オフェリア・フォーレ

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オフェリア・フォーレ」(2008/01/16 (水) 22:59:19) の最新版変更点

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#contents() &autolink(id=body) ***プロフィール ・Exonym(iID Name) :Ophelia FAURE(オフェリア・フォーレ) ・Endnym(Real Name) :Ophelia Ludwig Gertrude Van Fauré / Ophelia Gertraude Van Löwe(フルジア名) ・通称 :オフェリア(オペラ) ・生年 :N.G.0300 ・種族 :リューヴ=レイス(原住リューヴ種) ・出身 :Lutetia Parisiorum(ルテティア・パリシオールム) ***概要  聖王。フルジア帝国第二十一代皇帝。戦争後期に活躍した人物。諡号は「懐」(懐の意味は「善」、「夭折」)  聖セイクリッド皇国より神位従一位「聖王」に叙階、ルテニア王爵位を叙爵。実質的に神皇位継承権を認定された(皇族に並ぶ)。ACMFの軍階級は少将。フルジア帝国三大帝の一人に選ばれ、「獅子帝(ディア・レーヴェ)」と呼ばれる。  オフェリアは通称。ルートヴィヒは直系血族と配偶者が呼ぶ家族名。偽名にルートヴィヒ・ヴァンフォーレがある。愛称にオペラ、ルッツなど。 ***略歴  星歴0300年(リューヴ新暦2810年、地球西暦2510年)に誕生。父親の死と同時にフルジアへ拉致され、ゲルトラウデに認められて後継者に指名される。ゲルトラウデ死後に皇帝位を継承。戦費に困窮するフルジア国内に難民雇用の政策や完璧な計画経済の実行、人材登用の革新などを行って国力を回復させ、技術力の向上に成功する。また、自ら軍を率いて戦に赴くこと常勝不敗であった。  多くの人材を育成し、中でも筆頭に上げられるヴォルフガング・シャルンホルストにより失脚させられた。国外へ追放され、天宮船アルゴナウティカの艦長を務める。戦争難民を保護して国家を形成し、アンドロメダ・クラスターに対する発言力を作った。政教条約やアンドロメダ連合軍の創設に尽力し、第一銀河団の改革を指示した。  既存の組織を残したまま代替の連合軍を作り、同時にフルジア帝国とも外交を持ち、両勢力の架け橋となって和平交渉の活動を進める中、フィルウィリミテア教改革も行う。新原理派を育成し、教義派を追放して神聖復古運動(ルネサンス)に活躍。文化や思想にも明るく、著書シンフォニック・エロイカを書き上げた。  著作を歌劇化し、ルテティア・パリシオールムで教義派の首魁、レアティーズ・カデンツァと対決してこれを排除。神聖の復古と戦争終結を間近に控えた星歴0332年、多臓器不全により病没。オフェリアの死により和平交渉を絶望視したフルジア側が徹底抗戦を行い、その死から三年後に滅亡した。 ***家系 ・祖父(父方): オベロン・アリエル・ペリクリーズ・ヴァン・フォーレ ・祖母(父方): アディーラ・カタリナ・ヴェルレーヌ ・祖父(母方): レメク・アルエ ・祖母(母方): パレス・イヴ・オブ・イザベル=リーティア ・父: オルフェオ・リア・アディーラ・ヴァン・フォーレ ・母: ガートルード・コーディリア・リーティア ・養母: ゲルトラウデ・ネブカドネツァル二十世 ・叔父: ノア・リーティア ・姉: オフィーリア・アレクサンドラ、オクタウィア・ファイーナ ・妹: [[アデレード・アレクサンドラ>アデレード・フォーレ]] ・義姉: リディアーヌ・ラ・フォリア ・義妹: ゲオルギーネ・ネブカドネツァル二十二世 ・従弟: ティア・ヴァーグネル(血縁無し)、セム・リーティア、ハム・リーティア ・配偶者: ヴィオレッタ・ヴァレリー(死別) ・配偶者: カティア・フレーニ ・配偶者: ジュリエッタ・ミュゼット(妾。第二夫人) ・叔従母: パレス・レイヴン・オブ・イサク=セイクリッド、パレス・レイヴン・オブ・カイアファ=セイクリッド(母の従弟) ・再従妹: ニコラ=ミシェル・アルエ、コンスタンティア・リウィウス(はとこ)  父オルフェオ・リア・アディーラ・ヴァン・フォーレ、母ガートルード・コーディリア・リーティア=フォーレの第三子として誕生。(第四子(末子)の説もある)  オフィーリア・アレクサンドラ、オクタウィア・ファイーナは姉。[[アデレード・アレクサンドラ>アデレード・フォーレ]]とは双子の妹(姉)。エヴォルブ・オフィーリアの四体とオリヴィアは血縁上の弟・妹。  ゲルトラウデ・ネブカドネツァル二十世は養母、ゲオルギーネは義妹。初婚はヴィオレッタ・ヴァレリー(死別)、再婚はカティア・フレーニ、第二夫人にジュリエッタ・ミュゼット。カティアとの間に娘のオシアナ・アエラがいる。  姫宮のノアは叔父。セム、ハムの兄弟とは従兄弟の関係。神皇カイアファは従叔父。  甥にルカ・リエンツィ。黒宮のケナズ、カイル、カイリの兄弟がいる。姪には黒宮のシャナ、カイラ、カーメル、シャーヴィの姉妹と、アリエラ・ナブー・クドゥリ・ウツル。  フルジア式の稚児(貴族階級が行う教育制度の一つ。養子をとって貴族教育を施すもの)にはフィラーナ・ノルマ、ヴォルフガング・シャルンホルストとアマリア・レティツィアがいる。オフェリア自身はゲルトラウデの稚児で、同じ稚児のリディアーヌ・ラ・フォリアと共に育ち、姉弟の関係。 &ref(http://www.stela-net.com/opera/dic/2/tree.jpg)  旧姓はレーヴェ。フィルウィリミテア教からは天宮、アエロナウティカ、ウリエルの名で呼ばれることもある。いずれもフォーレの別称である。ベルベデーレの一人で、宮の名はパレス・アエロナウティカ。(妹のアデレードはフォーレ家を継いでいるが、プロシア公ではないため、公爵とは呼ばれない。公爵家の人間)  身体は奇形であり、女性的容貌、乳房の発達、精巣疾患、膣の形成と未発達の子宮を持つ。両性の性器を持つものの、そのどちらも未発達で使えない。両性不具の先天的欠陥がある。これは、アデレード、オフェリア、アレクサンドラの三つ子のうち、末子が形成途中で死亡して混ざったためである。 ***経歴  3歳の時に母親を亡くし、9歳の時にゲルトラウデ・ネブカドネツァルの指示で送り込まれたリディアーヌ・フォリアに襲撃を受ける。父オルフェオが死亡し、リディアにフルジアへと拉致される。この時、養子になった。  ゲルトラウデの下で師事し、教育を施される。元々、アルバ・ロンガで学習を積んでいたため、下地は完成されていた。レーヴェ家の家督を継ぎ、14歳で情報機関クンスト・ヴェルクの一員になる。以後はゲルトラウデから離れ、フィアを弟子に持つ。  16歳で娼婦だったヴィオレッタ・ヴァレリーと結婚。デケネイア総督のスキャンダルを誘う偽装結婚で、二年後にヴィオレッタの不貞からデケネイア総督を更迭、妻を殺害した。 &bold(){Act-1(N.G.0318-0320)}  N.G.0318年、カメリア星へ潜入、アリア・ローゼンミュラーの調査を行った。この時、リゴレット・リエンツィ、セリア・イザークと出会う。オフェリアはアリアを独断で救出することを決意、カメリア星を破砕してアリアを救った。  18歳の誕生日に警察に逮捕され、脱走。故郷であるルテティア・パリシオールムへ逃走した。  オフェリアはフルジア政府の上層部には「アデレード・フォーレ」という認識を受けており、現在ルテティアにいるアデレードがオフェリアと思われていた。顔つきや胸部の性徴が女性のものだったためである。身分を偽り、オフェリアとしていることに苦痛を覚えたのだろうと判断された。  一方でフルジア政府の大半はアデレードの暗殺に動いたと判断する者が多く、フィアをサポートとして派遣し、オフェリアの行動については不問とした。  リゴレット・リエンツィ、セリア・イザークらの助力を受け、ネアポリス経由航路でアンドロメダへと潜入したオフェリアはリューヴにてディファイアンス所属のオフィーリア・クローンを殺害。そのままルテティア・パリシオールム星へ入った。  実妹であるアデレードと再会するが、ガブリエル・ハイネの策略により重傷を受ける。ディファイアンスへ移送され、拘留される。この時、黒宮カヤ(パレス・レイヴン・オブ・カイアファ=セイクリッド)と出会い、オフィーリア・クローン(1b10792320xx)を誘拐、オリヴィアと名付けてカミーユ種自治区へ逃走する。  カミラ・フレーニの助言によりユーロパに身を隠すことを決意。この時、オフェリアの脳にはディファイアンスの博士、マルガレーテ・シン・シャル・イシュクン女史により埋め込まれた装置があり、記憶を徐々に転送されていく。  N.G.0319年、完全に記憶を転送されたオフェリアはユーロパにてルイ・シャルパンティエ、ロジーナ・アルマヴィーヴァ夫妻の保護を受ける。以後はルートヴィヒと家族名を名乗る。これは保護者であるシャルパンティエの名前の別名である。(LouisとLudwig)  ユーロパでカティア・フレーニと親密な関係になったが、翌年のN.G.0320年、アデレード・フォーレと二度目の再会を果たす。これをアンドレア・ウェーバーの密偵と考えたカティアは急遽、オフェリアを呼び戻し、アデレードとは物別れに終わる。  同年の秋、シャルパンティエから聖遺物のユーロパ・リング(完璧)を拝受。カティアの言を受けてユーロパを脱出、バテン・カイトス星へ向かう。姉であるオクタウィア・ファイーナ・ガートルード・ヴァン・フォーレに記憶を呼び戻してもらう。その際、アーシア・ディアーヌ・ソリッドと出会っており、聖遺物の神剣ヴァイゼル・トレーネを預かる。  ファイーナの力でデケネイア星へ飛んだオフェリアはギーゼルベルト・リヴァンスツォンを訪ね、新兵器の開発を手伝いながら太陽系の戦線へ赴いたゲルトラウデを待つ。ゲルトラウデがフルジアへ帰還した報告を受け、デケネイアを出る。  フルジアへ帰国したオフェリアはゲルトラウデの暗殺を受け、七日間の瞑想を行った。N.G.0320年12月1日、20歳のオフェリアは天下の名文と名高い「践祚勅語」を国民に発して践祚。帝位を継ぎ、第二十一代フルジア帝国皇帝に昇った。 &bold(){Act-2(N.G.0321-0324)}  N.G.0320年を大喪とし、年明けから政務を開始。人材の登用制度を改め、出自をある問わず才能で広く人材を募集した。没落した二級貴族からアマリア・レティツィアを始めとして新体制を築いた。  シリウス移民のヴォルフガング・シャルンホルストを登用。側近にする。人材登用を改めた後、軍制改革に着手。戦線を無駄に拡散させず、現状維持を基本として財政、農地改革も開始する。  没落した貴族の登用は、他の貴族の反発を招いた。これに対するため、能力と地位、そして権力を如実に反映させる序列を導入。上位はほぼ決まったものであったが、第十位に新参のシャルンホルストを入れ、最下位にはフォリアの息子のゴーティエを入れてフォリア家の没落を明示した。  N.G.0321年の春に、シリウス移民を労働力として公益事業に従事させた。シーリア星へ大量の移民を発進させ、ヴェルブングの下で軍需生産工場の建築など軍事に関する施設の建造をシャルンホルストの案を具体案として採用、実行した。これは即時性の無い、総力戦に向けての準備であった。  さらに戦力の補強として軍の再編を行った。近衛軍、機甲軍、参謀軍、外征軍と四分割された軍団を第一、第二総軍と二分割し、第二総軍にはヴェルブングが司令官を拝命。第一総軍に近衛、外征、参謀軍から引き裂いた第五軍の防衛軍を編成し、近衛軍は遊軍の体制をとる。  同年の冬にシリウス星でカメリア王国に対するアンドロメダの干渉を見て、満を持して戦時体制に入る。践祚から一年と経たず、フルジアの国力を回復させての戦だったが、敗戦。シリウスを破砕されたものの、国家元首のカティア・フレーニを始めとし、臣民五十万を獲得して帰還した。  N.G.0322年、二級貴族ミュゼット家長女ジュリエッタとカメリア王国女王カティアを側室に入れる。夏にカティア・フレーニを自らの籍にいれ正室とし、事実上の婚姻関係を結んだ。この際、フルジア王家ではなくパレス・アエロナウティカ・オブ・オフェリア=フォーレの配偶者としてベルベデーレの保管する皇族系譜に記載された。(フォーレ家の戸籍とは別)  翌N.G.0323年、宮殿にてゴーティエ・ラ・フォリアに対して暴行、傷害事件を起こす。宮殿内で遊んでいた被害者と、それを注意した宮殿職員との間で諍いが起き、話を聞いたオフェリアがゴーティエに刃を振るった。ゴーティエは額に七針を縫う裂傷を負う。  アンドロメダ側の第二次反攻作戦を迎え撃つため、レグルスに出陣。近衛第一師団二万の将兵を用いてノティオンに侵攻した。リューヴ・SSU連合軍の二十万を破り、殲滅。ノティオンを支配下に置く。  先帝ゲルトラウデ暗殺の下手人の一人、同じ稚児であり姉弟だったリディアーヌ・ラ・フォリアを逮捕、殺害。レグルス星系に攻め寄せる連合軍を打ち払うことに成功して帰還した。帰還後、シャルンホルストを国防長官に任命。  N.G.0324年、第二夫人のジュリエッタ・ミュゼットを殺害。先年のゴーティエ・フォリアの一件と重ね合わせ、シャルンホルストはオフェリアを逮捕した。皇帝は自称であり事実ではないと判断したシャルンホルストは、オフェリアを国外追放とした。これにより、退位。以後一年間、消息を断つ。  (シャルンホルストの理論は、N.G.0320年にオフェリアが皇帝となった際、手落ちがあったというもの。通常、皇帝・女王になるには、何らかの理由で帝位を持つ人間が退位し、皇位継承権を持つ人間が践祚(帝位の継承)を行い、即位(皇帝になる儀式)をする。オフェリアは践祚を行ったが、即位式を大喪の発表で打ち消して、行っていない。特に儀礼を重んじる帝位継承であるから手落ちがあってはならない、という考えをもって、シャルンホルストはオフェリアの帝位を認めず自称と判断、公的には皇子のままであるために逮捕に踏み切った。  これは&bold(){オフェリア自身がフルジアを退去する方法として考え抜かれたもの}であり、正統な継承者であるゲオルギーネへスムーズな帝位継承を行うためには、先帝であるオフェリアが何らかの事情で帝位を剥奪されなければならかったためだと思われる(通常の退位でオフェリアが存命していた場合、高い徳望から人民が退位を認めずに、ゲオルギーネが即位した後にオフェリアの復位を求められる可能性があった。) &bold(){Act-3(N.G.0325-0329)}  フルジア追放後、フォーレ家所有の航空宇宙艦、「天宮船・アルゴナウティカ」に乗船。艦長となる。公式な場に姿を見せたのは、N.G.0325年の夏。妹のアデレード・フォーレとアマデウス・ツェルニーの結婚式場にて、旧クンスト・ヴェルクのレギュラーたちと共謀し、アデレードを拉致した。  脱出の際、アンドロメダ銀河に存在するワームホールに飲み込まれ、おとめ座銀河団いて座に位置するアルカブ星(現:オーフェリア星)に墜落、漂着した。当惑星にて蔓延する伝染病に感染、原住民によって殺害された。  アデレードとアレクサンドラ・クリソベリルの尽力により蘇生に成功。この時、ミーティア種の侵食をわずかながらに受けた。(アデレードは血中濃度の80パーセント、オフェリアはわずかに5パーセント程度)  ミーティア種の墜落現場へ到達したオフェリアは、フルジア軍機甲師団の救出部隊と協力。レアティーズにより派遣されたリューヴ軍第二軍第十師団と対決。爆心地より追い出すことに成功している。  超新星爆発によるガンマ線照射から惑星を救うため、アデレードと結託してイスラフィルを照射。第三射にて除去に成功したが、意識不明となった。この際、アデレードがサマンサ・ラマート・アダド・ニラリに逮捕された。  アデレードを追って地球のホンコン市に辿り着いたオフェリアはアーシアと再会。彼女の助力を得て、マルガレーテ・シン・シャル・イシュクンと接触。埠頭倉庫に呼び出され、マルガレーテが生み出したクローン、オルフェオ・リア・アディーラ・フォーレと対決する。  オルフェオを殺し、その剣を奪ったオフェリアはリン・フェイを救出。父であり地球軍の司令官であるリン・カーウェイの依頼でフェイをソフィア・ビュザンティオン市へ案内した。アデレードと共に聖ユーリヤ修道院へ入れている。  アルゴナウティカへ戻ったオフェリアは政教条約とレアティーズとの対決を視野に動き、艦の指揮を担う。同時にアルゴナウティカ都市部ソフィア・ビュザンティオンの行政を担当し、政治機構を整えた。  カルディア・ベルテシャツァルと協力し、アンドロメダ・クラスターの軍事同盟を締結させた。各国から集まった軍をソフィア市に集結させ、フルジアへの反攻作戦を企画。同時にアデレードに命じてフェクダ王国の王弟であるレイモンドを救出し、ウルサ星系へ侵攻し、ウィリアム・ライルを殺害させた。  リューヴ大統領候補イスマイール・アリク・デン・イリはソフィアを中心に広がり始めた新原理派の台頭による神聖復古運動を察知し、AILAのクローディアス・カーライルと結託してソフィア市の調査を行った。この時、オフェリアはAILAに拷問を受け、古代リューヴ語で書かれたシンフォニック・エロイカを発見されている。  太陽系同盟の瓦解に伴い、軍事力を強化したアンドロメダ軍の内部で政教条約を批准させ、ソフィア市の中立とフルジア・アンドロメダ両国の外交の席を設ける。捕虜の交換を目的に訪れたエーファ・ブリーゼマイスターはこれを承諾した。  レアティーズはソフィア市に対し化学兵器によるテロを敢行。オフェリアもこれに斃れるが、犯人であるフリューリングよりヴィオレッタの生存を聞かされる。病状が回復したオフェリアは娘のアエラを連れてリューヴに上陸した。  真実を知ったオフェリアは悲憤の念に駆られ、ディファイアンスを襲撃。マルガレーテを始め、ディファイアンスを壊滅させてクローンを皆殺しにした。魔神として覚醒したオフェリアはかねてから計画していたルテティア・パリシオールム襲撃を決行する。  カミラを訪ね、カティアが二人存在していることを確認。カティア・フレーニはシリウスで逮捕されており、結婚したカティアがクローンであることを知る。そのクローンはカティアのクローンではなく、&bold(){ヴィオレッタのクローン}であった。  N.G.0328年の大晦日。ルテティア・パリシオールムで歌劇が開演。役者の一人としてオフェリアは壇上に上がり、レアティーズ・カデンツァとの決闘に挑む。壮絶な決闘の果てにオフェリアはレアティーズの左腕を斬り捨てた。  アハトらレアティーズ派の群臣により助けられるレアティーズの姿を眺めながら、オフェリアは重傷を負い、以後、ルテティアにて休養に入った。 &bold(){Act-4(N.G.0330-0335)}  休養中にアマリア・レティツィアが訪れ、彼女に最後の教えを施した。この時、すでに病状は末期に近い段階にあり、アデレードはオフェリアを過保護に守り、来客を全て拒絶した。  オフェリアは声帯を切り裂いてまで護衛にやって来たアスワドと、アエラが気に入って買ったペットと暮らした。N.G.0331年には認知機能の低下と内臓疾患は手の施しようがないところまで来ており、正常な会話さえ出来ない状態にあった。  翌年、N.G.0332年に多臓器不全により没した。  後継は特に指名しなかった。遺体はルテティア・パリシオールムにある自宅の庭に埋められ、大樹を墓とした。  臨終の際には誰も付き添っておらず、庭にある小さな湖の中で死んでいるのを、アルフェラツ星の学生キノスラ・ウェーベルンが発見した。水死のような異常な死に方に、暗殺や事故による疑惑が当初ささやかれたが、検死結果は多臓器不全であったため、それらの線は否定された。 #image(clairin2.jpg,center) #center(){ Georges-Jules-Victor Clairin (French, 1843-1919) ”Ophelia” } ***人格  幼少時は暗く、めそめそした非常に女性的な性格だった。成長した今でも優しさという一面でなお残る。あまり自分のことを考えていないせいか、任務以外では情に流されやすく、優柔不断な面もある。  しかし対人関係を築くのが上手く、社交性に富む。ほとんど、我を出すことはないので、他者にとっては良い話し相手と思われがちである。諜報員として育まれた才能で、相手に印象を残さず、しかし情報を得る手段と思われる。  そのためか、死別した妻のヴィオレッタとは不仲だった。思っていることを口に出さないので、ケンカさえ起きない。新妻のカティアはオフェリアの性質をよく理解しており、時たまおちょくるような仕草も見せる。 ***評価  優れた指揮能力が特出して見えるが、作戦遂行能力がずば抜けており、戦術理解や部隊指揮にかけては右に出る者がいない。反面、立案能力にはやや欠ける。しかし欠けるといっても天才的な戦術立案力であり、軍人としては最高峰である。近・現代の中でも最高の軍指揮官と言われる。  為政者としても才能を発揮し、その政治手腕は先帝ゲルトラウデと比較して遜色ないものと評価されている。政治家というより革命家に近く、改革を断行して保守的な思考を残しつつも一掃。人事改革にて優れた政治家・軍人を登用した。最も才能を発揮したのは市場経済の面であり、皇帝の権力を用いて物価・流通を完全にコントロールする計画経済を導入し、大成功を収めた。  政治に癒着していた宗教の体制に反感を抱き、宗教改革を実行した。これによりリューヴ政治家の中で選挙にて宗教の権威を借りていた教義派の人間が追放され、フィルウィリミテア教の中立性を確立させた。神聖復古運動の首魁にあげられ、以後二百年間に渡る政教分離の基盤を作り、成功させる。  人材育成も得意とされる。フィラーナ・ノルマやアマリア・レティツィア、ヴォルフガング・シャルンホルストをはじめとし、オフェリアの下で育った人物はいずれも優秀な人材となっている。物事を教える能力に秀で、教育者としての才能も持ち合わせている。王都大学や聖ユーリヤ修道院の設立、運営に深く関与し、自らも教壇に立って次代の人材を育成した。  軍事・政治の双方に通じた指導者として名高く、当代随一の人物であった。後年は文化人としての才能を発揮し、後年に通じる思想を残した。著書シンフォニック・エロイカには国家システム論、組織改革論、そして革命論があり、後年の国家、そして世界そのものに大きな影響を及ぼした。  特に行政機構を連立させて繋げ、超大国を形成する「独立連衡思想」は国家論だけに収まらず、資本家による合併買収を引き起こさせ、戦後経済を担う大企業を作り上げた。太陽系からの独立運動や、武力抵抗をも生み、「オペラの子供達」と名乗る革命運動、革命家武力集団の形成に深く関与した。  一般的には戦争終結の道標となった英雄として知られるが、一部には批判の声もあがっている。後年の武力集団形成に関与する革命思想や、カメリア星破砕、リューヴでの破壊活動などがあげられる。終戦への道を作り出した人間ではあるが、戦後の混乱を作り出した元凶でもあると賛否両論である。 ***エピソード  ・性別で混乱するが、「無性」である。よく「両性」と間違われるが、男性・女性機能の両方に欠陥があるため、性別は無いとされる。非常に女性的な性格・容姿であった。  ・寝起きが悪いことで有名。起床後、一時間から二時間を覚醒に要する。その間、電波発言を繰り返し、周囲を惑わせた。寝息は「うにー」らしい。  ・家族に対する愛情が深かった。カティア・フレーニやアデレード・フォーレを溺愛していた。その一方で、父親から性的虐待を受けた過去を持つ。  ・統率力、武芸、政治力や知力などあらゆる分野に才能を発揮した天才児であり、その才能は無駄なところにも発揮されている。料理や手芸が得意で、文才もあった。  ・完璧超人の唯一の悩みは、自分の肉体だった。かなりのコンプレックスがあった。自己愛というものに乏しく、自己嫌悪の塊であった。  ・身長161センチ、体重は50キログラムを切っていた。丈の長い衣服を好み、露出の多い服はあまり着なかった。  ・SかMかっていったらMのほう。本人的にはSになりたいらしい。  ・自分の結婚式の時に、リゴレット・リエンツィに告白されたことがある。答えはもちろんNOであり、土下座するリゴレットを蹴った。なお、リゴレットはその後、オフェリアと同じ顔であるルキア・バルカと結婚した。  ・元々、恋愛対象は男だったらしい(性自認は男、ゲイだったことになる)。しかしゲルトラウデとの関係が女性に対する愛情を覚えさせたようだ。アガーテ=ガブリエル・ハイネに告白された時、どうしても恋愛感情を抱けなくて断っている。前述したリゴレットの告白の一件で、ちゃんと異性愛者に戻っていることが確認できるため、バイでもない。  ・見た目的には男性と付き合ってくれないとレズビアンに見える。  ・美乳。究極の形をした乳房らしい。なお、バストのサイズは29歳の時がピークで82センチ。それ以前はもっと小さいはず。多分ウエストがバカ細い気がする、50センチとか。おそらくBカップかCカップくらいと思う。  ・アデレードとの胸囲差、20センチ。恐怖。  ・一度だけ水商売をしたことがある。(客を半殺しにして逮捕した)  ・左利きである。これは双子特有の現象で、アデレードは右利きになっている。利き腕を下にして寝るのがクセ。毛髪の生え方もアデレードとは逆になっている。  ・子供の頃、ヴェルブング・ティンクベルンを半殺しにしたことがある。  ・殺人の罪で思い悩むことが多いが、実際に戦闘行為以外で人を殺したのはジュリエッタ・ミュゼットのみ(マルガレーテ・シン・シャル・イシュクンは微妙)。起訴はされていない。  ・従者は歌姫アリア・ローゼンミュラーとロザリア・スルーズドッティル。フルジア時代にはヴォルフガング・シャルンホルストとアマリア・レティツィアを置いていた。ソフィア時代はアスワド・オルキヌス・オルカがいた。  ・純血のリューヴ種と思われがちだが、実はカミーユ種のクォーターでもある。個人での戦闘能力が高いのはそのため。これは一部にしか知られていなかったため、化学兵器による暗殺事件を未遂に終わらせる結果を招いた。  ・軍の指揮に長けている。野戦での活躍が目立つが、本領は宇宙軍の指揮にあった。操船や航路図に強く、当時は発見されていなかったフルジア-シリウス間の最短ルートを見つけ、驚異的な速度で戦場に駆けつけた。この機動力がオフェリアの真骨頂であり、野戦で残した数多くの勝利も、敵の予想を上回るほどの機動性を持って戦場を縦横無尽に移動したことが大きな要因である。
#contents() &autolink(id=body) ***プロフィール ・Exonym(iID Name) :Ophelia FAURE(オフェリア・フォーレ) ・Endnym(Real Name) :Ophelia Ludwig Gertrude Van Fauré / Ophelia Gertraude Van Löwe(フルジア名) ・通称 :オフェリア(オペラ) ・生年 :N.G.0300 ・種族 :リューヴ=レイス(原住リューヴ種) ・出身 :Lutetia Parisiorum(ルテティア・パリシオールム) ***概要  聖王。フルジア帝国第二十一代皇帝。戦争後期に活躍した人物。諡号は「懐」(懐の意味は「善」、「夭折」)  聖セイクリッド皇国より神位従一位「聖王」に叙階、ルテニア王爵位を叙爵。実質的に神皇位継承権を認定された(皇族に並ぶ)。ACMFの軍階級は少将。フルジア帝国三大帝の一人に選ばれ、「獅子帝(ディア・レーヴェ)」と呼ばれる。  オフェリアは通称。ルートヴィヒは直系血族と配偶者が呼ぶ家族名。偽名にルートヴィヒ・ヴァンフォーレがある。愛称にオペラ、ルッツなど。 ***略歴  星歴0300年(リューヴ新暦2810年、地球西暦2510年)に誕生。父親の死と同時にフルジアへ拉致され、ゲルトラウデに認められて後継者に指名される。ゲルトラウデ死後に皇帝位を継承。戦費に困窮するフルジア国内に難民雇用の政策や完璧な計画経済の実行、人材登用の革新などを行って国力を回復させ、技術力の向上に成功する。また、自ら軍を率いて戦に赴くこと常勝不敗であった。  多くの人材を育成し、中でも筆頭に上げられるヴォルフガング・シャルンホルストにより失脚させられた。国外へ追放され、天宮船アルゴナウティカの艦長を務める。戦争難民を保護して国家を形成し、アンドロメダ・クラスターに対する発言力を作った。政教条約やアンドロメダ連合軍の創設に尽力し、第一銀河団の改革を指示した。  既存の組織を残したまま代替の連合軍を作り、同時にフルジア帝国とも外交を持ち、両勢力の架け橋となって和平交渉の活動を進める中、フィルウィリミテア教改革も行う。新原理派を育成し、教義派を追放して神聖復古運動(ルネサンス)に活躍。文化や思想にも明るく、著書シンフォニック・エロイカを書き上げた。  著作を歌劇化し、ルテティア・パリシオールムで教義派の首魁、レアティーズ・カデンツァと対決してこれを排除。神聖の復古と戦争終結を間近に控えた星歴0332年、多臓器不全により病没。オフェリアの死により和平交渉を絶望視したフルジア側が徹底抗戦を行い、その死から三年後に滅亡した。 ***家系 ・祖父(父方): オベロン・アリエル・ペリクリーズ・ヴァン・フォーレ ・祖母(父方): アディーラ・カタリナ・ヴェルレーヌ ・祖父(母方): レメク・アルエ ・祖母(母方): パレス・イヴ・オブ・イザベル=リーティア ・父: オルフェオ・リア・アディーラ・ヴァン・フォーレ ・母: ガートルード・コーディリア・リーティア ・養母: ゲルトラウデ・ネブカドネツァル二十世 ・叔父: ノア・リーティア ・姉: オフィーリア・アレクサンドラ、オクタウィア・ファイーナ ・妹: [[アデレード・アレクサンドラ>アデレード・フォーレ]] ・義姉: リディアーヌ・ラ・フォリア ・義妹: ゲオルギーネ・ネブカドネツァル二十二世 ・従弟: ティア・ヴァーグネル(血縁無し)、セム・リーティア、ハム・リーティア ・配偶者: ヴィオレッタ・ヴァレリー(死別) ・配偶者: カティア・フレーニ ・配偶者: ジュリエッタ・ミュゼット(妾。第二夫人) ・叔従母: パレス・レイヴン・オブ・イサク=セイクリッド、パレス・レイヴン・オブ・カイアファ=セイクリッド(母の従弟) ・再従妹: ニコラ=ミシェル・アルエ、コンスタンティア・リウィウス(はとこ)  父オルフェオ・リア・アディーラ・ヴァン・フォーレ、母ガートルード・コーディリア・リーティア=フォーレの第三子として誕生。(第四子(末子)の説もある)  オフィーリア・アレクサンドラ、オクタウィア・ファイーナは姉。[[アデレード・アレクサンドラ>アデレード・フォーレ]]とは双子の妹(姉)。エヴォルブ・オフィーリアの四体とオリヴィアは血縁上の弟・妹。  ゲルトラウデ・ネブカドネツァル二十世は養母、ゲオルギーネは義妹。初婚はヴィオレッタ・ヴァレリー(死別)、再婚はカティア・フレーニ、第二夫人にジュリエッタ・ミュゼット。カティアとの間に娘のオシアナ・アエラがいる。  姫宮のノアは叔父。セム、ハムの兄弟とは従兄弟の関係。神皇カイアファは従叔父。  甥にルカ・リエンツィ。黒宮のケナズ、カイル、カイリの兄弟がいる。姪には黒宮のシャナ、カイラ、カーメル、シャーヴィの姉妹と、アリエラ・ナブー・クドゥリ・ウツル。  フルジア式の稚児(貴族階級が行う教育制度の一つ。養子をとって貴族教育を施すもの)にはフィラーナ・ノルマ、ヴォルフガング・シャルンホルストとアマリア・レティツィアがいる。オフェリア自身はゲルトラウデの稚児で、同じ稚児のリディアーヌ・ラ・フォリアと共に育ち、姉弟の関係。 &ref(http://www.stela-net.com/opera/dic/2/tree.jpg)  旧姓はレーヴェ。フィルウィリミテア教からは天宮、アエロナウティカ、ウリエルの名で呼ばれることもある。いずれもフォーレの別称である。ベルベデーレの一人で、宮の名はパレス・アエロナウティカ。(妹のアデレードはフォーレ家を継いでいるが、プロシア公ではないため、公爵とは呼ばれない。公爵家の人間)  身体は奇形であり、女性的容貌、乳房の発達、精巣疾患、膣の形成と未発達の子宮を持つ。両性の性器を持つものの、そのどちらも未発達で使えない。両性不具の先天的欠陥がある。これは、アデレード、オフェリア、アレクサンドラの三つ子のうち、末子が形成途中で死亡して混ざったためである。 ***経歴  3歳の時に母親を亡くし、9歳の時にゲルトラウデ・ネブカドネツァルの指示で送り込まれたリディアーヌ・フォリアに襲撃を受ける。父オルフェオが死亡し、リディアにフルジアへと拉致される。この時、養子になった。  ゲルトラウデの下で師事し、教育を施される。元々、アルバ・ロンガで学習を積んでいたため、下地は完成されていた。レーヴェ家の家督を継ぎ、14歳で情報機関クンスト・ヴェルクの一員になる。以後はゲルトラウデから離れ、フィアを弟子に持つ。  16歳で娼婦だったヴィオレッタ・ヴァレリーと結婚。デケネイア総督のスキャンダルを誘う偽装結婚で、二年後にヴィオレッタの不貞からデケネイア総督を更迭、妻を殺害した。 &bold(){Act-1(N.G.0318-0320)}  N.G.0318年、カメリア星へ潜入、アリア・ローゼンミュラーの調査を行った。この時、リゴレット・リエンツィ、セリア・イザークと出会う。オフェリアはアリアを独断で救出することを決意、カメリア星を破砕してアリアを救った。  18歳の誕生日に警察に逮捕され、脱走。故郷であるルテティア・パリシオールムへ逃走した。  オフェリアはフルジア政府の上層部には「アデレード・フォーレ」という認識を受けており、現在ルテティアにいるアデレードがオフェリアと思われていた。顔つきや胸部の性徴が女性のものだったためである。身分を偽り、オフェリアとしていることに苦痛を覚えたのだろうと判断された。  一方でフルジア政府の大半はアデレードの暗殺に動いたと判断する者が多く、フィアをサポートとして派遣し、オフェリアの行動については不問とした。  リゴレット・リエンツィ、セリア・イザークらの助力を受け、ネアポリス経由航路でアンドロメダへと潜入したオフェリアはリューヴにてディファイアンス所属のオフィーリア・クローンを殺害。そのままルテティア・パリシオールム星へ入った。  実妹であるアデレードと再会するが、ガブリエル・ハイネの策略により重傷を受ける。ディファイアンスへ移送され、拘留される。この時、黒宮カヤ(パレス・レイヴン・オブ・カイアファ=セイクリッド)と出会い、オフィーリア・クローン(1b10792320xx)を誘拐、オリヴィアと名付けてカミーユ種自治区へ逃走する。  カミラ・フレーニの助言によりユーロパに身を隠すことを決意。この時、オフェリアの脳にはディファイアンスの博士、マルガレーテ・シン・シャル・イシュクン女史により埋め込まれた装置があり、記憶を徐々に転送されていく。  N.G.0319年、完全に記憶を転送されたオフェリアはユーロパにてルイ・シャルパンティエ、ロジーナ・アルマヴィーヴァ夫妻の保護を受ける。以後はルートヴィヒと家族名を名乗る。これは保護者であるシャルパンティエの名前の別名である。(LouisとLudwig)  ユーロパでカティア・フレーニと親密な関係になったが、翌年のN.G.0320年、アデレード・フォーレと二度目の再会を果たす。これをアンドレア・ウェーバーの密偵と考えたカティアは急遽、オフェリアを呼び戻し、アデレードとは物別れに終わる。  同年の秋、シャルパンティエから聖遺物のユーロパ・リング(完璧)を拝受。カティアの言を受けてユーロパを脱出、バテン・カイトス星へ向かう。姉であるオクタウィア・ファイーナ・ガートルード・ヴァン・フォーレに記憶を呼び戻してもらう。その際、アーシア・ディアーヌ・ソリッドと出会っており、聖遺物の神剣ヴァイゼル・トレーネを預かる。  ファイーナの力でデケネイア星へ飛んだオフェリアはギーゼルベルト・リヴァンスツォンを訪ね、新兵器の開発を手伝いながら太陽系の戦線へ赴いたゲルトラウデを待つ。ゲルトラウデがフルジアへ帰還した報告を受け、デケネイアを出る。  フルジアへ帰国したオフェリアはゲルトラウデの暗殺を受け、七日間の瞑想を行った。N.G.0320年12月1日、20歳のオフェリアは天下の名文と名高い「践祚勅語」を国民に発して践祚。帝位を継ぎ、第二十一代フルジア帝国皇帝に昇った。 &bold(){Act-2(N.G.0321-0324)}  N.G.0320年を大喪とし、年明けから政務を開始。人材の登用制度を改め、出自をある問わず才能で広く人材を募集した。没落した二級貴族からアマリア・レティツィアを始めとして新体制を築いた。  シリウス移民のヴォルフガング・シャルンホルストを登用。側近にする。人材登用を改めた後、軍制改革に着手。戦線を無駄に拡散させず、現状維持を基本として財政、農地改革も開始する。  没落した貴族の登用は、他の貴族の反発を招いた。これに対するため、能力と地位、そして権力を如実に反映させる序列を導入。上位はほぼ決まったものであったが、第十位に新参のシャルンホルストを入れ、最下位にはフォリアの息子のゴーティエを入れてフォリア家の没落を明示した。  N.G.0321年の春に、シリウス移民を労働力として公益事業に従事させた。シーリア星へ大量の移民を発進させ、ヴェルブングの下で軍需生産工場の建築など軍事に関する施設の建造をシャルンホルストの案を具体案として採用、実行した。これは即時性の無い、総力戦に向けての準備であった。  さらに戦力の補強として軍の再編を行った。近衛軍、機甲軍、参謀軍、外征軍と四分割された軍団を第一、第二総軍と二分割し、第二総軍にはヴェルブングが司令官を拝命。第一総軍に近衛、外征、参謀軍から引き裂いた第五軍の防衛軍を編成し、近衛軍は遊軍の体制をとる。  同年の冬にシリウス星でカメリア王国に対するアンドロメダの干渉を見て、満を持して戦時体制に入る。践祚から一年と経たず、フルジアの国力を回復させての戦だったが、敗戦。シリウスを破砕されたものの、国家元首のカティア・フレーニを始めとし、臣民五十万を獲得して帰還した。  N.G.0322年、二級貴族ミュゼット家長女ジュリエッタとカメリア王国女王カティアを側室に入れる。夏にカティア・フレーニを自らの籍にいれ正室とし、事実上の婚姻関係を結んだ。この際、フルジア王家ではなくパレス・アエロナウティカ・オブ・オフェリア=フォーレの配偶者としてベルベデーレの保管する皇族系譜に記載された。(フォーレ家の戸籍とは別)  翌N.G.0323年、宮殿にてゴーティエ・ラ・フォリアに対して暴行、傷害事件を起こす。宮殿内で遊んでいた被害者と、それを注意した宮殿職員との間で諍いが起き、話を聞いたオフェリアがゴーティエに刃を振るった。ゴーティエは額に七針を縫う裂傷を負う。  アンドロメダ側の第二次反攻作戦を迎え撃つため、レグルスに出陣。近衛第一師団二万の将兵を用いてノティオンに侵攻した。リューヴ・SSU連合軍の二十万を破り、殲滅。ノティオンを支配下に置く。  先帝ゲルトラウデ暗殺の下手人の一人、同じ稚児であり姉弟だったリディアーヌ・ラ・フォリアを逮捕、殺害。レグルス星系に攻め寄せる連合軍を打ち払うことに成功して帰還した。帰還後、シャルンホルストを国防長官に任命。  N.G.0324年、第二夫人のジュリエッタ・ミュゼットを殺害。先年のゴーティエ・フォリアの一件と重ね合わせ、シャルンホルストはオフェリアを逮捕した。皇帝は自称であり事実ではないと判断したシャルンホルストは、オフェリアを国外追放とした。これにより、退位。以後一年間、消息を断つ。  (シャルンホルストの理論は、N.G.0320年にオフェリアが皇帝となった際、手落ちがあったというもの。通常、皇帝・女王になるには、何らかの理由で帝位を持つ人間が退位し、皇位継承権を持つ人間が践祚(帝位の継承)を行い、即位(皇帝になる儀式)をする。オフェリアは践祚を行ったが、即位式を大喪の発表で打ち消して、行っていない。特に儀礼を重んじる帝位継承であるから手落ちがあってはならない、という考えをもって、シャルンホルストはオフェリアの帝位を認めず自称と判断、公的には皇子のままであるために逮捕に踏み切った。  これは&bold(){オフェリア自身がフルジアを退去する方法として考え抜かれたもの}であり、正統な継承者であるゲオルギーネへスムーズな帝位継承を行うためには、先帝であるオフェリアが何らかの事情で帝位を剥奪されなければならかったためだと思われる(通常の退位でオフェリアが存命していた場合、高い徳望から人民が退位を認めずに、ゲオルギーネが即位した後にオフェリアの復位を求められる可能性があった。) &bold(){Act-3(N.G.0325-0329)}  フルジア追放後、フォーレ家所有の航空宇宙艦、「天宮船・アルゴナウティカ」に乗船。艦長となる。公式な場に姿を見せたのは、N.G.0325年の夏。妹のアデレード・フォーレとアマデウス・ツェルニーの結婚式場にて、旧クンスト・ヴェルクのレギュラーたちと共謀し、アデレードを拉致した。  脱出の際、アンドロメダ銀河に存在するワームホールに飲み込まれ、おとめ座銀河団いて座に位置するアルカブ星(現:オーフェリア星)に墜落、漂着した。当惑星にて蔓延する伝染病に感染、原住民によって殺害された。  アデレードとアレクサンドラ・クリソベリルの尽力により蘇生に成功。この時、ミーティア種の侵食をわずかながらに受けた。(アデレードは血中濃度の80パーセント、オフェリアはわずかに5パーセント程度)  ミーティア種の墜落現場へ到達したオフェリアは、フルジア軍機甲師団の救出部隊と協力。レアティーズにより派遣されたリューヴ軍第二軍第十師団と対決。爆心地より追い出すことに成功している。  超新星爆発によるガンマ線照射から惑星を救うため、アデレードと結託してイスラフィルを照射。第三射にて除去に成功したが、意識不明となった。この際、アデレードがサマンサ・ラマート・アダド・ニラリに逮捕された。  アデレードを追って地球のホンコン市に辿り着いたオフェリアはアーシアと再会。彼女の助力を得て、マルガレーテ・シン・シャル・イシュクンと接触。埠頭倉庫に呼び出され、マルガレーテが生み出したクローン、オルフェオ・リア・アディーラ・フォーレと対決する。  オルフェオを殺し、その剣を奪ったオフェリアはリン・フェイを救出。父であり地球軍の司令官であるリン・カーウェイの依頼でフェイをソフィア・ビュザンティオン市へ案内した。アデレードと共に聖ユーリヤ修道院へ入れている。  アルゴナウティカへ戻ったオフェリアは政教条約とレアティーズとの対決を視野に動き、艦の指揮を担う。同時にアルゴナウティカ都市部ソフィア・ビュザンティオンの行政を担当し、政治機構を整えた。  カルディア・ベルテシャツァルと協力し、アンドロメダ・クラスターの軍事同盟を締結させた。各国から集まった軍をソフィア市に集結させ、フルジアへの反攻作戦を企画。同時にアデレードに命じてフェクダ王国の王弟であるレイモンドを救出し、ウルサ星系へ侵攻し、ウィリアム・ライルを殺害させた。  リューヴ大統領候補イスマイール・アリク・デン・イリはソフィアを中心に広がり始めた新原理派の台頭による神聖復古運動を察知し、AILAのクローディアス・カーライルと結託してソフィア市の調査を行った。この時、オフェリアはAILAに拷問を受け、古代リューヴ語で書かれたシンフォニック・エロイカを発見されている。  太陽系同盟の瓦解に伴い、軍事力を強化したアンドロメダ軍の内部で政教条約を批准させ、ソフィア市の中立とフルジア・アンドロメダ両国の外交の席を設ける。捕虜の交換を目的に訪れたエーファ・ブリーゼマイスターはこれを承諾した。  レアティーズはソフィア市に対し化学兵器によるテロを敢行。オフェリアもこれに斃れるが、犯人であるフリューリングよりヴィオレッタの生存を聞かされる。病状が回復したオフェリアは娘のアエラを連れてリューヴに上陸した。  真実を知ったオフェリアは悲憤の念に駆られ、ディファイアンスを襲撃。マルガレーテを始め、ディファイアンスを壊滅させてクローンを皆殺しにした。魔神として覚醒したオフェリアはかねてから計画していたルテティア・パリシオールム襲撃を決行する。  カミラを訪ね、カティアが二人存在していることを確認。カティア・フレーニはシリウスで逮捕されており、結婚したカティアがクローンであることを知る。そのクローンはカティアのクローンではなく、&bold(){ヴィオレッタのクローン}であった。  N.G.0328年の大晦日。ルテティア・パリシオールムで歌劇が開演。役者の一人としてオフェリアは壇上に上がり、レアティーズ・カデンツァとの決闘に挑む。壮絶な決闘の果てにオフェリアはレアティーズの左腕を斬り捨てた。  アハトらレアティーズ派の群臣により助けられるレアティーズの姿を眺めながら、オフェリアは重傷を負い、以後、ルテティアにて休養に入った。 &bold(){Act-4(N.G.0330-0335)}  休養中にアマリア・レティツィアが訪れ、彼女に最後の教えを施した。この時、すでに病状は末期に近い段階にあり、アデレードはオフェリアを過保護に守り、来客を全て拒絶した。  オフェリアは声帯を切り裂いてまで護衛にやって来たアスワドと、アエラが気に入って買ったペットと暮らした。N.G.0331年には認知機能の低下と内臓疾患は手の施しようがないところまで来ており、正常な会話さえ出来ない状態にあった。  翌年、N.G.0332年に多臓器不全により没した。  後継は特に指名しなかった。遺体はルテティア・パリシオールムにある自宅の庭に埋められ、大樹を墓とした。  臨終の際には誰も付き添っておらず、庭にある小さな湖の中で死んでいるのを、アルフェラツ星の学生キノスラ・ウェーベルンが発見した。水死のような異常な死に方に、暗殺や事故による疑惑が当初ささやかれたが、検死結果は多臓器不全であったため、それらの線は否定された。 #image(clairin2.jpg,center) #center(){ Georges-Jules-Victor Clairin (French, 1843-1919) ”Ophelia” } ***人格  幼少時は暗く、めそめそした非常に女性的な性格だった。成長した今でも優しさという一面でなお残る。あまり自分のことを考えていないせいか、任務以外では情に流されやすく、優柔不断な面もある。  しかし対人関係を築くのが上手く、社交性に富む。ほとんど、我を出すことはないので、他者にとっては良い話し相手と思われがちである。諜報員として育まれた才能で、相手に印象を残さず、しかし情報を得る手段と思われる。  そのためか、死別した妻のヴィオレッタとは不仲だった。思っていることを口に出さないので、ケンカさえ起きない。新妻のカティアはオフェリアの性質をよく理解しており、時たまおちょくるような仕草も見せる。 ***評価  優れた指揮能力が特出して見えるが、作戦遂行能力がずば抜けており、戦術理解や部隊指揮にかけては右に出る者がいない。反面、立案能力にはやや欠ける。しかし欠けるといっても天才的な戦術立案力であり、軍人としては最高峰である。近・現代の中でも最高の軍指揮官と言われる。  為政者としても才能を発揮し、その政治手腕は先帝ゲルトラウデと比較して遜色ないものと評価されている。政治家というより革命家に近く、改革を断行して保守的な思考を残しつつも一掃。人事改革にて優れた政治家・軍人を登用した。最も才能を発揮したのは市場経済の面であり、皇帝の権力を用いて物価・流通を完全にコントロールする計画経済を導入し、大成功を収めた。  政治に癒着していた宗教の体制に反感を抱き、宗教改革を実行した。これによりリューヴ政治家の中で選挙にて宗教の権威を借りていた教義派の人間が追放され、フィルウィリミテア教の中立性を確立させた。神聖復古運動の首魁にあげられ、以後二百年間に渡る政教分離の基盤を作り、成功させる。  人材育成も得意とされる。フィラーナ・ノルマやアマリア・レティツィア、ヴォルフガング・シャルンホルストをはじめとし、オフェリアの下で育った人物はいずれも優秀な人材となっている。物事を教える能力に秀で、教育者としての才能も持ち合わせている。王都大学や聖ユーリヤ修道院の設立、運営に深く関与し、自らも教壇に立って次代の人材を育成した。  軍事・政治の双方に通じた指導者として名高く、当代随一の人物であった。後年は文化人としての才能を発揮し、後年に通じる思想を残した。著書シンフォニック・エロイカには国家システム論、組織改革論、そして革命論があり、後年の国家、そして世界そのものに大きな影響を及ぼした。  特に行政機構を連立させて繋げ、超大国を形成する「独立連衡思想」は国家論だけに収まらず、資本家による合併買収を引き起こさせ、戦後経済を担う大企業を作り上げた。太陽系からの独立運動や、武力抵抗をも生み、「オペラの子供達」と名乗る革命運動、革命家武力集団の形成に深く関与した。  一般的には戦争終結の道標となった英雄として知られるが、一部には批判の声もあがっている。後年の武力集団形成に関与する革命思想や、カメリア星破砕、リューヴでの破壊活動などがあげられる。終戦への道を作り出した人間ではあるが、戦後の混乱を作り出した元凶でもあると賛否両論である。 ***エピソード  ・性別で混乱するが、「無性」である。よく「両性」と間違われるが、男性・女性機能の両方に欠陥があるため、性別は無いとされる。非常に女性的な性格・容姿であった。  ・寝起きが悪いことで有名。起床後、一時間から二時間を覚醒に要する。その間、電波発言を繰り返し、周囲を惑わせた。寝息は「うにー」らしい。  ・家族に対する愛情が深かった。カティア・フレーニやアデレード・フォーレを溺愛していた。その一方で、父親から性的虐待を受けた過去を持つ。  ・統率力、武芸、政治力や知力などあらゆる分野に才能を発揮した天才児であり、その才能は無駄なところにも発揮されている。料理や手芸が得意で、文才もあった。  ・完璧超人の唯一の悩みは、自分の肉体だった。かなりのコンプレックスがあった。自己愛というものに乏しく、自己嫌悪の塊であった。  ・身長161センチ、体重は50キログラムを切っていた。丈の長い衣服を好み、露出の多い服はあまり着なかった。  ・SかMかっていったらMのほう。本人的にはSになりたいらしい。  ・自分の結婚式の時に、リゴレット・リエンツィに告白されたことがある。答えはもちろんNOであり、土下座するリゴレットを蹴った。なお、リゴレットはその後、オフェリアと同じ顔であるルキア・バルカと結婚した。  ・元々、恋愛対象は男だったらしい(性自認は男、ゲイだったことになる)。しかしゲルトラウデとの関係が女性に対する愛情を覚えさせたようだ。アガーテ=ガブリエル・ハイネに告白された時、どうしても恋愛感情を抱けなくて断っている。前述したリゴレットの告白の一件で、ちゃんと異性愛者に戻っていることが確認できるため、バイでもない。  ・見た目的には男性と付き合ってくれないとレズビアンに見える。  ・美乳。究極の形をした乳房らしい。なお、バストのサイズは29歳の時がピークで82センチ。それ以前はもっと小さいはず。多分ウエストがバカ細い気がする、50センチとか。おそらくBカップかCカップくらいと思う。  ・アデレードとの胸囲差、20センチ。恐怖。  ・一度だけ水商売をしたことがある。(客を半殺しにして逮捕した)  ・左利きである。これは双子特有の現象で、アデレードは右利きになっている。利き腕を下にして寝るのがクセ。毛髪の生え方もアデレードとは逆になっている。  ・子供の頃、ヴェルブング・ティンクベルンを半殺しにしたことがある。  ・殺人の罪で思い悩むことが多いが、実際に戦闘行為以外で人を殺したのはジュリエッタ・ミュゼットのみ(マルガレーテ・シン・シャル・イシュクンは微妙)。起訴はされていない。  ・従者は歌姫アリア・ローゼンミュラーとロザリア・スルーズドッティル。フルジア時代にはヴォルフガング・シャルンホルストとアマリア・レティツィアを置いていた。ソフィア時代はアスワド・オルキヌス・オルカがいた。  ・純血のリューヴ種と思われがちだが、実はカミーユ種のクォーターでもある。個人での戦闘能力が高いのはそのため。これは一部にしか知られていなかったため、化学兵器による暗殺事件を未遂に終わらせる結果を招いた。  ・軍の指揮に長けている。野戦での活躍が目立つが、本領は宇宙軍の指揮にあった。操船や航路図に強く、当時は発見されていなかったフルジア-シリウス間の最短ルートを見つけ、驚異的な速度で戦場に駆けつけた。この機動力がオフェリアの真骨頂であり、野戦で残した数多くの勝利も、敵の予想を上回るほどの機動性を持って戦場を縦横無尽に移動したことが大きな要因である。

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