たとえばスクウェアクラスだと、卑金属を、黄金に難なく変えられるそうだ。
魔術で同じ事をする場合、黄金に変えるための費用の方が高くつく。
月に一度程度しか使えないほど魔力を消費するそうだが、それでも十分すぎる。

しかし、それ以上に恐ろしいのが先住魔法。
四系統魔法よりも歴史が古く、その起源は確認されていない。
その魔法は、大源(マナ)を行使して使うことが出来る。
自然そのものを使うために、そこに無いものは使えないが、力は桁違い。
そして、人の貯蔵魔力量など、自然の魔力量と比べ物にもなりはしない。

弱点を探してみる。
1.口語で呪文を唱える必要があること。
例えば、「枯れし葉は契約に基づき水に代わる力を得て刃と化す」
これで、どういう攻撃が来るか予想はできる。……並の魔法では防げないのだが。



2.どうやら自由自在に使えるわけでもないらしい。
大規模な先住魔法は、なにかしらの準備をしなければ使うことが出来ないらしい。

つまりは、キャスターが柳洞寺に神殿を構えていたことと同様。
自分の陣地において、その力を存分に使うことが出来る魔法なのだ。
実際、歴史書にある人類とエルフの争いを見ても、それは明らかだった。
始祖の降り立った聖地を、数千年前にエルフに奪還されて以来、人類はエルフに挑んでいる。
人類の領地と聖地の間に広がる、エルフの領地への侵攻。
―――結果は人類の完全敗北。

当然過ぎて笑えてくる。
数でどうにかなるものではないことが、理解できていないらしい。
―――なにせ、キャスターでも勝てるか不安が残るのだから。

作り上げた陣地……神殿でならば負ける要素はない。
しかし、相手の領域に入り、マナを自在に操る相手となれば、相手が悪い。
未知の領域「東方」には興味があったが、苦労に見合う価値があるかも分からない。
それでも、キャスターはエルフが何故恐れられているかは理解できた。

(あっちだと、この耳は人気があったけれどねぇ……)
宗一郎のルーンについても調べてみるが、それらしい記述がどこにもない。
そろそろ、赤毛のマスターの授業が終わる頃のはずだ。
あれが、どういった人間か確かめる必要もあったので、図書館を後にする。

途中、コルベールという教師とすれ違った。
「あら、授業は終わりかしら」
「……ええ、ミセス・キャスター。ミス・ツェルプストーも部屋に戻っているはずです」
すこし、緊張しているらしい声。
「エルフを恐れているようですわね。人を喰らうとか、信じられているとか」
「あれはデタラメですがね。先住の魔法が恐ろしいことに変わりはありませんよ」
どうやら、純粋に力を警戒しているらしい。
中々優秀な魔法使いなのは、初見で感じていたが、間違いではないようだ。


ふと、空を見上げると、月が昇り始めていた。
「本当に、月が二つ……」
地球の月の倍近い大きさで見える月が、二つ……本に書いてある通り、輝いていた。
「おや、砂漠では一つにしか見えないので?」
「こちらの話ですわ。それでは、マスターのところへ参りますので」
廊下を歩いてゆくキャスターを、コルベールが見つめる。
「妙だな。下にこそ見られているようだが、思ったほど敵意は……
まあ、だからこそ人間と結婚しているのか」
図書室へと向かうコルベール。
彼もまた、宗一郎のルーンを調べるために来たのだった。

「おや?ミスタ・ギトーではないですか。珍しいですな、図書館にいるなど」
図書館に入ると、コルベールと同じ教師である、ギトーがボケーッと座っていた。
「……ん、へ? ミスタ・コルベール? な、なぜ私はこんなところに?」
ギトーは、自分が何故図書室にいるのか理解していない様子だった。
「……まさか」
コルベールは、後ろを振り返るが……そこにはもう、誰もいなかった。

「異世界?」
授業が終わり、部屋の掃除をさせられていた宗一郎は、自分に起きた異変について語った。
「信じなくても構わない。元より帰る場所もない身。教師とて代わりはいる」
「帰る場所がないって、どういうことよ?」
「少しばかり事情が複雑でな。元いた場所に戻っても、命を失う可能性がある」
宗一郎は、自分が生きているのか死んでいるのか分からない。

あの夢は、数多の並行世界の可能性を集めて作られた夢。
葛木宗一郎が生きている可能性もあるのだろうが、自分がたどり着くのがそことは限らない。
ルイズはそれを「辺境の地であり、争いが絶えないので危ない」と受け取ったらしい。


「わかったわかった、信じるわ。使い魔として働いてくれる気は、あるみたいだものね」
「だが、帰る方法があるのなら聞きたい」
「はっ? なんで?」
先ほど、帰るつもりはないと言ったばかりなのに、矛盾している。

「妻を帰したい。彼女には、私と違って可能性はある」
そんなに奥さんが大事なんだと、ちょっとルイズは感動した。
「そう……でも無理よ。使い魔が死なないと、再契約すら出来ないんだもの」
「そうか……残念だが、致し方ない。……では、使い魔の仕事を教えていただきたい」
ルイズは、部屋を見渡す。
掃除はきちんとされていて、驚いたほどだった。

「本当なら、使い魔は主人の目や耳となるんだけど……無理みたいね」
「斥候などの役割を果たせないということか」
「それと、主人の望む物を持ってくること。たとえば、秘薬とか」
「秘薬とは?」
ああ、しまったとルイズが説明する。
「平民じゃ知らないか。コケとか硫黄とかの、特定の魔法を使うときの触媒だけど……無理ね」
「特徴と場所さえ分かれば取ってくるが……効率は良くないだろう」

「一番大事なことがあるわ。使い魔は主人を守るのよ。その能力で、敵から主人を守るのが使い魔の役目なんだけど……」
「盾となり、マスターが魔法を唱えるまでの時間稼ぎならば、可能だ」
うっとルイズが呻く。
「その気持ちだけで十分よ……私が魔法を使えない以上、稼がれても無駄だもの」
「ならば、撤退までの時間は稼げる」
平民でなければ、誰にも誇れる使い魔だと思った。

(……魔法使いの強さをわかってないみたいだけど……奥さんがエルフじゃ当然か))
「いいわ、とりあえず身の回りの世話くらいしてもらうから。洗濯とか掃除をね」
「了解した、マスター」


あくびをして、ルイズは着替えを始める。
「私は、外に出ていたほうが?」
「別に。使い魔なんだも……」

ゾクリ

恐ろしい悪寒。これは、あのエルフに睨まれた時と同じ……
「ごごご、ごめん、ソウイチロー。やっぱり後ろ向いてて」
「わかった」
あのエルフの気に触ったら、どうなるかわかったものではない。
ここは、多少だが気を使う必要があるかもしれない。

「私は、どこで眠ればいい。マスターの身を守る以上、この部屋であれば都合が良いのだが」
「そ、そそ、そうね。よ、宜しければ私のベッドで……」
「それでは主従の立場がない。構わなければ、床で寝させてもらおう」
毛布を一枚受け取り、横になる宗一郎。
「だだだ、大丈夫かしら……ふう、もう寝ましょう……」
そういって、ルイズも横になり、寝息を立て始めた。


「くくく……ルイズったら、メディアに怯えているわ」
ここはキュルケの部屋。
キャスターの持つ水晶玉には、ルイズの部屋の様子が映っている。
「それにしても、そんな水晶玉で「遠見」の魔法が使えるなんて、さすがエルフね」
「ふふ、いい使い魔でしょう?」
いつの間にか意気投合している。



キュルケが、キャスターに最初に聞いてきたのは、宗一郎との馴れ初めだった。
「へぇ、それじゃあ貴女、元々はルイズの使い魔の、その使い魔だったの?」
「ええ、そうです。初めは周りの目を欺くための偽りの夫婦でしたが、いつしか……」
「恋の炎が燃え上がったのね!恋はまったくの突然ね!」
「ええ、突然なのよ!運命なのよ!」
もう、なんて言うか駄目な人たちである。

「ああ、羨ましいわ。私も何人とも恋の情熱を燃え上がらせたけれど、結局は醒めてしまうのよ」
「ふふふ、選びなさい、悩みなさい。いつか、突然に出会いはやってくるわ。妥協なんて許されないわ」
「ええ、そうなのよ! あ、そういえば出会った時の行為について詳しく!」

「ええ!? あー、その、そうね……ごにょごにょ……」
「ふん、ふん……きゃー!素敵じゃない!そんなこと言われたら燃え尽きてしまうわー!」
「そう、そうなの、燃え尽きてしまうのよー!」
その後も話は続き、そのうちに葛木メディアです~なんて話しているうちに本名がばれた。
メディアなどといっても、キュルケがわかるはずもないのだが。

その後、話題の旦那様はどうしているのかしらね、とキャスターは質の良い水晶玉を借りて、部屋を遠見していたのだった。

パキン、と水晶玉にひびが入った。
「あら、どうしたのかしら?」
「私の魔力に耐えられなかったのよ。もっと良いものがいるみたいね」
「確か、学院長が「遠見の鏡」を持っていたはずよ」
マジックアイテムというものだろう。図書館の資料にもあった。

「そうね、一度見せてもらうわ。作れるようなら、作ってみようかしら」
「さすがね、マジックアイテムを簡単に作るだなんて」


「一応、薬の調合も含めて、私の領分ですからね。貴方達とは、作り方が違うでしょうけど」
キュルケは、先住なのだから当然だと思った。
先住の魔法で作られたマジックアイテムは、どれも強力無比な物が多い。

「さてと……少し、図書館に用があるから行くわ。明日の朝までには戻るから」
「別にいいけど……少しは使い魔らしくしたら?」
そう口にするキュルケだが、キャスターの力量が自分を凌駕しているのは理解している。
本来なら、殺されてもおかしくはないのだ。
「素質があるのは認めるけどね。せめてそういう口は、親越えぐらいしてからにしなさい」
バタン、とドアを閉めて出て行くキャスター。
「無茶をいう使い魔ね。でも、それで多少は認める気があるとしたら、良い目標になりそうだけど」

キャスターは、再び図書館に向かう。
その途中、中庭で見慣れた顔を見る。
「あら、騎士王。何をしているの?」
「……キャスターですか」
そこにいたのは、セイバーとそのマスター、タバサ。そして、一匹の竜。

「竜……こっちには、まだ普通にいるのね」
「ええ。ですが、我々が良く知るタイプの竜は、こちらでは「韻竜」と呼ばれている。
既に絶滅したと言われているそうです」
どこから借りてきたのか、これに乗ってどこかへ行くつもりらしい。
「……ところで、騎士王とは?」
タバサが、先ほどの呼び方について尋ねる。
その小さな体から、キャスターは、自分に対して必要以上の警戒を抱いているように感じた。

「あら、説明していないのセイバー? 自分は今は亡き小国の王でしたって」
「では、王族」
「余計なことを……タバサ、私は既に王ではなく貴女の剣。
……それに、私が治めていた国は、どの文献にも載っていません」


この世界の国ではないのだ。誰にも通じず、嘘だと思われるだけだろう。
「深くは聞かない」
タバサも、それ以上を聞こうとしなかった。

「それで……やっぱり、宝具は?」
本来、自分達と対になって存在するはずの、切り札の消失。
「……ええ、聖剣も鞘も。……能力自体は、サーヴァントであったそれと変わらないのですが……」
「セイバー、貴女は……もう二つの異変について、気がついていないの?」
「……この世界のマナが豊富なため、マスターからの魔力供給を、ほとんど必要としないことですか?」
そう、この世界のマナの量は、神代のそれに匹敵する。
冬木の霊脈が最低ライン、アオザキ級の霊脈もボロボロ転がってる次元だ。
セイバーも、キャスターも、呼吸できれば魔力を取り込めるようなものだ。
「それが一つ……あとね、貴女は元々そうでしょうけど……霊体化が出来ない。「受肉」してるわ」
セイバーの目が見開かれる。
「生前と同様……いえ、知名度補正を除けば、生前以上かもしれない。心臓と脳さえ無事なら、簡単に消滅もしないでしょう」
「な―――ですが、それでは……凶悪な存在を呼んだ場合、どうにもならないではないですか!」
サーヴァントの召喚でさえ、絶対命令権……令呪という保険が存在したのだ。
魔力供給の必要がなく、消滅の心配がないということは……マスターに従う理由もない。
「キャスター……まさか、既に」
「キュルケに手なんか出さないわよ、趣味じゃないもの」
「いや、そういうことを聞いて……くっ、卑猥な目で私達を見るな!」
「これが普通よ、失礼ね! ……たしかに、なんらかの強制力でもあるのかもしれないわね」
お互いに、手の甲に刻まれたルーンを見る。
「このルーンの効力ですか? ……判らないことだらけですね」



「セイバー、時間」
「わかりました。では、キャスター、私たちはこれで……」
セイバーが竜の手綱を手に取り、空へと舞い上がる。
「判らないことが多すぎるけど……まず、何故呼ばれたかをはっきりさせようと思うわ」
「頼みます、と私が言うのも妙ですね。……あまり、無茶はしないことを願いましょう」

後ろにタバサを乗せて、闇夜へと消えていった。

「セイバーが働いているのを見ると……大変なことが起きてるって気がするのよね」
誰もいなくなった中庭を後に、図書館へ向かう。

そこには、既に先客がいた。
「あら、ミスタ・コルベール。もしかして、先ほど会ったときから?」
「おや、ミセス・キャスター。貴女も、何か調べ物ですかな?」
ちょうどいい、とキャスターはほくそ笑む。

「ああ、できれば精神操作はやめていただきたい」
「……何のことかしら?」
「ミスタ・ギトーが、ここで呆けていました。あれも、貴女の仕業なのでしょう?」
手ごわい相手だ。とりあえず、ここはおとなしくするしかない。

「……実は私たちは、「東の世界」(ロバ・アル・カリイエ)に住んでいる種族なのです。
私のように、エルフと似ている者もいますが、セイバーも私も「英霊」という種族です」
「知らない種族だな……ディテクト・マジックでも正体が探れないわけだ」
先ほどから気になっていた魔法は、探知の魔法という奴らしい。


「東方では、使われている文字が違い……私も、人間の宗一郎様も、こちらの文字は読めません」
「そうか、それでミスタ・ギトーを操ったわけですな。彼ほどの魔法使いを操れるとは……やはり、先住の?」
「東方に、独自に伝わる魔法ですわ。あちらでは、魔術と呼ばれています」



「それは興味深い。……それはさておき、できれば操るのはやめていただきたい。私は、あのルーンについて調べたいのです」
ルーンの言葉に、まさか、とキャスターは驚く。

「貴方も、宗一郎様のルーンを?」
「おや、貴女もそうでしたか。あのルーンは見た事がない珍しいものでしてな」
「なら、操る必要もないようでしたわね。分かりました、調べものは貴方に任せましょう。
どうやら、ここには覗きが趣味の御仁もいるようですし……これ以上、物騒な真似はやめましょう。」
コルベールは、首をかしげ……ディテクト・マジックを使う。
キャスターの周りから、今まさに離れていった魔力の痕跡……

「学院長ですな……あまり、気を悪くしないでください。
我々には、生徒を守る義務がある。貴女が、夫を守ろうとするものより、弱いかもしれませんが」
「今日のところは、お互い様、ということにしておきましょう。
ところで、文字の勉強をしておきたいのですが……そういった本は、ありますか?」

「おお、怖い怖い」
遠見の鏡で、キャスターの様子を見ていた学院長、オールド・オスマン。
白いひげを弄りながら、ニヤニヤ笑う。
「ミス・ロングビルとは、また違う色気があるのう! 下着の色はなんじゃろうなあ?」
このジジイ、生徒とかどうでもいいらしい。

月の明かりだけが、窓から差し込む部屋の中、葛木宗一郎は半身を起こす。
月が二つある世界……キャスターにとっても、未知の世界らしい。
「なぜ、私まで呼ばれたのか、疑問ではあるが……」
大した問題ではなかった。
これは、夢の続きではない。紛れもない現実だ。
―――そう、葛木宗一郎の心に、僅かに芽生えたモノ。

嬉しさ、だった。



キャスターが呼び出されたとき、初めて出会ったときのように、胸の鼓動が変調をきたした。
彼女の使い魔になったことに、何の他意もないつもりだったが……不純な動機もあったのではと恥じる。
「―――ならば、せめて殉じる覚悟程度、持ち合わせておくか」
今日一日の日常に、生死を分けるような出来事はなかった。
だが、それでも日常に潜む非日常が、いつ襲い掛かってきても良いように。
「蛇」は、再び牙を磨くことを、決意した。

「んー……で、でっかい犬と蜘蛛がああ……むにゃむにゃ」
そんなことを、ルイズは知る由もなく眠っていた。



「ほう、これがワルキューレかね。マイマスター!」
「そう、これが僕の美しきゴーレム……部屋なんで小さくしたが、ホントはこの10倍の大きさだ」
ギーシュの部屋では、ネコカオスに魔法を披露するギーシュの姿があった。
「いやぁ、凄い!こんなの見たことねー!」
「ははは、褒めすぎだよネコカオス!」
「いやいや、実に素晴らしい!
などという、べた褒めにギーシュはご満悦だった。

(かかった、バカめッ! やっぱり仕事は面倒だから、褒めてごまかすに限るぜええい!)

こんな平和な時間を過ごす二人だったが……
その終わりは着々と近づいていた。
通過儀礼の時は、近い。


おまけ 四人の冒険(2)

サイト「今日は……こんなにも……月が……きれい……だ」
フレイム「目を覚ませええ!! 月なんか無い!俺達を食い殺す気満々の枝しかない!」
ヴェルダンデ「あぶなあああい! 根っこが襲ってくるぅぅぅ!」
シルフィード「ど、どこなのねー! 殺人貴とか『弓』とか『王冠』はどこなのねー!!』
サイト「何でも……アインナッシュの実を採っても平気そうな並行世界だとかで……誰も、いな……」
フレイム「サイト! 死ぬなぁ! くそッ、もう……ここで死ぬしかないのか!?」

謎の魔女「ふっふっふ、お困りのようですね?」
フレイム「こ、こんなところに人が?」
謎の魔女「そこの人、どうにも死ぬ寸前ですけど、そんな人にぴったりの商品があるんですよ!」
シルフィード「な、何でも良いから売ってなのねー!
謎の魔女「毎度ありー! 仮初の不老不死すら得られるという、このアインナッシュの実なんかどうですか?」

四人「「「「……え?」」」」

ゼルレッチ「お帰り。良く帰ってこれたな」
サイト「てっめえええ!! 7万の軍勢の方が兆倍マシな地獄だなんて聞いてないぞ!」
ゼルレッチ「悪い、ゴメン、すまない……これでいいだろう? ふむ、本当にアインナッシュの実を採ってくるとはな」
シルフィード「あの森にいた人、何者なのね?」
ゼルレッチ「あの世界では、アインナッシュの森は、通称マジカルアンバーに制圧された。
私は面白いと思ったのだが、あの世界にも、この実を狙う愚か者は多い。
面白空間に、人の死体など邪魔なだけ。よって、災いの種は取り除くことにした」
フレイム「人の命と優先順位おかしくないか……?」
マジカルアンバー「あのー、ちょっといいですか?」
ゼルレッチ「噂をすればなんとやら……世界を超えてまで、何用かな?」
マジカルアンバー「アインナッシュの実の代金、ゼルレッチさんが払ってくださるそうで」
ゼルレッチ「そういうことか……宝石剣を質に入れても良いが、少し待ってもらえるかね?」
マジカルアンバー「おや、何か当てでも?」
ゼルレッチ「うむ、金とか有り余ってる奴に心当たりがある」
サイト「お、俺達、もう出番とかいらないんで……」
ゼルレッチ「魔法使いに借金して、帰れるとでも? なに、次は簡単な仕事だ。
ギャンブルで、金を稼いできなさい。「フェムの船宴」とやらの会場までは送ろう」

ツールボックス

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