魔眼の使い魔 18


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その日ティファニアが買出しから戻ると、屋根の上でハサンが金槌を振るっていた。
「何してるんですか?」
「おおティファニア殿か。なに、私は歴代ハサンの集合体なのでな、私の中の“日曜大工
が趣味だったハサン”が痛んだ屋根を放っておけんのだ」
「よく分からないけど有り難うございます」
漆黒のマントで全身を包んだ髑髏仮面が重力を無視した動きで屋根の上を這い回る光景は
かなりホラーだったが、神経が太いのか感性が特殊なのかティファニアはすっかり馴染んでいる。
家の前に立ったところでドアの中から漂ってくる香ばしい匂いに気がついたティファニア
が台所に行ってみると、釜戸にかけられた鍋の中で豆と野菜が真っ赤なスープで煮込まれ
ていた。
「買物帰りのティファニア殿に昼食の用意までさせるのも悪いと思ったので“料理が趣味
だったハサン”の記憶を元にありあわせの材料で作ってみた」
天窓から蛇のように滑り込んだハサンに即され、一口味見をしてみたティファニアは目を
丸くした。
「美味しい!」
「気に入ってもらえて何よりだ、では子供達を呼んでくるといい」
自分の皿に料理をよそおい、外に出て行こうとするハサン。
「どこに行くんですか?」
「私が一緒では子供達が食事を楽しめないだろう」
もともと近寄りがたい外見のハサンだったが、昨夜の一件以来はっきりいってドン引きさ
れていた。
「駄目です、確かにハサンさんは見た目はハッキリ言ってアレですけど本当はいい人だっ
てことはあの子達も分かってます。それにハサンさんはもう私達の家族です、家族は一緒
に御飯食べなきゃダメなんです!」
興奮のあまり両手を振り回し、胸に装備した“尊き幻想(ノーブル・ファンタズム)”をた
っぷんたっぷんさせて力一杯主張するティファニアの前ではさすがのハサンも降参するし
かない。
「敵わんなティファニア殿には」
そして昼食後
「あ、はぁ…うふぅん…ふぁああっ!」
「ふむ、かなり凝っているな…」
ティファニアのあげるやたら官能的な声を聞いても毛ほどの動揺も見せずにマッサージを
続けるハサン。
「そこ…そこイイッ!……凄い、スゴイのぉ…あはあ!」
「人体の構造に精通していなくては暗殺者は務まらんからな。だがこの凝りは神経性のも
ののようだ、何か心配事があるのではないか?」
「さ、最近…マチルダ姉さんから…ンッ!ちっとも便りが…無くって、私…し、心配で…
ああっ!」
「確かトリスティンで教職についているのだったな。ふむ、一度様子を見に行ってみるか」

そのころトリスティンでは-
「いーですねー、お姉さんこういうタイプも好みです」
「アッー!!」
軍事教練のため学院に乗り込んできたアニエスが痴女の毒牙にかかっていた。

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