説明


GPGPU

GPGPUとは、「General Purpose computing on GPU」の頭文字を取ったものでGPUによる多目的計算、
つまり、GPUを描写以外の目的で利用する技術のことです。

GPUは、CPUの負担を軽減させるために画面の描写を専門に行う演算装置ですが、
GPGPUにより描写以外の並列処理を行えるようになりました。

  • 動画のエンコード
  • 物理・天体・気候シュミレーション
  • 暗号解読
  • データベース処理...etc

これをBOINCに利用しない手は無い、ということでGPUによる演算に対応したプロジェクトも存在します。
GPU買ったけど、ゲームに飽きちゃった人
買ってはみたが使い道が無い人
ニコニコしか見ないのに新たにGPU買っちゃった人
ゲームなんかしないけどBOINCのためにGPUが欲しくなってしまった人
お待ちしております。


GPGPUの規格

GPGPUを利用するための種類は複数あります。
どのプロジェクトがどの種類のGPGPUに対応しているのか確認してください。

  • CUDA(くーだ)
nVIDIA社の独自規格を採用したGPGPU。
同社のGeForce8シリーズ以降、Teslaシリーズ、Quadroシリーズのグラフィックカード対応しています。
(nVIDIA社はOpenCLをサポートする方針だそうです。)
CUDAを利用可能なGPU-詳細

  • ATI Stream(えーてぃーあい すとりーむ)
OpenCL規格を採用したAMD社のGPGPU。
同社のRadeonHD38**、HD48**シリーズ以降のグラフィックカードが対応しています。

※OpenCL
CPUやGPU、Cell(PlayStation3の演算装置)などの異なる演算装置を利用した並列コンピューティングの規格。


対応するプロジェクト

プロジェクト名 GPGPUの種類 備考
CUDA ATI Stream
AQUA@home ×
CollatzConjecture
DENTC@HOME
DrugDiscovery@Home ×
Einstein@Home × CPU1コアを丸々占有。(11/30)
GPUGRID × ハイスペック推奨
MilkyWay@home 使用可能GPU(英語ページ)
PicEvolvr.com BOINC × プロジェクト休止中?
PrimeGrid
SETI@home HYBRID ATI対応(英語ページ)
SETI@home/AstroPulse Beta
The Lattice Project ×
(△:最適化パッチの導入で利用可能。最新のBOINCマネージャー(安定版)の使用推奨 2010年05月現在)

マルチGPU

同じチップ、同じメーカーのグラフィックカードを複数枚使用することによってより高速に処理を行う技術があります。
nVIDIA社ではSLI(えす える あい)、AMD社ではCrossFire(くろす ふぁいあ)と呼ばれる規格です。
また、AMD社製のグラフィックカードとオンボードグラフィックマザーを同時に使うHYBRID ATI等もあります。
HYBRID ATIにはSETTI@homeが一部対応詳細(英語)2009年11月現在

GPUに仕事を分散させるために、1つのGPUコアに対して1つのCPUコアの10~20%を充てています。
(これは俗に「餌やり」と呼ばれることがあります。)
デュアルコアCPU搭載の場合は2GPUコアまで、クアッドコアCPU搭載の場合は4GPUコアまで使用できます。
逆に、シングルコアCPU搭載機は1GPUコアまでしかサポートできません。
(注:1枚のグラフィックカードでもGPUコアを2つ搭載しているものもあるので注意。カードは1枚でもGPUコア2つと認識されます。)

導入

  • BoincManagerを最新のものにしてください。
※WindowsVista・7の場合はadvancedタブの「protected mode」のチェックを外してからインストールしてください。

  • グラフィックカードを本体に取り付けてから起動してください。
(一時的にBOINCをスタートアップから外した方がいいかもしれません)

  • グラフィックカードのドライバを最新のものにして下さい。
付属のCDより新しいバージョンのドライバがあるかもしれません。

  • BOINCを起動します。GPUがきちんと認識されれば「メッセージ」に以下の1文が表示されます。
2009/09/10 11:17:54||CUDA device: GeForce GTS 250 (driver version 19062, compute capability 1.1, 512MB, est. 84GFLOPS)
(nVIDIA社Geforce GTS 250 の場合)

  • 常にGPUで計算するには「高度な操作→プレファレンス」で"Use GPU while computer is in use"にチェックを入れてください。
デフォルトではPCを操作していない時だけGPUを使うようになっています。

  • 現在のところGPUの使用率を変更できないため、常に100%で稼動します。動画の再生などはカクカクするかもしれません。

タスクの種類

GPGPUに対応しているプロジェクトの多くはCPUによる解析にも対応しています。
そのため初期設定のまま解析するとGPGPUに対応したタスクとCPUに対応したタスクが宿題として配布されます。
GPUのみで解析したい場合はプロジェクトごとのYour Accountページ(Webサイト)で
プレファレンス(Preferences fot this Project)>Use CPU
の項目を [No] に設定してください。

備考

そのまんまです。

  • GPUを増設して電源が落ちるようになったり動作が不安定になったら電源の容量不足が疑われます。必要ワット数を計算して十分な容量の電源を使ってください。また、長時間計算を行うと電気代が高くなります。事前に調べてみましょう。皮算用計算機
  • パソコン本体は壁から十分に離して使ってください。冷却には気を付けてください。
  • ディスプレイを使っていないときはディスプレイの電源ケーブルを抜くことをお勧めします。ACアダプタだけでも暖かくなることがあります。
  • 昼間より夜間に電気を多く使う方には、夜間の電気代が昼間より安くなるプランがあります。電力会社と相談してみてください。
  • 日本の電力需要のピークは午後2時ごろです。万一、需要が供給を上回ってしまったら大規模停電が予想されます。需要を賄うためにピーク時には火力発電を主としたクリーンでないエネルギーで賄わなければなりません。夏場の午後はなるべく控えたほうが良いです。逆に、夜間(0時~6時ごろ?)の電力は余ってしまい使われずに熱となって消えてしまいます。本来使われない電気を有効活用するので夜間の発電コストは0とみなせます。BOINCを駆動させる時間が同じならば夜間の方が環境にも電力会社にも優しいです。(BOINCの為にPCを回すと言った目的と手段が入れ替わってしまった使い方をする人にも夜間の使用がお勧めです。)※将来、電気自動車などが広く普及して夜間の需要が増えると話は違ってくるかもしれません。
  • BOINCによる電気代の増分を家中の白熱灯を電球型蛍光灯に置き換えることで補った人がいるとかいないとか。

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最終更新:2019年01月02日 15:27