え?これってそういうゲームでしょ?


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(2007~2008)

 

「え?
 これってそういうゲームでしょ?」
 
  この原稿は、「TRPGの遊び方」と銘打つつもりだったのですが、やはりそれは俺には難しいので、ゆっくり気長に行きましょう。
 
「TRPGとは何か?」
さて、この根本的な問題には、「TRPGとは何か?」という前提条件が必要です。そこで、今手元のルールブックから、定義づけっぽいところを抜き出していきたいと思います。つまり、そのルールを作った人はTRPGをどう捉えているか。重要ですよね。
 
 そこでは、プレイヤー達は一人を除いて、全てがゲーム内の登場人物になり、主にファンタジー世界で一団となって思う存分活躍します。冒険で与えられた使命を果たすため、戦闘や謎解き、情報集めをしながら、ストーリーを進め、経験を得て、それぞれがレベルアップし、より強力な一団となって、様々な冒険を果たしていく。冒険人生の物語を楽しめる非常におもしろいゲームです。
TT第七版対応「傭兵剣士」 日本語版 前書き 安田均)
 
 TRPGは、すべての参加者によるコミュニケーションを通じて、架空のキャラクター達が織り成す物語、ドラマを創っていく創造的なゲームだ。(アルシャードガイア 「最初にお読みください」)
 
 TRPGとは、人と人とのコミュニケーションを通じて自分達だけの物語を構築し、その過程、そして結果を楽しむゲームである。これから語られるゲームシステムは、そのために存在するルールである。TRPGを楽しむ一時のためのツールなのである。
(トーキョーNOVA The Detonation 「TRPGという遊び」)
 
 架空世界における冒険を空想の上で楽しむ、というスタイルのゲームです。そのために、あなたの代わりにその世界で冒険する「キャラクター」を設定して、そのキャラクターが置かれた架空の状況で色々と行動して楽しみます。(中略)RPGというのはキャンプのカレーと同じで、必ずしも結果(味)が完璧である必要はありません。みんなで作る(遊ぶ)過程が面白いのであって、多少のハプニングも楽しみのうちです。(中略)とにかく遊んでみてください。
(スクラップド・プリンセスRPG パート0 はじめに)
 
 …つまりTRPGはカレーだということなので、お好みのスパイスをかけて福神漬けやら紅生姜やら(俺はきらいです)を添えて楽しく食べましょう。
 
 TTを除けば「GMPLによって物語を織り成していく」遊びで「織り成す過程(ハプニング=サイコロ系)及び出来上がった結果(物語)」を楽しむものだそうです。まあリプレイ売ってる会社だしなぁ。
 ここで興味深いのは、TTでは全体的、包括的な言い回しを避けてわざわざ洞窟の話に限定して話していることです。基本的に、全体的且つ抽象的な言い方を具体的にするメリットというのは、分かりやすくするためです。つまり、「物語を生成する面白み」では分からない人が居る。と言うよりは単純に、TTには「冒険人生を楽しめ」はしても「物語を生成する面白み」がないのかも知れない。
 いずれにせよ、日常を基盤とする現代物であるアルシャードガイアや多少ハードボイルド向けのNOVAで「冒険人生」を楽しめるかどうかは疑問に思うので、惜しいところで共通性が切れているとします。
 
実は上の四冊、SNE(スクラップドはSNEです)とFEARのルールブックしか使っていません。しかしこういう基本的なことは意外とマイナーなルールで発見があるかもしれないので、SNEFEAR以外からの意見も徴収しましょう。スザク・ゲームズです。
 
 非常に小規模の作戦活動を再現する格闘級シミュレーション・ゲーム。このゲームに勝利するには、チームの役割分担と迅速で冷静な判断が必要とされる。さらに加えるならば、詳細な情報の収集分析検討は不可欠であることは言うまでもない。(シュープリーム)
 
 冒険活劇を再現する役割分担式の状況対応と決断のゲームである。過酷な環境のなかで、いかに生きるかが人として問われるのだ。(龍三合)
 
 RPGこそがあらゆるゲームを凌駕するストーリー生成システムであり、神の啓示を学ぶ良い機会である。ゲームマスターとなることは導師の立場を学ぶ良い機会といえる。(セレスティアル・ゲート)
 
あまり統一性がありません。むしろそれぞれが好き勝手に、そして都合のいいような解釈を基に主張をしているように見えます。それもそのはず、この三つの組織はあらゆる事件の陰で超古代文明の遺産を巡って対立しているのです!(→ルールは「ブルーローズ」です。)
しかし、個人的にはこれが真実だと思うわけです。
すなわち、何でもいい。
 
偽者「あーあ。今ので半分以上の読者が本閉じちゃったよ」
 
 で、まあ上の「何でもいい」というのは、システムによって違うということです。これはつまり、「TRPGだからといって全てのシステムにおけるTRPGが同じ意味であるわけでは無い」ということです。
 ここ、この文章のキモです。つまり、「TRPG」というくくり方そのものには、これといった遊び方の定義がなされていないのです!
 冷静に考えてみれば、英語で一口に「ゲーム」といっても「モノポリー」「ドラゴンクエスト」「将棋」「囲碁」「カタン」「野球」「すごろく」「かるた」「レクチャーゲーム」などがあり、屋外か屋内かで「スポーツ」、使うものなどで「ボードゲーム」「コンピューターゲーム」などに分かれます。しかしこれらは外側から見て、また使う道具を見て機械的に分類したに過ぎません。
 また一見、内容を見て分類しているように見える「シミュレーション・ゲーム」「アクションゲーム」とは言っても、「電車でGO!」と「ファミコンウォーズ」、「METAL GEAR SOLID」と「マリオブラザーズ」がそれぞれ一部を除きほとんど似ていないと思います。
で、RPGだって、いまでは「ファイナルファンタジー」と「バイオレンス!」と「ラグナロクオンライン」が同時に存在する素晴らしく混沌としたものになっています。
RPGTRPGの違いは、ただ単にT、すなわち「Table Talk」がついただけ、つまり定義的には外見だけの違いしかありません。
極端な話、例えばポケモンのダメージ計算とか固体値とかのデータを全て紙に起こして、ポケモンを完全アナログでやったとしましょう。多分、周りからは「ボードゲーム」または「TRPG」と呼ばれます。彼らには違いが分からないからです。というか、TRPGと違うものになるかどうかすら分かりません。
ちなみに筆者は「ポケットモンスターボードゲーム」は持っています。四天王誰か一人を倒したら勝ちです。あれ面白いんだよなぁ。「ポケットモンスタープラコロタクティクス」より楽しいですよ。
 
 
これで、本来TRPGの一般的な「楽しみ方」を語る上で重要な、全体的な意味での「TRPGとは何か?」という問いを、「一般的にRPGと呼ばれる色々混ざったジャンルの中で、卓上で行われるもの」とまで追い詰めることが出来ました。つまり「一般的な楽しみ方」なんてものの前提である「そもそも何をするのか」が「不明」です。
全体的に見てもTRPGそれ自体が何をすることなのか分からないという前提の上で、その得体の知れない「何かの行動」の面白さを追及する。これほど意味の分からない原稿を書くのは初めてです。最後の原稿に相応しい。かも、知れません。
 
 
「TRPGの楽しみ方」
こんな題は難しすぎるので、またもや話を変えていこうと思います。
面白さを追及する上で、個人的に非常に参考になると思うのは「迷宮キングダム(以下「マヨキン」)」と「テラ=ザ=ガンスリンガー(以下「テラガン」)」の二冊です。後者は最新作として「天羅WAR」が出ましたが、個人的にはこちらの方が好きです。
 
 この二冊が個人的に参考になると思うところは、TRPGとは何かという問いに対してこれらのシステムがはっきりとした答えを出しているような気がするからです。
 なのでシステムレビューをいたします。あ、某原稿のようなネタ要素はそれなりに排除するので面白くは無いはずです。
 
「迷宮キングダム」
五段階評価です。
 
総合評価:5(素晴らしい)
外見:4(外側にTRPGという文字が無い)
システム:100(完成されている)
自由度:3(遊び方とルールの結びつきが強く動かしづらい)
初心者向け度:5(ルールの守備範囲が多くGMPL共にやりやすい)
玄人向け度:4(長期的に響いてくるデータが多い)
準備費用;4(ルールブック3700円程度。6面体のため揃えやすい。が、全体的にシートが多くコピー代がかさむ)
 
既に多くの部員の原稿にも登場したこのルールは、現部員に強力な影響を与え、この部の頂点に君臨してしまっています。
自分達はランドメイカーとなって、初期で国民50人+αを持っていて、一つのマップを支配しています。そして、違うマップに攻め込んだりして領土を増やし、国民を増やすことで、自分達も強くなっていくという感じです。
また通常のMPとは異なり、「希望」というシステムがあります。これは特技使用のコストとなったり、サイコロを振り足したり出来るのですが、初期値0のこれをためる方法が
   判定の際に6の目を出目から取り除く(デメリット)
   クリティカルをする(偶然)
   「お酒」を消費する(アイテム必要)
   ランダムイベント等特殊な条件を満たす
となっています。また、「希望」として使える「民の声」というものもあり、こちらは初期値が10なのですが、減れば減るほど探索後の国の生死を分ける「収支報告」での収入が減り、また一定値を割ると王国そのものに災厄が降りかかり、王国が弱体化します。
また、冒険に「配下」を連れてくれば、隣の部屋の情報収集などが出来ますが、「配下」(エキストラ)が死ねば国民は減り、結果として王国が弱ってPLの成長が止まってしまうという現象が起こります。
 このように、マヨキンには、一部の熟練が楽しめるような「長期的な利益を狙うか、今この場を切り抜けるか」などの絶妙なシステム的ジレンマが存在します。さらに、ダンジョンに王国経営を足すことで、「単にクリアする」でも「領土は要らないから維持費がかからないように行く」「出来るだけ成長できるように行く」などの方法が存在します。成長し敵が強くなるだけのキャンペーンより奥が深くなっていくわけです。
 では初心者にはどうかと言うと、他のルールよりやりやすいと思います。何故なら、ルールに
「卓の進行方法」が具体的に明記されています。
ソードワールドでは
PL:うーむ。結局何をすればいいんだろう。むしろ何が出来るんだろう?GM
GM:あいよ。じゃあ情報を整理しようか
 
となるところが、マヨキンでは
 
PL:うーむ。予算配分は終わった。次は何をしようか。
PL2:(ルールブックを読む)「次は行動の処理。皆さん、散策か施設使用かアイテム合成を選んでください。」
となるわけです。
 
GM:君達はダンジョンについた。一番右上の部屋ね。
PL:ところで何が出来るんだっけ。俺のキャラクター?
PL2:忍者だろ。部屋の探索頼むよ。
PL1:あいよ。GM、目標値は?
PL2:キャラクターシートに書いてあるぜ。この卓は三人だから目標値は10だ。
PL1PLの人数が増えると達成値あがるんかいな
PL2:その代わり多人数だと色々と楽になるからね。
 
分かります?
迷宮内で取れる行動、罠発見の目標値、希望と配下の効果、戦闘時に取れる行動、状態異常の効果、気絶・死亡の処理、人間関係ルール。全て「キャラ紙の右側」に書いてあります。
 また、「このゲームの流れ」「多彩なトラップのデータ」「多彩な敵のデータ」がルールブックに明記されています。
 つまり、「何をするゲームなのか」「どういうように動けばいいのか」「何が出来るのか」と言った、初心者PLGMが理解しづらい部分を
「全て『迷宮キングダム』がフォローする」という訳です。
 
 げんなり君はある日、教室に「パラノイアカードゲーム」を持っていきました。そして、友達と楽しくプレイしました。すると、これまで「GURPS」に見向きもしなかった同級生が寄ってきて、たちまちのうちに「パラノイアカードゲーム」はクラスの一部に広まっていきました。
 
 これは何故か、と聞かれれば、「パラノイアカードゲーム」はTRPGでは無いから、専門的な知識や思想が必要無いからでしょう。どういうゲームかは本人が説明できるし、ルールブックに明記されています。勝利条件もなにもかも。
 つまり、「こういうことをすればいいんだよ」てなことをはっきり(ひとつかふたつに)定めてしまったほうが、初心者には分かりやすいこともあるのです。特に男には。例えば俺とか俺とか。
 
 ここまで主に『ゲーム要素』の話をしてきましたが、物語が出来ないかというと、そうでもありません。が、『GM及びPLが思い描いた』物語は出来ません。何故なら、イベント及びハプニングが全てランダムで決まり、それがデータ的な意味を持つからです。
 これはつまり、ランダム性とデータ的効果を持たせることで、『イベントもシステムのゲーム的要素』に含んでいるといえます。こういうことをすれば、こうやって関係が進展するかも知れず、逆に破局するかもしれない、とか。魔物がいて、中立的だ。話しかければ、相手の機嫌がよければ交渉や交易が出来るが、悪ければ襲ってくるかもしれない、とか。
 まあしかし、TRPGなんですから「思い通りに物語ができない」なんて日常茶飯事なんですねこれが。そう割り切ると、結構吹っ切れます。てか私の周囲の環境ではそうしないとやっていけな(銃声)
 
 まさにマヨキンは、『壮大なゲームとしてのTRPGというスタンスを提示しているのです。
 
 ところで、上記の話はマヨキンが二版になってからの話です。第一版のマヨキンは、二版とまあ似たようなものなのですが、実際にやると雰囲気が違います。
 第一版では、PCの役職(大臣や騎士など)毎に、「それぞれが何の決定権を持つか」と言ったことがでかでかと書かれており、例えば大臣は財政、騎士は戦闘、神官は「民の声」など、役職にあったものの決定権を持ちます。つまり、「PCの関係をPLに持ち込む事でロールプレイを促進する」という素晴らしいシステムがありました。警戒度のルールと共に二版では消えてしまったのが個人的には残念です。
 
 
TERRA THE GUNSLINGER
五段階評価です。
 
総合評価:5(個人的に好き)
外見:3(井上純一の中では比較的マシ)
システム:4(どんなに格好いい敵もミンチになります)
自由度:5(アメリカは自由の国だ!)
初心者向け度:1(間違っても初体験卓でこれはやめてください)
玄人向け度:5(初心者に向いてない分「玄人向け」感が強い)
準備費用;3(ルールブック4200円程度。トランプ使用のため揃えやすい。が、付属のパワーチップは数が少ない上に使いづらいので315円ぐらいの玩具の一ドル札100枚を買うか、ドミノのカラフルなチップを使いましょう。東急ハンズパーティー用品売り場近くで売っています。)
 
 マヨキンのトータルポイントは125です。こちらは26で、しかも評価に個人的な願望が多く入っているため、なんともいえない部分がありますが、レビューします。ちなみに部ではこのルール、忘れ去られています。ダブルクロスなんかよりよっぽど奥の深い1999倍良いルールだというのに!
 舞台は西部劇。…ってこれ、あんまし関係ありませんね。
 このゲームでなんといっても重要なのが「パワーチップ」です。これは、キャラクターがトランプのマークに対応した4つの能力値、「魂」「希望」「欲望」「冷静」それぞれに対応して、そこに設定した性格や信念、目的などを演技などによって表現することで、システム的に非常に便利な「パワーチップ」と呼ばれるものを手に入れます。世界観的にはこれは「人間の強い願いや感情に呼応し、それに力を与える『マナ』という空気中に漂ってる物質が吸い寄せられた」としています。まあどうでもいいですね。
 これにより、データ的な「制限」や「強制力」、もしくは「戦闘用強化ツール」にしかならなかったPLの性格や信念、目的などを卓中に簡単に表現することが認められ、それによって恩恵を得られるわけです。
 つまり、システム的に「PCにスポットライトを当てる」ことが出来るわけです。
 こんなルールは、ありそうでそんなにありません。例えば、アルシャードもNOVAも、「物語を作ること」をTRPGの楽しみの一つに設定していますが、物語のひとつの要素である「感情」といったものについては、あまり物語を前面には出していないはずのソードワールドと同じぐらいノータッチです。
 それは何故か?といえば、物語の要素としての「感情」は人間味あふれるものでなくてはならず、感情をルールとして規定してしまうと其処に流れる人情が否定されるという考え方からでしょう。
 しかし、ルール的にサポートのないままでは、「キャラクタープレイ」はただの、刺身のつまのようなものなのです。それは、時間が無い時に削られ、ミレニアさんには「うざい」といわれ、昔の俺には「邪魔だ」とけなされ、いろんな人から「話を進めろ!」と突っ込まれる行為でしかないのです。俺とその周囲にとっては。
 しかしテラガンは違います。キャラクターの性格、目的を表明させてくれます。更にこれによって、物事の判断時にはキャラクター的な信念が優先され、そのキャラクターのそれらしい見せ場を作り出すと同時に、シナリオが円滑に進みます。
 
 さらにもうひとつの目玉、「シーンプレイヤーカード&カラミティ・ルージュ」があります。
 シーンプレイヤーカードは、まあ他のゲームと同じように、いわゆるその場面でスポットライトが当たる主人公に渡されます。しかし、先ほど述べたような「キャラクタープレイ」によって「パワーチップ」を得ると、なんと同じシーンにいる別のPCPLにカードが移ります!
 これは革新的です。つまり、一人の人がでしゃばろうとしても、一回みんなにスポットライトが当たらない限り、二回目のスポットライトはまわってきません。これにより、ロールプレイ重視でありがちな「全てのシーンに出てきて出番をかっさらう奴」(←普通いません)を撲滅出来るばかりか、出番(と言うより見せ場)が比較的平等であるというシステムです。
 
 「カラミティ・ルージュ」は、珍しいルールです。GMはいつでもこれをPLに渡すことが出来、これを渡されたPLのキャラクターに何か災難がかかることを示します。シナリオ上では主に、PC①が誘拐されるシーンなどを作りたいときなどに、誘拐されるPC①にカラミティ・ルージュを渡すことで、一時的に「誘拐される」というイベントとして扱われるように(=その場では抵抗できない)なります。演出は自由なので、後ろから(気付く判定を行えない)殴られて気絶したり、銃を突きつけられて脅されたりなどという演出になります。
 また、これは正当な判定や簡単な行動、そしてシナリオを終わらせてしまうような行動など、本来ならば阻害されないことでも、GMが強制的に「失敗」にさせることが出来ます。
(例:ボスに発砲しようとしたら弾が詰まっていた、小麦粉が舞っているので火をつけようとしたらマッチが湿気ていた、等。)
これは多くのルールの場合「ゴールデンルール」として「GMは、その方が良いと感じた場合、ルールを無視しても良い」という原則の下に行われていますが、このゲームではそれをルール化しています。つまり、普通のルールより、そういった行為が認められやすいということです。
 
で、悪いことばかりのカラミティですが、なんと!これを渡されたプレイヤーは、そのシーンの終了時に「パワーチップ」を三枚ももらえるのです!
 
PL:よし、敵が10人で押しかけてきたんだな?じゃあ俺のキャラクターは外にいるから、棚の上の小麦粉を打ち抜いて小麦粉がばら撒かれた後、外からマッチを投げ入れる!
GM:却下。てかにげろよおまえ。
PL:せっかく良い案だと思ったのに。ぶつぶつ。
 
じゃなくて
PL:よし、敵が10人で押しかけてきたんだな?じゃあ俺のキャラクターは外にいるから、棚の上の小麦粉を打ち抜いて小麦粉をばら撒いた後、外からマッチを投げ入れる!
GM:カラミティ・ルージュ!君は銃を撃とうとしたが、銃が弾詰まりを起こしている!このシーン中銃は使えない!
PL:ちっ。せっかく良い案だと思ったのに。
  まあパワーチップ貰ったから五分五分かな。
 
つまり、「シナリオの都合を壊さずに、PLの創意工夫の意欲をあまり減らさない」という意図があるわけです。
 
ちなみにこのゲーム、ラスボス戦とかガチガチじゃないほうが面白いです。PC達の集団の総合的な力が強くても問題ないというか、敵と比べても多少強いほうが、雰囲気が出る気がしなくも無いです。「貴族」以外。
 
つまり、テラガンは
「シナリオの中に生きるキャラクターの為のTRPG
という話になるわけです。
 
 
システムレビューはここまで。
 
迷宮キングダムはシステムが「思い通りの物語」を要求しない、むしろランダムさとゲーム性による面白さを重視しているのに対し、テラガンは「ある物語」のなかで「自分のキャラクターはどう生きるのか」に焦点を当てているという、なんとも正反対なコンセプトによって成り立っているんですね。
 これは、両者のシステムの全体的な特徴にも現れていて、迷宮キングダムが「始めに沢山『資源』があって、それを減らしながら冒険を進めていく」という印象が強いのですが、テラガンは「来るべきクライマックス(見せ場)に向けて、パワーチップを溜め手札を整える」といった印象を受けます。前者は「資源を有効利用すること」が大切であり、後者は「見せ場で思いっきり暴れまくること」が大切です。
 また、マヨキン系のルールに見られる特徴としては「クラス毎に役割があり、それに従うのが一番良い」のですが、テラガン系では「クラス毎に理想的な見せ場のイメージはあるが、戦おうと思えば誰でも戦える」といったものが多いです。
 更にいえば、マヨキン系ルールでは「最適解を求める」ことこそが求められます。いかに効率を上げるか。資本主義ですね。結果として、極稀に良心を失って死体から荷物を剥ぐ、人を「便利なアイテム」扱いする、人情味のかけらを紛失する、疑り深くなるといった副作用がでます。
逆にテラガン系ルールでは、「キャラクターの演出」および「キャラクターの気持ち」が重視されるので、これまた極稀に、考えが浅くなる、仲間割れする、シナリオが進まなくなる、過剰に演出する、なぜか現実の人間関係に問題が波及する、などの副作用がでます。
 俺は両方とも発症したことがあります。気をつけたいものです。
 
 
「まとめ」
 なぜ今まで、TRPGとは何かと聞かれて答えられないか。比較的「真の」TRPGですら、こんなに目的、およびそれに伴う楽しみ方が違うのです。てか、ボードゲームに「モノポリー」と「双六」があるようなもので、どっちが劣っているとかじゃなくて「TRPG」でくくって離さないからなのですね。
 テラガンは「キャラクターによる物語への介入」を、マヨキンは「素晴らしいゲーム」を目的にして作られています。この二つは一緒にしようとしてもなるものではありません。
 片方をやっていてもう片方がくっついてくることはあっても、同じと言い切れるほど近いわけではないのです。
 ちなみにTTDD等、初期のTRPGGAMEを強く意識していて、その結果としてマヨキンの流れの方に属すると思います。つまり古参のかたにはテラガンは異質なものであり、そのため「TRPGではない」という話になるわけです。
でも、これだけ違えばマヨキン系のゲームと違うと感じるのも当たり前、むしろ新しい名称がいるんじゃないかと思うぐらいです。共通点は同じ道具、にたようなルールを使っていることのみじゃあないですか。
 
 TRPGには「マヨキン」と「テラガン」の二種類がある。「マヨキン」は純粋なボードゲームの一種として、テラガンはみんなでキャラクターを操り、物語を疑似体験する遊びの一種として存在する。こうすれば、TRPGの面白さを伝えるのは簡単です。
 
 ところで、どっちにも当てはまらないものがあります。「りゅうたま」です。これについては研究が進んでいませんのでなんともいえませんが、ルール的に「どちらにも対応できる」ように出来ているそうです。
 

 

 

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