After Effects

「これだけは持っておきたい10のプラグイン (After Effects編)」

  AfterEffectsに興味を持たれた方より良く質問され項目に
「プラグインはどんなものがオススメですか?」
との質問があります。

正しい解答は
「プラグインなんて手を出すのは1年早いっ!!」です。(笑
プラグインは確かに便利なものですが、コレに頼り過ぎる事は上達の妨げになる事は昔から言われている様です。
(私も経験上確かにそう思います。)
まずはAEの標準機能だけで何が出来るのかを知り尽くした上で、限界を感じた時に初めてプラグインの導入を検討するのがベターかと思います。

さて、
ではいざプラグインの導入を検討した時に、数多く存在するプラグインソフトの中からどれを選んだら良いか??
これは結構悩む人も多いのではないかと思います。
大変高価な買い物ですので絶対に地雷は踏みたくないですからね。(笑
ところがネット上を検索してみても意外とそういう情報は少ない。
という事で昨晩、本職1名を含むAE暦2年以上の有志6名により「本当に使えるプラグインはどれか?」をテーマにチャット座談会を開催しました。
(ちなみに集まった6名は体験版を片っ端からDLして実際に試した経験のあるという変わり者集団です。笑)

当記事はその結果をまとめ「これだけは持っておきたい10のプラグイン」としてピックアップしたものです。
不思議な事に6名が候補に挙げた10本のプラグインの内6つは全員が見事にダブっている状況でした。
やはり同じAEというソフトを使用している以上、限界と感じる部分も同様という事なのでしょうか。
傾向としては、AEに標準搭載されている基本機能の不満を解消する製品に支持が集まっている様に思えます。

以下に選出された10本をリスト化しましたので是非参考にして下さいませ。
製品タイトル名をメーカーサイトとリンクしておきましたので製品の詳細はそちらをご参照下さい。



◎Particular 2(Trapcode社)
AEのユーザーで使用していない人は居ないんじゃないかってくらいド定番のパーティクルプラグインです。
パーティクルのタイプは基本プリセット以外にも自分で作ったレイヤーをパーティクルとして飛ばす事が出来ます。
特にバージョン2になってからRundomRotationというパラメーターが加わった事により使い勝手が驚く程向上しています。
花びら、テキスト文字などの静止画を舞わせたり、はたまた動画素材をパーティクルとして舞わせたりする事も簡単で実に重宝します。



◎ReelSmart Motion Blur for AE(RE:VisionEffects社) 
物体の動く速度に応じて適切な残像を加える、所謂モーションブラーのプラグインです。
AEに標準搭載されているモーションブラー機能とは比べ物にならない自然な残像を生み出します。
一度コレを体験してしまうと二度と標準搭載のモノは使えなくなります。
モーションブラー自体、使用頻度はとても高いエフェクトですので全員一致で購入満足度No.1のプラグインです。



◎Twixtor for AE v4.5(RE:VisionEffects社)
動画を超スローモーション・超高速再生させるプラグインです。
AE標準機能の「時間の伸縮」+「フレームブレンド」・「ピクセルモーション」の組合せとは明らかに別格のスムーズな仕上がりが魅力です。
前述のReelSmart Motion Blur同様、一度体験してしまうと二度と標準搭載のモノは使えなくなる高品質です。


 
◎Sapphire Plug-ins v2 for After Effects(GenArts社)
収録エフェクト数200を超えるハリウッド映画御用達のエフェクトパックです。
正直このプラグインをこの記事に加えるかどうかかなり迷いました。
理由は「AE本体を遥かに超える販売価格」です。(汗;;
しかしながら価格相応の高品質で実用性の高いエフェクトばかりで本気で映像制作に取り組むのであれば購入して損はありません。
AEユーザーであればいつかはゲットしたい憧れのプラグインという事でエントリーしておきます。
同じ様なエフェクトパックの製品に「tinderbox SE 1,2,3,4」がありますが、そちらを購入するくらいなら絶対にコチラをオススメします。
(tinderboxは正直どのエフェクトもSapphireより品質が低く、しかも致命的なほど動作が重いです。)

 

◎3D INVIGORATOR Pro v4 or ProAnimator AE v4(ZAXWERKS社)
3Dテキストを作成してアニメーションさせるプラグインです。
キーボードで打った文字を自動で3Dの文字ににモデリングしてくれるスグレモノです。
モデリングした文字の色や質感ももちろん自由に変更可能です。
また、文字だけでなく、イラストレーターで作成したロゴマークなどを読み込んで3D化する事も可能です。
AEとは別に3Dソフトを使用されている人にとっては不要と思われるかもしれませんが、
それでもAE内で全ての微調整が可能である事は作業効率という点で大きなアドバンテージがあると思います。

また、「3ds max」・「Maya」や.obj形式の3Dデータを読込む事が可能ですので、
ネット上に無数に存在するフリーの3DデータをダウンロードしてきててAE内でアニメーションさせる事も可能です。

「ProAnimator AE v4」は「3D INVIGORATOR Pro v4」の機能に独自のアニメーション作成インターフェイスを搭載した製品です。
しかしながら、正直あまり使い勝手の良い代物ではありませんので「3D INVIGORATOR Pro v4」で充分かと思います。



◎Knoll Light Factory Pro 2.5(Red Giant社)
レンズフレアーのプラグインです。
これもある意味持っていない人は居ないのではないかというくらいド定番のプラグインです。
特に驚くほどの機能がある訳ではありません。
レンズフレアの選択バリエーションを増やすという意味でどうしても必要に迫られると言ったところでしょうか。
最近のテレビアニメや映画・ドラマでは必ずと言って良い程使用されているレンズフレアです。(笑



◎Magic Bullet Looks(Red Giant社)
カラーコレクション用のプラグインです。
映像の色合いや質感変更をする事が出来ます。
プリセットも豊富で誰でも簡単にハリウッド映画の様な映像美を作る事が出来ます。
仕上げ用のプラグインとしてはコレだけで充分なのですが、もう少し予算がある人は
「Dfx Plug-in V2 for AE」も候補に入ってくると思います。
(ちなみに筆者個人としてはLooksよりコチラの方が好みです。)



◎Text Anarchy v2(Red Giant社)
テキストアニメーションを作り出すプラグインです。
AEの標準機能ではちょっと手間のかかる様なアニメーションパターンを半自動で実現してくれます。
演出にエヴァチックな文字遊びを加えたい場合などに大変重宝します。
高品質なアニメMADなどにも良く使われているのを目にしますね。(笑



◎Lenscare for AE(Frischluft社)
カメラレンズのボケや被写界深度を表現するプラグインです。
もちろん同じ機能はAEの標準機能にも搭載されていますが、明らかに効果の乗り具合が自然です。
また、標準のブラー系はプリコンポーズ後のコンポジションに適用すると画面のフチが黒く滲んでしまうものですが、
このプラグインはその様な現象が全く起きません。
未体験の方は是非体験版でお試しあれ。



◎Power Matte(Digital Film Tools社)
マスク系のプラグインです。
画像から人物のみを切り抜いて別の背景と合成したりする作業を半自動で実現してくれます。
もちろんPhotoshopやAEのマスクでも同様の事は可能です。
ですが使うか使わないかで労力は10倍くらい変わります。
髪の毛などの微妙なエリアも綺麗に切り抜きする事が出来、Photoshop用の類似プラグイン製品と比較しても精度は高いです。



【番外編】必携の10本には漏れたがあると嬉しいプラグインです。

◎Magic Bullet Instant HD(Red Giant社)
SD動画をHD形式に自動変換してくれるプラグインです。
「Aviutl」を始め、SDをHDサイズに変換してくれるアプリケーションは他にもありますが、
これらのアプリは単純に映像を拡大表示させるだけの代物です。
Instant HDの凄いところは、映像を拡大表示させた時に発生するピクセルの欠損を解析して自動補修してくれるのです。
昨今ではHD動画が完全に主流になってきていますので過去に作ったSD動画をHD動画として再アップしたいという様な場合に有難いプラグインです。



◎particleIllusion for AE(GenArts/wondertouch社)
particleIllusionというパーティクル専用ソフトのAE版です。(2009年12月発売予定)
単体ソフトのほうは既に定評のあるソフトで、その機能をAE内で制御出来る様にしたプラグインです。

前述の「Particular2」の対抗馬という事になるのですが、同じパーティクル系ソフトでも両者の性格はかなり異なります。
・「Particular2」が3Dパーティクルなのに対してparticleIllusionで表現出来るのは2Dパーティクルのみです。
・particleIllusionは直感的な操作が売りで、サルでもマニュアル無しでパーティクルの制御が行えるのが売りです。
・particleIllusionは効果の種類が豊富で、しかも毎月メーカーの作成したエミッターが無料で追加提供されます。バリエーションという点では particleIllusionの圧勝です。
・particleIllusionはどちらかと言うと飛び道具的なパーティクル効果が多く、本職の方から「恥ずかしくてとてもじゃないが仕事には使えない」という言葉を良く耳にします。(笑
 (実際、商用実績は全くと言っていいくらい無いです。ww)

結論
パーティクルの品質・制御の自由度は「Particular2」の方が優れているが、思い通りに制御するには少し脳味噌を使います。
一方
「particleIllusion」は2Dパーティクルしか表現出来ないもの、サルでも簡単に制御出来る操作性と豊富なプリセット効果は確かに魅力的です。
ちょっと子供騙し的な色合いの強い点がアレですが、Particularで挫折した人には良い代替品になるのではないかと思います。



以上、こんなところです。
以前に雑誌「CG WORLD」でプロの選ぶ「ベスト・オブ・プラグイン」の様な特集を目にした事がありますが、結果的にはそこで選出されていた製品とも半分くらいは重なる状況の様です。
そのズレの半分がプロとアマとの差なのかも知れませんね。

最終更新:2009年11月08日 23:48
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