制作環境 PC本体編

基本的に動画を制作するのに特殊な機能のPCが必要になる訳ではありません。
しかしなから、より質の高い動画を制作していく上でチェックしておきたいポイントというものはいくつか存在します。

ここではPCの各部の性能が動画を制作していく上でどの様に影響するのかを項目別にまとめてみます。
尚、以下に記した内容はあくまでオンラインゲームを素材とした動画制作を前提としております事をご留意下さいませ。


◎可能な限りハイエンドなマシンが好ましいのは言うまでもない!!

国内家電メーカーの販売する所謂メーカー製PCは避けたいところです。
理由としては
1.価格性能比が極めて低い。
2.CPU、グラフィックボード、メモリー、HDDなどのパーツ類の後からの換装が不可能な場合が多い。
などが挙げられます。

所謂直販メーカーのBTO製品、あるいはショップ製PCが好ましいのは言うまでもありません。
管理人的には直販メーカーよりもツクモ、ドスパラなどを代表としたショップ製PCがオススメです。
決定的な違いは所謂カタログスペックには表記されない部品の質の差です。
ショップ製PCは各パーツに拘りのあるヘビーユーザーのみを相手にした商売の為、細かなパーツに至る迄ぬかりはありません。
どのパーツも玄人の間で定評のあるメーカーのものを採用しており、結果的に故障が少なく長く使えるPCに仕上っています。

巷で良く耳にする直販メーカー製PCの故障率の高さはコストを抑えるが為にカタログに表示されない部分に粗悪な部品が使われている為です

管理人自身、
以前にある有名直販メーカーのPCをオーダーした事がありますが、半年で故障した経験があります。
その後PCについての知識がついてきて判った事なのですが、排気ファンや電源ユニット、各種ケーブルなどは正直言ってひどい代物でした。ww

この様に直販メーカーの中には「安かろう・悪かろう」な企業もありますので選定の際にはご注意下さい。

 

◎動画制作において重視すべきパーツ
[CPU]
高性能であればある程良いに越した事は無いのですが、基本的には動画制作にはデュアルコアCPU以上が好ましいとされています。
CPUパワーが不足していると下記の様な影響を及ぼします。

・ゲーム映像をキャプチャー時に画面がカクつき、フレームレートが著しく低下する。(良く言う「重すぎてガクガク」という現象)
・エンコード時(編集の終わったムービーの書き出し時)の待ち時間が極めて長くなる。
・解像度が1280×720以上のHDクラスのムービーになると遅延が激しくまともに再生出来ない。
・編集ソフトなど映像系のアプリケーションは基本的にどれも重いのでCPUパワーが充分でないと作業効率が落ちてイラつく。


[グラフィックボード]
CPU同様、高性能なものであれば良いに越した事は無いパーツです。
グラボが動画制作においてどういった点で大きく影響してくるかは下記の通りです。

・ゲーム映像キャプチャー時の画質に影響。(後でいくらエンコード設定を煮詰めても元素材の画質が低ければどうにもなりません。)
・NVIDIA社のグラボの中でCUDA機能をサポートしたモデルを使用した場合エンコードの待ち時間が最大で4倍早くなる。

※誤解されがちな間違い
・グラボの性能は編集作業自体には全く関係がありません。(グラボの性能を上げたからと言って編集ソフトのパフォーマンスが大幅に改善されたりはしません。)
 影響があるのはあくまでキャプチャー時のみである点に注意。
・必ずしもハイエンドクラスのグラボに拘る必要は一切無い。
 ゲームの場合グラボ性能に異常に拘る人を見かけますが、多くのMMORPGなどは最高画質を描写させるのにそこまで高性能のグラボパワーを必要としません。
 最高ランクのグラボの性能を発揮出来るのはFPSなどそれに対応している一部のジャンルのゲームタイトルのみです。
 ましてグラボの二枚座しなどは完全にグラボメーカーの戦略に乗せられている事に気づきましょう。
 ネット上で良くベンチマークによる性能比較を目にしますが、ようは単なる数字マジックであり、言い換えれば数字やグラフで表現しないと違いが体感出ないレベルであるという事です。


[メモリ]
編集ソフトやAfterEffects、Photoshopなど、動画制作に使用するアプリケーションは重くて当然の世界となっています。
昨今は価格が非常に安価になってきていますので可能な限り大容量を積みましょう。
但し、32bitのOSが認識可能なメモリは3GB(Vistaは4GB)が限界です。

※補足
32bitのOSに8GBのメモリを搭載し、3GBを通常利用し残りの5GBをRAMディスクとして活用する手法が最近のトレンドになってきています。
具体的には「Gavotte Ramdisk」と言ったフリーソフトを使用した手法となります。

特にAfterEffectsなどの激重ソフトなどを使用されている方には是非ともオススメします。


[HDD]
動画ファイルというものは非常に巨大なサイズが当たり前です。
特にキャプチャーした生素材は1ファイルで1GBという超巨大サイズである事が日常茶飯事です。
メモリ同様昨今は価格の低下が著しいパーツですので1TB程度は用意したいところです。

※注意したい点
・規格が同一のHDDであっても、転送速度の性能はピンからキリまであります。可能な限り高速なモデルを選択しましょう。
  転送速度の遅いHDDの場合、無圧縮ファイルを再生する程度でもコマ落ちが発生します。
・HDDの増設は外付けタイプ(USB接続)は避けましょう。(転送速度が遅い為)
・スロット数の問題で外付けHDDしか選択の余地が無い場合はe-STA規格のHDDを選択しましょう。
 転送速度もUSBより遥かに早く、内臓タイプ並の速度を確保出来ます。

 

[モニター]
意外に重要な要素です。
具体的には正確な発色が可能なものかどうかが重要なポイントとなります。

実際に動画を作られている方には経験があると思いますが、視聴者のモニターに写る動画の色作りが作り手の意図した色合いと異なる場合があります。
これは作り手の使用しているモニターが制作段階で正確な発色がなされていない事によるものです。
安価なモニターというものはやはり「安かろう・悪かろう」でしかなく、発色の正確性という点では全く使い物になりません。
ベストという訳ではありませんが、一つの目安としてモニターを選ぶ際に必ず着目すべきポイントを下記に記します。

・パネル方式・・・IPSパネルが理想。妥協してVAパネル。(5万円以下のモニターは全て海外製の粗悪なTNパネルと考えてほぼ間違いありません。)
・解像度・・・・・・1920×1200が理想。特にHD動画が一般的になりつつある昨今では編集する際の作業効率という点でかなり重要な要素に。
・応答速度・・・・一昔前ならこれが早いかどうかが大きなポイントでしたが、2009年現在の液晶パネルはどれを選んでも実用充分な速度であり、特に拘るポイントではありません。

液晶モニターについて更に詳しく知りたい方は下記のサイトをご覧下さい。
管理人さんがかなり過激な表現をされがちで有名な人ですが、技術的な説明とレポート内容に間違った事は書いてありません。
「高解像度ワイド液晶ディスプレイ選び」

それともう1つ重要な要素となるのが画面の大きさです。
最近では動画配信サイトでもHD動画が主流になってきています。
例えば1,280×720のHD動画を制作しようとする場合、実際に素材を用意する際は1,280×720以上の解像度で制作しなければなりません。
理由は以下の通りです。

・カメラをズームさせた場合、被写体が元素材のサイズ以上に単純拡大されてしまう為ジャギーが際立ってしまう。
・素材が1,280×720以上で無い限り、画質の劣化無しにパンやティルトなどのカメラワークをする事は不可能。

など、カメラワークに関する事に起因します。
このあ辺りは実際にAEなどを使ってHD動画の制作をしようとした経験のある人は痛いほど判ると思います。
(完全固定でカメラをズームアウトしたりティルトやパンをさせない場合はこの限りではありませんが・・・・)

よって一般的にHD動画の制作には1,920×1080クラス以上のモニターが使用される場合がほとんどなのです。
ここは経験のある方にしか判らない意外な盲点ですので是非抑えておいて下さい。

最終更新:2009年11月06日 14:17
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。