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行動宣言につけようと思ったけど、あまりに長くなりすぎたので没。エントリーにフォローするのもちと恥ずかしかったので、ここにそっと埋めておこう。

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広場で妙な衣装の妙な言葉遣いの賢者たちを目にしたとき、ユーキ・ユーラは眩暈を覚え思わず膝をついた。雪崩のように記憶が押し寄せてきて、思わず目を伏せて両手で顔を覆う。失われていた記憶が蘇り、自分が世界移動者であることを思い出したのだった。なぜ、記憶を失うはめになったのかはわからないが、やるべきことを思い出した。そして、自分の運命も。
(父さん、おじいちゃん、そしてエーちゃん…)
伏せた目から涙がこぼれる。世界移動者である自分は、遠からぬ未来にここから消える。愛しい人々の記憶から消えうせて…。
一瞬の感傷のあと、ユーキ・ユーラは涙を拭って立ち上がった。役目を果たすためにやって来た。泣いている暇はない。愛しい人々が少しでも良い未来を得られるように、我ら風の妖精たちはいるのだ。
「ユーラ、どうした?」
心配そうに、父さんが聞いてくる。それへ悲しげに微笑みかける。
「…啓示を、得ました」
嘘ではない…アブタマルの啓示ではないけれど、啓示は啓示だ。我が父なる神アブタマルよ、私は異界の者ではありますが、今しばらくはご援助ください。あなたの愛する民のために。
「彼らに最大限の援助をお願いします」
ユーキ・ユーラの父、ユーキ・ミーツは困惑したように娘を見つめた。惨劇を神の加護により奇跡的に生き延びたアブタマルの巫女として敬意を払われ、しかも年齢に相応しくない雰囲気をまとい始めた娘を、どう扱ったものかと悩む。しかし、ついには愛が勝った。たとえ、神が娘に宿ろうと、愛する娘には変わりないのだ。
「わかった。お前がそういうなら、手配をしよう」
ため息をつきつつ言う父の首へ、ユーキ・ユーラが抱きつき頬へキスをする。
「ありがとう、お父さん」
そして、隣に住む老人にも声をかける。
「おじいちゃん、おじいちゃんの知ってること、あの人たちに教えてあげて」
老人は、皺深い顔をさらに皺皺にして微笑んだ。未だ知性の輝きを失っていない瞳に、ユーキ・ユーラへの慈しみが浮かぶ。
「…もちろんじゃよ。道行くものを手助けするのはアブタマルの使徒として当然のことじゃ」
ユーキ・ユーラは老人にも抱きつき、その頬へキスをした。
「ありがとう…みんな、みんな、大好きよ」
微笑むと、2人から離れて賢者の方へ向かう。色々と状況について聞き出さないと。そして、彼らの手助けをしよう。愛する人たちの明日が少しでも良くなるように。ああ、旅に出るために用意していた羊鳥もあったっけ…。


カテゴリ: [儀式魔術] - &trackback- 2006年06月25日 18:09:27

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