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短編31

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旧シャア専用はただいま家出中だった
何故か?それは未来技術がロボットにべったりだから・・・だ
確かに自分は古いかもしれないが・・・それでもやはりロボットばかり構うのは不公平じゃないか
いや、たしかにロボットの方が自分より1000倍可愛いかもしれないが・・・
旧シャア専用は高い位置を飛びながら腕を組んで考える
このまま何処かへ行くとしても電池が切れる・・・はずだ
空から見る世界はなんだか模型で作ったかのような世界だった
四角くて同じ建物がいくつも並んでいて、まるで詰め合わせの物のように家が並んでいる
      • そろそろ空を飛ぶのもきつくなってきたかもしれない・・・旧シャア専用はゆっくりと地上へ降り立った
田舎だけあってちらほらにしか人が居ないのが救いだ
道路を全力で横断して草むらに隠れて移動を繰り返せばいくらでも遠くへいける
「・・・?これは・・・?」
それは麦藁帽子に髪を三つ編みにした女の子のように見えた
旧シャア専用の体を持ち上げるとその女の子は不思議そうな顔をして見つめている
「・・・さっき動いてた・・・?」
「・・・・」
旧シャア専用は必死に子供に捨てられたおもちゃのフリをしているが、どうにも見つめられるのは照れる
それに電池ももうすぐ切れそうになっていることに旧シャア専用は気付き・・・相手をじっと見詰める
捨てたりするような顔ではないようだし、少しは賭けをしてみても平気だろうか・・・?
「・・・ええっと・・・」
「喋った!」
旧シャア専用をグルグルと回転させて何処から声が出ているのかを探す女の子に旧シャア専用は冷や汗をかく
「いや、まって・・・聞いて頂きたいのです」
旧シャア専用の声に女の子は不思議そうに頭をかしげて旧シャア専用を見た
「じつは・・・司令官の家からこの度、出家をしたのです。それで・・・居候にして頂けないかと」
丁寧な・・・といってもその言葉遣いがプログラムされているのだからそれしか言えないのだが、旧シャア専用は言った
女の子はしばらく旧シャア専用を見つめていたが、すぐに笑顔になる
「いいよ、私は園芸っていうの」
よろしくっ!と頭を撫でてくる園芸に旧シャア専用は妙な懐かしさを感じた

園芸の家の庭には何やらたくさんの花が植えられていた
だが、その花がなんなのか旧シャア専用にはわからない
花の知識までプログラムされていないし、今まで花について未来技術と話をしたことすらない
花壇に植えられた花は夏の太陽に照らされていても花をつけている
旧シャア専用はそのよくわからない花をなんとなく園芸の手の中で見つめていた
たくさんの花、それを見てこれが綺麗と言うのだろうか?と疑問に思った
「どうしたの?あ、暑いよね?」
勘違いしたのか園芸は自分の家に走って入る
少しだけ外より温度が低いということはセンサーでわかる
「そんなに急ぐ必要は・・・」
「麦茶もいるよね!」
園芸の部屋の中は草花の図鑑や肥料の作り方などの本が所狭しと並べられている
座布団の上に乗せられた旧シャア専用は座ったまま園芸の行動を見つめる
あまり効果は薄いが背中のコードをコンセントにさせば現状維持はできる
あの特殊な充電機を使わないと完全に回復するまでに時間がかかり過ぎる
「はい、お茶は飲める?お煎餅もあるよ」
「いえ、私は機械なので・・・」

その言葉に園芸は不思議そうな顔をする
「えっと・・・ごめんね」
「そんな!?園芸殿には言い難いのですが、どうか電気をかして頂けますか?」
深々と頭を下げる旧シャア専用に園芸はぷっと吹き出す
机に置かれた麦茶のコップについた水滴が机に流れるのを旧シャア専用は眺めていた
      • この部屋は暑いのか・・・?
園芸は機械である自分に周りの温度を伝えたかったのだろうか・・・?
「いいよいいよ、コンセントはここ」
「かたじけない」
背中のコードを延ばしてコンセントに刺すと旧シャア専用は溜め息のような音を出した
そんな旧シャア専用に園芸はクスクスと笑う
「しばらく居てくれるんだよね?」
「良ければ・・・でありますが」
「いいよ!ずーっと居ても」
園芸の声に旧シャア専用は何故か不思議な気持ちになる
機械である自分にこんな感情のような物があるわけないというのに
「何か食べたりできる?」
「単三電池があると・・・」
言葉を濁らせた旧シャア専用に園芸はクスクス笑う
「遠慮はいらないよ」
「しかし・・・」
「もぉ、友達なんだから遠慮しなさんな!」
園芸の言葉がとてもありがたく感じた