創作発表板 ロボット物SS総合スレ まとめ@wiki 地球防衛戦線ダイガスト 第五話

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まだ朝もやが立ち込める山間の集落に地響きがしたかと思うと、破砕音をさせて次々と家屋が倒壊する。
 すわ地震かと考えるに、耐震対策の行き届いた日本では余程の震度でないと、そこまでの被害はお目に掛かれない。
 しかも倒壊した家屋は上から潰されていたり、あるいは明らかに横合いから押し倒されていた。もはやそれは揺れによる被害ではない。
 なにより不思議なことに、地響きは時間と共に遠ざかってゆくのだ。
 奇跡的にその集落から死傷者は出なかったようだ。何事かとまぶたをこすりこすり、瓦礫から這い出てきた人々は集落の惨状に息をのんだ。
 そして朝もやの向こうに遠ざかってゆく影に、もう一度息をのむ。
 ゆらゆらと三本の角を揺らし、巨大な影が山の間を這っている。
 被災者の中にパジャマ姿の少年の姿があった。
 よほど大事な宝なのだろう、倒壊した家から持ち出せた一枚のカードを握りしめ、山間の影を目をキラキラさせて追っている。
 街の量販店のキッズコーナーにあるカードゲームから引き当てたレアカードの図案は、長い三本角がいかにも厳つい南半球産のカブトムシであった。

         第五話 伏兵!大自然の驚異
 侵略地上げ獣『ギャラクシー・コーカサス・オオカブト』登場

 岩手と青森の県境の岩手側、二戸市(にのへし)でおこった異変が国場首相の耳に届いたのは、朝食の納豆に卵を投入する神聖な作業の最中であった。
 いささか衝撃的な報告に手元は狂い、卵の中に殻の破片が飛び込んだ。
 国場総理は渋面をつくりながら指先を白身の中に突っ込み、秘書官に再度の報告を促す。
「それで、もう一度言って貰えるかな?」
 長年の付き合いになる首席秘書官は、振舞われた茶をすすってから、その一大事を口にする。
「本日未明、『岩手県』と『青森』の境を越えて巨大生物が出現。
 時速20キロのゆっくりしたペースで南下中。進路上の民家、送電線、その他ライフラインが押し潰されています。
 死傷者数は現在調査中。山間部ですので今のところ被害は小さい模様。現在は二戸市金田一温泉に迫りつつあります」
「山間部ねぇ…まさかダムは無いだろうな?」
 国場は今日がハードになる事を見越し、卵の殻を摘出した納豆にからしとネギを多めに放り込んだ。わしわしと掻き混ぜ、雑穀まじりのご飯にかける。
「周辺にはありませんが…」秘書官は用意してきた地図を見て眉間に皺を寄せる。「このまま金田一温泉に向かわれると、東北新幹線を跨がれます。
 壊さないような気遣いは期待できないでしょう」
 総理はすぐには応えなかった。ぞるぞる、とでも言うのだろうか、上品でない音をさせて納豆ご飯を掻っ込んでいる。
 それが奥方が念入りに出汁をとった味噌汁を啜る音に変わり、さして間をおかず嚥下し終えた盛大な一息にかわる。
「ぶはぁ…ごちそうさま」
 言うが早いか、席を発つ。朝駆けをして来た主席書記官が首相公邸に到着してから15分。臨時で準備した朝飯を平らげ、総理は戦闘体制の全てを整えていた。
 公邸を出ると、朝もやが僅かに足元に残っている。空は藍から蒼へと徐々に、しかし気付かぬくらいには早く、色を変えていた。
 首相と秘書官は大股で専用車に向かう間も会話を続ける。
「新幹線の線路をやられるのは拙い。追い払えないか?」
「近隣の岩手駐屯地に機甲部隊があります」
「よろしい、災害派遣だ。緊急でな。県知事には要請を追認させろ」
「せっかくですから改正法の国民保護等派遣を出したらどうでしょうか?
 武器の使用は国民の保護に必要な措置ですが、災害派遣で機甲部隊を出せば野党に何を言われるか…」
「わかった、そっちの線でやろう」
 国場は黒のセダンの後席に体を押し込みながら、ふと思いついた事を、子供のような顔をして言ったものだった。
「…ところで巨大生物とは緑色をして二足歩行する『あれ』だよな」
「いえ、黒くて硬くて足が六本で角は生えたの『あれ』です。
 爬虫類じゃありませんからね。放射能火炎やプラズマ火球を食らいたいんですか?」
「そうか」首相はどこか残念そうであった。「しかし出所はどこだ?
 青森からとは言え、ツルギスタンではあるまいよ。
 まさか我々の経済焦土作戦に対する、彼らの報復という訳でも無かろう?」
「偵察衛星は北海道で大規模な開発の兆候を捉えていません。ツルギスタンが更地を欲している可能性は低いですね」
「的を絞った物言いだな」
「更地を欲している輩がいるんですよ」
「それはつまり、巨大生物は何らかの組織による工作活動だと?」
「デベロッパー、ゼネコン、不動産屋、銀行、それにマフィア。
 次の攻勢で切り取られそうな土地に、あらかじめ仕込みをする悪質な星間外資が確認されてます。
 今回のケースはおそらく更地にして買収、ツルギスタンの手に渡った暁には、開発を一気に引き受ける魂胆かと」
「随分バイオレンスな計画経済だな。マオやポルポトでも、そこまで無知じゃなかったろう?」
「似た様なものだったと思いますが?衛星国家と植民地は非効率的なことでは同様ですよ」
「だからこそ信じ難いんだよ。
 宇宙人ってやつも地球人と同レベルであって、スペースブラザーなんて存在しやしないなんてね」
「…内調、桜田門、市ヶ谷。それぞれが同じような報告を上げてきています。
 日本国の脅威は宣戦布告してきた列強だけではないのです。
 それと宇宙の隣人ですが…誰も、ロハじゃ助けてくれやしないんですよ」
「是非もない、か」
 国場はへの字に曲げた口の端から溜息を漏らすと、背広の内ポケットに入れた携帯電話に手を伸ばすのだった。

 頭頂部からサーベルのように反り返った角が伸びていた。
 意外に小さい頭部が収まっている肩から背にかけての盛り上がった甲殻からは、更に左右から二本、大きく湾曲した角が伸びている。
 三本の角を押し立てて木々を圧し折り歩く様などは、全身を覆う甲殻の磨き上げたような黒色とあいまい、黒金の城という言葉を想起させた。
 まさしくコーカサス・オオカブトであった。サイズ以外は。
 ギャラクシー・コーカサス・オオカブト等と言うふざけたネーミングも、連中の翻訳コミュニケーターが地球の近しい甲虫のデータを拾って作ったのだろう。
 どこかに隠れているのか、はたまた高空から撮っているのか、
 鷹介の前の四面ディスプレイの一つから流れているGBCのライブ映像で、しきりにレポーターがそう呼んでいた。
 そこで映像は東北の山を舐める様に移動し、少しの行き過ぎと拡大でもって、山間の平地に佇立したダイガストを映し出す。
 その後方の街ではパトライトが明滅しており、いまだ住民の避難が続いていることをパイロットに知らせてきた。
 防衛ラインを上げたいところだが、そこから先は山になる。
木々を圧し折って阻止戦闘を始めるには、林野庁だか県庁だかが難色を示し、返答待ちにされていた。どうせ担当者は朝の登庁前だろう。
 戦闘とは別の次元で絶望的気分を味わっている鷹介の後ろから、なんとも無邪気な声がかけられた。
「すごいな、でかいな。さすがギャラクシー・コーカサス・オオカブト、熱帯の惑星の王者だ」
 虎二郎は朝も早よからテンションが高い。件の生物がギャラクシー・コーカサス・オオカブトだと看破したのも彼だった。博識とかそういうレベルでない。
 鷹介はふと不思議に思い、問うてみると、
「amaz○nで取り寄せたんだよ、銀河最強甲虫DVD。
 息子がたいそう気に入ってね、付き合って見てるうちに覚えてしまったのさ」
 伏字じゃないでしょ、それ。
 鷹介は商人たちの星を越えた逞しさに何とも微妙な気分になりながら、今一度、ダイガストの情報表示ディスプレイに目を落とした。

  30mm Rail Gun : empty
  AIM-4/C : empty
  460mm Cannon : empty

 要は来週の限定戦争に向けて整備の真っ最中であり、実弾の一発も積んでいない、洒落にならない状態と言う事だ。
 30mmレールガンは砲身の冷却上の問題から多砲身…ガトリング方式を採用したため機構が複雑化し、ブロックごと外されて整備している。
 ミサイルは異星人の陸戦兵器用に弾頭の装甲貫徹力を強化したもの
――空対空ミサイルとは爆発して破片をばら撒くものであり、対装甲能力があるとは言い難い――だが、
これは空自に納入前に評価試験として『トリプル・ダイヤ』のロゴの企業から供与を受けている物であるからして、数に限りがあった。
 ヤマト砲は砲身の命数が多く見積もって200発であり、一戦闘毎に入念な手入れをして延命処置をする必要があった。
 頼りの輝鋼剣も大江戸博士が何やら調整があるとか言って持って来ていない。
 背伸びして造ったロボットなんぞの稼働率は、そんなものだった。戦争は数だよ、とは好く言ったものである。
 はて、湾岸戦争の戦訓で数は質を凌駕しないと判明したのでは、と思うところだが、ダイガストは質でもまだまだなのだろう。
 であるなら、あとは猿と人の違いくらいしか武器はない。
 数多の生物を食い尽くし、未だ生存する人類と同じ姿であること。しかも人類より強靭で巨大、頭脳は二人分。素晴らしい、まるで神代の巨人だ。
 …馬鹿馬鹿しい。鷹介は小さな溜息をつくと、やくたくもない思考を打ち切った。
「おっ」
 虎二郎の期待に満ちた声。
 戦後から植林されてきた杉林をめしめしと折り、黒い三本角が山の稜線の向こうに現れた。
「目標をビジュアルID(目視確認)」鷹介はわりと躊躇わずにフットペダルを踏み込む。「これより接触し、目標の進路を変更させる」
 ダイガストは立ち入り許可の未だ下りていない森林に足を踏み入れ、大股で山を登ってゆく。
 国場首相の要請は自衛隊到着までの時間稼ぎと、巨大生物の戦力の暫減だった。
が、それ以上の注文として、民地への巨大生物の侵入の阻止が言い含められていた。
 鷹介はモニター上で接近に伴ってどんどん巨大化するカブトムシに照準レティクルを合わせると、操縦桿の兵装セレクターボタンを親指で押し込む。
操縦桿の先は多数のボタンで膨れ上がり、グロテスクさすら覚えるデザインだが、
大雑把な操縦は銀河列強のビデオゲームから移植した脳波コントロール装置が仲介してくれる。ボタンを押すという行為は最終確認にすぎない。
 鷹介の決定に従ってダイガストのコンピューターは選択した武装へと通電させる。
 巨人が右腕を引き絞り、
「ダイガスト…エンゲージ(交戦)!」
 鷹介の宣言の直後、白煙を曳いて射出された。
 今回の唯一のまともな武装であるブラストマグナムは、握った拳の先端を僅かに光のリングで覆い、力場の存在を誇示していた。
 衝撃を標的の内部へと集約するエネルギーフィールドは、しかし直撃の瞬間に
 ギャラクシー・コーカサス・オオカブトが角を振りたてた事により、ブラストマグナムごと上空へと跳ね上げられた。
 くるくると回転する腕部が、陽光を反射して鈍く明滅する。
 直進する力は90°に直行する別軸の力で容易く曲げられる。
 昨日モンタルチーノ商会の若頭との乱闘で鷹介が見せた業の冴えを、知ってか知らずか、目の前の野生はしてのけた。
「開幕ロケットパンチってやつぁ、失敗フラグだな」
 虎二郎が爽やかにロクでもない事を口走りつつ、コンソールパネルを数箇所叩く。
 ダイガストの腰からアンカーが射出され、木々の上に落ちてスギ花粉を巻き上げている腕部に引っ掛けるや、巻き戻って右肘に再接続させた。
 先日、ブレーディアンにブラストマグナムを叩き落された戦訓から、急遽アンカーの能力を拡張させたものだった。
 ぶしつけな挨拶にギャラクシー・コーカサス・オオカブトはダイガストを敵と認識したようだ。
 三本の角をかざし、残された僅かな距離を一気に詰めてきた。
 全高はダイガストの胸ほどだが、全長や質量は明らかに向こうが勝っている。このままでは当たり負けするのは確実。
 鷹介はバーニアのスロットルを押し込みながら操縦桿を横に倒す。
 ダイガストが腰裏から噴射炎をあげ、横っ飛びに巨大カブトムシの突進をやり過ごした。
 着地と同時に追いすがると、ギャラクシー・コーカサス・オオカブトも6本の足を総動員して回頭を始める。
 そして、接敵。 
 ダイガストの拳が捉えたのは、振り返った巨大カブトムシの盛り上がった背中の甲殻だった。名状しがたい重々しい音が山間の大気を震わせた。
 異星の巨大兵器にダメージを与える鋼の拳である。ケラチンとキチンで構成された甲殻ごときで止められるものではあるまい。
 が、ここでも恐るべき野生が鷹介に牙を剥いた。
 ギャラクシー・コーカサス・オオカブトは甲殻に多少の歪みこそ認められたが、怯むことなく至近に迫ったダイガストに角を振り立てたのである。
 おそらくは巨大な甲殻を支える発達した筋肉が、衝撃の殆どを吸収してしまったのだろうと虎二郎は推察する。
 それを操縦に集中する鷹介に伝える暇は無いが。
 鷹介の意志を汲み、ダイガストは回避の代わりに半身になって三本の角の内側に踊りこんだ。
 すぐに頭から生えた中央の角を右手で押さえ付け、左の脇に背から伸びる角の一本を抱え込む。
 相撲でいうがっぷりと四つに組んだ状態。そのまま力比べが始まるかとGBC視聴者が期待した、まさにその時、
「なにっ!?」
 鷹介はダイガストの両腕が火花を散らした事に驚愕した。腕部の表面温度が異常加熱し、モニターにアラート表示が点灯する。
 突然のダメージに鷹介の操縦が乱れると、ギャラクシー・コーカサス・オオカブトはその隙に乗じて至近距離から体当たりを見舞った。
鋼の悲鳴が上がり、ダイガストの巨体が杉林に沈む。
 さも嬉しそうなGBCのリポーターの声が、ダイガストの苦戦を伝えていた。

「ペンは剣よりも強し、ピーター・マクドナルドです!CMが明けましたが、ダイガスト、相変わらず苦戦しております。
 銀河列強の進歩的民主主義の前に立ちはだかった蛮族の希望ですが、それ以上の野生の猛威を前に、なす術も無い模様です。
 先程から防戦一方となり、超高周波を発する角が触れるたびに機体から火花があがっております!」
 興奮気味のGBCのレポーターの中継に混じった種明かしに、ドン・モンタルチーノは海苔のように太い眉を器用に曲げて見せた。
「なんや、もうバラしちまったんかい」
 高級リムジンの後部座席でふんぞり返る肥体の主は、ほんの携帯電話ほどの投影機が宙空に映し出した映像にご満悦の様子だった。
 なにしろ裏社会じゃそれと知られたモンタルチーノ商会の巨大生物コレクションが、
 銀河列強有数の陸軍国であるツルギスタンを相手に善戦する『夷狄(いてき)の機械人形』を翻弄するのであるから、オーナーとして鼻が高いったらない。
 既に彼等のような荒事を生業にする者達には、ダイガストが『本物』であることが知れている。
 しきりにGBCがツルギスタンの演出であるとの捏造キャンペーンを展開していたが、
掌を返した時用に、コメンテイターに辛口の批評家の仕込みも始まっている。
 そして宇宙ヤクザは芸能界にも口が利く…情報は常に武器であった。
「しっかし、カブトムシは子供受けはエエんやが、更地に変える効率は悪いもんやな」
「宇宙ミミズの時は視聴者から苦情が出たと、マスコミ連中から散々文句を言われましたもので」
 助手席から若頭が応える。
 巨大宇宙ミミズが荒野の惑星を土壌改良してゆく様は、トレマーズも真っ青のパニック映像となった。
 大地がのたうち、何匹ものミミズがそそり立って原生生物を捕食する様たるや、阿鼻叫喚の地獄絵図と呼ばずしてなんとしよう。
 もっとも、今では当該惑星の土壌改良は完了し、惑星各地で農地転用が始まっている。『貴重な原生生物の殆どが食い尽くされ』はしたが、
住民達は作物を栽培出る肥沃な土地を手に入れた。その小さな惑星の表土は程無く数種類の商品作物で埋め尽くされることだろう。
 それが善行なのか悪行なのか、誰も知らないし気にしない。
「しゃあないやろ」モンタルチーノは脳内で算盤をはじきながら当時を振り返った。「あの星はああでもしなけりゃ価値が出ぇへん、全土が不毛の荒野や。
 産業が無きゃあ、精々が列強の演習場や。
 列強の施設の周りばっかに住民が集まって、残飯漁って暮らすんやで?」
「自分の郷里も似たようなものでした」
「そやったな…銀河列強に任せとくと上から目線で保護しかせぇへん。住民の自立が無い。保護ばっかじゃあかんのや。
 悲惨やで、自分たちは被害者で、保護してもらって当然とか勘違いし出したら、もう立ち直れへんて」
 働かなくても最低限の保証はあるし、そもそも産業が無いから勤労意欲も無い。
 虚ろな目をしたその日暮らしの人々は、給付金の支給日にばかり目をぎらつかせて施設に群がってくる。
 やがてそんな住民を狙って風俗とギャンブルばかりの歓楽街が建ち始めれば、その星の経済は何も産み出さない輪で閉じられる。
 銀河列強の辺境は、保護という名の暴力が支配していた。
「そんな星の住民にかぎって、保障だの労働争議だので働きもせん。話し合うのがホワイトカラーの証しとでも思っとんのや。
 しかもストと暴力デモの違いも判らんときとる。
 何も知らんと部族間で縄張り争いしとった頃の方がナンボかマシや。誰も気にせんし、誰の懐も痛まん」
 そういった我ばかりが肥大化した社会的弱者や社会的幼児の群れから、
宇宙ヤクザのしのぎに使えるような人材を探すほど、既知宇宙は狭いわけではない。
 ゆえに、モンタルチーノの発想は以下のとおりであった。
「活力や!欲望や!街から灯りを消したらあかん。不安に駆られた住民が信じるのは、結局は金や。
 列強が配給を与えて住民から自立心と思考力を奪っとる脇で、ワシらは金と仕事と物をバラ撒く。
 …ま、ワシらがようけ儲けるように上前はハネとるがね、それでも無くなる筈の生活を整えてやるんやから、感謝されてあたりまえやで」
 中抜き上等の闇物流でも、戦闘の混乱で寸断されたラインを補ってくれるのであるから、現地の商売人に否やは無い。
 領事が着任し、本格的な植民地経営が始まるころには、物流の首根っこはモンタルチーノ商会が握っているわけだ。
 巨大生物に暴れさせて更地を大量生産し、そこを買い叩いておくのも論旨は同じだ。
 銀河列強の開発計画だって大地主がいるなら、そっちに擦り寄ったほうが早い。
 先程の惑星開発でも言った事であるが、それが良いか悪いかは誰も知ったこっちゃ無い。そういう時代だった。
 然るに、この弱肉強食の宇宙に顕れたダイガストとは何者たりえるのか。
「蛮族の希望、進歩の敵、文明の否定者…ええで、まだまだ引っ掻き回してくんなはれ」
 空間ディスプレイの映像を眺めるモンタルチーノの口ぶりは、どうにも巨大カブトムシよりもダイガストを応援しているようであった。

 狂ったように振り立てられる角を受け流すたび、腕部装甲から派手な火花があがって装甲表面が歪んでゆく。
 なんでもそれは高周波の仕業らしい。先程から通信機ごしに大江戸博士ががなりたてている。
「おそらく角が目に見えない振動をくりかえし、高周波を発生させとるんだ!
 触れれば高周波溶接と同じ原理で振動が温度を上昇させる。距離をとれ!」
「距離をとっても武器が無いでしょうが!今は!!」
 鷹介はダイガストの操縦で発熱しがちな頭で、思ったままをを口にした。
 大江戸博士は口ごたえに口角泡を飛ばさん勢いで罵声を浴びせてきたが、またも鷹介と虎二郎は同時に通信機のボリュームを絞る。
 そして突き出された黒光りする角を、腕の装甲を押し付けて火花と共にいなす。
 そうしている限りは、両者の位置はあまり変わらない。おかげで山領の一部は超重量に踏み荒らされて禿山となっているが。
 林野庁あたりの係りは今頃悲鳴を上げているかもしれない。
 厄介なのは三本の角の全てが、触れれば火花をあげる高周波を発していることだった。
 加えて、たまに大振りの隙に乗じて踏み込んでも、ダイガストの打撃は分厚すぎる筋肉の鎧に吸収されてしまう。
 そして次の瞬間には、怒りに燃えるギャラクシー・コーカサス・オオカブトのぶちかましをくらい、転倒している。
「鷹介、回り込もう。正攻法じゃダメだ」
 虎二郎もさすがに無邪気な反応はしなくなっていた。
 ダイガストが腰裏のノズルから噴射炎をあげ、立ち上がりざまに甲虫の裏に回り込もうと機動する。
 が、こちらを敵とみなす熱帯惑星の王者は、ぴたりと角を向けたまま、戦車の超信地旋回のようにその場で回頭して後ろを取らせない。
「クソッ、なんて化け物だ!」
 虎二郎は息子が聞いたら悲しむような台詞で毒づいた。
ギャラクシー・コーカサス・オオカブトは6本の足を突っ張って重心を低く構え、万全の構えでダイガストを威嚇している。
 呆れるほどの闘争心と基礎能力の高さ。
 現にそれを見せ付けられる鷹介の心は、その選択を口にする時には、諦めとは別種の乾いたもので満たされていた。
「土岐さん、事象転換炉の出力を上げましょう」
「正気か?」 
 それが虎二郎の反応だった。
 彼の前のディスプレイの鷹介のメンタルコンディションは、あくまで平静なパラメータを描いている。つまりその発言は諦めから出たものではない。
 なるほど、博士が事象転換炉を預けるだけある。虎二郎は納得し、コンソールパネルから出力調整を呼び出す。
「鷹介、事象転換炉の出力を上げるということは、炉心の『キューブ』の消費が乗算に早まる事を意味している。
 『キューブ』が費えた時は…」
「事象転換炉はダイガストを喰い始める…しかし今の出力と装備じゃ化け物カブトムシの甲殻を抜けない」
「あれは甲殻だけじゃなく、筋肉の柔軟性も含まれてると思う。ダメージは蓄積してる筈なんだ」
「一応聞きますけど、根拠は?」
「俺の故郷はひどい田舎でね、昆虫採集はよくやってた」
「サイズが違うでしょうが」
「そうだな、俺の知ってるやつよりもちょいと大きいが…
 逆にあんな地球生物と変わらないボディバランスで大型化は出来ないと思うんだ。
 たぶん、やつは俺たちが思っているよりも苦しい戦いをしているはず…根拠にならないか?」
「あのT72は砲も燃料も残り少ない筈だ、って言って対戦車兵器を持たない歩兵が納得すると思います?」
「おいおい、若者はもう少し希望的観測に則るもんじゃないのか
 …出力を『75パーセント』に上げて敵にぶち込む慣性制御力場の浸透力に期待するよりも、まだしも健全なテがあると言ったら?」
「アメリカ人じゃないので抱きついて頬にキスをするような真似はしませんが、まぁ、
『クリスマスまでに終わる戦争』を信じるくらいには希望を持つかと」
「俺も妻子以外は遠慮するなぁ…まぁいいや、鷹介、それじゃあ暫く機体制御も任せるぞ?」
 言うや虎二郎は答えも聞かず、自らが呼び出した出力調整プログラムをいじり始める。
 鷹介の手元の四枚の液晶ディスプレイは、虎二郎の手を離れた機体制御のパラメータで溢れかえった。
 が、彼はそれらの諸元に目もくれず、前方のメインモニターにまとめられた戦闘に必要な最低限な情報のみに注視する。
 そのかわりに主機関の出力を通常稼動の『5割』より、更に下げた。
 一人で扱える代物でないなら、一人で何とかなる程度で動かしてやればいい。
 あとは虎二郎の策を信じる。不思議とそこに疑問は無かった。
 土岐虎二郎という男には、どういう訳か、そういう処があった。人を信じさせる、というよりは人を従わせる才能とでも言おうか。
 しかし本当に難しいのはそれからだった。出力が減った分、ダイガストは容易く当たり負けをおこした。
 もともとギャラクシー・コーカサス・オオカブトのほうが重量が上である。
 踏ん張りが効かない分だけ、過剰な衝力はダイガストを重力との狭間で木の葉のように舞わせてくれた。
 加減を知らない野生に装甲どころかフレームまでが不気味な軋みを上げ始める。
 三度目の空中浮遊と着地を成功させたところで、即座に眼前にまで迫った超高周波振動角の突進に、
 鷹介はとっさにフットペダルを踏み込んでダイガストを飛び退らせた。
流れに逆らわず、同方向に勢いを殺し…たら、盛大に宙を跳ねていた。
 慣性と推進力とが術理を上回り、機体をカタパルトのように放り出したのだ。
 これまでに無い浮遊感の後、あわててバーニアを吹かして山上に『着陸』する。
 なお消しきれない慣性がダイガストを踏ん張らせたままの体制で後方へと押し流す。
 木々を圧し折り、土煙を上げ、轟音とともに山嶺を滑ってゆく。
 見る間に小さくなったギャラクシー・コーカサス・オオカブトが、すぐさま、そのサイズを元の大きさにもどして突っ込んでくる。
 その数瞬の間にブラストマグナムを発射したい誘惑が幾度も襲ってきたが、
出力を絞った現状であの分厚い甲殻と筋肉を破れる訳も無く、何もしないという高度な我慢を強要された。
 突進するギャラクシー・コーカサス・オオカブトの一挙手一投足に目を配ると、逆巻く風がまるで頬に当たるかのような錯覚を覚える。
 まさに錯覚だ。それも性質の悪い。ここが海上で高度1000フィートなわけが無い。
 自分が握っているのはダイガストの操縦桿だ、T4練習機じゃあない。割れたキャノピーから絶えず吹き込む寒風も無い。
 ただ、なす術がないのは『あの時』と同じ。
 諦めたら、それで全てが終わる。諦めれば、それで全てが終われる。
 ああ、なんだって俺はこんな所にいるんだ?あいつら、今頃は戦闘機過程だろうな。
 場違いな思い出は、じきに理不尽への――理不尽な?――怒りに置き換わる。虎二郎の手を離れ、
鷹介の前に表示されているダイガストのエネルギーゲイン表示が、機械信号の命令無しに徐々に上がってゆく。
 が、二人はそこに気付く余裕が無い。
 目の前に迫る巨体を鷹介は自らの閃きに任せて横っ飛びにかわす。
 そして首尾よく紙一重でやり過ごし、側面に着地、無防備な横っ面にこれでもかと引き絞ったパンチを見舞った。
 ギャラクシー・コーカサス・オオカブトの巨体が傾ぎ、六本の足が蹈鞴(たたら)を踏む。
 確かな手応えに鷹介は追撃に出る。
 その時には誰も知らないところでエネルギーゲインは正常値に戻っている。結果、超高周波振動角と拳がかち合い、
「くっ…」
 重量に負けるダイガストの拳が跳ね飛ばされた。
「せめてあの角が無ければ…」
 人、それをメスのカブトムシと呼ぶ。
 まぁ、そんな軽口を叩いてられる状況ではない。何しろ打つ手が無い鷹介がジリジリと下がると、コクピットに警告のアラートが鳴り響いたのだ。
 はっとなった鷹介が情報ディスプレイの戦術マップに目を落とすと、設定した山の裾野、つまり人里への出口が背後に迫っていた。
 幾度も吹き飛ばされ、最終防衛ラインまで押し込まれていたのだ。
 更に鷹介は目を疑う。山の裾野から続く平地に何両もの車両が停車していた。避難が間に合わなかったに違いない。
「透!」
 鷹介は後方の空をゆっくりと旋回しているだろう『大鳳』の幼馴染を呼び出す。
「後ろの広場に車がたむろしてる!警察に避難誘導を頼んでくれ!!」
 どういう訳か透はすぐには通信に出なかった。
 ただ、開いた回線の向こうではしきりにデータリンクとか座標とかの単語が、彼女の口から別のどこかへと送られていた。
 やがて彼女にしては珍しい、強い意志のこもった声が鷹介の耳に響いた。
「大丈夫だよ、鷹くん。間に合ったんだよ!」
山の裾野に集まった車両は、逃げ道を誤った住民ではなかった。
 たむろしている様に見えたのは陸上自衛隊の93式近距離地対空誘導弾
――大型の4WDの後方にミサイルのコンテナ二つとセンサー類を乗っけた車両――が布陣を終えた光景だった。
 他にも兵員輸送車からは次々と隊員達が飛び出し、どこから調達したのか01式軽対戦車誘導弾
――黒くて太いパイプのような外見の対戦車ミサイル発射機――を担いで巨大カブトムシに向けている。
 陸自は74式戦車では間に合わないと判断、岩手駐屯地から高速道路を使って運べるだけの火力を送り込んだのだった。
 皆、総理からの派遣指示が降りる頃には、異常を察知して準備を始めていた。もちろん、74式戦車も既に大隊の移動を始めている。
 じわじわと近づくツルギスタンの脅威を前に、今や岩手駐屯地は最前線の一つとなっていた。
 家族の後送命令も出ており、一朝有事という言葉はもはやに死語に過ぎない。
 しかし、隊員達の表情には良い意味での緊張が漲っていた。
 義務、矜持、使命感、郷土愛。何しろ敵は異星の巨大生物である。どれを振りかざしても文句を言われる筋合いは無い。
 そして防人達を待っていたのは、上空を旋回している大型機――大鳳――からのデータリンクだった。
 臨時でこの寄り合い所帯の指揮を押付けられた二佐は、ここまでの道程でGBCの番組もチェック済みだった。事、此処に至り、彼は決断する。
「火力を巨大カブトムシの頭部に集中し…ダイガストを援護する!」

 4WDの後部コンテナから次々と白煙があがり、ミサイルが空に解き放たれるや、煙はすぐに無色に変わる。
 なるべく飛翔をばれない様にするための最近のトレンドだ。
 01式軽対戦車誘導弾もしかり。すぐに多数の光点のみが目に見える全てになった。
 光点の列はふたつに別れ、ひとつは一直線に山間のギャラクシー・コーカサス・オオカブトに飛び、
 今ひとつはより高く、山なりのダイブモードで直上からの命中を狙う。
 センサーの赤外線反応から攻撃を察知した鷹介は、ダイガストの絞っていた出力を引き上げ、腰部アンカーの左側を射出させた。
 アンカーはギャラクシー・コーカサス・オオカブトの脇をすり抜けると、推力偏向ノズルでもって後方を迂回、ダイガストの手に帰ってくる。
 あとは間をつなぐ光帯の出力を調整してやれば、短くなった光帯が巨大カブトムシを締め上げる寸法だ。
 もちろんギャラクシー・コーカサス・オオカブトは拘束を振りほどこうともがき回る。
 が、鷹介もダイガストの微妙な出力調整をオートリアクションで上昇させるに任せ、黒光りする巨体を押さえ込んだ。
 二つの光の列が山間に殺到し、大輪の炎の華と、僅かに遅れて凄まじい轟音が沸き立った。
 直後、爆炎の中から黒光りする何かが飛び出すや、それはクルクルと回転しながら、山肌にちょうど空を指して突き立つ。
 自衛隊員の中にガッツポーズを作るものが出た。炎がおさまったとき、それに大きな歓声が唱和する。
 ギャラクシー・コーカサス・オオカブトの頭部の角が、中程から折れて欠落していた。
 それに右後背から伸びる角も、多数のミサイルの直撃で穿孔され、ぐらついている。
 振り下ろされるダイガストの拳が二本目の角を完全に叩き折るや、歓声は最高潮に達した。
 が、熱帯惑星の王者はそれだけでは終わらなかった。
 痛みにか、屈辱にか、それとも単純な怒りにか、これまでを上回る怪力を発揮すると、アンカーの光帯を引きちぎりダイガストに突進したのだ。
 ダイガストはそれを真っ向から両手で受け止めた。土煙が上がり僅かに後退したところで、両者の力が均衡して挙動がピタリと止まる。
既に超高周波振動角は二本が脱落し、機体が高熱に苛まれる部分は少ない。
 しかしそれは同時に上昇を続ける事象転換炉を放置した睨み合いに他ならない。
 メインモニターの端でぐんぐんと上昇を続けるエネルギーゲインのバーが、緑色から警戒領域に入ったことを示す赤色に変わった。
 それは嫌がおうにも鷹介の目に飛び込んでくる。
 瞬時、鷹介は背後を振り返って虎二郎に問いかけたい誘惑に襲われる。だがそれは自分の役割を放棄する事に他ならない。
 虎二郎は今でも全力で自分が受け持った役割をこなしている筈だ。
 だから鷹介は神経を研ぎ澄まし操縦に集中する。
 僅かでも野生の暴威を手足から大地へと逃がすため、無理に押し込まず、無駄な出力を機体にかけず、この均衡を一秒でも続かせる。
 金属と甲殻がきしる音だけが山間に響く。
 自衛隊員たちは各々のミサイルの次弾を再装填したが、ダイガストが近すぎて、
そして何より微動だにしない両雄の力比べに息を呑み、発射のタイミングを逸していた。
 やがて鷹介の耳に事象転換炉の稼働率が危険域に入ったことを知らせる耳障りなアラートが聞こえてきた。
 シートから悲鳴にも聞こえる振動が感じ取れる。いや、ひょっとしたら歓喜なのやも。
 有り得ない妄想じみた感想を鷹介が抱いた、その時、
「待たせたな」
 アラートの最中でも聞こえる、自信たっぷりの張りのある声。
「ちょうどダイガストも良い感じに温まっているようだし、このままいくぞ、鷹介!」
「応さ」
 答える鷹介はしかし、いっかな、振り返りはしない。
 担保の無い、されど、絶対的な機能としての信頼。
 それが確かに存在する証明に、見る間に過剰な主機出力はバイパスを通って機体の胸部に流れ込む。
 エネルギーゲインのバーは正常域に下がり、その代わりに兵装セレクターに新たなインフォメーションが点灯した。

 Ready : Gravity splasher

 それが何かと考えるより早く虎二郎の指示が飛ぶ。
「照準とタイミングはこのまま、撃て、鷹介!グラビティ・スプラッシャー!!」
「発射っ!」
 鷹介がトリガーボタンを押し込むと、ダイガストの胸部装甲から影で出来たヴェールのような帯が照射された。
 微かに燐光のような輝きをまとった影は、相対するギャラクシー・コーカサス・オオカブトに音も無く吸い込まれた。
 次の瞬間、びくん、とギャラクシー・コーカサス・オオカブトの巨体が震えたかと思うと、
その前面の甲殻がまるでハンマーで表と言わず裏と言わず、滅多打ちにしたかのような凹凸に変化していた。
 熱帯の王者の目から光が消え、巨体が山間の中に崩れ落ちる。
 やったか!? 思わずそう口にした自衛隊員が、周りの仲間から『フラグ立てんな』とヘルメットの上から引っ叩かれている。
 ようやく鷹介は後部座席を振り返れた。その顔には意外な呆気無さに、困ったような色が浮かんでいる。
 ダイガストのセンサー類は巨大昆虫の二酸化炭素排出量がゼロになったことを察知していた。つまりは、
「勝った…んですか?」
 虎二郎は頷くと、親指を立てて見せる。
「グラビティ・スプラッシャー…太刀風の主翼が本来は持つ筈だった重力制御システムを、
 未完成のままでは勿体無いので兵器転用したものだ。
 ゲージ粒子の一つであるグラビトンにはたらきかけ、極小の重力波を発生させる。
 重力波は消滅までの短時間の間に激しい重力変動を繰り返し、巻き込んだ対象を物理的に粉砕する。
 理論上、この重力変動に対応しきる物質は存在しない」
 虎二郎はぐっと拳を握り締め、力説に満足したようだった。
 反対に鷹介はひどい脱力を覚えた。そんなレクチャーされた事も無い。
 それも未完成の半端な機構が、自分の操縦する機に積み込まれていると言うのだ。
 機能としての信頼?いや、きっと信じるものは救われるというレベルの間違いだろう。
 鷹介は疲れた溜息をつきながら、ダイガストにだけは力強く、その右腕を突き上げさせた。
 古今東西、それは成功を意味するジェスチャーであった。
 自衛隊員達から歓声があがる。同じように右手を突き上げる者に混じり、背筋の通った見事な敬礼をする隊員もいた。
 GBCのリポーターだけはさも面白くなさそうに、その光景を遠間にしながら中継の締めの台詞を口にしていた。
「これはいけません、ジエイタイの蛮勇に助けられ、ダイガストが勝利してしまいました。
 自らの体を晒しての攻撃など、あってはならない人命の軽視です!このような蛮族の行いが許されてはいけません!
 地球人類に早期の文明化を!剣はペンよりも強し、ピーター・マクドナルドでした」

 この小さな共闘と勝利は、有志によってインターネットにあげられ、長く人々の目に留まる事になる。
 必要なときに、自らの意思で。
 GBCの押付けがましい配信者たちがその意味に気付くのは、だいぶ後になってからであった。
 ちなみに某ニコ動でのコメントで最も多かったのは、話題の時節柄、「濡れる!」であったという。


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