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ダ号防衛計画大綱

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1、地球防衛戦線ダイガスト あらすじ

 銀河中心に位地する汎人類種による星間大国『銀河帝国』が、長年に渡る支配より生じた矛盾により、その求心力を失ってから数十年。宇宙には弱肉強食の帝国主義が蔓延し、銀河帝国より分離独立した列強による植民地時代が到来していた。だが、帝国の庇護の元、長い年月をかけて奇妙にねじくれた資本主義により、彼等の侵略戦闘は奇怪な変貌を遂げていたのである。
 曰く、戦争も経済活動の一環である。
 大規模正規戦は非我供に甚大な損害を出すため、銀河帝国ではこれを忌避すべきものと見なす。
 戦略兵器の使用は植民地自体を傷つけるため、固く禁じられる。
 全ての戦争報道はエンターテイメントとして列強市民に配信される。
 全てが勝利――勝利は既に確定した前提条件である――より、何らかの経済効果を期待した奇妙な戦争形態は、少数精鋭による代理戦争という形で執行されてきた。
 商品価値のある未開惑星の支配民族へと、正々堂々と決闘――あくまで字面の上でだが――を挑み、勝利の美酒と新たなる領土とを持ち帰る。列強各国の市民は、繁栄という茶番に酔いしれた。
 そういう時代だった。
 時に、地球は西暦にして201X年。この太陽系の辺境にも、列強の魔の手は伸びて来た。豊富な水資源は充分に魅力的であり、惑星としての統一国体を持たぬ未開星は、分割支配の格好の餌食であったのだ。
 各国は突如現れた異星人の一方的な宣戦布告と、そのおかしな交戦規定に困惑する。節度ある戦争、そんなものは地球人類の辞書にない言葉であった。しかし技術力の格差は歴然。選択の余地は、無い。

 誇りある孤立か、押し付けの繁栄か。
 勝利への道筋は遥か遠く険しく、敗北への道は甘美な嘘で塗り固められていた。


2、ダイガスト
 ダイガストとは、大江戸先進科学研究所が所有するスーパーロボットである。
 全高は32メーター、本体重量は220トン。
 制作者は日本が宇宙に誇る碩学たる大江戸多聞博士だが、実現には各星系から集まった亡命技術者達の星を越えた協力があった。
 その内部は大江戸博士が四十年以上に渡り研究・収拾をしてきた『ある技術』と、亡命者たちの民生技術とが融合し、列強の最新兵器にも遅れはとらない。
 パイロットは二名。これは主動力機関を持った90式風巨大戦車『獅子王』を上半身、各種電子機器を満載し大型化したF-15Jもどき『太刀風』を下半身とし、合体するためである。
 が、合体の理由は技術的な話では無い。全く。
 そうする事により、列強諸国へと自分達の技術力を見せつけ、後の停戦交渉を有利にするためのデモンストレーションである。加えて、国民に自分達の見慣れた兵器が合体、スーパーロボットとなる事で心理的安心を与える事をも考慮に入れている。
 太刀風は下半身に変形すると同時に、コクピットと主翼が分離して折りたたまれ、胸部装甲にかわる。同機パイロットの役割はダイガストの操縦。戦闘機とうって変わり、二本の操縦桿を用いて行われるが、実のところアバウトなところは殆ど脳波コントロール――コンピューターに任せるよりも現実的だった――のため、操縦手腕より本人の腕っ節の方が重要であったりする。
 これに対し上半身となる獅子王側のパイロットは、火器管制及び機関の調整等を任されるため、ハードウェアに対する理解も要求される、別の意味で高度なポジションになっている。
 では、以下に地球を守る超兵器の秘密を公開しよう。

事象転換炉
 ダイガストの主動力たる超高効率エネルギー変換装置。キューブと呼ばれるコンソメスープの元程の鉱物一つから、原子炉十基分のクリーンなエネルギーを生成する夢の機関である…と公称されている。
 しかし不安定だったり、勝手に出力が上がったり、パイロット達が自壊の可能性を危惧していたりと、何かと黒い話が絶えないのは…

次元背嚢
 ダイガスト後背部の空間に存在する極度な圧縮空間であり、ダイガストにとってのペイロードである。
 銀河列強の惑星工作機械の中枢を流用した圧縮空間内には白兵戦に不向きな武装等が格納されているが、これは3次元空間に存在しない訳でなく、重量やその配分を無視できるわけではない。

30mmレールガン
 胸部に装備されている2門の火砲。いわゆる電磁加速投射機であるが、冷却時間の問題により2門が同期をとって交互に発射する方式をとっている。これは技術上の問題による妥協点であるが、高初速の弾丸は通常サイズの兵器であれば充分な破壊力を持つ。
 太刀風の主翼付け根の機関砲を兼ねている。

99式誘導弾・改
 いわゆるAAM4、純国産アクティヴ・ホーミングミサイルを、対異星人用に改造した空自の新装備を共用している。弾頭を高比重金属に置き換えたバンカー・バスター仕様で、至近距離での爆発による破片効果よりも、直撃によるモンロー効果による装甲貫徹を狙っている。
 ダイガストへと合体すると、ミサイルは機体背部の次元背嚢へと格納される。
 …最近はダイガスト側から終末誘導をかける荒業まで出来るようになった。

ウィング・アンカー
 腰アーマーとなった太刀風の水平、垂直尾翼を不定形エネルギー帯でつないでアンカーとして射出する兵装。列強の形状記憶合金技術により、多少の破損は飛行に支障が無い。
 標的を引き寄せたり、拘束したり、振り回して防御に使ったり、かゆい所に手が届いたり色々と便利。

ライアット・クローラー
 肩部装甲の一部になっている獅子王の履帯で標的を突き刺す近距離兵装。射出方式は形状記憶合金の変形で形成される板バネの反発で、先端の打突部も同様の材質による形態変化によって鋭く加工されている。
 貫入後は本体がしなりながら引き抜かれるので、標的の破孔を拡大させる効果も狙えて一石二鳥。

ブラスト・マグナム
 ダイガストの基本兵装のひとつ。肘から先を射出する古色蒼然たるロケット・パンチ。
 本武装は予備動作であるパンチの、腕を引いた時点で推進器に点火、パンチのモーションと共に加速力を上乗せし、亜音速で発射する。飛翔体の拳周辺には、目に見えない先端がへこんだお椀状のフィールドが発生し、保護および装甲貫徹力の増大を狙っている。
 着弾点ではお椀状フィールドが収束し、より敵機内部へと運動エネルギーが集約、貫通し、接触面の正反対で巨大なブラストが発生する。
 なおエネルギーフィールドは拳による打撃攻撃にも発生し、格闘時のマニピュレーターの保護と衝撃の浸透を狙っている。

50口径46センチ、ヤマト砲
 獅子王の主砲をダイガストが携行火砲として使用した物。銀河列強との海戦のおりに撃沈された海上自衛隊護衛艦『やまと』の主砲を流用している。
 砲身長23メーターにも及ぶ人類史上最大級の艦載砲は、1.4トンもの徹甲弾を放り出し、純然たる物理衝撃となって標的を撃ち貫く。兵器としての設計は古いが、その問答無用のサイズから巨大目標に対する装甲内での爆発には目を見張る威力がある。
 合体後は次元背嚢に収まっている。

グラヴィティ・スプラッシャー
 胸部装甲より広散布角で放射される闇色エネルギー体。
 その正体は不安定な重力波であり、標的に重力変動に伴う局所的な重量の増減を同時多発で強要する。理論上この現象に耐えられる物質は存在しないが、これまた技術上の問題から有効射程や照射時間が極端に短い。

輝鋼剣(キコウケン)
 自らが光を発するというレアメタル、ヒヒイロカネを用いた刃渡り20メーターにも及ぶ片刃の直剣であり、恐るべき事に鍛造刀。剣身に宿る金色の燐光は物質間の結合を崩壊させる波動である。
 しかし励起状態のヒヒイロカネを安定維持させるためには、引き上げた事象転換炉の出力の殆どをまわす事になり、長時間の使用は不可能とされる。仮に完全に暴走状態に陥った場合、ヒヒイロカネは自身のエネルギーが尽きるまで波動を発し続け、周辺の物質を塵に変え続ける。
 使用時には主に博士の趣味によりダイガストのフェイスガードが下がり、まるで別の機体の如き面相になる。
 これも普段はかさばるため、次元背嚢に納められている。

その他
 ダイガストの身を包むのは超硬チタン。基本的には既存技術の合金を、更に原子配列を補強した素材である。極端な新技術というわけではないし、お世辞にも『鉄の城』とは言い難い。正直、機体構造自体は人型重機と言って差し支えないレベルである。
 その攻撃手法も、盛り込まれた先進技術を純粋物理衝撃に変換して行っているに過ぎない。あくまで信頼性の高い手法を堅持するのは、未知の兵器体系を運用する余裕も無ければ、それを再現する技術も無いからである。
 ダイガストの本当の武器。それは人間と同じ姿をとり、人間が執り得るオプションの全てを再現できる柔軟性に他ならない。同族同士で潰しあう技術を研鑽することに躊躇いの無い人類種の、呪われた可能性の具現…それは奇しくも、限定戦争という形で戦う事を局限した銀河列強とは真逆のベクトルである。



3、人物・組織
風見鷹介(21)
 カザミヨウスケ。ダイガストのメインパイロット。元自衛隊航空学生らしいが、飛行適正なしと判断されてファイター・パイロットへの道を断念、直後に何故か大江戸先進科学研究所に就職。立場的には研究員兼、大江戸博士のお抱えパイロットであり、本人としては極めて不満。
 誰もが認める程には勇敢であり、親しい者が知る程度には優しく、幼馴染しか知らない程度にはデリケートな、絵に描けるような好青年。
 身長170後半。今時の若者らしく線は細いが、鍛えられているのでいわゆる細マッチョ。頭髪は小ざっぱりと切り揃えている(航学時代に坊主頭だった影響で無頓着)。

笠置透(21)
 カサギミナモ。鷹介の幼馴染みであり、大江戸博士が某私大で道楽でやっている学部に通っている大学生。専攻は困った事に『超』考古学。頭の回転そのものは早いのだが、授業と勘違いして大江戸先進科学研究所でオペレーターやってしまう程度には使い方がなってない。
 鷹介との関係は絵に描いたような友達以上恋人未満…と本人は思っているが、傍から見れば軽く鷹介依存症の間違いである。
 黙っていれば黒髪ロングのナチュラル美人だが、究理の徒のため飾り気が無いの間違い。身長160前半。体重が少し気になるのは隠れ巨にゅ(ry

土岐虎二郎(33)
 トキコジロウ。ダイガストのサブパイロット。大江戸先進科学研究所の研究員であるが、どちらかと言えば職業軍人か何かの間違いであると思われるガタイと風貌を持つ(身長180センチ台でガッチリ体型)。美人の細君とヤンチャ盛りの息子がいる。誰もが認めるだけの度量の深さと、不断の実行力とを具備する、いわゆる真の漢。
 本人は田舎出身といっているが…

大江戸多聞(63)
 オオエドタモン。日本が宇宙に誇る碩学にして、各種学会を悩ませる知性ある獣。考古学とエネルギー工学と機械工学を横一列に扱える、明らかに天才と紙一重の何かを飛び越えてしまっている人。性格は極めて解りやすく、自信過剰で傲岸不遜。情熱と貫徹精神の塊であり、彼無くして実用スーパーロボットなどと言う与太話は実現しなかったと言える。
 四角四面の顔に自己主張の激しいパーツを散りばめ、頭髪は白髪交じりでストライプになったのを伸ばすという極めて怪しげな風貌に、下駄ばきで白衣というナリが止めをさしている怪人物。

国場道昭(63)
 クニバミチアキ。未曾有の国難に挑む内閣総理大臣。自立民主党…略して自民党に所属。
 その政治手腕は徳川家康の再来と畏れられる程、悪辣。しかし武田信玄を彷彿とさせる恩情家の一面も併せ持ち、各国の政治アナリストに頭を抱えさせている。中道左派寄りの政治信条をもつリアリストだが、マスコミや極東アジア地域では最右翼扱いをされる。不思議。
 しかしてその正体は大江戸多聞60年来の友人であり、極論するに日本は二人の変人に支えられている訳である。中肉中背の絵に描いたような日本人体型であるが、柔剣道その他諸々、合わせて六段の武闘派でも知られる。

東和樹(36)
 アヅマカズキ。陸自の三佐にして北海道から戦い続けてきた歴戦の戦車指揮官。望んで兵が付き従う優秀な指揮官であり、日本的美点にあふれた男。最初はダイガストを訳の判らないものとして認めていなかったが、その戦いぶりに心うたれ、現場での良き理解者となってゆく。
 よくできた奥さんと、可愛い盛りの娘がいる。
 本来なら指揮に専念する立場の筈なのだが、人手不足からいつまで経っても最前線から下がれない程度の不幸体質。

海堂衛(52)
 カイドウマモル。海自一佐であり、近年の海外派遣では常に嚆矢を務め上げている傑物。湾岸戦争にも非公式に米軍の戦艦に観戦武官として乗艦しており、数少ない日本での乗在艦橋を体現した人物である。旧軍時代からの海軍一家であり、生まれながらの士官。いかにも海軍らしいスマートな外見と物腰で、当初からダイガストに協力的。

柘植隼人(21)
 ツゲハヤト。航空学生出身の空自三尉。鷹介の元同期。本来なら未だ訓練中のはずだが、人手不足から速成でF-2のパイロットになっている。勇気と義侠心に厚いが、女好きがたまにキズ。しかも『撃墜数』はまだ無い。それゆえTACネームはブービー。本人としては甚だ遺憾と思っているが…
 訓練で常に遠くを見据えるため、すっかり目を細めるのが癖になっている。細面の顔立ちとあいまい、狐のような風貌。

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