魔眼の使い魔 17


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。


その夜、マチルダ・オブ・サウスゴータは修復なった宝物庫のてっぺんに陣取り、月を眺
めながら酒を飲んでいた。
「ご一緒してよろしいでしょうか?」
音も無く舞い降りたメドウーサをジロリと睨む。
「イヤだと言っても聞きゃしないだろうに…」
手にしたグラスを“錬金”で半分の大きさのグラス二つにしてその片方をメドゥーサに渡
す。
「早かったね」
「それが取り柄ですから」
メドゥーサはアルビオンにウエールズを“配達”してきたところである。
ルイズの部屋でアンリエッタと再開したウエールズは砂を吐きそうな愁嘆場を繰り広げた
あと、「自分は祖国と運命を共にする」と宣言してアンリエッタに手紙を渡し、再び石化さ
れて-生身ではペガサスのトップスピードに耐えられない-天馬の背中に括り付けられ学
院を去っていった。
その一部始終につきあわされたマチルダが面白かろうはずがない。
恨み重なるアルビオン王家の筆頭が目の前にいて他人のフリを通さねばならなかったのだ。
酒でも飲まねばやっていられないだろう。
「これはイケますね」
「学院長のとっておきをガメてきたのさ」
「怒られませんか?」
「こっちは毎日尻を触られてるんだ、このくらいじゃ全然引き合わないね」
「荒れてますね」
「誰のせいだと思ってんだい」
「やはり許せませんか?」
「…………………………」
暫くの間無言で杯を傾ける美女二人。
「アンタはさ…」
マチルダはためらいがちに言葉を続けた。
「アンタは何であっさりウエールズを返しちまったんだい?アンタが味方すりゃレコン・
キスタだって…」
目の前の規格外の使い魔の力をマチルダは我が身で味わっている。
この使い魔という概念を逸脱した存在が持てる力の全てを振り絞ったらアルビオンすら墜
としかねない。
「私は一介の使い魔ですよ。皇太子が自ら決断し、主人が納得したことに横槍をいれるこ
とは出来ません」
メドゥーサはマチルダが初めて見る儚げな笑みをうかべた。

「もっともあの二人が全てをなげうって愛を貫くと言っていたら行く手を阻む者はことご
とく石にして微塵に砕いて堀川に流してやろうかと思ってましたが」
言葉の端に滲む苦い響きを感じ取ったマチルダは、ああ、この痴女(ヒト)も真っ当な恋
愛とは縁が無かったんだなあ。と、一瞬親近感を抱きかけたのだが。
「という訳でココロの隙間を埋めさせていただきます、主に貴女の肉体(カラダ)で」
「ちょっ、せっかくいつになくシリアスだったのに!?」
「さあ、豚のような悲鳴をあげなさい」
「いやーっ!ティファ!ティファぁあーッ!!」

その頃サウスゴータでは
「ハサンさん、食事のときくらいお面外しませんか?」
「むう、ティファニア殿がそう言われるなら」
はさんはかめんをはずした
こどもたちがあわをふいてきぜつした
「……御免なさい、つけたままでいいです」
「……承知した」

ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。