ユーザビリティ
”使い勝手”としてのユーザビリティから、顧客満足度やユーザエクスペリエンス、感性、動機、価値など、その枠組みはとても幅広くなってきている。
ちなみに、ユーザビリティ調査は”使い勝手”の調査にあたり、ユーザ調査はそれ以外の調査として分類されます。単なるカバー範囲の話ですが、学生のころになんで使い分けるんだろうと疑問に思っていたので、とりあえず書いておきました。
ISO13407(≒でISO9241-11もある)とは?
「対話システムの人間中心的設計プロセス」
International Organization for Standardiazationの略。
人間中心設計はヨーロッパにおいて、生産現場で働く人の立場を考えようという思想から端を発し、組織の業務改善に取り組んでいる。
これに対して、アメリカ型の人間中心設計はユーザの使用実態を把握し、製品開発に活かすデザイン手法となっている。どちらも利用者にとって良い環境・製品・システムを作るいう動きに変わりはないですね。
そうやって、人間中心設計、つまりユーザビリティの考えが高まってきてISO13407が注目されるようになったんですね。
ユーザビリティ(ISO13407定義)とは?
特定の利用状況において、特定のユーザーによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザーの満足度の度合い。
Effectiveness (有効さ):
ユーザが指定された目標を達成する上での正確さ、完全性
Efficiency(効率):
ユーザが目標を達成する際に、正確さと完全性に費やした資源
Satisfaction(満足度):
製品を使用する際の不快感のなさ、及び肯定的な態度
Context of use(利用状況):
ユーザ、仕事、装置(ハードウェア、ソフトウェア及び資材)、並びに製品が使用される物理的及び社会的環境
ひらたく言えば"使い勝手(有用性)"ですね。ウェブ分野の大先生ヤコブ・ニールセン(Jakob Nielsen)やユーザインタフェース分野の黒須正明先生は、この”使い勝手(有用性)”をユーティリティとユーザビリティの2つに分けて考えています。ユーティリティとは機能・性能であり、ユーザビリティは操作性・認知性・快適性などの下位概念を持った概念です。そういうわけで、ISO13407はユーティリティを含んだ広い範囲のユーザビリティ(ビッグ・ユーザリビリティ)と言われています。ボクとしてはユーティリティとユーザビリティという概念をふまえて仕事をしたいなと思います。
ISO13407にはまた、設計プロセスも定義されています。
1. 人間中心設計の必要性の特定
2. 利用の状況の把握と明示
3. ユーザーと組織の要求事項の明示
4. 設計による解決案の作成
5. 要求事項に対する設計の評価
作成する製品に関して、2〜5をグルグルとまわし、
ユーザにとってより良い理想的なものを目指していきます。
ISO9241とは?
視覚表示装置(VDTs)を用いたオフィス作業に対する人間工学的要求事項をについてです。第1章~第17章があり、その中でユーザビリティに関係しているのは10章と11章。
対話の7原則
- 仕事への適合性
- 自己記述性
- 可制御性
- 利用者の期待への一致
- 誤りに対しての許容度
- 個人化への適合性
- 学習への適合性
ユーザビリティ3要素
Nielsenによるユーザビリティの定義
学びやすさ(learnability)
効率の良さ(efficiency)
記憶しやすさ(memorability)
エラーの少なさ(errors)
主観的な満足度(satisfaction)
ちなみに、2007年からJIS規格が一部無料公開のようで、
ISO9241-11をJIS化したJIS Z8521が以下で読めます
JIS Z8521
最終更新:2009年05月08日 14:07