創作発表板 ロボット物SS総合スレ まとめ@wiki

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だれでも歓迎! 編集
『大華中央電子通信公司』

『大華中央グループ、大華中央電子通信公司のネットワークスペースへようこそ!

シビリアンN25Y736X155FD28173-YUKARI-Yのネットワーク通信速度は230.3235
恒星系標準時誤差0.00752秒です
大華中央電子通信公司は高速で快適な情報通信を提供します』

ニア『最新情報の閲覧』

『最新のトピック
  • 内惑星企業同盟、またも内乱か? EEI社とゼネカ社、小惑星アリタの開発権を巡って対立
  • ダイン社、新型航宙フリゲート「ダンタグラータ級」本日進宙
  • イオニス社の新合成食料プラント衛星、本日稼動開始
  • ウルス社の超遠距離通信衛星、破壊される ウルス社の防衛維持力に陰り?
  • 株価低迷のオムニ社、シビリアンの契約解除と流出がついに200万人を突破

ニア『・ウルス社の超遠距離通信衛星、破壊される ウルス社の防衛維持力に陰り?』


『本日、恒星系標準時0143時にウルス社の所有している超遠距離通信衛星A307D482-σが破壊され、
エリタイニア宙域に置けるウルス社の広域レーダー防空監視網が3ポイント減少した。
破壊された長距離通信衛星を攻撃した勢力は現在のところ不明。
ウルス社は昨月よりケーニヒス・インダストリィ社とナルステック社へ納入する次期新型TMDの入札を巡って対立が生じており、
既にケーニヒス・インダストリィ社の所属する内惑星企業同盟とウルス社の所属する外惑星企業連合は
中立惑星企業ALP社を仲介に、穏和的解決の交渉を進めていたが、この事件によりウルス社の軍事的優性は
大きく後退することになり、ケーニヒス・インダストリィ社は強硬な姿勢に出ると予測される。
また、この事件によってウルス社の株価ならびシビリアン支持率は14ポイント減少することになり、
ウルス社にとっては大きな打撃を受ける事になる。
これまで膨大な保有資源をもとにシビリアンの大きな支持を受けてきたウルス社だけに、今後の動向が大きく注目される…』

ニア『閲覧の終了』

『大華中央電子通信公司

この情報コンテンツは、大華中央グループ、大華中央新能源公司の提供で
シビリアン皆様に最新の情報をお届けしています

明日の新たなエネルギー、ダイソンスフィアプロジェクト
大華中央新能源公司はシビリアンのための豊かな生活を保障します』

『シビリアンN25Y736X155FD28173-YUKARI-Yのネットワーク接続時間は756秒、通信料金は323フロリン(恒星系共通通貨)です

接続を終了します』





恒星系標準時0059 エリタイニア宙域


オーヴス社の所有する重潜宙艦E-400の艦内、下部デッキへと向かう通路の壁を蹴って薄桃色の髪をした少女が空中を進む。
あまり強くなく蹴ったのでゆっくりだが、少女の小柄な体はゆっくりと通路を進行方向に流れていった。
艦の中央部分以外は回転運動をしていないので無重力であるため、壁や床を蹴れば反作用で人間の体は慣性移動する。
壁には移動補助のためのレールとムーブグリップが設置されており、グリップのスイッチを押せば、
あとはグリップに捕まって牽引される形で移動するのが無重力区画の移動方法だが、少女はあえて壁を蹴って移動する事を好んでいた。
本当は危険な行為であり、艦内服務規程違反である。
慣性に乗って移動するこの方式は、ムーブグリップと違って自力で途中で止まる事が出来ない。
何かに衝突しそうになっても、ブレーキをかけるなんて事は出来ないのだ。
手か足が届くなら適当な上下左右の壁・天上・床を蹴って進行方向に横ベクトルを加えることで回避は可能だが、
それは「届けば」の話だし咄嗟の場合は完全に避けられるものでは無い。
だから、普通はムーブグリップを使うのが基本である。

その後ろから、ちゃんとムーブグリップを使って進んでくるのは青紫色の髪をした細身の少女だ。
少女は先行していた薄桃色の髪をした少女の隣に並ぶと、ムーブグリップの速度を緩めて同じ速度で通路を進んだ。
どちらも10台半ばくらいに見える容姿の少女たちは、揃いの灰青の体のラインがよく浮き出る、ボディスーツを着用している。

「いちご! 聞いた? 中央調停委員会がまた出張ってくるって。
あいつら企業同士の武力衝突が起こりそうになると、すぐ首を突っ込んでくるんだから!
この間のうちの会社とウルス社の税関問題だって、あいつらが余計な口出さなきゃ、こっちが1ポイント増で勝ってたんだよ?
シビリアンの支持だってうち寄りだったし! これじゃなんのためにうちらが出撃してんのか、わかんないよ!」

青紫髪の少女は薄桃色髪の少女、『いちご』に語りかけるやいなや、強い調子で矢継ぎ早に言葉を浴びせた。
その口調と表情には、不満でいっぱいそうな雰囲気が艦内空気の二酸化炭素含有量よりも多く含まれていそうな感じだった。
一方、薄桃色髪の少女の方はどこか眠たげな、半目あるいはジト目に近い目つきで青紫髪の少女を一瞥したが
特に返事は返さなかった。

国家が企業に変わり、あるいは企業が国家に代わって一般市民…「シビリアン」に安全と社会保障を提供するこの時代、経済と資源と株価が主な戦争の目的だった。
食料とエネルギー、娯楽、情報通信、汚染されて無い空気、安全な居住コロニー、生活に必要なものをシビリアンは企業から購入する。
そして企業は、自分たちがシビリアンにそれらを滞りなく円滑に提供できる事をアピールし、また、ライバル企業の経営を妨害するため軍事力を保有した。
その企業間抗争に敗れたものは、顧客であるシビリアンから見捨てられ消え去るか、勝者に吸収される。
現在のところ、恒星系内の企業バランスは内惑星企業同盟と外惑星企業連合の二大勢力によって均衡されているが、小さな紛争・衝突は無くならない。
そして、それら企業同士の抗争が激化し、シビリアンに被害が及ばないように監視・調停を行うのが中央調停委員会である。

「あいつらだってさあ、元はうちらと同じ企業じゃん?
特にオーヴスの独立前は、さんざんうちらに武器を売りつけて置いて、今になって「企業間武力衝突良くない、平和第一」
って紛争調停機関に鞍替えしちゃってさ! なんかムカつかない? そーゆうの!」

「……回答不能 セントラル社が惑星オーヴスに武器を輸出していたのは恒星標準暦で200年前。
当時とは時代背景ならびに社会背景が異なるため、比較対照には不適切。
また、オーヴス社の製品ならびに特殊雇用社員である私たちには、企業間の状態・情勢を作戦情報として把握している
必要性はあっても、その行動・対応に対し「評価」をする権限を持たない。
あやめは思考論理アルゴリズムおよび行動規範制御プログラムにバグが発生している可能性がある。
作戦の開始前に再度、医務官の精密検査を受ける必要がある。
場合によっては直後の作戦行動への従事に支障が出る以上に、あやめの生体維持に重要な損傷が発生する」

なおも強い調子でいちごに語りかける、青紫髪の少女『あやめ』だったが、いちごから返って来た言葉が
随分と機械的かつ冷淡な口調だったので一瞬たじろぎ、言葉に詰まった。

「……ニホンゴでおk」

「前述を簡潔に整理すると、私はあやめのコンディションを常に重要視している。
あやめは私のガンナー。 あやめが整備状態不備で出撃できないと、私も出撃できない。
不必要な思考で量子脳回路に負荷をかけるのは、推奨できない」

いちごは、彼女の薄桃色の髪色よりは少しだけ濃い色をしたその瞳の奥のLED発光であやめの、
こちらは逆に髪色よりやや紫色寄りな瞳の奥をじっと見つめた。
瞳の機能状態で、お互いの内部機器の状態がわかる訳でもなかったが、いちごは目の機能に異常が無いか
丹念に精査するかのようにあやめの顔から視線を離そうとしなかった。
あやめは顔の表面を少しだけ毛細血管の充血で赤くしながら、いちごの視線から逃れるように顔を背けた。

「……理解してるよ。 人間の真似をしてみたかっただけ。 余暇時間を利用した私的な思考実験だから、気にしないで。
べつに、いちごが心配するような事じゃない。 自己診断でもエラーは発生して無い」

いちごはあやめのその言葉を訊くと、無表情に近い人形めいたその顔の、小さな口の端をちょっとだけ笑うように歪めた。
彼女たちは、厳密な自然に生まれた人間ではない。
オーヴス社の開発・製造した、宇宙空間機動戦闘兵器「TMD」用操縦制御装置…人造人間「SELAF」である。
体構造の40~45%が有機部品であるが、広義的には「ロボット」の範疇に含まれ、工場で作られる工業製品だ。
全体的には人間に似ているその姿は、生身の人間というよりはフィギュアか昔のコンピュータゲームの3Dモデルで
造形された美少女キャラに近い。
目は通常の人間よりもやや大きめで、髪と同様に自然には無いあり得ない色をしている。
厳密にはそれらは、人間と同じように黒髪にも金髪にもできるのだが、設計者の趣味でそう指定される事が多い。

そして、いちごは複座型TMDのパイロット、あやめはガンナーであり、二人はパートナーだ。
いちごの機械的で硬い口調はパイロットタイプのSELAFの典型例と言え、同時に少しだけ人間っぽい言葉遣いをする
あやめはガンナータイプに多い傾向であった。


会話をする内に通路の出入り口へと移動していた二人は、TMDの格納庫がある下部デッキに到着した。
潜宙艦にしては艦載機格納庫の大きいE-400だが、3機もの特殊戦闘爆撃型TMD「セイラン」が肩を寄せ合うようにして
格納されているのを見ると、妙に狭苦しく感じる。
そのセイランの爆装作業を、作業用宇宙服を着た整備員たちがせわしなく無重力空間を飛び交い発進準備を進めていた。

「遅い。 恒星標準時刻で48秒の遅滞がある。 あやめ、いちごは直ちに2号機の接続および起動準備を開始せよ」

二人を出迎えたのは白い髪色をした長い髪を丁寧な三つ編みにしている少女、『ひなぎく』だった。
彼女もSELAFであり、セイランの1号機のパイロットであり、飛行隊長である。
了解、と返事をして自分たちの機体に向かおうと壁を蹴るあやめといちごに合わせて、ひなぎくも何故か
壁を蹴って同じ方向に流れた。
いちごが「?」と不思議そうな表情を僅かに浮かべて、自分の隣を流れるひなぎくに顔を向けると、
ひなぎくが不意にいちごの頬に右手を伸ばし、次に、ひなぎく自身の顔をいちごの顔に近づけて覗き込むようにした。

「な……なにやってんの!?」

その様子を見てうろたえるあやめに、ひなぎくは特に意に介さないようにいちごに向かって告げた。

「いちごは前髪を切りそろえてお姫様カットにした方が似合うと思う」

ひなぎくの黄色い瞳が、いちごの視線と絡み合う。
いちごは自分を見つめ続けるひなぎくの顔をまじまじと見つめ返すが、ひなぎくは真顔でいちごの顔に焦点を合わせたまま微動だにしない。
やがて、いちごはゆっくり口を開いた。

「……髪型を変更する事の外見容姿の差異が、どう作戦行動に影響を及ぼすのか説明をして欲しい」

「私が楽しい。 萌える。 前髪パッツン少女萌え。 とくにいちごはストレートヘアで前髪パッツンに向いている。」

意味がわからない、という表情をするいちごと、真面目くさった顔を変えずに視線に何かの力を込めていちごを見つめるひなぎく。
いちごは数秒間、自分に搭載された量子脳をフル回転させてひなぎくが自分に言わんとするところを少ない材料から推測して組み立てると、その推測が当たっているかどうかの検証・確認作業に入った。

「……つまり、私が外見容姿を変更すると、ひなぎくの作戦行動効率が上昇、あるいは上昇に近い影響が発生すると?」

「そう」

ひなぎくは論理的思考を好むパイロット型SELAFの中では、比較的ガンナーに近い性格をしていると整備員や医務官たちの間では言われている。
が、その言動は時々突拍子も無い上に脈絡が無いので、れっきとしたガンナータイプの同僚たちはみんな口を揃えて言う。
ガンナータイプとひなぎくと同じにはして欲しくない、と。
いちごはセイラン2号機の機体の近くにまで流れたのを気付き、適当な機材に手を伸ばして慣性で流れる自分の体を止めた。
ひなぎく、あやめもそれに倣う。
ふと、あやめは1号機の機体の方から自分たちに視線を送ってきている少女の姿に気が付いた。

1号機のガンナーで、ひなぎくのパートナーでもある『すみれ』だ。 名前と同じすみれ色の髪をツーサイドアップにしている。
そして、顔を少しだけ俯き加減にして、目線だけ上目遣いになるような感じでこっちを見ながら何かをブツブツ呟いていた。

「……そうですよねひなぎくさんは、いちごさんみたいなちっこくて可愛くて萌え萌えーでアヤナミ系なのがいいんですよね
私みたいなガンナータイプでお喋り好きで口数が多くてウザくて気持ち悪いネガティブ系は好きじゃないんですよね
仕方ありませんよねいちごさんはパイロットタイプなんですから私とは生まれが違うんですからひなぎくさんも
同じパイロットタイプの女の子の方が気が合うし航法計算とか軌道変更スラスターの噴射タイミングのテクとか
そういう話題の出来る頭のいい子の方がいいですよねどうせ私は撃って捜して破壊するしかないガンナータイプですものね
サーチアンドデストロイ、サーチアンドデストロイ、そればっかし一つ覚えですみません私みたいな
役立たずがひなぎくさんと一緒の機体に相席できるってだけで幸せすぎて身分不相応ですものねわかってます
可愛いねとか髪形をこれにしてみたら?とかこの服似合うよ?とか言ってもらいたいなんて度が過ぎた望みで思い上がりですよね
ゴミクズでウジムシ以下の存在がこんな事を思ってごめんなさい生まれて来てごめんなさい…」

一瞬だけ聴覚ボリュームを上げてすみれの呟く声を拾ってみたあやめは、即座に聴覚を最小にして
すみれの放射している怨念だか嫉妬だかよく解らないドス黒いドロドロしたその呪文の様な呟きから少しでも物理的に遠ざかろうとした。
ついでに、視線を合わせるのも怖いので、なるべくすみれの居る方向は見ないようにする。
視覚機能にフィルターかモザイク処理を入れた方がいいかもしれない、とも思った。

ひなぎくもパイロットにしては萌えがどうの、可愛いは正義がどうのとのたまう変わり者だが、
同時にパートナーのすみれもガンナーにしてはその言動が悲観的で否定的でドロドロし過ぎて変わり者のコンビであった。

「おうおう、いつも通り1号機チームと2号機チームは4角関係じゃのう。
それはそうと、そろそろIBSに接続せんと、艦長さまからお小言がくるぞ? それに、整備班も見ておる」

3号機のコクピットハッチの淵に頬杖を付きながら声をかけてきたのは、濃いピンクの髪と銀色の瞳の色をした『なでしこ』、3号機のガンナーだ。
喋り方に独特の特徴があり、本人曰く、オーヴスの大昔の一部地域で使われていた方言だそうだ。
彼女のパートナーは『ゆり』といい、髪の色はひなぎくと同様の白だが、腰まである長さに微妙にウェーブがかけられていて
どこか上品で清楚な雰囲気を纏った少女である。
無口でなおかつ人見知りが強いので、あやめ達は作戦行動時以外で艦内で顔をあわせることが無いし、会話した事も少ない。
いつも通り、誰よりも早くTMDのコクピット配置について、接続を開始しているに違いない。

そしてなでしこの言ったIBSとは、Integrated Broadcast Serviceと言い、艦隊および司令部、ひいては全軍を同時リアルタイムで接続する統合情報配布ネットワークの事だ。
惑星間戦争、そして宇宙空間戦闘に置いては情報はあらゆる行動に絶対不可欠な要素であり
敵・味方の位置情報・損耗や補給状態のコンディション、味方の観測した敵のデータなどはIBSによって即座に共有化される。
あらゆる兵器はこの統合ネットワークに接続される事を運用上の前提に製造されているのだ。

周囲を見回せば整備班の男性陣が作業用宇宙服のメット越しに忍び笑いを浮かべながらこちらを注目している。
慌てて少女たちは各自のTMDのハッチに潜り込み、接続準備を急ぐ事にした。

「IBS接続開始。 オーヴス艦隊ネットワークならびに、艦番号5231号、E-400所属の機動端末「M6A1 セイラン」、2号機との
同調・相互情報共有を開始する。 信号・応答をチェック。 ……セキュリティ異常無し。 信号の平常状態を確認。
通信速度、780.1125。 恒星系標準時誤差0.00012秒」

JTT (Joint Tactical Terminal)端末のコードを自分の首の後ろの端子に繋ぎ、コクピット内のシートに腰掛けると
自動的に接続が開始されると同時に網膜に直接情報映像が投影表示され、視界内に現われる。
その表示情報を、いちいち口に出して確認するのがあやめの習慣だ。 特に意味は無いのだが、そうすると「気分が出る」のだ。
何の気分なのかは、ガンナーのあやめには上手く論理的に説明できない。
こういう時、いちごがうらやましいと思う。

情緒豊かな「人間っぽい」会話をするのは得意でも、自分の思考状態を論理立てて適切に外部処理できないのが
ガンナータイプの宿命というか、性能限界なのだ。

『接続状態を確認した。 こちらはE-400艦長、クサカ中佐である。
現在本艦はエリタイニア宙域座標X-1746Y-3743Z-11556を目指し、潜航モードで航行中だ。
通常航行ではなく斥力推進によって航行しているが、艦の被発見率は13.745%。
質量波レーダーに探索される確率は22.385%で予断を許さない状況にある。
今回の攻撃ミッションは、戦術座標に存在するウルス社の所有している超遠距離通信衛星A307D482-σを
破壊し、この宙域におけるウルス社の防空監視網を弱体化させることだ』

IBSに接続したあやめ達の網膜に続いて表示されたのは、恒星系星図情報と艦の位置情報、そして超遠距離通信衛星A307D482-σの詳細情報だ。
同時に、ウルス社の衛星防備戦力の情報と配置図、攻撃チームの進入ルートと離脱・回収コースの候補案が複数、そしてミッションの予定時間が次々表示されていく。
その映像に重なって、艦長のミッション内容の伝達が行われる。

『現在、ウルス社はケーニヒス・インダストリィ社と軍事輸出部門での入札先を巡って対立状態にある。
わがオーヴス社は、先のウルス社との輸出入税関問題、ならび検疫問題での対立以来、ウルス社に貿易部門での利益を阻害されている状態にある。
こんかいのミッションの目的は、ケーニヒス社に加担しウルス社の勢力を弱める事で、今後のウルス社との取引に置いて、わが社に有利な状態を引き出すことである。
ニ正面戦線状態を嫌うであろうウルス社は、わが社に対し態度を軟化させ、なんらかの譲歩を持ちかけてくるだろう。
これは間接的なケーニヒス社への支援行動でもある。

ただし、いつもの事だが、これは非正規戦闘である。
わが社がウルス社の軍事衛星を攻撃したという事実は、公式にはならない。
疑いは残るが、それがわが社による攻撃であると示す証拠は、試算では2.758%しか無い。
しかしそれは、諸君らがウルス社に撃墜されて回収あるいは鹵獲されなければの話だ。
攻撃チームにはその点に充分注意してもらいたい……

今回、ミッションには1号機と2号機を投入し、3号機は艦でバックアップのための待機を指示する。
それでは、各員の最大限の努力と健闘を祈る』

『やったあ!! 全開の雪辱戦だよ、いちご!! 今度こそ私たちの勝ちにするよ、絶対!!』

艦長のミッション説明が終わるや否や、あやめは思わず嬉しそうな声を上げていた。
そのはしゃぎ様は、ネットワークを通じてひなぎく・すみれの1号機やなでしこ・ゆりの3号機、そして艦長やE-400の接続中の全クルーにも伝わっている。
艦長のたしなめるような咳払いが聞こえた。
なでしこが喉の奥で笑う声もした。
次いで、ひなぎくが真面目くさった声の調子で発言する。

『あやめはもう少し感情抑制措置を施してもらった方がいいと思う。 私から医務官に手回ししておく』

『その意見には賛同できない。 あやめは現在の状態でベスト。 あまりあやめの人格設定を弄るのは安定性の面から見ても
効率面から見ても、推奨できない。 パートナーである私はそう判断する』

『まあしかし、ブリーフィング中の私的発言はもう少し控えた方がいいのう?』

『いつもポジティブに考えられるあやめさんが羨ましいです私も人格設定を調整してもらえればもう少しウザくなくて
ひなぎくさんに注目してもらえるようになるんでしょうかでもダメですよね私はこういう風に思考するように設計されているんですから
特に機能に異常が無いというのに個人の勝手な希望で量子脳の思考パターンをあれこれ変更して貰えるような申請なんて通りませんよね』

『……すみれウザい。 マジ死ね。 今すぐ黙れ。 デブリに頭ぶつけて死ぬか艦の隔壁に挟まって死ね』

少女たちが次々発言する中、最後にボソっと呟いたのはゆりである。
大人そうな外見と内気そうな態度に反して、口を開くとかなりの毒舌が飛び出すのが彼女なのだ。
加えて、3号機が今回待機を命ぜられたので、少々不機嫌でもある。

『ゆりはもう少し言語設定を調整してもらった方がいいと思う。 あるいは、リボンで髪を飾った方がいい。
清楚萌えポイントが上昇すれば毒舌ギャップも私の守備範囲』

『……わけわかんない。 ひなぎくは今すぐ量子脳を摘出ならびに交換して貰え。 あなたのそれは絶対に故障による異常』

ひなぎくとの会話もこんな調子である。 二言目には相手を拒絶する言葉が飛び出す。
ゆりと他の少女たちがあまり話さない理由の一つでもある。
それでも、普段はなでしことは大人しめの会話もしているという話だから、不思議だ。

そして、いい加減に艦長からの注意が入った。

『……各員、親睦を深めるのもいいが、私語はその辺に。
本艦は182秒後に潜航モードを解除し、TMDを射出しすぐに潜航モードに戻る。
ミッション終了後の帰投予定座標は、事前伝達の通りA25あるいはD33にて合流、貴君らを回収する。
TMD回収作業中は潜航モードに入れず、無防備な状態となるため、衛星の守備戦力が残存していると厄介な事になる。
討ち漏らしの無いよう、入念にミッションに挑んでもらいたい。

それでは、各自、TMDを起動、射出・発進準備にかかれ』

ブリーフィングは終了した。
3号機を除くTMDのパイロットたちは、乗機の主動力機関をスタートさせ推進器に火を入れる。
格納庫内に高速回転する動力機関の轟音が響き始め、整備班たちはTMDに「GoodLuck」と親指を立てて合図し、退避して行く。
同時に、エアロックの隔壁が閉鎖。 格納庫内から空気が抜かれ始めた。 既に、TMDのコクピットハッチは閉じられている。
そして格納庫の床のハッチが開かれ、TMDの機体を固定していたアームがそのまま移送用レールとなって1号機・2号機を
艦の外に運び出し、順番にリニアカタパルトの射出位置に付ける。

『潜航モード解除。 目標のレーダー探知をさけるため、斥力推進のまま射出作業続けます』

『22秒後に被発見率が42.955%まで上昇。 作業急げ!!』

ネットワーク情報ごしに、E-400のクルーの会話が聞こえてくる。
視界に映るのは、艦の下部に備え付けられた電磁投射加速装置のレールと、各種の計器表示である。
ひなぎくとすみれの乗る1号機は、カタパルトの電力が上昇すると同時に、推進器の出力も上昇させた。
両方の推力を使って、一気に加速するのである。

『進路、デブリ・障害物無し。 クリアー』

『セイラン1号機、射出します。 カウント、3、2、1、発射!』

滑るように前進しだした1号機の機体が、0.8秒で第1宇宙速度を突破、猛烈な加速Gを搭乗者に与えながら全速でTMDは
無数の星々が輝く漆黒の宇宙に向けて射出された。
推進器の吐く量子ラムジェットエンジンの噴射炎も、一瞬で見えなくなる。
そして、続いてあやめといちごの2号機も、同様に射出される。

『セイラン2号機、射出します。 カウント、3、2、1、発射! 発射を確認後、急速潜航!!』

全身を叩き付ける猛烈なGにあやめは、まるで自分たちはレール・キャノンの砲弾のようだ、と毎回思う。
実際、艦載機を射出するリニアカタパルトと、戦艦や巡洋艦の主砲であるレール・キャノンは原理的には同じである。
そして、このようなGに耐えられないから人間は、自分たちみたいなSELAFなんて人工の生き物を、ロボットを作ったのだろうな、と実感した。


格納庫に収まっていた状態の、「巡航モード」のまま2機のTMDセイランは目標のウルス社の衛星に向かって数万kmの距離を航行していた。
機体の上部と下部に2つずつ4基の推進器を全て後方にベクトルを向け、推力を集中させたこの形態は
短時間でTMDを戦場となる宙域に投入するために最も効率がいい。
しかし、このような変形機能を持つTMDはあまり多く無い。
大抵が、部分的な可動域が広くとって、格納時に機体をコンパクトにして艦内容積を節約するための程度のものだ。

もともとTMDは宇宙空間での戦闘艦艇同士のミサイルの撃ち合いに置いて、敵のミサイルを迎撃する分離式小型砲台(SDI)から発展した。
正式な名称をTactical class Mobility Deviceと言い、直訳すると戦術級機動装置、となる。
最初はただの迎撃装置、惑星上の海軍艦艇が大昔に装備していたCIWSやRAMの様な位置づけの兵器だったものが、いつしか
敵の飛来してくる方向に進出して能動的にインターセプトを行うようになった。
それがいつしか、発展と機能の追加、インフレーションを繰り返す内に制空要撃や敵艦艇・施設の攻撃をも行う機動兵器へと変貌した。
現在では、かつての海軍の空母などの艦艇から発進する戦闘機や攻撃機のポジションに相当する存在になっている。
そのTMDの中でもオーヴス社の開発・所有する「セイラン」は他に例の少ない可変能力を持つ戦闘爆撃機であり、
敵地に進入して攻撃、目標の破壊の後は一撃離脱をするというコンセプトで設計されている。
そして、そのセイランの当面の敵にして最大の天敵となるのが、相手側の迎撃用TMDであった。

『電波レーダーに感、目標の防衛システムがこちらを探知し迎撃機を射出した模様。
計測中……迎撃機はウルス社の主力商品、TMD「グラディエーター」。 数は2…いや、3!』

『敵TMDが長距離ミサイルを発射した模様、到達まで2分43秒こちらに対抗迎撃ミサイルは積んでませんし
機関砲の有効射程まで接近して直接破壊しないといけませんよね機関砲射程内まであと1分22秒ミサイルは4発×3機ですから
1分ちょっとで12発のミサイルを全部撃ち落さないといけなくて知性ミサイル型だったら距離1千kmからでもこちらの
迎撃射撃を予測回避してくるしその場合私たちの回避成功率は52.748%で一応半割り切ってますけど確実に被弾しますよね
被弾した場合の損傷確率は77.655%で確実に航行・戦闘不可能で……』

火器管制と射撃を担当すると同時に、レーダー管制と分析がガンナーの仕事でもある。
すみれの分析は早いが、同時に悲観的で頭が痛くなってくる。
が、いちごもひなぎくも特に取り乱すことなく両者共に量子脳で回避機動の計算と迎撃行動のシミュレーションを行い、
IBSを通じてお互いの試算結果を共有・検討、そして最良と思える選択に同意した。
その間僅か3.2秒。

『1号機がひきつける。 2号機はコース3-B-8へ変更して、衛星の攻撃を継続せよ。
帰還したらいちごとあやめは”ラ・オルタンシア”の春の新作の試着会、私の部屋で』

『2号機、コースを変更する。
ただしその要請は受諾できない。 私のサイズはAA、ひなぎくのはC、あなたの私物の試着は物理的に不可能』

『問題ない、いちごのサイズに合わせたものも買っている』

囮になる分の代償は、生還できたらひなぎくの趣味のブランドでファッションショーだ。
そんな会話を交わし、2号機が推進器のベクトルを変更して噴射、コースから離脱する。
これで、敵のミサイルは全て1号機が引き受ける事になった。

『すみれ、格闘戦モードに移行する。 距離1万3千で迎撃射撃開始。 衛星攻撃用のミサイルは投棄せよ。
どうせドッグファイトの後にはあとは帰る分の燃料しか残って無いから抱えるだけ燃費の無駄』

『了解しましたミサイル投棄します重量が11.4%軽量化されましたので機動力が18ポイント加算、
回避成功率に修正を行いますし加速効率も良くなるので強引にミサイルを振り切ることも可能ですけどその場合
敵TMDに掴まる公算も大きくなるのでああ、それであらかじめ格闘戦モードなのですね
ひなぎくさんは頭がいいですわたしみたいな考えなしの無能がガンナーで本当にごめんなさいそういうことは
本来私のほうが思いつくべきですよね距離到達しました射撃を開始します、30ミリ機関砲3秒間隔で1000発
命中率は44.75%ですけどミサイルの回避パターンを分析して4射目に命中率66.51%まで修正可能です
ごめんなさい2発しか撃墜できませんでした生きててごめんなさい』

ネガティブな発言を繰り返しながらもすみれは自分の仕事をこなし、セイランの砲塔に装備された機関砲を撃ちながら
予測射撃の修正をFCS(火器管制)に入力し、ミサイルとの距離4千kmに到達するまでに幾らかその数を減らさせていた。

『格闘戦モード移行、変形終了後2.6秒以内にスピン機動で全周射撃、6秒間』

『了解ですスピン機動で全周射撃します6秒間全力射撃でいいですよね撃ち漏らしたらごめんなさい
両生動物の排泄物を集めたくらいの価値しかなくてごめんなさい』

セイランの機体の左右両側に装備された、フレキシブル可動砲塔が折りたたまれていた関節を展開、「両腕」となる。
同時に、後ろに向いていた下部推進器が真下に伸び、「両脚」となる。
上部推進器が背中で固定され、最後に機体胴体部の上に乗っかったレーダー・センサーの集合部を「顔」と見立てれば、
変形を完了したセイランはまるで、デフォルメした「人型のロボット状兵器」に見えなくも無い形をしていた。
推進器のノズルが左右で非対称の方向を向き、セイランの機体に横回転させるベクトルを与える。
同時に、両腕に装備された計2門の機関砲が乱射され、曳光弾がまるで無数の針を体に生やした針鼠のように
セイランの機体から伸びて、その周囲で宇宙に派手な花火を咲かせた。

『……ミサイル全発撃墜を確認しました距離200kmで命中率87.49%です
でも敵TMDが接近中で5分57秒後にこちらが捕捉されますけど2号機の方に迎撃を向かわせないために
派手な機動をしましたから、2号機の被発見率ならびに被捕捉率は21.95%ですね
こちらの残弾は30ミリ機関砲が775発、敵TMDグラディエーターの主装備はポジトロンビーム砲ですが
対TMD戦の任務上40ミリ機関砲を装備している確率も33.37%、1対3ですので勝率は17.865%とかなり絶望的です
無駄撃ちし過ぎてごめんなさい私のせいですね私がミサイルの撃墜に手間取ったからですね私みたいな無能が生きててごめんなさい』

『その分析には懐疑的。 ウルス社のTMDは私たちのようなSELAFやその類似型ではなく、強化改造を施した人間の操縦者。
旧式のサイボーグに過ぎないブーステッドマンとSELAFでは耐G性、判断能力や速度に大きな開きがある。
私は勝率を84.37%と見積もる』

悲観的な分析を告げるすみれに対し、ひなぎくは淡々と、しかし少しの自信の揺るぎも無いという調子で言い切った。
SELAFは生身の人間ではないため、人間には耐えられない超G機動も不可能ではない。
そして、搭載されている量子脳の性能は人間を超え、反射神経と判断速度は人間の数十倍である。
それは、一切コンピュータなどの計算を行わず、宇宙空間での航法計算と戦闘、ミサイル迎撃を行った彼女たちの先ほどの行動で証明済みだ。

『すみれはネガティブ過ぎると思う。 自己の過小評価は判断を曇らせる。 帰還したら向精神薬剤の処方を医務官にしてもらった方がいい。
……注射が怖かったら、私が付き添って手を握っててあげる』

『……はい。 ひなぎくさんにそう言って貰えるのはとても嬉しいですそうですね私はネガティブ過ぎますよね
ウザくて迷惑ばかりかけてごめんなさい』

すみれが、コクピット内の後方シートに座っているひなぎくを振り返って驚きの表情で振り返って見つめる。
そしてネガティブな言動と思考の調子は変わらないものの、すみれは少し声に嬉しそうなものを混じらせて答えた。
ひなぎくは満足そうに微笑むと、セイラン1号機を接近する敵TMDに向けて推進器を吹かし、加速させた。



一方、2号機はミサイルの追尾と迎撃TMDの捕捉を上手く交わし、衛星への攻撃コースを取っていた。

『超遠距離通信衛星衛星A307D482-σをレーダー上で確認。 距離1万8千でミサイル攻撃開始。
敵TMD2機、衛星から射出。 居住用モジュールとTMD整備デッキをドッキングさせてたみたいだね。
それで、さっきのTMDはこっちに向かわず1号機の捕捉に専念したわけだ……』

『ミサイル攻撃と同時に格闘戦モードに移行、回避行動に入る。
8秒後に射撃を開始、威嚇しつつ機関砲の射程に持ち込んで撃墜する。
最適の射撃位置を取るから、あやめは任意で射撃していい』

『了解。 いちごの操縦にまかせるよ』

あやめは操縦グリップのトリガーを3回素早くクリックすると、セイランの機体下面に装備された対艦・対施設攻撃用のミサイルを切り離した。
彼我の位置関係から、このタイミングで発射したミサイルの撃墜は敵TMDには不可能だ。
大型のミサイルはそのままのコースを飛翔し、衛星に向かってゆくと命中して巨大な爆発を生み、衛星を破壊する。
即座に変形と回避行動を行うセイラン2号機の1秒前まで居た位置を、2条のポジトロンレーザーの束が貫いていた。
変形して人型になったセイランと違い、ウルス社のTMDグラディエーターは最初から人型で、変形機能も無い。
スペック上の加速性能ではほぼ互角とは言え、操縦しているブーステッドマンとあやめたちSELAFでは耐G性限界の違いから
その速度には決定的な差が開いていた。

上下左右で推進器の噴射方向を変え、頻繁に機動を変えるセイランに翻弄されて、グラディエーターの照射するポジトロンビームは
虚しく宇宙空間の熱量を僅かに0.0000000000000000000000000000011%ほど上昇させる。
1発ビームを回避されるたびに、グラディエーターのパイロットはセイランに距離を数十~数百km単位で詰められた。
やがて、30ミリ機関砲の有効射程に入る。
焦り、接近しすぎたグラディエーターは実に距離500kmという宇宙空間においては結構な至近距離で、セイランとニアミスし交差する機動を描いた。
次の瞬間、セイランは上下の推進器のベクトルを回転させ、まるでクルビット機動を描くかのように進行方向はそのままに
機体の前後方向だけを変えて、後ろに向かって機関砲を射撃した。
秒間数百発という砲弾の雨を受けて、爆発四散するグラディエーター。
僚機の撃墜を確認し、生存信号の無い事を知った残り1機のグラディエーターのパイロットは憤ってセイランを追撃する。
が、推進器を全開に吹かした猛烈な加速状態からとても人間が耐えられるとは思えない数十Gの最小旋回を行って
グラディエーターと正対したセイランは、すれ違いざまにありったけの機関砲弾をその胴体コクピット部分に向けて叩き込んだ。

TMDの爆発によって生じた破片デブリをかわし、加速して離脱するセイラン2号機。


『撃墜を確認。 周辺宙域に適性反応、無し。 味方識別信号を受信。 セイラン1号機と確認。
あっちも、うまくやったみたいだね?』

『少し無茶をしたから、3番推進器の出力が落ちている……航行には支障なし。 1号機と合流後、予定の帰投コースで母艦に向かう』

攻撃ミッションを終了し、セイラン1号機と2号機は未帰還者を出す事もなく母艦との合流予定座標へと向かった。
後には、破壊された衛星A307D482-σとTMDの残骸が軌道上を漂っていた。


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  • シュテール社、赤字の続く資源小惑星ユリタニの採掘権を放棄
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  • ウルス社、オーヴス社との輸出入取引契約を見直し

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