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M A R Y ―少女は死んだ。電子の中で― 予告編

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Parabellum

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だれでも歓迎! 編集
                                                   ―――――2050年―――――

何時頃止むかも分からん小雨の中でどいつもこいつも下らない話に現を抜かしてやがる。
――――――――――――――――息子を失った過去からロボット嫌いの刑事、石崎。

すっかり世界はロボット様様で、右も左も上も下もロボット天国だ。俺は虫唾が走るけどな。今日も能力だけは一人前な沢渡と、ちゃちい窃盗事件を捜査している。
被害者は上京したての社会も知らねえ若い女。自分の下着の窃盗対策も出来ねえくせに社会でまともにやってけんのかね。
「おい沢渡、俺はちょっと聞き込みに行ってくっから、お前は被害者から話を聞いとけ」                            
「あいーす」                            
――――――――――――――――高い能力を持つものの、今時の若者である石崎の部下、沢渡。

返事もまともに出来ねえコイツが何で俺と同じ部署に配属されたんだか。
しっかしまともな事件の一つや二つ、回してくれねえもんかなぁ。何だって俺がこんな事
「い、石崎さん! 大変ですよ、石崎さん!」
血相を変えた沢渡が、こっちへと急いで駆けてくる。何だ? つまんねぇヘマでもしたのか?
―――――――――――――――二人は、出会う。否、出会ってしまう。

「至急こっちに来て下さい! 事件ですよ事件!」
「何だよ? 件の下着ドロでも見つかったのか?」
「違いますよ! アンドロイドが破壊されてたんです!」
――――――――――――――その、事件に。

「顔を、剥ぎ取られて!」

                                M A R Y

                          ―少女は死んだ。電子の中で―  


破壊されたアンドロイドは、メイドカフェで働いている香苗。ここらじゃ名の知られた美少女……この言葉は反吐が出るな。
「凄く荒い方法で顔が剥ぎ取られていました。こう……引きちぎる様な」
―――――――――――――路地裏で見つかった、メイド服を来た美少女アンドロイド。彼女の顔は、残虐なまでに乱暴に剥ぎ取られていた。

「この事件はお前達に一任する」
ちょ、ちょっと部長、それって本気で言っているのですか?
沢渡はともかく、俺は何度もロボットを破壊してるんですよ? 何をしでかすか分かりませんよ。

「お前だからこそ、だ。石崎」
そう言って部長は俺達に見せる様に、デスクの上に写真を並べた。

バラバラ? この写真に写ってるのって全部……。


「そうだ。全て切断されたアンドロイドのパーツだ。お前達が見た、アンドロイドと同じ手口でな」
「この事件は必ず解決させろ、石崎、沢渡。何があってもな」
―――――――――――――しかし事件を追う二人を嘲笑う様に、次々と少女型アンドロイドは巧妙に、かつ残虐な方法で破壊されていく。


破壊されたアンドロイドの品番を調べたが、全てバラバラか……。しかし犯人はマジでイカレテやがるな。
何が楽しくてこんなに滅茶苦茶に壊すのかね。それに破壊する共通点も動機も今のところ分からん。共通点といやあ
美少……女?

「石崎さん、三度目の事件です」
「何だと? どこでだ?」

……何のつもりだ、こりゃ。キリストでも作るつもりか?
「全て違うアンドロイドのパーツです。異常ですよ」

「指の一本一本、全て別のアンドロイドですからね」

ちょっと待て……これ、全部アンドロイドか? 何だよ、この……
この……山は……!
――――――――――――その狂気染みた犯行に、石崎は法規的な範囲を飛び越えてまで、犯人を捕まえる為に奔放する。

「まずいですよ石崎さん……部長の許可が無いと」
「なら任せたわ、沢渡」
「石崎さん!?」
「俺を呼んでやがるんだ、奴がな」
――――――――――――意図の掴めぬ犯人の行動、裏で蠢く底知れない何か。そしてメアリ―と呼ばれるデジタル上に存在する少女の幽霊。

俺は自らの痛覚を下唇を噛む事で緩和させる。足も腕の痛覚も、この痛みで紛らわせる事が出来る。
そして俺は、動かない両腕を上げて、奴に構える。銃を。
奴は、叫ぶ。

「メアリ―は、何故、死んだ!!」         


――――――――――――――――真実は、何処だ。

                            近未来サイコサスペンス

                                M A R Y
                           ―少女は死んだ。電子の中で―                 


「真実ってのはさー。心の中でも、目の中でも、ましてや脳味噌の中にも無いんだよ」
「データの中にしか無いの。分かる?」


                        「このまま奴を野放しにしてみろ」
                        「次に壊されんのは、人間だぞ」



                         何時かやる気になり次第、連載開始


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