「構成例」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

構成例」(2009/11/16 (月) 02:11:13) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*概要 水冷を新たに始めるには、一通りの部材がセットになったキットを使用する方法と、単品で売られている部材を組み合わせて構成する方法とがあります。 後者の方が自由度が高くて、将来的に拡張する際にもパーツの無駄が少なくなるというメリットがありますが、知識の乏しい初心者には敷居が高く感じられるのも事実です。 本項では、水冷初心者がとにかく迷いがちな、単品ものでシステムを構成していく場合について解説します。 ※本項は暫定です。記述内容についての議論を希望します(編集人) #contents() ---- *パーツ選択の前に -目的意識を持つ事は重要です。冷却能力を追求するのか、そこそこの規模で静音マシンとするのか、くらいは決めておきましょう。 -せめて[[FAQ]]には一通り目を通しましょう。 ---- *基本構成 ここでは、将来の拡張も考慮しつつ、基本構成として、CPUのみを冷却する場合のパーツ選択について考えます。 以下を順番に読み進めながらパーツを決定していくか、構成例をもとにカスタムしていくとよいでしょう。 **パーツ概要 標準的なPC水冷システムは、ラジエーター、冷却ファン、水冷ヘッド、ポンプ、リザーバ、フィッティング、チューブ、冷却液から成り立っています。 ***ラジエーター 循環している冷却水を冷やすためのパーツ。一般的にかなり大きなものなので、ケースや環境に合わせた設置スペースを予め考慮しておく必要があります。 CPU冷却のみでOCを考慮しないのであれば、120サイズ(12cmファン一個分)のもので足りますが、大きさと、将来的な拡張性のバランスから、240サイズ(12cmファン2個分)がひとつの目安となります。 予算と設置スペースが見込めるなら、より大型のものを選択してもかまいません。冷却能力が高くなり、また、静音化しやすくもなります。 HWLabsのBlack Iceシリーズが、性能や入手性の観点から定番となっています。 ラジエータ放熱容量目安 |GTS120|RIGHT:300W| |GTS240|RIGHT:700W| |GTS360|RIGHT:1100W| |GTX120|RIGHT:420W| |GTX240|RIGHT:900W| |GTX360|RIGHT:1400W| |GTX480|RIGHT:1800W| |GTXM80|RIGHT:180W| |GTXM160|RIGHT:360W| |GTXM92|RIGHT:200W| |GTXM184|RIGHT:400W| ※HWLabs Black Ice GTS120外箱より転記 ※あくまでも目安です。求める冷却性能やノイズレベルにもよりますが、数割は余裕を持たせたほうがいいでしょう。 ***冷却ファン 世の中には、ファンレスの冷却システムもありますが、ここでは考慮しません(240や360サイズ程度のラジエーターでは、あまり現実的ではないでしょう)。 ラジエーターには通常、冷却ファンを固定するためのねじ穴が両側に切ってあり、送風のみ(プッシュ)、吸出しのみ(プル)、両方(プッシュプル)を選べるようになっています。冷却効率はプッシュプル>プル>プッシュの順とされています。 予算と設置スペースにあわせて、ラジエーターにあった大きさと数を揃えましょう。 必要とされるファン回転数は、環境と構成によって千差万別です。最初は、ある程度高回転のものを用意した上でファンコンを導入するなど、工夫しましょう。 ファンを固定するためのねじは、通常ラジエーターに付属します。そうでないものは、別途注意書き等あるはずですので、確認しましょう。 ***CPUヘッド CPUに接触させて熱を奪うためのパーツ。別名(CPU)水枕。 シビアに性能を求めるのでなければ、どれを選んでも十分な性能を発揮するはずですので、予算と見た目で選べばよいでしょう。 ほぼ全ての水枕が、取り付け金具さえ交換すれば、CPUが変わっても対応できる形状になっていたりします。 ***ポンプ 家庭用100Vで駆動するACポンプと、PCの12Vで駆動するDCポンプとがありますが、後者の方が一般的に強力な上に対温水性が高く、電源との連動も簡単で扱いやすいです。 独Laing社のものが強力ですが、若干高価格です。 Thermaltakeのものは、焼損報告がいくつかあり、スレ内では若干否定的な扱いがなされています。 低価格のものはスペックもそれなりのものが並んでいますが、パーツを追加していっても意外と何とかなってしまうようです。数値ばかりに左右されないようにしましょう。もちろん高いものはそれなりによいものですが。 設置場所を決める際、下記のリザーバとの位置関係をある程度考慮しておく必要があります(後述)。 ***リザーバ 冷却水の一部をプールしておくためのタンク。経路の空気抜きや、冷却水の補充をし易くする役割も持っています。 最初の注水をやりやすくするために、ポンプのなるべく近くで、ポンプより高い位置に設置できる大きさ、形状のものを選択しましょう。 なお、冷却水容量はシステムの冷却能力に影響しないという考え方が一般的のようです。大型のものを無理して設置する必要はないでしょう。 ***フィッティング、チューブ 多くの水冷用パーツは冷却水の出入り口がねじになっており、そのままではチューブと接続することができません。そこで、フィッティング(もしくは、継ぎ手)と呼ばれるパーツが、チューブとの仲立ちをするために使われます。 また、チューブ同士を直角に接続する、分岐する、あるいはチューブサイズを変更するためのフィッティングもあります。 PC水冷用として使われるフィッティングには、チューブとの接続方法の違いにより、ホースバーブ、フェルールレス、プラグインの3種類があり、また、チューブの内外径サイズによっても必要なものは異なります。 すべてを説明していくととても長くなるので、ここでは作業性に優れたプラグインに絞って話を進めます。 国内においては、自作PC水冷用にはチューブ外径10mmのものが使われています。 プラグインフィッティングは、チューブを「差し込むだけ」なので、柔らかいチューブは使用できませんし、外形が崩れない様にインサートリングを使用する必要があります。チューブが歪んだり、縮んだりすると水が漏れるかもしれません。 漏水防止のために、チューブ内径(7.5もしくは8mm)に応じた金属製の短いパイプ(インサートリング)をチューブ端内径に挿入して使います。 チューブ差込口1つにつきインサートリング1個が必要です。 ラジエーター、CPUヘッド、ポンプ、リザーバに各2個ずつ、計8個がフィッティングの基本的な必要数量となります。各パーツのねじ仕様に合ったものを選択して下さい。ほとんどの場合、G1/4と呼ばれるねじです。 パーツにフィッティングが付属している場合や、フィッティングを必要としないパーツもありますが、プラグイン配管とは互換性がない場合は、フィッティングを交換したりチューブを変換する必要があります(初心者は、後者は避けたほうが無難でしょう)。 チューブ同士を直角に接続するエルボと呼ばれるフィッティングがありますが、構想の段階でチューブの曲げが辛そうだなと感じたら、迷わず追加しておくのがお勧めです。 コストを意識すると無理をしたくなるのですが、最終的にチューブの折れやつぶれが気になって追加した、ということになりがちなようです。 エルボを追加したら、インサートリングも追加する必要があります。エルボ1個につき、インサートリング2個が必要です。 なお、フィッティングの種類と規格についての詳細が、[[CoolinbLabのメインページ>http://www.coolinglab.com/]]にのっていますので、興味のある方はそちらを参照することをお勧めします。 ※当該ページの閲覧には登録(無料)が必要です。 ***冷却液 スレ住人の使用している冷却液は専用のものから流用品まで多岐にわたりますが、水冷パーツメーカーの販売しているものを説明書どおりに使えば、とりあえず問題ないと思われます。 [[冷却液・添加剤]]の項目も参照するとよいでしょう。 希釈が必要なものに関しては、必ず、純水を用意して下さい。安いもの(薬局で¥100/500ml程度で手に入ります)ですので。水道水はトラブルの元です。 **構成例 各パーツは、基本的に[[トップページ]]のクイックリンクのショップで購入可能なものから選択しています。 ***その1 |CENTER:&bold(){パーツ名}|CENTER:&bold(){商品名}|CENTER:&bold(){参考価格}| |ラジエーター|Black Ice GT Stealth 240|RIGHT:7,480| |CPUヘッド|Alphacool NexXxos XP Silver|RIGHT:7,980| |ポンプ&br()リザーバ|Magicool Pumpstation 700 DC12Volt|RIGHT:7,480| |フィッティング&br()チューブ|Legris Straight G1/4-10mm 6個&br()ポリウレタンチューブ 10/8mm UV Green/Red 3メートル&br()WR1280 インサートリング 6個|RIGHT:450x6&br()400x3&br()50x6| |冷却水添加剤|Faser Base - Corrosion Blocker|RIGHT:1,080| |その他|12cmケースファン 2個or4個&br()純水 500ml|CENTER:-| |合計|-|RIGHT:28,220以上| ごく一般的と思われるパーツを組み合わせてみましたが、将来的にVGAの追加および軽度のOCもこなせる構成となっています。 フィッティングにプラグインを選択し、メーカー製キットよりも配管作業が楽になっています。 将来的な発展性はいわずもがなです。 ポンプがリザーバと一体になっているため、フィッティングの必要最低数は6個です。エルボが必要な場合は適宜変更、追加して下さい。 ***その2 |CENTER:&bold(){パーツ名}|CENTER:&bold(){商品名}|CENTER:&bold(){参考価格}| |ラジエーター|Black Ice GT Stealth 280|RIGHT:9,980| |冷却ファン|XINRUILIAN RDL1425S|RIGHT:1,680x2| |CPUヘッド|CPU Freezer Omega Rev.3 BR|RIGHT:10,980| |ポンプ|Laing DDC-1RT with Pump Base|RIGHT:11,980| |リザーバ|Bitspower 525 Bay Reservior|RIGHT:6,580| |フィッティング&br()チューブ|Legris Straight G1/4-10mm 6個&br()PCF10-02 メスストレート2個&br()ポリウレタンチューブ 10/8mm UV Green/Red 3メートル&br()WR1280 インサートリング 8個|RIGHT:450x6&br()400x2&br()400x3&br()50x8| |冷却水添加剤|Faser Base - Corrosion Blocker|RIGHT:1,080| |その他|シールテープ&br()純水 500ml|CENTER:-| |合計|-|RIGHT:49,060以上&br()(キット参考価42,480+5,100以上)| CoolingLabのショップブランドキットであるH2O Pro Set for Coolermaster COSMOSをケーススタディとして挙げてみます。但し、同キットにはフィッティングが付属していないため、プラグインフィッティングおよびチューブ(他にシールテープおよび純水)を追加してあります。 注意すべき点として、Laing DDC-1ポンプの入出水口が、よく使われるG1/4メスねじではなく、R1/4オスねじとなっていることがあります。当然、その規格に合ったフィッティングが必要です。Rねじは配管接続用にテーパーになっているねじ規格で、水密を保つためにシールテープが必要になります。 リザーバーは5インチベイ内蔵タイプです。 全体的に高能力のパーツを組み合わせてあり、さらに水枕やラジエーターを追加して発展を図る性格の構成となっています。 CPUヘッド、ポンプ、リザーバあたりを変更すると、低価格化がはかれるでしょう。 ***その3 |CENTER:&bold(){パーツ名}|CENTER:&bold(){商品名}|CENTER:&bold(){参考価格}| |ラジエーター|Black Ice GTX-M192|RIGHT:7,480| |CPUヘッド|XIREX Stealth CPU Waterblock|RIGHT:5,980| |ポンプ|Laing DDC-1RT|RIGHT:9,480| |リザーバ|Bitspower Mini DDC Water Tank|RIGHT:3,980| |フィッティング&br()チューブ|Legris Straight G1/4-10mm 6個&br()ポリオレフィンチューブ 10x7.5 3メートル&br()WR1075 インサートリング 6個|RIGHT:450x6&br()280x3&br()50x6| |冷却水添加剤|Faser Base - Corrosion Blocker|RIGHT:1,080| |その他|9cmケースファン 2個or4個&br()純水 500ml|CENTER:-| |合計|-|RIGHT:31,840以上| DDC-1ポンプと、一体化可能な専用リザーバの組み合わせを前提とした構成です。そのコンパクトさを生かして、小型ケースに向くと思われる構成としてみました。 ラジエータは9cm2個分のサイズとなります。厚みが54mmもあるため、大きさの割りに放熱能力はありますが、搭載の難易度も同様に高めです。 ポンプにフィッティングを取り付ける必要がなくなるので、フィッティングの必要最低数は6個となります。 この例で選択したチューブは大変に硬く、曲がりくねったような配管をするのは難しいです。適宜エルボを追加しながら、チューブを直線的につないでいくような使い方をします。 ***その4 |CENTER:&bold(){パーツ名}|CENTER:&bold(){商品名}|CENTER:&bold(){参考価格}| |ラジエーター|Black Ice GT Xtreme 360x2|RIGHT:31,960| |CPUヘッド|CoolingLab CPU Freezer Omega Rev.3 BR|RIGHT:10,980| |ポンプ|Laing DDC-1 Plus RT|RIGHT:11,980| |リザーバ|CoolingLab Water Plex 25|RIGHT:4,280| |フィッティング&br()チューブ|Legris Straight G1/4-10mm 8個&br()日本ピスコ PCF10-02 2個&br()ポリオレフィンチューブ 10x7.5 3メートル&br()WR1075 インサートリング 10個|RIGHT:450x8&br()400x2&br()280x3&br()50x10| |冷却水添加剤|Faser Base - Corrosion Blocker|RIGHT:1,080| |その他|12cmケースファン 6個or12個&br()純水 500ml|CENTER:-| |合計|-|RIGHT:66,020以上| 何をもって最高例とするか分かれる処ではありますが、水冷システムの一つのフラグシップとして構成してみました。 ターゲットは完全にOC向けです。 GT Xtreme 360を2連つとし、ファンも高回転な製品が対象となります。(GT Xtremeが高回転ファンをターゲットにしているため) ポンプのフィッティングに関しては「その2」を参考して下さい。またチューブに関しても同様です。 当然ながらCPUだけではなく、VRMや各チップセット、VGA等を追加しても十分冷却可能です。 ただ水枕を追加していけば、その分圧損値も高くなりますので注意して下さい。 また、ファンも高回転ですので環境下次第では低回転にするためにファンコン、流量を監視するためのフローメーター、 水温を監視するためにサーモセンサー等を追加してもおもしろいと思います。 ---- *VGA水冷化 製品の方向性として、GPUのみの水枕とGPU+メモリ+VRM等全体を冷却するフルカバータイプの水枕があります。 ご自身が使用している製品の排熱量と相談しながら購入することをお勧めします。 ただしKOOLANCE製VGAフルカバー水枕はフィッティングのネジ部分が極端に短い為、 純正品以外のフィッティングを使用する場合はネジを自分で削り取る等の作業が必要になります。 ---- *NB,SB,VRM等 この辺りの水枕がご自身のマザーボードに付くか付かないか、気になるところだと思います。 まずは、ご自身のチップセットやVRMの取付穴ピッチを測定して、メーカーのHPで寸法を確認してみてはどうでしょうか。 ピッチが合えば、周りの部品との干渉具合を確認して不安であるようならば、販売店や水冷スレで相談してみては いかがでしょうか。 まずは気軽に相談してみて下さい。(それなりに調べた上でですが) ---- *コメントフォーム #comment_num2(below,disableurl)
*概要 水冷を新たに始めるには、一通りの部材がセットになったキットを使用する方法と、単品で売られている部材を組み合わせて構成する方法とがあります。 後者の方が自由度が高くて、将来的に拡張する際にもパーツの無駄が少なくなるというメリットがありますが、知識の乏しい初心者には敷居が高く感じられるのも事実です。 本項では、水冷初心者がとかく迷いがちな、単品ものでシステムを構成していく場合について解説します。 ※本項は暫定です。記述内容についての議論を希望します(編集人) #contents() ---- *パーツ選択の前に -目的意識を持つ事は重要です。冷却能力を追求するのか、そこそこの規模で静音マシンとするのか、くらいは決めておきましょう。 -せめて[[FAQ]]には一通り目を通しましょう。 ---- *基本構成 ここでは、将来の拡張も考慮しつつ、基本構成として、CPUのみを冷却する場合のパーツ選択について考えます。 以下を順番に読み進めながらパーツを決定していくか、構成例をもとにカスタムしていくとよいでしょう。 **パーツ概要 標準的なPC水冷システムは、ラジエーター、冷却ファン、水冷ヘッド、ポンプ、リザーバ、フィッティング、チューブ、冷却液から成り立っています。 ***ラジエーター 循環している冷却水を冷やすためのパーツ。一般的にかなり大きなものなので、ケースや環境に合わせた設置スペースを予め考慮しておく必要があります。 CPU冷却のみでOCを考慮しないのであれば、120サイズ(12cmファン一個分)のもので足りますが、大きさと、将来的な拡張性のバランスから、240サイズ(12cmファン2個分)がひとつの目安となります。 予算と設置スペースが見込めるなら、より大型のものを選択してもかまいません。冷却能力が高くなり、また、静音化しやすくもなります。 HWLabsのBlack Iceシリーズが、性能や入手性の観点から定番となっています。 ラジエータ放熱容量目安 |GTS120|RIGHT:300W| |GTS240|RIGHT:700W| |GTS360|RIGHT:1100W| |GTX120|RIGHT:420W| |GTX240|RIGHT:900W| |GTX360|RIGHT:1400W| |GTX480|RIGHT:1800W| |GTXM80|RIGHT:180W| |GTXM160|RIGHT:360W| |GTXM92|RIGHT:200W| |GTXM184|RIGHT:400W| ※HWLabs Black Ice GTS120外箱より転記 ※あくまでも目安です。求める冷却性能やノイズレベルにもよりますが、数割は余裕を持たせたほうがいいでしょう。 ***冷却ファン 世の中には、ファンレスの冷却システムもありますが、ここでは考慮しません(240や360サイズ程度のラジエーターでは、あまり現実的ではないでしょう)。 ラジエーターには通常、冷却ファンを固定するためのねじ穴が両側に切ってあり、送風のみ(プッシュ)、吸出しのみ(プル)、両方(プッシュプル)を選べるようになっています。冷却効率はプッシュプル>プル>プッシュの順とされています。 予算と設置スペースにあわせて、ラジエーターにあった大きさと数を揃えましょう。 必要とされるファン回転数は、環境と構成によって千差万別です。最初は、ある程度高回転のものを用意した上でファンコンを導入するなど、工夫しましょう。 ファンを固定するためのねじは、通常ラジエーターに付属します。そうでないものは、別途注意書き等あるはずですので、確認しましょう。 ***CPUヘッド CPUに接触させて熱を奪うためのパーツ。別名(CPU)水枕。 シビアに性能を求めるのでなければ、どれを選んでも十分な性能を発揮するはずですので、予算と見た目で選べばよいでしょう。 ほぼ全ての水枕が、取り付け金具さえ交換すれば、CPUが変わっても対応できる形状になっていたりします。 ***ポンプ 家庭用100Vで駆動するACポンプと、PCの12Vで駆動するDCポンプとがありますが、後者の方が一般的に強力な上に対温水性が高く、電源との連動も簡単で扱いやすいです。 独Laing社のものが強力ですが、若干高価格です。 Thermaltakeのものは、焼損報告がいくつかあり、スレ内では若干否定的な扱いがなされています。 低価格のものはスペックもそれなりのものが並んでいますが、パーツを追加していっても意外と何とかなってしまうようです。数値ばかりに左右されないようにしましょう。もちろん高いものはそれなりによいものですが。 設置場所を決める際、下記のリザーバとの位置関係をある程度考慮しておく必要があります(後述)。 ***リザーバ 冷却水の一部をプールしておくためのタンク。経路の空気抜きや、冷却水の補充をし易くする役割も持っています。 最初の注水をやりやすくするために、ポンプのなるべく近くで、ポンプより高い位置に設置できる大きさ、形状のものを選択しましょう。 なお、冷却水容量はシステムの冷却能力に影響しないという考え方が一般的のようです。大型のものを無理して設置する必要はないでしょう。 ***フィッティング、チューブ 多くの水冷用パーツは冷却水の出入り口がねじになっており、そのままではチューブと接続することができません。そこで、フィッティング(もしくは、継ぎ手)と呼ばれるパーツが、チューブとの仲立ちをするために使われます。 また、チューブ同士を直角に接続する、分岐する、あるいはチューブサイズを変更するためのフィッティングもあります。 PC水冷用として使われるフィッティングには、チューブとの接続方法の違いにより、ホースバーブ、フェルールレス、プラグインの3種類があり、また、チューブの内外径サイズによっても必要なものは異なります。 すべてを説明していくととても長くなるので、ここでは作業性に優れたプラグインに絞って話を進めます。 国内においては、自作PC水冷用にはチューブ外径10mmのものが使われています。 プラグインフィッティングは、チューブを「差し込むだけ」なので、柔らかいチューブは使用できませんし、外形が崩れない様にインサートリングを使用する必要があります。チューブが歪んだり、縮んだりすると水が漏れるかもしれません。 漏水防止のために、チューブ内径(7.5もしくは8mm)に応じた金属製の短いパイプ(インサートリング)をチューブ端内径に挿入して使います。 チューブ差込口1つにつきインサートリング1個が必要です。 ラジエーター、CPUヘッド、ポンプ、リザーバに各2個ずつ、計8個がフィッティングの基本的な必要数量となります。各パーツのねじ仕様に合ったものを選択して下さい。ほとんどの場合、G1/4と呼ばれるねじです。 パーツにフィッティングが付属している場合や、フィッティングを必要としないパーツもありますが、プラグイン配管とは互換性がない場合は、フィッティングを交換したりチューブを変換する必要があります(初心者は、後者は避けたほうが無難でしょう)。 チューブ同士を直角に接続するエルボと呼ばれるフィッティングがありますが、構想の段階でチューブの曲げが辛そうだなと感じたら、迷わず追加しておくのがお勧めです。 コストを意識すると無理をしたくなるのですが、最終的にチューブの折れやつぶれが気になって追加した、ということになりがちなようです。 エルボを追加したら、インサートリングも追加する必要があります。エルボ1個につき、インサートリング2個が必要です。 なお、フィッティングの種類と規格についての詳細が、[[CoolinbLabのメインページ>http://www.coolinglab.com/]]にのっていますので、興味のある方はそちらを参照することをお勧めします。 ※当該ページの閲覧には登録(無料)が必要です。 ***冷却液 スレ住人の使用している冷却液は専用のものから流用品まで多岐にわたりますが、水冷パーツメーカーの販売しているものを説明書どおりに使えば、とりあえず問題ないと思われます。 [[冷却液・添加剤]]の項目も参照するとよいでしょう。 希釈が必要なものに関しては、必ず、純水を用意して下さい。安いもの(薬局で¥100/500ml程度で手に入ります)ですので。水道水はトラブルの元です。 **構成例 各パーツは、基本的に[[トップページ]]のクイックリンクのショップで購入可能なものから選択しています。 ***その1 |CENTER:&bold(){パーツ名}|CENTER:&bold(){商品名}|CENTER:&bold(){参考価格}| |ラジエーター|Black Ice GT Stealth 240|RIGHT:7,480| |CPUヘッド|Alphacool NexXxos XP Silver|RIGHT:7,980| |ポンプ&br()リザーバ|Magicool Pumpstation 700 DC12Volt|RIGHT:7,480| |フィッティング&br()チューブ|Legris Straight G1/4-10mm 6個&br()ポリウレタンチューブ 10/8mm UV Green/Red 3メートル&br()WR1280 インサートリング 6個|RIGHT:450x6&br()400x3&br()50x6| |冷却水添加剤|Faser Base - Corrosion Blocker|RIGHT:1,080| |その他|12cmケースファン 2個or4個&br()純水 500ml|CENTER:-| |合計|-|RIGHT:28,220以上| ごく一般的と思われるパーツを組み合わせてみましたが、将来的にVGAの追加および軽度のOCもこなせる構成となっています。 フィッティングにプラグインを選択し、メーカー製キットよりも配管作業が楽になっています。 将来的な発展性はいわずもがなです。 ポンプがリザーバと一体になっているため、フィッティングの必要最低数は6個です。エルボが必要な場合は適宜変更、追加して下さい。 ***その2 |CENTER:&bold(){パーツ名}|CENTER:&bold(){商品名}|CENTER:&bold(){参考価格}| |ラジエーター|Black Ice GT Stealth 280|RIGHT:9,980| |冷却ファン|XINRUILIAN RDL1425S|RIGHT:1,680x2| |CPUヘッド|CPU Freezer Omega Rev.3 BR|RIGHT:10,980| |ポンプ|Laing DDC-1RT with Pump Base|RIGHT:11,980| |リザーバ|Bitspower 525 Bay Reservior|RIGHT:6,580| |フィッティング&br()チューブ|Legris Straight G1/4-10mm 6個&br()PCF10-02 メスストレート2個&br()ポリウレタンチューブ 10/8mm UV Green/Red 3メートル&br()WR1280 インサートリング 8個|RIGHT:450x6&br()400x2&br()400x3&br()50x8| |冷却水添加剤|Faser Base - Corrosion Blocker|RIGHT:1,080| |その他|シールテープ&br()純水 500ml|CENTER:-| |合計|-|RIGHT:49,060以上&br()(キット参考価42,480+5,100以上)| CoolingLabのショップブランドキットであるH2O Pro Set for Coolermaster COSMOSをケーススタディとして挙げてみます。但し、同キットにはフィッティングが付属していないため、プラグインフィッティングおよびチューブ(他にシールテープおよび純水)を追加してあります。 注意すべき点として、Laing DDC-1ポンプの入出水口が、よく使われるG1/4メスねじではなく、R1/4オスねじとなっていることがあります。当然、その規格に合ったフィッティングが必要です。Rねじは配管接続用にテーパーになっているねじ規格で、水密を保つためにシールテープが必要になります。 リザーバーは5インチベイ内蔵タイプです。 全体的に高能力のパーツを組み合わせてあり、さらに水枕やラジエーターを追加して発展を図る性格の構成となっています。 CPUヘッド、ポンプ、リザーバあたりを変更すると、低価格化がはかれるでしょう。 ***その3 |CENTER:&bold(){パーツ名}|CENTER:&bold(){商品名}|CENTER:&bold(){参考価格}| |ラジエーター|Black Ice GTX-M192|RIGHT:7,480| |CPUヘッド|XIREX Stealth CPU Waterblock|RIGHT:5,980| |ポンプ|Laing DDC-1RT|RIGHT:9,480| |リザーバ|Bitspower Mini DDC Water Tank|RIGHT:3,980| |フィッティング&br()チューブ|Legris Straight G1/4-10mm 6個&br()ポリオレフィンチューブ 10x7.5 3メートル&br()WR1075 インサートリング 6個|RIGHT:450x6&br()280x3&br()50x6| |冷却水添加剤|Faser Base - Corrosion Blocker|RIGHT:1,080| |その他|9cmケースファン 2個or4個&br()純水 500ml|CENTER:-| |合計|-|RIGHT:31,840以上| DDC-1ポンプと、一体化可能な専用リザーバの組み合わせを前提とした構成です。そのコンパクトさを生かして、小型ケースに向くと思われる構成としてみました。 ラジエータは9cm2個分のサイズとなります。厚みが54mmもあるため、大きさの割りに放熱能力はありますが、搭載の難易度も同様に高めです。 ポンプにフィッティングを取り付ける必要がなくなるので、フィッティングの必要最低数は6個となります。 この例で選択したチューブは大変に硬く、曲がりくねったような配管をするのは難しいです。適宜エルボを追加しながら、チューブを直線的につないでいくような使い方をします。 ***その4 |CENTER:&bold(){パーツ名}|CENTER:&bold(){商品名}|CENTER:&bold(){参考価格}| |ラジエーター|Black Ice GT Xtreme 360x2|RIGHT:31,960| |CPUヘッド|CoolingLab CPU Freezer Omega Rev.3 BR|RIGHT:10,980| |ポンプ|Laing DDC-1 Plus RT|RIGHT:11,980| |リザーバ|CoolingLab Water Plex 25|RIGHT:4,280| |フィッティング&br()チューブ|Legris Straight G1/4-10mm 8個&br()日本ピスコ PCF10-02 2個&br()ポリオレフィンチューブ 10x7.5 3メートル&br()WR1075 インサートリング 10個|RIGHT:450x8&br()400x2&br()280x3&br()50x10| |冷却水添加剤|Faser Base - Corrosion Blocker|RIGHT:1,080| |その他|12cmケースファン 6個or12個&br()純水 500ml|CENTER:-| |合計|-|RIGHT:66,020以上| 何をもって最高例とするか分かれる処ではありますが、水冷システムの一つのフラグシップとして構成してみました。 ターゲットは完全にOC向けです。 GT Xtreme 360を2連つとし、ファンも高回転な製品が対象となります。(GT Xtremeが高回転ファンをターゲットにしているため) ポンプのフィッティングに関しては「その2」を参考して下さい。またチューブに関しても同様です。 当然ながらCPUだけではなく、VRMや各チップセット、VGA等を追加しても十分冷却可能です。 ただ水枕を追加していけば、その分圧損値も高くなりますので注意して下さい。 また、ファンも高回転ですので環境下次第では低回転にするためにファンコン、流量を監視するためのフローメーター、 水温を監視するためにサーモセンサー等を追加してもおもしろいと思います。 ---- *VGA水冷化 製品の方向性として、GPUのみの水枕とGPU+メモリ+VRM等全体を冷却するフルカバータイプの水枕があります。 ご自身が使用している製品の排熱量と相談しながら購入することをお勧めします。 ただしKOOLANCE製VGAフルカバー水枕はフィッティングのネジ部分が極端に短い為、 純正品以外のフィッティングを使用する場合はネジを自分で削り取る等の作業が必要になります。 ---- *NB,SB,VRM等 この辺りの水枕がご自身のマザーボードに付くか付かないか、気になるところだと思います。 まずは、ご自身のチップセットやVRMの取付穴ピッチを測定して、メーカーのHPで寸法を確認してみてはどうでしょうか。 ピッチが合えば、周りの部品との干渉具合を確認して不安であるようならば、販売店や水冷スレで相談してみては いかがでしょうか。 まずは気軽に相談してみて下さい。(それなりに調べた上でですが) ---- *コメントフォーム #comment_num2(below,disableurl)

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: