ありうるひとつの可能性-02


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 ☆衛宮士郎の場合

正直言ってソイツは気に食わなかった。
そいつは遠坂のサーヴァントとして呼ばれたのだが、本筋となんかずれてしまっている感じが気に食わなかった。
いや、本筋通りならもっと気に食わないやつが出てきていたような感じもするのだが。
「なああんた。正義の味方ってどう思う?」
土蔵の前に立っていた、ソイツに聞いてみた。
そいつはきっと正義の味方と呼ばれていたんだろう。なんとなくだがそう思った。
でもそれは自分の目指す正義の味方とはまた別の正義の味方だったんだろうということも同時に分かっていた。
「正義の味方?さあな」
「お前はそう呼ばれたことはなかったのか?」
「ああ、そう言われればそんなこともあったかもしれない」
「お前の肩書きだったんだろ?何で忘れてんだよ」
「いや、もっと別の肩書きが俺にはあった。そっちで呼ばれることが多かったからな。
だがそうだな、正義の味方か…」
何か考えているようだが、自分の人生でも振り返っているのだろうか。
少しして、
「ふっ」
嘲笑うように息を漏らした。笑われたのか?
「いやなに。正義の味方と俺は呼ばれたことはあるが、何でかと突き詰めたらな、おまえの期待に応えれる回答は俺は持ち合わせていない事に気がついた」
期待。俺はコイツに何を期待したのか。というか俺が何か期待していたことを見透かされていたのが若干癪に障った。
「俺の人生は一人の女のためにあった。一人の女のために前に出て、
一人の女のために7万の軍勢を止めて、一人の女のためにあそこに骨を埋めた。ああ、自分でも驚くぐらい何でもしたさ。惚れた女のために散々戦った。
そしてその時なんだかんだいってついでに助かった人がたくさんいた。
それで、こうなった。なに正義の味方なんてそんなもんだ」
一人の女のために戦った。ならばやはりあの夢はコイツの過去。
一人の女のためだけに、英雄になった。世界の皆のためでなく、数百人のためでもなく、正義なんてものはなおさら頭に入っておらず。
ただ一人の女を救うため「だけ」に世界と契約し、そして一生を終えた。その女には何度も罵倒されたが、それ以上の優しさを知ってしまって、そして惚れてそして朽ちた。
にしても、ある意味自分と正反対なのかもしれない。結果どれだけ多くの人間を救えるか、そのために少しの人間は切り捨てる正義の味方を目指す自分。
まずその一人を救おうとして、できればその周りの人間もすくって正義の味方になったソイツ。
「でもな、俺は確かに間違ったことはキライだったし、困ってた人は助けてきたつもりだぜ。
まあ結局いつもアイツのためだった気がするがな」
結果正義の味方になった人間。やはり自分とはとても違う。世界が違う。
「ところでお前そんなに自分の身の上喋っていいのか?マスターに何いわれるかわからないぞ」
「自分で聞いておいてよく言うなあ。まあ、俺のマスターも俺の正体は分かってないんだ。だからお前に分かるわけないだろう。そういう絶対な自信の下で俺はお前と喋っている」
なんか時々癪に障るなこいつ。
「まあ、お前も女は大事にしろ、男ならな。どうせお前俺のマスターに惚れてんだろ」
「なっ…!」
「隠すことはない。なに。俺のマスターもお前に惚れている節があるからな。
俺の前のご主人様に何処となくアレは似ている。精々優しくしてやることだ。下手な策は練らずにな」
かなり余計なお世話だった。

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