概要

キットとは、水冷PCに必要な各種パーツを一通りセットにした製品。
PCケース内部へ設置する内蔵型と、ラジエーターやポンプ等の放熱・循環機構を
一体型のユニットにして、PCケース外部に設置する外付型がある。

内蔵型

PCケースに内蔵する事を前提にしているタイプ。ラジエーターに関しては外部設置を考慮して
取付ステー等が付属する製品もある。基本的にパーツを個別に購入して組み上げるスキルのない人に
向けた製品なので、パーツを個別に選んで組んだ場合と比べると性能面でやや劣る。

CoolerMaster Aquagate Max RL-HUB-KBU1-GP

ラジエーター アルミニウム製
12cmファン×2基仕様
ファン 850~2400rpm(22dBA)×2
ポンプ 流量400l/h
チューブ PVCチューブ 内径3/8インチ
フィッティング フェルールレス
ヘッド 銅製CPUヘッド
価格 3万円前後
備考 5インチベイ2段使用
ESA規格対応
COSMOSシリーズ対応
電蝕注意
nVIDIA提唱の周辺機器の監視制御技術「ESA」に対応する初の水冷キット。ESA対応コントローラーと
ポンプ、リザーバーを内蔵する5インチベイ2段型ユニットに、12cmファン×2仕様のアルミ製ラジエーター
を組み合わせている。銅製CPUヘッドやチューブ、クーラント、水温センサー2個等も付属する。同社製
PCケース「COSMOS」シリーズとの組み合わせを想定しており、付属ラジエーターは無加工で取り付け
可能となっているが、HWLabs社製ラジエーター「GTX360」や「GTS280」等も同ケースに対応しており、
冷却能力はそれらには及ばないので注意。ESA対応以外のスペックは平凡で、アルミ製ラジエーターは
電蝕に要注意、価格の方も3万円前後と少々高い。4gamerにレビュー記事があるが、妙なバンド位置や
チューブ折れ等、ネタ満載。

CoolingLab H2O Basic Set DC

ラジエーター HWLabs BLACK ICEシリーズ 各種選択式
銅製 8ファン×2基仕様 or 12cmファン×1~3基仕様
ファン Coolink社製ファン各種
※別売オプション
ポンプ Magicool Pumpstation 700 DC12Volt
リザーバー一体水没型 流量700l/h 揚程1.7m
チューブ PVCチューブ 内径8mm 外径10mm
フィッティング フェルールレス
ヘッド XIREX Stealth CPU Waterblock
銅製 ブレージング一体型
価格 17,980円
備考 ショップブランド
各社の製品を組み合わせたショップブランドのキット。CPUヘッドは「XIREX Stealth CPU Waterblock」。
ポンプにはリザーバー一体水没型の「Magicool Pumpstation 700 DC12Volt」を採用。ラジエーターは
HWLabs社製「BLACK ICE」シリーズの複数のモデルから選べる選択式となっており、自由度が高い。
水冷PCに必要なパーツがファン以外全て含まれており、性能面からも水冷PCのスターターキットとして
理想的な製品となっている。初水冷でどれを買えばいいのか悩んでいる場合は、この製品が第一候補。
価格も1万8千円弱と手軽で、競合製品の大半にコストパフォーマンスで圧勝している。

CoolingLab H2O Expert Set(GTX360/GTX420/GTX480/GTX560

ラジエーター HWLabs BLACK ICE GTXシリーズ
銅製 12cm or 14cmファン×3~4基仕様各種
ファン 12cmファン Coolink社製ファン各種
14cmファン XINRUILIAN社製ファン各種
※別売オプション
ポンプ Laing DDC-1RT 流量420l/h 揚程3.7m
Laing DDC-1 Plus RT 流量500l/h 揚程4.7m +2,500円
※2モデル選択式 防振ベース付+2,500円
チューブ UV Red ポリウレタンチューブ 内径8mm 外径10mm
フィッティング フェルールレス
ヘッド CoolingLab CPU Freezer Omega Rev.3 BR
真鍮製トッププレート 銅製ベース
価格 47,980~59,980円
備考 ショップブランド
COSMOS対応(GTX360モデル)
HWLabs社製大型ラジエーター「BLACK ICE GTX」シリーズを中心としたショップブランドのキット。
CPUヘッドは「CoolingLab CPU Freezer Omega Rev.3 BR」。ポンプは「Laing DDC-1RT」か、強化
モデルの「DDC-1 plus RT」の選択式。リザーバーは「CoolingLab Water Plex 25」。チューブの折れ
防止用スプリングや防蝕添加剤等も付属する。ポンプの防振ベースの有無や、ファンの種類や個数も
選択可能。商品名の末尾と同じ型番のラジエーターがセットになっているが、全て大型のモデルなので
取り付けには多少の工夫が必要。キット製品としては最高の冷却能力の構成だが、エキスパートセット
の名が示す様に、ある程度のスキルと予算を持った人向け。

EVERCOOL WC-212

ラジエーター アルミニウム製
メインラジエーター 8cmファン×1基仕様
サブラジエーター 12cmファン×1基仕様
ファン 8cmファン×1 3500rpm(35bBA)
12cmファン×1 1400rpm(28.3dBA)
ポンプ 吐出力630ml 吸入力1050mm
チューブ シリカチューブ コネクター接続済
フィッティング 独自方式
ヘッド CPUヘッド付属 詳細不明
価格 1万3千円前後
備考 5インチベイ1段使用
ファンコントローラー搭載
電蝕注意
ポンプとリザーバーに、メインラジエーター、液晶付ファンコントローラーを一体化した5インチベイ
1段型ユニットに、一回り大型のサブラジエーターとCPUヘッドを組み合わせた製品。付属チューブ
はコネクター付きで組み立ては比較的容易だが、独自のネジ方式で他社製品との互換性は低い。
5インチベイユニットにラジエーターを搭載している関係上、メインラジエーターの熱がPCの内部に
撒き散らされてしまう構造になっている。メインラジエーターもサブラジエーターもファンが高回転で
煩く、ファンコントローラーの使用が前提となっている。価格は安いが、チューブの内径が細い上に
ポンプが非力で、性能的には期待出来ない。

GIGABYTE 3D Mercury GZ-FW1CA-AJS/AJB

ラジエーター アルミニウム製
12cmファン×1基仕様
ファン 12cmファン×2 1000~2600rpm
両面設置 プッシュプル方式
ポンプ 流量400l/h
チューブ 詳細不明
フィッティング ホースバーブ
ヘッド プラスチック製カバー 銅製ベース
チューブ接続済
価格 5万円前後
備考 PCケース一体型
ファンコントローラー搭載
4ウェイスプリッターバルブ搭載
電蝕注意
水冷キットを最初から内蔵したアルミ製PCケース。12ファン1基仕様のアルミ製ラジエーター、ポンプ、
リザーバー等を内蔵しており、これに銅製CPUヘッドを組み合わせている。ケース一体型という利点が
生かされておらず、比較的小型のラジエーターしか搭載していない。ファンは2基搭載で、効率のいい
プッシュプル方式でマウントされてはいるものの、放熱面積の少なさをカバーする程の効果は期待薄。
制御系に関しては、ファンコントローラーや低水位・過熱防止機能等充実しているのだが、冷却能力を
考えると持ち腐れ気味。チューブを分岐するスプリッタバルブ等も搭載しているが、高発熱のチップを
複数冷却するには冷却能力が心許ない。水冷キットの部分はオマケと割り切るにしても、5万円前後
という高価格は厳しい。

KOOLANCE Aquian ICM-510+CPU

ラジエーター アルミニウム製
12cmファン×1基仕様
ファン 12cmファン×1 720~2400rpm
ポンプ 詳細不明
チューブ Clear UV-Reactive PVC
内径6mm 外径10mm
フィッティング フェルールレス
ヘッド プラスチック製カバー
金メッキ銅製ベース
価格 3万5千円前後
備考 3.5インチベイ1段使用
一体型ユニット方式
ファンコントローラー搭載
電蝕注意
ラジエーター、ポンプ、リザーバーを一体化したユニットを、PCケース背面の12cmファンを使い
背負わせる構造のキット。12cmファンのみでユニット全体を支えているので、強度面で不安がある。
また、PCケース背面からCPU付近にかけて大きなスペースを必要とするので環境を選び、付属の
薄型CPUヘッド以外のCPUヘッドの使用も難しい。10段階に可変するオートファンコントロール機能
があり、付属の3.5インチベイ型の水温表示液晶付操作パネルからマニュアルコントロールする事も
可能。アルミ製ラジエーターと金メッキ銅製ヘッドの組み合わせなので電蝕に注意。他社の製品と
比較すると性能の割りに高価格で、同社の外付型キット「EXOS-LT」とも競合してしまっている。

Swiftech H20-COMPACT(120/220

ラジエーター MCR120-QP Res 12cmファン×1基仕様 or
MCR220-QP Res 12cmファン×2基仕様
銅製 リザーバー一体型
ファン XINRUILIAN RDM1225S
12cmファン×1 or ×2 2000rpm(36dB)
ポンプ 流量330LPH(l/h) 揚程3.3m
チューブ ノルプレンチューブ 内径3/8インチ
折れ防止用コイル付
フィッティング ホースバーブ
ヘッド Apogee Drive
ポンプ一体型 銅製ベース
価格 H2O-120 2万2千円前後
H2O-220 2万5千円前後
備考 フィッティング交換不可
ポンプ一体型の銅製CPUヘッド「Apogee Drive」と、12cmファン仕様のリザーバー一体型銅製
ラジエーター「MCR120/220-QP Res」の2つのパーツのみで構成されている、非常にシンプルな
組み合わせのキット。12cmファン1基仕様のラジエーターを同梱する「H2O-120」と、2基仕様の
「H2O-220」の2モデルがある。CPUヘッドのポンプ部はLang社製ポンプ「DDC-1」のOEM品で、
ベース部は同社のCPUヘッド「Apogee」シリーズと同型の銅製ベースを使用。比較的高性能の
CPU水冷環境を手軽に構築可能で、軽いオーバークロック程度なら十分こなせる能力もある。
ラジエーターがやや大型で多少設置環境を選ぶ事と、フィッティングがビルトインタイプなので、
フィッティングの交換やチューブの変更が不可能な事が欠点。

Thermaltake Bigwater 735 CL-W0075

ラジエーター アルミニウム製 12cmファン×1基仕様
ファン 12cmファン×1 1300~2400rpm(16~30dB)
ポンプ P400 流量400l/h 騒音値16dBA
チューブ iTube9 CL-W0055
UV PVCチューブ 内径3/8インチ
フィッティング フェルールレス
ヘッド プラスチック製トップ 銅製ベース
青色LED付
価格 1万5千円前後
備考 PCIブラケット型ファンコントローラー付属
電蝕注意
12cmファン1基仕様のアルミ製ラジエーターに、「P400」ポンプとリザーバー、銅製CPUヘッド等
から構成されるキット。PCIブラケット型のファンコントローラーも付属している。水冷PCに必要な
パーツは一通り付属しており、良くも悪くも標準的な構成だが、性能もそれなりと考えた方がよい。
1万円半ばと安価。例によって電蝕には注意。

Thermaltake Bigwater 760i CL-W0121

ラジエーター アルミニウム製 12cmファン×1基仕様
ティンプルチューブテクノロジー採用
ファン 12cmファン×1 青色LED付
1600~2400rpm(16~20dB)
ポンプ P500 流量500l/h 騒音値16dBA
チューブ iTube9 CL-W0055
UV PVCチューブ 内径3/8インチ
フィッティング フェルールレス
ヘッド 銅製 ブレージング製法一体型
価格 2万円前後
備考 5インチベイ2段使用
一体型ユニット方式
可変回転数ファン搭載
CPCカップリング使用
ポンプ故障事例有
圧損・電蝕注意
冷却液の対流を起こすディンプル加工を施したアルミ製ラジエーターや、ブレージング製法を用いた
一体型の銅製CPUヘッド等の意欲的な技術を採用しつつ、それを何故か5インチベイ2段内蔵型の
ユニットシステムとして仕上げてしまったキット。ラジエーターの排熱がケース内部で還流してしまう
構造の為、御自慢の新技術も台無し。見た目を気にしないのであれば、5インチベイには内蔵せずに
ケースの外部に設置する事を推奨。ポンプに同社の「P500」を使用しているが、スレッド内では焼損
トラブルの報告がある。CPCカップリングによる圧損と、電蝕に注意。価格は2万円を切る程度。

Thermaltake Bigwater 770 CL-W0187

ラジエーター アルミニウム製 12cmファン×1基仕様
ティンプルチューブテクノロジー採用
ファン 12cmファン×1
1300~2400rpm(16~30dB)
ポンプ P500 流量500l/h 騒音値16dBA
チューブ iTube9 CL-W0055
UV PVCチューブ 内径3/8インチ
フィッティング フェルールレス
ヘッド 銅製 ブレージング製法一体型
価格 2万3千円前後
備考 5インチベイ2段使用
可変回転数ファン搭載
CPCカップリング使用
ポンプ故障事例有
圧損・電蝕注意
「Bigwater 760i」の派生品。ディンプル加工のアルミ製ラジエーターや、ブレージング製法を用いた
一体型の銅製CPUヘッド、5インチベイ2段内蔵型等といった特徴はそのままだが、ラジエーターが
別パーツとなり、ベイユニットはポンプ兼リザーバーとなっている。メーカーではリザーバーの容量が
130mlから330mlに増加した事も売りとしている。特徴的な付加機能もなくスタンダードな構成だが、
逆に売りとなる部分もこれといってない。CPCカップリングによる圧損と、電蝕に注意が必要なのも
相変わらず。価格は2万円台前半。ポンプは「業界最強」を謳うが新製品という訳ではなく、信頼性に
疑問のある既製品で、Lang社製等の定番品と比較してしまうと性能的にも苦しい。派手な売り文句
には注意したい。

Thermaltake BigWater 780e CL-W0169

ラジエーター アルミニウム製 12cmファン×1基仕様
ティンプルチューブテクノロジー採用
ファン 12cmPWMファン×1 青色LED付
800~2500rpm(10~20dB)
ポンプ P500 流量500l/h 騒音値16dBA
チューブ iTube9 CL-W0055
UV PVCチューブ 内径3/8インチ
フィッティング フェルールレス
ヘッド 銅製 ブレージング製法一体型
価格 2万円台後半
備考 5インチベイ2段使用
ESA規格対応
一体型ユニット方式
CPCカップリング使用
ポンプ故障事例有
圧損・電蝕注意
「Bigwater 760i」の後継。基本的なパーツ構成は同じだが、新たにESA対応コントローラーを搭載。
リザーバー容量は増加し、ファンの最低回転数も低下しているが、それ以外には大きな変更はなく、
排熱還流問題も未解決。価格もUPしており、ESAを試したい人以外には特に魅力がない。

Thermaltake ProWater 850i CL-W0175

ラジエーター アルミニウム製 12cmファン×1基仕様
ティンプルチューブテクノロジー採用
ファン 12cmファン×1
1300~2400rpm(16~30dB)
ポンプ P500 流量500l/h 騒音値16dBA
チューブ iTube9 CL-W0055
UV PVCチューブ 内径3/8インチ
iStripe チューブ折れ防止コイル付
フィッティング フェルールレス
ヘッド 銅製 ブレージング製法一体型
価格 2万円前後
備考 可変回転数ファン搭載
ポンプ故障事例有
電蝕注意
「Bigwater 735」の後継。ディンプル加工のアルミ製ラジエーターに、「P500」ポンプとリザーバー、
銅製ブレージングCPUヘッド等で構成されるキット。パーツの構成自体は至って標準的なのだが、
Thermaltake社製という事もあって、性能や信頼性に過度の期待は禁物。相変わらずアルミ製の
ラジエーターなので電蝕に注意が必要である。価格は2万円を切っているが、少々の予算追加で
「H2O BASIC」や「H2O-COMPACT」が買えてしまうので、今一つ価格競争力に欠ける。

ZALMAN Z-Machine LQ1000

ラジエーター アルミニウム製 22cmファン×1基仕様
PCケース一体型ラジエーター
ファン 22cmファン×1 青色LED付
550~880rpm
ポンプ 流量300l/h 揚程1.8m
チューブ シリコンチューブ 内径8mm 一部接続済
フィッティング ホースバーブ
ヘッド アルミニウム製トッププレート 銅製ベース
価格 7万5千円前後
備考 PCケース一体型
ポンプ・ファンコントローラー搭載
電蝕注意
22cmファン仕様の大型アルミ製ラジエーターを搭載した、水冷キット内蔵のPCケース。ケースの
左側面部に、大型ラジエーターと22cmファンが吸気側で内蔵。底面にはポンプが設置されており、
アルミ製カバー銅製ベースのCPUヘッドが付属する。水温によってファンとポンプの回転数は自動
でコントロールされ、ノブ操作による手動調整も可能。ケースフロントには手動調整用のノブの他、
水位・過熱警告機能付のデジタル水温/温度計、ファン回転数と流量を表示するアナログメーター
等を搭載。ケース自体は4~5mm厚アルミを使用した同社の高級ケース「Z-MACHINE GT1000」
をベースにしており、質感は高い。付属CPUヘッドは電蝕の危険性が高く、ラジエーターにも大量
のアルミを使用している為、電蝕への注意が欠かせない。ポンプが非力である事や、ラジエーター
のファンが吸気側なので排熱がケース内部に導入される事にも留意したい。基本的にハイエンドの
高級ケースに類するので価格は7万円半ばと高額。予算に余裕があり、電蝕の危険性を許容可能
なら、極厚高剛性アルミケースと22cmファン仕様の大型ラジエーターは魅力的。

外付型

ポンプ、リザーバー、ラジエーター等を一体型のユニットにした製品。
PCケースの外部に設置して使用する。熱源から離れた外部の空気で冷却されるので効率的。
一体型構造なので手軽に導入可能だが、基本的にヘッド以外のパーツが決まっているので、
そのままでは希望する性能とマッチしない事もある。また、チューブや電源ケーブルもPCケース
外部に引き出す必要があるので外観は少々不恰好。一部の製品はメンテナンス性を考慮して
チューブにCPCカップリングを使用しているが、これは圧損が非常に大きいので要注意。
電蝕に関しては、大半の製品がアルミ製ラジエーターを使用しており、潜在的な危険性が高い。
日本国内で流通している製品は、PSE法の関係もあってPC電源から電力を得ているタイプが殆どで、
このケーブルを通じて外付型ユニットのラジエーターとPCケースが導通してしまっている場合がある。
実際に電蝕が発生するかについては、内部でラジエーターが絶縁されているかどうかによるので
ケースバイケースだが、電気を通さないプラスチック製筐体の製品は危険性が低いと思われる。

KOOLANCE EXOS-2

外付型としては定番の感のあるKOOLANCE社製ユニット。12cmファン2基とアルミ製ラジエーター、
LED照明付リザーバー、ポンプの他、3つまでの温度センサーを接続可能で、計測した温度によって
ファンの回転数を720~2400rpmの範囲で10段階に可変させるコントロールユニットを内蔵。
フロント部には計測しているセンサーのチャンネルと計測温度が表示されるバックライト付液晶と、
ファン回転数のマニュアルコントロール用のボタン等がある。最大発熱量750Wまで対応。
フィッティングは内径8mm外径10mmのフェルールレス。チューブや冷却液等が付属するが、
CPUヘッドは別売り。多機能で使いやすいが、約5万円という価格をどう捉えるかが問題。
また、KOOLANCEを始めとしたアジア系のメーカーは初期不良が多いので要注意。

KOOLANCE EXOS-2 LX

「EXOS-2」のポンプ強化モデル。流量が大きく増え、ポンプ回転数のマニュアルコントロールも
可能。チューブ径は同じだが、フィッティングも新型のシャットオフバルブに変更されている。
余計な事に価格の方もベースモデルから3割増となっている。

KOOLANCE EXOS-LT

「EXOS-2」のダウンサイズモデル。ファンが12cm2基から8cm2基に、チューブ径も内径8mm
から内径6mmに小径化、ファンコントロール機能も10段階から3段階に簡略化されている。
これに伴い冷却能力も350Wと半分以下となっている。「EXOS-2」と比べると価格も3割ダウン。

Thermaltake Rhythm CL-W0042

AV機器を思わせる薄型デザインが特徴。縦置き横置き両対応。チューブは内径1/4インチで
CPCカップリング付。銅製のCPUヘッドが付属しており、リザーバーには冷却液が充填済み。
1400rpm騒音値16dbの12cmファンが2基搭載されている。パーツ構成は標準的だが、
ポンプが83l/hと非力。ヘッドの追加やオーバークロックをするには全体的に心許ない。
美しいデザインと、実売3万円弱で半組立済みのお手軽さが売りといえる。

Thermaltake Tribe VX CL-W0081

「Rhythm」とは対照的な縦置きのボックス型デザインが特徴。ポンプに同社の「P400」を搭載しており、
流量が400l/hに大幅改善。その他のパーツはCPUヘッド等の付属品も含めて「Rhythm」とほぼ同じで、
価格面でも差は余りない。ファンの振動が原因でビビリ音が発生するとの報告有り。低速ファンへの
交換等で改善する。内部スペースに余裕があり改造ベースとして有望な製品。

ZALMAN RESERATOR 2

ファンを使用せず、巨大なヒートシンクによる自然対流で冷却するファンレス外付型ユニット。
「RESERATOR」シリーズの2代目。ファンレスによる静音化が主目的なので冷却性能は今一つ。
短期間でポンプが故障したとの報告が多く、性能も150l/hと少々非力。元々のポンプを
取り外して、PCケース内に別のポンプを追加する方が静音化や性能面からも推奨される。
フィッティングにはCPCカップリングを使用。チューブ径は内径8mm外径12mm。
チューブや冷却液等の付属品の他に、CPUとVGA用のヘッドが付属しているが、VGA用は
アルミ製なので電蝕に注意。豊富な付属品の為か、スペックの割りに約4万円とやや高価。

ZALMAN RESERATOR XT

「RESERATOR」シリーズで初めてファンを標準搭載したシリーズ3代目。14cmファンと
パッシブヒートシンクによるハイブリット冷却方式。ラジエーター搭載機には一歩譲るが、
ファンの搭載により騒音と引き換えに冷却性能が向上している。また、ポンプ流量が
300l/hと前モデルから倍になっている。ファンとポンプの回転数は、水温によって可変する
自動コントロールと、手動コントロールが選択可能。フロント部には手動コントロール用のノブ、
水位警告機能付のデジタル水温/室温計、ファン回転数と流量を表示するアナログメーター等が
搭載される。フィッティングにはCPCカップリングを使用。チューブ径は内径8mm外径12mm。
付属品は「RESERATOR 2」とほぼ同じだが、CPUヘッドは新型となり、VGAヘッドは付属しない。
CPUヘッドは銅製ベースにアルミ製トップという構造なので、使用する場合は電蝕に要注意。
価格は約5.5万円と前モデルから3割アップとなっている。ファンレスというシリーズ最大の
メリットが失われており、コストパフォーマンスの悪化もあって評価は今一つ。

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最終更新:2008年07月22日 00:35