ヒューマンエラー
人間は絶対間違いをおかす。とよく大学の教授に言われましたが、必ず何かしらミスをしでかすのは確かです。多くの原因は疲れてるせいだったり、油断からくる不注意・確認とばしなどですね。
業界基準のガイドラインがあると思いますが、適用はそこそこにして現場にそったガイドラインの変更を地道に行っていくべきです。
と、現場を知らないくせにうけうりで言ってみます(苦笑
これから現場で修行します!
さて、ヒューマンエラーが注目され始めたのは、1979年のスリーマイル島の原子力プランとの事故からだそうです。ボクの生まれる前の話ですね(苦笑
で、ジェームズ・リーソンが『ヒューマン・エラー』という書籍を認知心理学の視点から1990年に発表し、この分野の第一人者となっています。
心理学的な「ヒューマンエラー」定義
- 計画された心理的・身体的過程において意図した結果が得られなかった場合を意味する用語(Reason, 1990)。
意図と結果のズレが問題とし、より心理的レベルに焦点をあてている。
人間工学的な「ヒューマンエラー」定義
- 「システムから要求されたパフォーマンスからの逸脱」(Meister, 1971)
- 「システムによって定義された許容限界を超える一連の人間行動」(Swain, 1980)。
起こした行動にシステムが耐えられるかが焦点。同じ行動でも許容限界が広がればエラーは減る。
ヒューマンエラーの5要素
- Man (人)
- Machine (システム)
- Media (環境)
- Mission (作業内容)
- Management (管理体制)
スウェインのエラー分類
オミッションエラー
タスクの一部を行わなかったことで起こるエラー
コミッションエラー
タスクを間違って行ってしまい起こるエラー
シーケンシャルエラー
タスク実行の順序を間違って起こるエラー
タイミングエラー
タスクを早く、または遅く遂行して起こるエラー
ノーマンのエラー分類
スリップ
行為が意図どうりに行われずに起こるエラー
ラプス
記憶の失敗によるエラー
ミステイク
計画自体が目的に対して適切でなかったために起こるエラー
間違ったルールの適用
Rasmussen のSRKモデルによる分類
リーソンがRasmussen のSRKモデルにエラーを当てはめ、GEMSモデルを作った。
行動レベル |
対応するエラー |
スキルベース |
Slip (Norman) |
|
Lapse (Reason) |
ルールベース |
Mistake |
知識ベース |
Mistake |
GEMSモデルのエラー分類
インターフェイスにおけるヒューマンエラーが起こる理由を説明できる概念的なフレームワーク
スキルレベルのスリップ、ラプス
①強い習慣の割り込み
- 従来の習慣の割り込み
- 分岐エラー
- 停止ルールの無視
- 変更点に関する脱制止
②妨害による省略
③知覚の混乱
④干渉による混乱
ルールベースのミステイク
①強い一般的ルールの排除失敗
②ルールの誤使用
③手がかりの誤った選択
④手がかりの見過ごし
知的レベルのミステイク
①知識の欠如
②理解の欠如
③知識の誤使用
④理解、記憶量の限界
⑤フィードバックの遅れ
⑥同時並行作業のモニタリングの欠如
最終更新:2009年10月29日 14:57