創作発表板 ロボット物SS総合スレ まとめ@wiki

Puff the robot

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fctinfbl

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だれでも歓迎! 編集


コナリーさんのお屋敷でパフという名のロボットが働いていました。
コナリーさんは忙しいのでお屋敷にはいません。
パフのお仕事はコナリーさんに代わってその子供のジャッキーの相手をすることでした。
パフとジャッキーは毎日一緒に遊びました。
長い紐を取り出しては互いに引っ張り合ったり、
蝋燭を融かして又固めて、怪獣を一緒に作ったり、
お屋敷には桜を並べた庭があったので、
パフとジャッキーは桜の下を一緒に歩いたりしました。

パフはロボットですから歳を取りません。
でもジャッキー違います。
大きくなったジャッキーはパフと一緒に作った旗を振らなくなりました。
紐も、蝋燭も、他の一緒に遊んだ色んな玩具を閉まって、
ジャッキーはお屋敷の外へ遊びに行くようになりました。
お屋敷に残されたパフは一人で遊ぶことも、桜並木を歩くこともせず、
ただ椅子に座ってじっとジャッキーを待っていました。
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パフはロボットですからいつまでも座っていられます。
声も出さず、指も動かすこともなく、ただじっと座っています。
朝が来ても、夜が来ても座ったまま。
ピカピカだった表面が埃で白く汚れてきても座ったまま。
ジャッキーに呼ばれたらすぐ出て行けるように、
パフはいつまでも椅子に座って待っていました。
でもある暗い夜、ついにパフの電池が切れてしまいました。
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真っ暗








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ある日パフは自分を呼ぶ声で目が覚めました。
パフの目の前には若い男の人がいます。
パフはすぐにその人が大人になったジャッキーだと分かりました。
大人になったジャッキーがパフの電池を入れ替えてくれたみたいです。
埃が積もっていたはずのパフの体も、ピカピカになっています。
大人のジャッキーは自分の後ろにいた小さな男の子をパフに見せました。
ジャッキーは言いました。
この子の面倒を見てくれないか?

その日からお庭の桜の下を男の子とロボットが並んで歩く様が見られるようになりました。
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