ロボット物SS総合スレ 36号機
1 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 15:06:15 ID:64SH36Yl
ロボット物のアニメ・漫画・小説・ゲームの二次創作から、
オリジナルのロボット物一次創作まで 何 で も どうぞ。


・当機はSSに限らず、イラストや立体物、音楽も受け付けております。
・投下の後、しばらく雑談は控えてください。
・ガンダムやマクロス等の有名作は、該当する専用SSスレが立った場合はそちらへ。もしなければ全部ここでやればいいんじゃあないでしょうか。
・次スレは>>950が立てて下さい。次スレが立つまでは減速を。
・また、容量が470KBを超えた場合は要相談。
・立てられない場合は報告及び相談を。スレ立ての際は必ず宣言を行ってください。でないと、黒歴史が来るぞぉぉぉぉ!!
・とある方が言っておられました。「話題が気に入らないなら、四の五の言わずネタを振れ」雑談のネタが気に入らない時は、新しくネタを振りましょう。
・スルー検定10級実施中です。荒らしは華麗スルーしてください。それが紳士の条件です。
・夏真っ盛りですが暑さに負けずに、これからもルールを守って、楽しく創作活動に励みましょう。
・山だ!海だ!ロボットだ!この夏あなたもロボスレライフをenjoy!

まとめwiki
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/

ロボット作品投下用アップローダー
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/

お絵かき掲示板
http://www2.atpaint.jp/sousakurobo/

ロボット物SS総合スレin避難所14号機
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1278418081/

前スレ
ロボット物SS総合スレ 35号機
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1279295946/


関連スレ
勇者シリーズSS総合スレ Part3
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253680895/


2 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 15:07:01 ID:64SH36Yl
スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています)


【荒野に生きる(仮) ◆8XPVCvJbvQ】
再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。
獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!!
怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!!

【CR ―Code Revegeon― 古時計屋 ◆klsLRI0upQ】
これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。
アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……!
人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー!

【瞬転のスプリガン ◆46YdzwwxxU】
スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体!
異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。
変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝!

【パラベラム! ◆1m8GVnU0JM】
Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ。
遥か昔に文明がリセットされた世界。黒い機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の神子としての生活が始まった!
軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり? なんだかおかしなキャラ達が紡ぐ、ドタバタ日常コメディ!
「……ねぇリヒター、こんな感じでいいかな?」
<イエス・マイマスター>

【海上都市姫路守備隊戦記 ◆gD1i1Jw3kk】
「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。
兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る!
止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー!

【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ ◆46YdzwwxxU】
ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ!
今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪!
ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション!

【少女機甲録(仮) ◆kNPkZ2h.ro】
80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」
異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」
陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる!

【人狼機兵マーナガルム ◆CNkSfJe3Zs】
2149年 春。月と地球、並んだ二つの星による戦争は、まだ続いていた。
革命軍の問題児「ラビットソルジャー」パイロット ソマ・ツクヨミは、自軍の罠にはめられ、正体不明の『狼頭』と敵対する。
兎達が支配する戦場で今、精神すらも噛み砕く異形の獣が目覚めようとしていた――――



3 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 15:07:49 ID:64SH36Yl
【鋼鐵の特攻兵―Gun Strike Girles― ◆6LGb3BALUde1】
近未来。人類はBUGと呼ばれる巨大生物との戦争を続けていた。
主人公・御前静を始めとした世界各国から集まった個性的な
少女達は、鋼鐵の棺に身を沈めてBUGとの熾烈な戦いに身を投じていく。
戦争という極限状態の中で、少女達は傷付きながらも成長し、
互いに支え合い日々を懸命に生き抜く。
やがて少女達の間に芽生えるのは、友情かそれとも――
ハードボイルドミリタリーの皮を被った百合ん百合んな物語。
欝展開はないよ!

【武神鋼臨タケミカヅチ ◆YHSi90Gnr2】
其れは鋼の人型。其れは『神』の力を降ろす為の人造の依代。
剣神はその手に太刀を担い、在らざる戦場(いくさば)を駆け抜ける。 その刃は未来を切り開けるか―

【鋼殻牙龍ドラグリヲ ◆Uu8AeR.Xso】
荒廃した世界を跋扈する、『害獣』と呼ばれる異形の災厄。
人には太刀打ち出来ぬその存在を屠る、暴君竜の如き異形の鋼。その名は「ドラグリヲ」
アルビノの少年「真継雪兎」とゴスロリ姿のナノマシン少女「カルマ」の紡ぐ物語に刮目せよ!

【GEARS ◆B21/XLSjhE】
近いようで遠く、遠いようで近い未来で――――競技用ロボット、ギアが駆ける!
無愛想だが熱い漢、守屋とどこかズレてるハイテンションな少女、霧坂のテンポの良い掛け合いと個性豊かな仲間達!
スピード感溢れる描写と汗と笑いとアイリス・ジョーカーが送る、ロボットスポーツストーリーをとくと見よ!

【機甲聖騎士ザイフリード ◆gU7PBlmT6Y】
紫藤 雪人(しどう ゆきと)は、きわめて平凡な男子高校生であった――ほんの少し前までは。
雪人が目覚めた場所は見知らぬ世界。そして隣には……寝息をたてる女の子!?
ファンタジックロボットSS、ここに見参!

【守護機兵Xガードナー シクス ◆wuZfOwaq7U】
CC(コスモセンチュリー)115年。独立を宣言する火星と地球の、人類初の惑星間戦争が行われていた。
少年シュート・ダリューグは独立機動防衛部隊"Xガードナー"に参加するも自分の存在価値に惑う。
戦いを止められるのは薙払う剣か、それとも守護する盾か…
あなたの護りたいモノはなんですか?

【秘神幻装ソルディアン ◆tEulldVhj8h6】
因果の日は来たり――世界は異形の怪物アバドンに覆われた。
混迷を極める世界に機械仕掛けの神々は覚醒し、かくして今まさに黙示録が再現される。
測り知れざる過去より続く闘いの行方は、如何に。



4 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 15:08:32 ID:64SH36Yl
【廻るセカイ-Die andere Zukunft- ◆qwqSiWgzPU】
「もう少しで世界が滅びる」。世界中にそんな噂が飛び交った。
そして噂の通り、国が、都市が、次々と地図から名前を消していく。人類は滅びを待つだけだった
舞台は架空の都市“揺籃”
特別な一人の少女と、普通の少年の出会いから、それは紡がれていく
「抗う術があるのに、やらないなんて選択肢、オレにはない」
……それは、似通っているようで……違う“セカイ”

【時のジグパルス ◆NXVvJGP7gI】
 21世紀初頭――――
 人類はヴォイド体と名付けられた謎の生物群に侵食されていた。
 14歳の誕生日を迎える夏の日、リノは長崎へむかった。
 そこで、巨大地下遺跡『オウロフィル』より解き放たれた
 人型生体兵器ジグに飲み込まれてしまうが――

【ビューティフル・ワールド the gun with the knight and the rabbit TロG ◆n41r8f8dTs】
 未来へと向かっていた隆昭達は、黄金のアストライル・ギアによって次元の狭間へと飲み込まれ、別世界に辿り着く。
 隆昭一行、やおよろず、レギアス、そして、神威。様々な人々の思惑がシャッフルされた物語の執着点は、果たして――――
 パラべラム×ヴィルティック・シャッフルという二作品による、全く違った世界観が交じ合った物語の行く末を見届けよ。

 この物語に、勝者はいない。

【『正義の執行者』◆8XPVCvJbvQ】
世間を震撼させたリベンジャーレディの事件から数ヵ月後。
ネットである言葉が頻繁に使用されるようになっていた。
「正義の名の下に」
その言葉と共に、人型兵器による犯罪者を処罰していく所属不明の赤い機体。
奇しくも所有する機体のフォルムが似ていたが為に、姉小路は事件に巻き込まれてしまう。

【eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2氏】
ガラクタに覆われた世界の片隅で、少年と少女は一冊の書によって結ばれた。
その出会いは白く、黒く塗り潰された過去を、未来を、それ以外を呼び覚ます。
迫り来るこの世ならざる怪異、有り得ざる可能性、そしてセカイの果てより来るモノ……

――総てを越え、彼らは何を見るのだろう?

【ロボスレ学園】
ロボット物SS総合スレ、10スレ目突破記念作品! このスレのキャラクター達が織り成すどこまでもフリーダムな青春(?)グラフィティ!
参加者募集中!



5 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 15:15:28 ID:64SH36Yl
完結作品はこちら! 大いなる足跡をその目で見よ!
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/pages/265.html

・読者側は、積極的にエールや感想を送ってあげよう! 亀レスでも大感激! 作者はいつまでだって待ってるもんだぞ!
・作者側は、取り敢えずは作品で語れ! 自分のペースでも完結まで誠実に奮励努力せよ!
・半年以上生存報告がないと、作品がテンプレから削られてしまうぞ! 要注意だ!
・テンプレに載る作品は1人1つまで! 上記の他にも作品は沢山あるので、こちらもチェックだ!
 http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/pages/12.html
・我らスレ住人は、熱意に溢れた新作をいつも待ち望んでいる! 次スレの紹介文には、キミのロボットも追加させてみないか!



※紹介文未定作品一覧※
【機甲闘神Gドラスター ◆uW6wAi1FeE】
【英雄騎兵ミッドナイト】
【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】
【機動修羅バイラム】
【都道府県対抗機動兵器決選】
【資源転生サイクラスト】
【てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM】
【グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc氏】
【Robochemist! ◆a5iBSiEsUFpN氏】
【パラベラム!〜開拓者達〜 ◆RS4AXEvHJM氏】
【グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc氏】
【地球防衛戦線ダイガスト 秋水 ◆3C9TspRFnQ氏】
【KillerMachine ◆wHsYL8cZCc氏】
【壊れた世界の直し方 ◆H48yyfsLb6氏】
【Pheriss Strike!  ◆hKFmPDid7g氏】
【War is over & This last game. ◆kNPkZ2h.ro氏】】
【「Seirenes」◆同上】


※紹介文候補※
【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】
2024年、混迷と動乱のアフガニスタン。米軍最新鋭兵器、M23機動装甲服が降り立ったその地で、奇怪な陰謀が蠢く。
陰謀の真相は? 米兵たちを待ちうける運命とは? そして、この騒乱の行きつく先は?
ハードな世界観と設定で繰り広げられる、近未来ミリタリーロボットシミュレーションSSに刮目せよ!
――――人の織り成す混沌を、機械仕掛けの騎士が撃ち抜く。

上記の候補はひとまず、作者さんの承認待ちです。

紹介文はまだまだ募集中!
作者さんが、自身で考えちゃってもいいのよ!


6 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 15:16:58 ID:64SH36Yl
「自作に関する絵を描いてもいい」という了承を頂いている作者さん一同はこちら↓

・TロG ◆n41r8f8dTs氏(tueun、ROST GORL、ヴィルテック・シャッフル他)
・シクス ◆wuZfOwaq7U氏(守護機兵Xガードナー)
・パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM氏(パラベラム! 他多数)
・古時計屋 ◆klsLRI0upQ氏(CR ―Code Revegeon―、ザ・シスターズ、シャドウミラージュ、電瞬月下)
・◆YHSi90Gnr2氏(武神鋼臨タケミカヅチ、パラベラム! ―運び屋アルフの何ということもない一日―)
・秘神 ◆tEulldVhj8h6氏 (◆hdZAMWOUEU)(秘神幻装ソルディアン)
・◆Uu8AeR.Xso氏 (鋼殻牙龍 ドラグリヲ)
・DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN氏 (◆9L0XSDdmxM)(Diver's shellシリーズ、Robochemist! 他)
・GEARSの中身 ◆B21/XLSjhE氏(GEARS、GEARS外伝 Berserker)
・◆46YdzwwxxU氏(瞬転のスプリガン、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ、R,B&G)
・|・) ◆5b.OeHcAI2氏(eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ――)
・◆CNkSfJe3Zs氏(人狼機兵マーナガルム 他)
・◆uW6wAi1FeE氏(機甲闘神Gドラスター)


ここに名前の無い作者さんの作品を絵にしたい場合は、直接ご本人にお伺いを立ててみたらいかがかと。


7 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 15:19:45 ID:p/pQyGzG
>>1
乙   神

合   体


それにしても前スレの消費スピードが半端無い件 


8 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 15:25:14 ID:FNpVNX2f
>>1
乙樽ヴァー


9 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/25(日) 15:36:31 ID:lvbOc/6t
>>1乙ガンを忘れるなんてー!


10 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 16:29:44 ID:64SH36Yl
「一人一つまで」を読み落としていたのでPheriss Strike!以下三つと、今の所単発なので資源転生サイクラストは次回テンプレから外しておいて下さい。(スプリガンとてのひらも?)
本当に申し訳ない。



11 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:07:36 ID:lvbOc/6t
惜しいところで容量オーバー……だと……!?w


12 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:08:53 ID:FNpVNX2f
覇王の自然なちんぽこタイムと聞いて


13 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:09:54 ID:Js/2cLui
アルナフレアッー!タイムと聞いて


14 名前: 遅かりし>>882 ◆MVh6W.SAZtbu [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:10:07 ID:BeF4sGCA
>>1スレ立て乙ッッ!!
ちっ、間に合わなかったか……
実は前にスレ立てたときのオイラのミスで、「紹介文未決定作品一覧」に「グラウンド・ゼロ」が二回入ってしまい、
スレ立て時期になったらそのことを言おうと思っていたんですが、遅きに失してしまったようです。
次回テンプレから片方削除をお願いします。

さて……、「無償修理……実に甘美な響きだ……」>>882ガペンタブ帰還セリ。
それで一つ描いたモンがあるんですが、前スレとこっちとどっちに貼ったほうがいいんですかね?


15 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:10:58 ID:FNpVNX2f
既に前スレは終了しました☆


16 名前: PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:12:37 ID:8o2rX/bZ
 こい!!

 >>1もいらぬ、乙もいらぬ。
 このPBM! が望むものはロリの下着!!


17 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:13:36 ID:FNpVNX2f
>>16
遥「………」

   テーレッテー    ジョインジョインハルカァ


18 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:13:37 ID:lvbOc/6t
>>16
通報しました


19 名前: PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:15:39 ID:8o2rX/bZ
 この身体滅びても……魂は……ふ……め……つ……。


20 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:16:06 ID:lvbOc/6t
あ、死んだ


21 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:17:09 ID:FNpVNX2f
↓復活


22 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:19:06 ID:8o2rX/bZ
 それにしても前スレは惜しかったですねー。


23 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:21:52 ID:FNpVNX2f
1000までいかなかったのう


24 名前: 雪辱を果たさんとする>>882 ◆MVh6W.SAZtbu [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:22:05 ID:BeF4sGCA
>>15
了解、こちらにおいても目視で確認した。

というわけで、こちらに貼らせて頂きます(おとんじゃありません…… 万が一期待した方いたらごめんなさい。そっちは…… 師匠チェック用ラフが今日中に出来るのかなあ……?)

その前にちょっと前置きの話。
避難所の話で恐縮なんですが、ワタクシ「きりちゃんオパイネタ」描くにあたって、守屋のカラーリングと八坂の制服について、歯車氏とDaZ氏に詳細な資料の提示をして頂いたんですね。
なんですが、ちょうどペンタブ不調に入り、それらをカラーで描けなかったと。
そのため、お二人に申し訳なかったし、俺の中でも終わってない。
ということでペンタブが戻ってきて最初の絵として描いたのがコレ↓ 歯車・DaZ両氏に捧げます。
http://dl7.getuploader.com/g/sousakurobo/716/setujokusenn.jpg

ところで上の絵をよく見て欲しい。何かお気付きではないだろうか? わからない方は、やや斜め下から「のぞき込むように」見てみて欲しい。
お分かりいただけただろうか。なお、わかっても>>882のためにひいたりしないであげて欲しい。

しかしこの絵、作成の都合のレイヤーの関係で、エラい「マニア向け」な状態に出来るんだな…… 載せないけど。

ということで、ちょっと買うものあるからしばらく出てきます。


25 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:24:50 ID:FNpVNX2f
>>24
………!? なんだこの謎の技術は……


26 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:35:50 ID:p/pQyGzG
楽しそうで良いなぁ


27 名前: 創る名無しに見る名無し [SAGE] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:45:39 ID:74mP1Bq4
テスト


28 名前: 創る名無しに見る名無し [SAGE] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:48:19 ID:74mP1Bq4
au解除ktkr


29 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 19:53:40 ID:LOLEcoJM
>>1立て落つ
>>24投下乙です

>>16
「…お前のそれは確実に量子脳の故障。 医務官に見てもらった後で交換してもらえ」

「ゆり、シビリアンであるPBMの人は私たちと違って脳を交換できない。 
それにロリ萌えは故障や疾患ではなく、属性。 そして彼は私と属性を同じくする同志。
ならばいちごはこのローライズを履く事を推奨する」

「…私がなぜその、あまり機能的でも合理的でもないと判断するアンダーウェアを
着なければならないのかについての解説を求める」

「私が萌える。 そして、同志PBMの人への支援行動」

「…あなたのそれは確実に量子脳の故障。 医務官に見てもらうまでも無く、破棄されることを推奨する」

「いちごがゆりと全く同じ事を言った。 ロリ毒舌クール、新しい属性だがそんな萌えもいい」

(…ダメだこいつ、早く何とかしないと)
(ひなぎくの量子脳の損傷あるいは思考アルゴリズムのバグは深刻な段階まで進行していると判断する…)



30 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 20:00:24 ID:FNpVNX2f
×バグ ○正常


31 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 20:02:00 ID:p/pQyGzG
さて、溜まらない内に
前スレ>>885
投下乙です
センジュさんが大人の女すぎる。つかシチュが切なすぎてモニターがぼやけて見えない
この旦那さんは良い男なんだろうけど、多分センジュさんとの歯車は合わなかったんだろうなぁと
最後の台詞でサーッと余韻を引く手法、感涙。ビターな甘み、ご馳走様です
>>857
感想有難うございます
>しかし、「何時」を使うときは考えるべきかと。
今度から気を付けまする
まぁマキの内心がアレなのは今に始まった事じゃ(ry
ホントにプラトニックと言うか、もどかし過ぎて困ります。二人が本当に結ばれるのは何時になるのか

本スレ>>24
何これsugeeeeeeeeeeeeee!
それにしてもスケ……か。夏ですなぁ、うむ、素晴らしく夏だ
GEARS氏もDaZ氏もこれは喜ぶでしょう、特にGEARSさんはw




32 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 20:27:40 ID:8o2rX/bZ
http://rrb.2chan.net/nov/y/src/1280026837736.jpg

http://rrc.2chan.net/nov/y/src/1280042144355.jpg


33 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 20:28:50 ID:8o2rX/bZ
 うわあ! すみません、誤爆しました!
 作業しながら携帯を弄るもんじゃないな……。


34 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 20:31:06 ID:p/pQyGzG
誤爆に全く見えないっす師匠。まぁ誤爆と言うか新の付くあの板のスレに張ろうと思ったんだろうなと思いますがw
ナインボールはこれで三作目か…


35 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 20:32:21 ID:8o2rX/bZ
 しかも貼ろうとしたスレには既に貼られていたという……。
 私には、早さが足りない……orz


36 名前: 歯車 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 22:33:12 ID:HmLWwUTI
留守中に超加速していた件
>>1
スレ立て乙です
>>24
投下乙。そして、有難う御座います!
しかし、何なんだ!?この謎技術は!!wwww
それにしても、霧坂のスケブラを拝む自分の体勢は何処から如何見ても、ただの変質者www

そして、◆5b.OeHcAI2氏、◆gD1i1Jw3kk氏、タロ氏、DS氏投下乙です。
最終話(前)の投下後にゆっくり読ませて頂きますね


37 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 22:55:14 ID:FNpVNX2f
>>31
感想ありがとうございます!
「別れてしまったけど、愛してる」な感じな風に書きました。
旦那さんとセンジュ、昔はそこまで仲がよくありませんでした。皮肉なことに歯車が噛みあったのが事故の後ということです。
甘甘な展開も好きですが、ほろ苦い感じも大好物だったりw

>>33
おう、グレネードぶちこまれてぇのか!

>>36
その場にいれば支援いたしますよー!



>謎技術
………これ使えば、パンチラが影で見えないけど下から覗くと浮き出てくる的にも出来るんじゃないですかね……?


38 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:14:20 ID:LOLEcoJM
さて、昨日今日と思いのほか筆が進んでいるので
「Seirenes」の2話を投下したいのですが、宜しいでしょうか?


39 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:17:56 ID:LOLEcoJM
第2話


私が生まれた時には、この大昔の海上油田を改造して作った基地には20数人かの大人の人間たちがいて、そして
そいつらは全員が男の人で、私たちの「父さんたち」だった。
私がどの「父さん」の娘なのかは、はっきり言ってよく判らない。
なにしろ、私みたいな…茶色でも金髪でも黒髪でもない、オレンジ色の髪をした男なんて居なかったからだ。
確かに「父さんたち」は人種も年齢もバラバラで、若いのもおっさんなのも居た。
妹たちの中には、明らかにこの人が父親だろうなって判る子も居る。
けど、一番最初の子である私は、父親が誰なのか特定する手がかりがあんまり無かった。
髪の色だけじゃなく顔立ちも肌の色も、誰とも似ていなかったからだ。
でも、それはどうでもいい。 確実なのは私は母さんから生まれた娘で、母さんが私のこの世で一番敬愛する人だってことだ。

母さんは昔、この基地じゃない別の場所……大きなタンカーを改造して造った移動式の街というか、避難民の寄り合い所帯
みたいなところで暮らしていたんだけど、その船がグランキョに襲われた。
運良く母さんは避難ポッドに入る事が出来て、その後数ヶ月ぐらいでサルベージされて助かったんだけど、
その代わり、母さんを引き揚げたのはこの基地の男たち。
他に身よりも無いし、行くあても無かったから、母さんはこの基地で男たちと一緒に暮らす事になった。
母さんが12歳ぐらいの頃だって。 母さん自身、自分の正確な誕生日とかわからないから、だいたいそんくらい。
私は母さんが、産んだ時から数えてくれたから今自分が15歳だってわかるけど。
それから一年経たず、母さんは私を産む事になった。

「若い母さんだな……美人だ」

「まあね、私、母さんが12か13ぐらいの時の子だし」

母さんと私たちが写ってる写真を見せた時に、それを言ったときのあいつは物凄く変な顔をしていた。
で、その後、これに関する話題は全く聞いてこなくなった。
普通、そういう事を男が気にする? 産ませる側の癖してさ……
変な奴だな、と私は思った。 まあ、30年だか40年前だかの時代の人間の考える事はどうでもいいけどね。
どうせ、あいつも男なんだし。

まあ、それはともかく。 それから母さんは私が15歳の誕生日を迎えるまで、ずっとこの基地で暮らしてきた。
1年が経過するたびに娘の数は増えていって、今では姉妹が13人。 最年少は3歳。
……よく産んだもんだよね、母さんも。
グランキョの攻撃も年々激しくなっていって、「父さんたち」も一人、二人、と死んで行った。
基地には時々訪れる、母さんが昔住んでたような大きな船を改造した避難船とか、遠い陸地のほうからサルベージや交易に
訪れる船なんかもあって、もしかしたらその中に居た大人たちも「父さんたち」の一人だったかもしれないのだけど、その人たちもいつしか、来なくなった。
多分、グランキョに襲われて沈められたんだろうと思う。



40 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:18:51 ID:LOLEcoJM
優しかった父さんも、嫌いだった父さんも居た。
最後まで残ってた、私たち娘に一人一人違う刺青を体に入れた若い中国系の父さんと、名前をつけたイタリア系の父さんが死んで、
ついに基地の大人は母さんだけになってしまった。
末っ子のロンが1歳になるかならないか、って辺りだったと思う。
それからの母さんは、女手一つで私たちを育てた。 育児と同時進行で、ガンベレットに乗ってサルベージに出かけたり、
基地の修理や点検をしたり、引き揚げてきた機械を再生させたり。
もちろん私たちも、母さんを手伝った。
小さい子たちは母さんと一緒にガンベレットに乗せてもらうのを特に嬉しがったし、上の子達は整備や修理の仕方や、操縦の仕方を習った。
13歳を迎えた子は操縦桿とペダルに手足が届くようになるので、コクピットでの座る場所が母さんの膝の上から後ろ席のシートに変わる。
そうして、ガンベレットの使い方やサルベージの手順、グランキョとの戦い方を教わるのだ。
私は2年間、母さんの後ろでナビを勤めた。
前席に替わる事もあったし、妹…ルチェやラーナの教習を私が受け持つ事もあったけど、基本的には私と母さんがコンビでサルベージを行ったり基地を防衛してきた。
母さんは、もう十年以上「父さんたち」と一緒にガンベレットを扱ってきた事もあって、操縦技術は物凄く上手かった。
グランキョのAIを出し抜き、その弱点を突いて、戦えば必ず勝った。
17隻ものグランキョを相手にし、追って来る魚雷を全部避け、最終的に間抜けな蟹たちをを水没したビルの下敷きにしてやった事もある。

でも、あの日は勝手が違った。
いつもの海域、いつもの深度。 いつもの海底地形で、いつものソナー反応で、いつものサルベージ作業、そのはずだった。
その日だけは、そうじゃなかったんだ。






41 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:20:13 ID:p/pQyGzG




42 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:20:35 ID:LOLEcoJM
「そっちの黒い頭がコッコドリッロ。 チビ助がタルタルーガ。 スクアーロは機嫌が悪いとすぐ噛み付くから気をつけて。 いつも機嫌悪いけど。
おっきい魚のビニール風船を抱えてるのがペーシェ。 元気なのがビングイーノで、隣がガッビャーノだけど、この子はメーヴェって呼んであげてね。
バッグを抱えてるのはチコーニャ。 でチコーニャと腕を組んでる色白そばかす娘がチーニョ。
赤い頭のフォーカとオターリャは双子だけど、この子達は手の甲の刺青で判別してね。 ちなみにフォーカの方がお姉さん。
それで、ラーナが抱っこしてるのが、末っ子のロントラ・マリーナ。 長いからロンもしくはマリーナって呼んでるけど」

その大部分が10歳以下であろう幼い少女たちに纏わりつかれながら、俺は困惑していた。
正直、紹介をされても数が多すぎて誰が誰だか判らない。 なんでこんな、小さい子ばかり何人も居るんだ。
ムスっとした表情で黙りこくっているラーナという三女が両腕で抱えている3歳児が、キャアと無邪気に笑う。
その顔に眩しいものを憶え、愛想笑いを返してやると末っ子・ロンが嬉しそうにまた笑い返した。
が、それを抱いている13歳くらいのラーナは仏頂面でこっちを睨み続けたままだ。
長女だというヴィーペラの方を向くと、

「……ラーナはいつもそんな感じだから、気にしないで」

と苦笑いで言われた。
だが次女のルチェルトラからも、少し離れた所から不審の視線を送られ続けている。
下の子たちからはともかく、この姉妹……俺をサルベージしてくれた恩人である少女たちの、年長組みの子らからは
どうも歓迎されて無いような雰囲気を覚えていた。

「ねえ、どうして海の底で眠っていたの?」

「アズミって変な名前ー!」

「このバッジなあに?」

「背が大きいねー、きっとルチェより高いよ!」

「ねー、そんな長袖の服着てて暑くないの?」

「アズミ、アズミ! こっち見て、ほら!」

過半数を超える小さい女の子たちは俺の服を引っ張ったり持ち物を物珍しそうに眺めたり、俺に矢継ぎ早に質問をしたりと忙しなく、そして喧しい。
兄弟がおらず、自分より年が下の子供が周囲に居なかった俺は、はっきりいってどう扱ったらいいのか解らない。
それにしても、どうしてこの子達はこんな好奇心旺盛に俺に構ってくるのだろうか。
ちなみに現在、歩きながらこの「基地」の案内と説明をされている途中である。



43 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:21:06 ID:p/pQyGzG




44 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:22:43 ID:p/pQyGzG




45 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:22:59 ID:LOLEcoJM
「……大人の男の人は随分久しぶりに見るからね。 みんなはしゃいでるのよ」

ヴィーペラはそう言って笑った。
ここに大人の男がいないっていうのは、最初彼女たちは微妙にはぐらかしていたが、最終的には説明してもらっている。
それは俺をかなり驚かせたが、もっと俺を驚かせたのは、俺が海の底で眠っている間に数十年くらいは
年月が過ぎていたと言う事で、それを聞いた時俺は思わず頭を抱えた。

最悪というのは、こういう事だ。
俺は文字通りの浦島太郎状態で、海上自衛隊はとっくの昔に壊滅しており、人類同士の戦争もほぼ決着が付き、
そして今はAIを搭載した無人兵器が人間を襲っている。
戦前のSF小説みたいな状態が現実になっていた。 いや、あの戦争も充分SF小説で予見されてたような状態だったけどな。
さらに何の因果か、絶海の孤島の海上油田の廃墟に、女の子たちと野郎一人。
ハーレム系のギャルゲか何かか。 笑えない冗談だ。
どうせ女の子なら、どうしてもっと年齢が上の方のお姉さん方を用意してくれないんだ。
俺はロリコンではないし、ましてやペドフィリアでもない。
女の子たちの半数以上が10歳以下って、戦前のマンガやジャパニメーションでも少ないんだぞ。 どんな需要だよ。
畜生、呪うぜ神様。 もともと別に信じては居なかったけど。
というか、既に俺の時代には宗教なんてものを信じる奴は本国が消滅して合流・吸収された元アメリカ海軍系の一部の連中ばかりで、
殆どの日本人は信仰とかに拘りを持ってなかったし、伝統ある八百万の神様の神社や仏様の仏閣は海の底だったわけだが。





46 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:23:49 ID:p/pQyGzG




47 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:24:17 ID:LOLEcoJM
「電源施設と居住区は第1階層だけど、屋上のヘリポートにも小屋が立ててあるの。
で、あんたはとりあえずそこに住んでてくれる?」

屋上へ向かう階段を登りながら、ヴィーペラにそう言われる。
なんだそりゃ。 さっき居住区を通りかかった時は、だいぶ部屋が余ってそうな感じだったんだがな。

「お前なあ……年頃の女の子が何人も居るのに、一緒に暮らすつもりか? 大昔の男はそうだったかどうかしらないけどさ」

俺が不満を口にすると、後ろに居たルチェルトラがあきれた声で返してくる。
ああ、そうでしたね。 いくらガキでローティーンって言っても、15とか14とかの女の子も居るんでしたね。
軍隊に入ってこの方、女との付き合いが無かったもんでね、デリカシーに欠けて申し訳ありませんでしたね。

だがな、そういう事を言うんだったら、お前らこそ服装とかに気を使ってもらいたいんだが。
俺がそう言うと、前後でヴィーペラとルチェが不思議そうな顔をする。
……もしかして、判っていないのだろうか?
俺が問題にしたいのはお前たちの格好だ。 年頃の乙女を気取るなら、もう少しその……露出をだな。
そろいも揃って下着なのか水着なのかよくわからん、ブラとパンツ程度しか無いような狭い布地で胸と下半身を覆ったものしか
体に身につけていないのはどうかと思う。
小さい子らはワンピースタイプの水着みたいな格好だが、ヴィーペラは紐水着みたいなセパレーツに薄いTシャツっぽい
(微妙に透けてる)のを上に着てるだけだし、ルチェは下乳が見えてる、ラーナに至ってはパンツがローライズだ。
コッコドリッロという子は下がスパッツだからまだいい。 タル…なんだっけ、タルタルーガ?は11歳児がマイクロビキニとか着るな。
上は辛うじてチューブトップだから許すとして。
いや別に、お前たちの胸とか尻とか裸とか見たって別に面白くもなんとも無いが。

「……何言ってんの? 暑いじゃん。 それよりあんたはそんな、全身ウェットスーツみたいなのにジャケット羽織って、暑くないの?」

「服に使える合成素材は少ないんだ。 私たちは妹たちの服を作って、その余りで自分たちのを作ることにしてる。
それでも、下の方の子は上の子のお下がりが多い」




48 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:25:32 ID:LOLEcoJM
……そうでしたか。
ちなみに俺の着ているのはガンベレットの操縦士が着用する潜水服で、深海での体温の保護・調節維持とか
長時間行動中の筋肉と精神の疲労を電気刺激で癒してくれるとか、色々便利な機能が付いているスーツだ。
地球上どこでも暑いのは俺の時代からそうだったし、現にこれを着ているから暑くない。
ちなみにジャケットもほぼ同じ機能が付いてて、スーツとはセットだ。
ただ体に妙にピッチリするのと、ゴムみたいな質感に包まれてるのとで着心地と動き心地は慣れないと気持ち悪い。



「いっくよおおおおおおおお!!」

暑い日差しが照りつける屋上ヘリポートの床を、ピングイーノ、愛称ピングが走り抜ける。
思いっきり助走をつけて、ヘリポートの端っこからはるか下の海面に向かってジャンプした。
俺が、おい!?と声を掛ける間もなく、叫びながらピングは落下してゆき、やがてドボン!!という大きな水音が聞こえてくる。
ピングが飛び込んだ地点まで行って下を覗き込んでみると、美しいブルーの波間にピングが顔を出して笑いながらこちらを見上げて手を振っていた。

「早くおいでよーっ!!」

いや、おいでって言われてもな……と俺は呆れる。
ここから海面まで、結構な高さがあるぞ。 あんな小さな子がよく平気でダイブが出来るもんだ。
そう思っていると、嬌声を上げながらまた一人、小さな女の子が俺の隣を走り抜けて海へと飛び込んで行った。
飛び込む瞬間、顔だけ俺のほうを振り向いて、ニコっと笑って小さく手を振る。
左頬に書き込まれた可愛らしいカモメの刺青が、妙に俺の印象に残った。
そして、その子も水柱を上げて海面にダイブ。 数秒して顔を出し、俺のほうを見上げてまた笑った。
まあ、すぐ海に飛び込んで泳げるという点では水着状の服というのも便利なのかもしれないな。
……たしかあの子はガッビャーノとか言った、気がする。
そして彼女のメーヴェという別名が、ドイツ語でカモメを意味する事にも気付いた。

そう言えば……ヴィーペラとルチェはそれぞれ左右のわき腹に、ラーナがおへその隣に動物の刺青を入れているのも思い出す。
確か、蛇、トカゲ、カエル…他の子たちも、それぞれ腕やら背中やら太ももやらに、一つずつ生き物の刺青をしている事に今更気付いた。



49 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:25:53 ID:p/pQyGzG




50 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:26:30 ID:LOLEcoJM
俺が、ヘリポートの隅のほうに立てられている廃材で組み立てられた小屋の方へ歩いていくと、
小屋の整理をしていたヴィーペラが「何?」と言いたげな顔をして振り返る。
……ちょっと待て。 この小屋は物置か何かに使われていたんじゃないか?
明らかに古臭い大小の、雑多なガラクタばかり出てきてるんだが。

「ああ、ピング? 変わった子でしょ。 ああやって高い所から飛び降りるのが好きなのよ。
本人は”空を飛んでる”つもりなんだとか言うけど、あんまりああやって飛び込み続けるもんだから、
『空を飛ぼうとしてるペンギン』みたいだって、父さんたちが名付けてね……それで、ピングイーノ。
今じゃ、他の子も真似してああやって海に飛び込むようになっちゃってね……」

いや、俺が訊きたいのは女の子がいきなり海に飛び込んだことでは無いんだが。
ペンギン……そうか、あの子の左腕上腕に入ってた刺青は、ペンギンだったのか。
つまり、この少女らは自分らの名前に合わせた刺青を、体に入れているのだ。 納得が行ったが、それってどうなんだ?
俺の居た時代の女の子たちには、いや女の子に限らず、刺青を入れる文化なんてマンガの中のヤクザしか居なかったから
どうも刺青というものには違和感を覚えてしまう。
女の子が、それもあんな小さい頃から体に彫り物なんかをして、モラル的にどうなんだろう。
まあ、モラルなんて俺がいた時代でも、建前上のものぐらいしか残ってないような者だったけどな……。
そういう風に考えていた真後ろを、また誰かが歓声を上げて走って行き、そして海に飛び込む。
今度の水音は二つだった。

「こらーっ! スクアーロ! ペーシェ! お前たちまで飛び込むんじゃない!!
ああもう……ラーナ、悪いけど水タンクの残量見てきてくれないか? あいつら上がった時に風呂に入れないといけないし
足りなくなったらまた精製しとかないと」

ルチェが海面ではしゃぐ妹たちに叫んでいるようだが、返って来るのは楽しそうな笑い声ばかりだ。
ラーナが無言で頷いて、小走りで階段を下りてゆく。 それにしても、ラーナって子は無口だ。
他の女の子たちがあんなにはしゃぎ回り……今も自分たちも海に飛び込もうとする双子の女の子をルチェが
追い掛け回している様子とかに比べると、どうも大人しすぎて浮いている。

「ラーナは『仏頂面のカエル』。 悪い子じゃないんだけど、元々大人しい上に、どうも人見知りする子だから……。
母さん以外に懐かなくて、父さんたちにもあまり好かれてなかった。
まあ、ラーナの方から父さんたちの事を、好いてなかった感じはするけれど」

俺がラーナの降りて行った階段の方を眺め続けていると、ヴィーペラが片付け作業をしながら語り始めた。
特に訊いては居ないし、教えてくれと言ったわけじゃないが。
それとも、そんなに気になっているように見えたんだろうか?



51 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:27:46 ID:FNpVNX2f
 


52 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:28:07 ID:LOLEcoJM
「……ちなみに私とルチェも、小さい頃は父さんたちになかなか懐こうとしなかったみたいで、おかげで
『毒蛇娘』とか『獰猛な肉食トカゲ』とか言われて、それが名前になったの」

……それは難儀な事だ。 そんな名前をつける親も、かなりどうかしてると思うけどな。
それにしても、髪とか肌の色とか、同じ姉妹とは思えないほど似てない子も多いな、と俺は呟いた。
中には何人か、容姿に共通性のある子もいるのだが。

「そりゃそうよ、私たち、みんな父親が違うんだから。
ああ、双子は別ね。 あと、タルタとチコは父親同じっぽい感じ。 ペーシェとロンは、確率半々って所かな」

ヴィーペラはこっちを向くと、事も無げに言った。
俺は少しの間その言葉の意味を考えて……少なからず動揺した。
おい、それってつまり……「父さんたち」ってのは、そういう事か!? 「父さん」と、他の人「たち」って事で無くてか!?

「あー、懐かしい! これどこに言ってたのかと思ったら……」

そう言って彼女が見せてきたのは、棚の上に置かれていた写真立てだった。
今より幾らか幼いヴィーペラと、彼女を背中から抱きしめて笑っている、日焼けした逞しそうな若い女性の写真だ。

「それ、サルベージした中にたまたままだ生きてるカメラとフィルムがあったから、父さんの一人が取ってくれたのよね」

二人で写真を除きこみながら、懐かしそうにヴィーペラが説明する。
俺は、随分と若い母さんなんだな、と何気なしに言った。
そして写真の中の、ヴィーペラ達の母親であるという女性は、とても美しかった。
全体的に漂う母親らしい慈愛の優しさと、多くの苦難を乗り越えてきたであろう、無い面の強さが外見の美しさに現われている、
そんな感じで表現できる人だと俺は思った。

「まあね、私、母さんが12か13ぐらいの時の子だし」

……その言葉に、俺は絶句するしかなかった。
何なんだそれは。 つまり、その……「父さんたち」ってのは、まさか。
その時、俺は旧に俺は後ろから両腕を掴まれた。 驚いて振り返ると、そこには双子の姉妹が揃って俺の両脇に立ち、
両方の腕を小さな両腕でしっかりと捕まえていた。
待て、なんで引っ張る? え、何? どこに連れて行くって? ちょっと、押すなって。 そっちは海……おい!? 危な……っ!?

朝から連続した驚愕の事実との対面に、かなり動揺していた俺は情けなくも4歳児の女の子二名に拘束されたまま
抵抗も出来ずに引っ張られ、海へと突き落とされた。
水音を立てて海中に沈む直前、俺は双子の姉妹であるフォーカとオターリャ…『いたずらアザラシ』『悪巧みアシカ』と
それぞれ呼ばれている少女らが、ハイタッチをして笑っているのを見た。




53 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:28:43 ID:p/pQyGzG




54 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:29:19 ID:LOLEcoJM
少女たちとたっぷり海水浴につき合わされた後、シャワー室で一緒に真水で海水と塩分と洗い流し、俺は再び
ヘリポートまで上がって自分に割り当てられた小屋に戻ってきた。
今の俺は、ジャケットとスーツの上を脱いで上半身裸だ。
あれから、ヴィーペラとルチェが二人して小屋を綺麗に片付けてくれたようで、どうにか寝られる位には整っている。
電気も付くという話だったし、急ごしらえで作られたベッドもある。
とりあえず、ジャケットとスーツを適当な所に干しておく。 明日には乾いているだろう。
それから、ギシギシという音を立てるベッドにゆっくりと腰掛けた。
これ絶対、適当なマットを適当な台や木製の椅子の上に乗せただけの代物だろ。


……サルベージされ、蘇生されてから驚きの連続の一日だった。

何十年も海底で眠り続け、目覚めた時には古巣の海上自衛隊は消滅していた。
相棒がどうなったのかもわからず、確認する術は無い。
それにしても、あの戦争を生き残った海上自衛隊が、今は影も形も無いってのは無常感を俺に刻み込む。
第三次世界大戦が始まると同時に、世界でも有数の戦力を保有していた海軍である海上自衛隊は当然の如く同盟国アメリカに
借り上げられ、世界各地に出張する事になった。
日本としては手放したくは無かったんだろうが、そうも行かないのが政治と外交のつらい所。
数年間、海外の様々な戦場で死線を潜り抜けた海上自衛隊の精鋭たちは、結局アメリカが大量破壊兵器で事実上消滅したのを機に
逆にアメリカ海軍を吸収して凱旋したが、その頃には海面上昇によって日本は半分以上水没、とても国を維持できる状態じゃなかった。
仕方なく、大量の被災民を抱えた上で新生海上自衛隊は住める土地を求めて戦う事になったんだが、
陸自と空自が壊滅し、陸上戦闘なんか出来ない状態になってた日本と自衛隊は海上と海中に縄張りを持つ事しか出来なかった。
それが、海上交易国家、新生日本の誕生だ。

しばらくは海上運送と沈んだ資源を引き揚げるサルベージ業を一手に引き受け、そこそこの勢力を保っていたんだが、
海底の資源をサルベージしたいのは日本だけじゃない。
当然、敵対する国家と戦争中の関係をそのまま持続した戦争になる。
無人水中攻撃艇「グランキョ」はそうして、海上自衛隊に対抗するために投入された。
皮肉な事に、グランキョを作ったのもガンベレットを製作したのと同じ、国を失くしたイタリアの亡命技術者で、
しかも元々同じ開発プロジェクトの同僚というより共同研究者。
元を同じくする親戚というか兄弟のエビとカニが、水中で戦いあう事になったわけだ。
そして、海上自衛隊を散々苦しめたグランキョは、今もしぶとく生き残って戦い続けている。



55 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:30:22 ID:LOLEcoJM
ちなみにどうでもいい事だが、ガンベレットとグランキョはどちらも「陸戦形態」に変形する機構を持っている。
通常は潜水艇だが、脚を展開して陸上に上がり、戦闘を行えるようになっている。
元々は海から進入して強襲揚陸作戦をするための機能というか、このシリーズの開発コンセプトがそうなのだが、
海上自衛隊がそれを採用したのは、いずれ機を見て住むための陸地を奪い取るためだった。
戦車とか装甲車とか、かつての自衛隊が保有していた戦闘車両は今は海の底だっため、代わりの陸戦兵器を調達する必要があったのだ。

だがはっきり言って、無用な機能だと思う。
確かに格闘モードによる接近戦は、結構有効な戦術として使えたし、格闘用アームは水中作業用のマニュピレーターとしても便利だった。
が、可動部が多くなると整備の手間が増えるし、そもそも俺も相棒も水中戦は何度も経験したが、ついぞ陸戦の機会なんぞ無かった。
海上自衛隊が、新生日本が戦いで疲弊し消滅してしまうまでに、陸上を占拠している敵国に対して侵攻作戦を開始できたかどうかはかなり怪しい。
陸戦なんかまず起こらなかったんじゃあないか、と思う。
つまりだ。 腕は10歩譲って、有用だと言ってもいい。 歩行するための脚は要らない。 無用の長物だ。
しかし、脚はハイドロジェットと兼用だ。 厄介な事に。
これが別々だったら、外して重量軽減の役に立ててやるのに。 そして代わりに、緊急浮上時用のフロートでも取り付けてやる。
相棒が生きていた頃は、共に何度も陳情申請を繰り返したものだが、最後まで聞き入れられる事は無かった。

……そうだ。 相棒は死んだのだ。 仮に沈み行く母艦から脱出できていたとしても、何十年も経った今も生きているわけが無い。
あの時仮眠に入る前に潜水母艦の待機室で最後に交わした言葉が、相棒との永遠の別れになった事を思い出し、
俺は感傷に浸りながらベッドに寝っ転がって目を閉じた。








56 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:31:49 ID:LOLEcoJM
夕飯の時間になってもあいつが降りてこないので見に行くと、眠っていた。
仕方が無いので起こすのも悪いから、そのまま寝かせておく事にする。
昼間、小屋の片づけをしている間は妹たちの遊び相手になって貰ってたし、相当疲れただろう。
小さい子たちの相手は私も疲れる。 一人二人ならいいんだけど、多いしね。
一応あいつの分の皿は、取り分けておいた。 後で目を覚まして降りてきた時の為。
まあ結局、次の日の朝になるまで起きてこなかったけど……。

夕食の後は、騒ぐ下の妹たちを上の子たちで手分けして寝かしつけるのに一苦労だ。
最近はタルタやスクアーロが下の子たちの相手を手伝ってくれるようになったけど、母さんが死んだ直後は本当に大変だった。
ピングは寂しがってメソメソ泣くし、チーニョは夜中に起きて泣き出すし。
母さんがいなくなった分、私やルチェやラーナといった年長組みが、自分も泣きたいのを我慢して、妹たちを慰めてあげなければならなかった。
それでも、もう4ヶ月もたてばそれぞれ母さんの死から立ち直って、少しずつ成長してゆく。
とくに『暴れワニ』のコッコは自分も4番目のお姉さんで、5番目の『頑固カメ』タルタよりも年上なんだ、という自覚が
出てきたのか妹たちを寝かしつける時には率先して絵本を読み聞かせたりするようになってる。

だから、その日の夜は、昼間に結構大きなイベントがあったにも拘らず、興奮覚めやらぬ妹たちを寝かしつけるのにさほど時間は要らなかった。
おかげで、皆寝静まった後に年長組みだけで秘密で話し合う機会が作れた。

「ヴィーペラは、あいつの事をどう思ってるんだよ。 親しげに話しかけたりなんかして」

居住区からもヘリポートからも離れた反対側の区画にあるクレーンの近くで、手すりに寄りかかりながらルチェは不満そうな声を上げた。
議題は主に、あいつの事だ。 私たちが沈没船から引き揚げて、蘇生させた、アズミダイスケとかいう、男の人。
見た感じ、割と若い人で、そんなに悪い感じはしなさそうではあった。
小さい妹たちがあれだけ興味を示したように、この「基地」にはほぼ2年ぶりとなる、大人の男の存在。
それは、「父さんたち」を思い出させ、どこか懐かしさを私たちに与えると同時に、不安にもさせる。
妹たちの中には物心付く前に「父さんたち」が死んでしまって、ほぼ初めての「男性」との接触になる子も居る。
だが、優しい父さんばかりではなかった事を、上の子たちはしっかりと憶えてもいるものだった。



57 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:32:33 ID:p/pQyGzG




58 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:33:25 ID:LOLEcoJM
「あいつはさ、結局、男なんだ。 私たちの潜在的な的。 貞操の危機って奴?」

そう、あいつも昼間、言っていた。 私たちの肌の露出がどうのこうのって事を。
幼い頃は、「父さんたち」に見られていても気にしなかった。
でも、15歳になった今は、なんとなくわかるような気がする。 意識する、と言う事を。

「あたしだってもう子供じゃないんだ。 母さんが、父さんたちに何をされていたのかぐらい知ってる」

昼間のあいつの顔も思い出す。 あいつは言葉には出さなかったけど、その表情が明らかにそう言っていた。
異常だ、と。 それは何となく私も予感していた。
私はどうやって生まれたのか。 どうして父親が、あの中の誰なのか判らないのか。
それを考えるのは、とても怖い。 自分が自分でなくなってしまうかのような、そんな不安がある。
ルチェはどうしてそんなに強く、きつい調子で言うんだろう。
私は母さんの子だ。 それでいいじゃないか。 父さんが誰だっていいじゃないか。

「優しい父さんもいたけど、私たちが「年頃」になるのを狙ってた父さんもいた。
2年前に最後の父さんたちが死んでなかったら、今頃どうなってたかわからないよ」

普段喋らないラーナも、珍しく自分の意見を言う。 しゃがんで尻餅をついて、こっちを見上げてくる妹の顔は、明らかに怖がっている。
……そう、そういう事だ。 最後の二人の父さんたちは、私たちに優しいほうだった。
でも、同時に余り好きで無い父さんや、明確に嫌いだった父さんとも、彼らは仲間で、十数年をこの基地で暮らしてきたんだ。
母さんと。 母さんを見つけて、この基地に置いて、そして、私たちを産ませた……。

「どうすんだよ、ヴィーペラ。 あいつ、このままここに置いておくのか?
だったらあたしは、間違いが起こらないように、全力であいつを見張ってなくちゃ行けない。
妹たちになんかあったらどうすんだよ?」

私は、ルチェとラーナにそう突き上げられても、返すべき最適な答えをまだ持っていなかった。
俯いたまま、最年長で、1番上のお姉さんで、妹たちを死んだ母さんの代わりに守っていくべき立場である私は、
妹たちに何も答える事が出来ないでいた。


(続く)


59 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:34:46 ID:LOLEcoJM
投下終了&支援に感謝
次回予告


こいつは紛れも無く、俺と相棒のガンベレットだった。 だが、どうしてこんな所に。


「どうすんのっ!? このままじゃ、基地が! 妹たちが!!」


うっさい、俺はまだ19だ。 おっさんとか言われるのに20年は早い


「できるの……あんたに!? ていうかなんで、あんたガンベレットのそんな事知ってんのよ!?」

任せろ、とうか信じろ。 俺が後席に乗っている限り、こいつは無敵だ。
たとえカニ野郎どもが何十隻いようとな。


第1話と第2話の作業中のBGM
青の6号は最高ですね
http://www.youtube.com/watch?v=1zE2-N7OFkE
http://www.youtube.com/watch?v=tQf-8WfxSgY&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=nCDIFzs_4eQ&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=kuYxo0yvN48&feature=related


60 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:36:32 ID:LOLEcoJM
あと、前回の次回予告の一部が今回分に入りきらなかったというか
前回と同じくらいの本文容量にならなかったので、
申し訳ないですが第3話文に回す事になりました…
ご容赦ください

そして戦闘もメカも今回無いよ!


61 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:38:21 ID:FNpVNX2f
乙です。
皆さんの感想をもう一度見返し、リアルの課題が済み次第読ませていただきます


62 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:40:04 ID:p/pQyGzG
>>60
投下乙でした
最近よく顔を出してくれて嬉しいですw

ヤバい過疎怖い過疎
皆読んでくるてるのかなっという投下した後の病気ががが


63 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:41:19 ID:FNpVNX2f
最近感想流れ気味っちゃ流れ気味ですが忙しいから仕方ないね


64 名前: 歯車 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:41:28 ID:HmLWwUTI
>>60
投下乙です。確認作業、放り出してついつい読み耽ってしまいましたwww
それにしても人様の作品を読んだ後に自分の作品を読むと吊りたくなってくるwww


65 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:43:12 ID:FNpVNX2f
海の作品書いてる自分として、Seirenesを読んでると吊りたくなる……


66 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:45:04 ID:kUIVT3M+
>>60
投下乙!

やだ、黒い……父さん達ってやっぱりそういう事なのね。。。
しかし12,3の子とかもう……リアル世紀末なかほりが悶々と漂ってきますええ。

そりゃアズミさんも警戒されるよね。。。
次回はどうも蟹が「基地」に襲来するようで、アズミさんの活躍に期待!次回も待ってますよー!


67 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:48:05 ID:8o2rX/bZ
 なんという投下ラッシュ……忙しくて感想書けない自分が腹立たしい。
 みなさん投下乙です!


68 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 23:58:28 ID:LOLEcoJM
追加おまけ

「コッコと!」

「タルタの!」

「「「Seirenes」どうでもいい裏話!!」」

「ぎゃおーたーべちゃーうぞー。 暴れん坊ワニさん、コッコです。
名前を英語に直すとクロコダイルになるんだよ

「頑固な陸ガメ、タルタだよ。 タルタも英語に直すとタートルになるんだよ。
タルタたちの名前は、全部イタリア語なんだよ」

「Seirenesはセイレネスって読むんだ。 セイレーンの複数形。
ほんとはタイトルをギリシャ文字でやりたかったそうなんだけど、機種依存文字らしく
どうも表示がおかしくなるんで、諦めたみたいだよ」

「主役メカのガンベレットは、エビなんだけど、なんか響きが主人公ロボみたいだったから
それだけで主役メカとして設定したらしいよ!
でも、第1話の描写を見る限り、大きい腕が付いてるし、エビというよりロブスターじゃないの?
ってヴィーペラたちが言ってたよ!」

「そして、コッコは第1話も2話も、名前は出てるのに出番も台詞も無いよ!
きっと作者が書き忘れたんだよ! あのマヌケ! アンポンタン!
あとでぶん殴ってやる!」

「ダメだよ! コッコが殴ったら壊しちゃうよ! コッコは馬鹿力だから、
缶詰だって素手で開けちゃうんだよ!? サルベージした箱とか容器とか開けるときは便利だけど」

「私もそのうち出番がくるのかな…折角、『名前の響きいい&愛称コッコにしたら可愛い』って
結構気合入れてキャラ付けしたとか言ってたのに、なんか扱いが不遇だよ」

「そんなこと言ったら、チコとかチーニョとかペーシェとかスクアーロも殆ど出番無かったりするよ?
きっと第3話では出番あるし、大活躍するよ…」

「「それじゃあ、第3話をお楽しみにねっ!!」」




69 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 00:00:26 ID:FNpVNX2f
くそ時間め


70 名前: 寝るまでが今日と言いはる>>882 ◆MVh6W.SAZtbu [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 00:34:01 ID:X7iLZQ3d
>>60
投下乙!
ガンべレットとグランキョはそういう開発経緯・関係だったんですか。互い・物語上に強い因縁のようなものを感じますね。
それと「父さんたち」ってのはやっぱりそういうことかい……
あと変な感想ですが、やっぱり真水は精製できるんですね。

>>24に感想いただいた皆さん、ありがとうございました!
>謎技術
実は非常に「つまらない」タネです。たぶん長さんとかDaZ氏とかが見ればオレが何やったのかすぐわかる。

ここのところ手描きをやったことで、やはり自分はデジタル絵では手描きに及びもつかないことを改めて思い知りまして。
で、だったらデジタル絵では「(俺には)手描きでは出来ないがデジタル絵なら出来る」ことをやろう、と思い、
それにただ男女二人の絵を描いただけじゃロボスレ出オチ絵師の名が廃る、ということで、ちょっとネタ仕込んだわけです。

>>36
喜んで頂けたのなら幸いです。守屋関係のカラーリングはあれでいいですかね? 特に銀髪の表現に自信が無い……
>体勢
見る者の体をも操る…… それがネタ絵の魔術師・6スレ目>>882

>>37
>下着で男女とも付ける種類の方うんぬん
んー、うまいこと色味とか調整してやれば出来そうな気もしますねえ。

さて、えー、しつこく投下して申し訳ありませんが、
おとんイメージラフ描けたんで晒します↓
http://dl7.getuploader.com/g/sousakurobo/717/lupus.jpg


71 名前: 歯車 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 00:37:16 ID:aQNKrZ4y
>>70
銀髪大丈夫ですよ。OKです。完璧です。GOODです。

そして、おとんかっけぇぇぇぇぇぇ!!! 最近のおとんったらシャカシャカヘイ♪とかやり出すモコモコの可愛い物体だっただけにギャップが凄いwww


72 名前: >>882 ◆MVh6W.SAZtbu [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:12:20 ID:X7iLZQ3d
>>71
>銀髪大丈夫ですよ
それなら一安心―――と。未だに塗りに対して手探りの部分が大き過ぎる……

>おとんのギャップ
ギャップ――― それは笑いの一つの重要な要素である。ゆえに、「ロボスレの筆頭芸人」を自任する>>882がギャップにこだわるのはある種の必然とさえいえるだろう。


73 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:33:22 ID:6UkKzkTB
乙です。
マニュピレーターが無くてもおとんなら子育てくらい出来るに違いないと思いつつ就寝


74 名前: 歯車 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:33:24 ID:aQNKrZ4y
それでは、GEARS最終話(前)の投下を開始致します。


75 名前: 歯車 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:34:55 ID:aQNKrZ4y
と思ったら、なんか怒られたので再修正orz


76 名前: 歯車 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:49:59 ID:aQNKrZ4y
気を取り直して、投下を開始致します。
一行辺りに書ける文字数が不明すぎてオソロシア


77 名前: GEARS最終話(前)1/9 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:50:40 ID:aQNKrZ4y
統合歴330年3月12日

荒れ果てた無人のギアスタジアムの中央で二体の鉄巨人が火花を散らしながら幾度と無く激しくぶつかり合う。
その名が示す通り全身を真紅に染め上げた流線型の高機動スポーツギア、スカーレット。
それを迎え撃つは太古の悪魔の名を冠し、深緑と黒の鋭角な形状のスポーツギア、ティアマット。

本来ならば出場種目が異なるため、決して同じフィールドに立つ事の無い二体の鉄巨人。
二振りの銃剣で肉迫する真紅に対し、悪魔は一振りのハルバードを構え真紅を睥睨した。

スポーツギアの競技用兵装として使用される長槍や大剣、大鎌などの長物は様々な仕掛けが施されており、爆発的な斬撃速度を持つブースト付きを始めとする見た目とは全く性質の異なる武装が多く存在している。
寧ろ、矢神玲の愛機リヴァーツの専用斬馬刀の様に重量を増やし、純粋な破壊力を高めた武器の方が珍しいと言える。

ティアマットが装備しているハルバードも多分に漏れず、多彩な仕掛けが施されている。
それはブースト付きの様に扱い易く、手軽に攻撃力と手数の向上が可能な実用的な仕掛けでは無く、扱い辛い上に実用性は皆無でどちらかと言えば、演出としての意味合いの方が強い。

だが、製造メーカーであるティアマット社はそんな事など微塵にも思っていない。
実用的且つ、効率的に対戦相手を撃滅し、どんな武器よりも観客を魅了する事が出来る最高の逸品であると考えている。
勿論、使いこなす事が出来ればの話だ。では、ティアマットを従える戦士、月島静丸はどうなのか?

加賀谷はスカーレットのブースターを巧みに操り急速接近したかと思えば、急制動をかけ緩慢な動きで宙を舞いながら正確な射撃をティアマットに浴びせ、距離を離す。
放物線の頂点に到達したかと思えば、目にも止まらぬ速さで地に降り立ち更に砲弾を放つ。

急加速で大地に降り立ち、衝撃を押し殺している今が接近のチャンスだと接近すれば、重量も重力も無いと言わんばかりに、風に流される羽毛の様にひらひらと後退していく。

だが、月島には焦りも無ければ、苛立ちも無い。
推進装置を持つスカーレット、それを持たないティアマットでは機動力の差で翻弄される事など戦う前から分かり切っていた事だ。
それに相手は団体戦において最強無敵無敗を誇る選手だ。容易く打倒出来ると思っていない。

(矢張り、手強い……な)

緩慢かと思えば鋭敏。近付いたと思えば遠退き、距離を離したかと思えば距離を詰められ斬撃が来たかと思えば射撃。
牽制射撃のタイミングで精密射撃。常に表裏一体の行動で裏を斯いたと思えばセオリー通りの行動に出る。

完全に加賀谷のペースに呑まれた月島は集中力を掻き乱され、攻めに転じるタイミングを挫かれ防戦一方に追い込まれている。
とは言え、加賀谷の術中に嵌っている事を自覚出来るだけの思考力、素直に感嘆の溜息を吐く程度の余裕が残されており、冷静に攻撃の機を伺う。

一見して流れは完全に加賀谷の方へと傾いているが、加賀谷もまた完全には攻め切れずにいた。
一貫性もリズムも無い機動でティアマットを引っ掻き回し、月島の集中力を乱してはいるものの、守屋や矢神を始めとする多くの選手達に辛酸を舐めさせたハルバードの正体を掴めず、深く切り込む事が出来ないでいた。
加賀谷が攻めあぐねていると、ティアマットは両手で構えていたハルバードを片手で構え直し、スカーレットに、その矛先を突き付けた。

「そろそろ、仕掛けるぞ……ウェポンスプレッド」

月島の音声を認識しハルバードが斧、剣、矢、槍、鎚等の九つの武器に分離し放射線状に飛び散り、スカーレットの死角を突くかのように頭上や背後から襲い掛かる。

「ッ……守屋を殺った攻撃か!!」

守屋の勝手に殺さないで下さいという突っ込みが外から聞こえるが、既に外部の声など意識の外だ。
螺旋を描きながら左右から飛来する二振りの斧に砲弾を叩き込んで軌道を逸らし、背後を狙う飛刃を振り向き様の斬撃で弾き飛ばすが、散弾の様に放たれた武装の数々は意思を持っているかの様に執拗に加賀谷を攻め立てる。

だが、一対一の戦いに慣れ過ぎている個人戦の選手と違い、団体戦の選手である加賀谷にとって四方八方から攻撃を受ける事など日常茶飯事で、それらの攻撃の対応など難しいものでは無い。
舞うように飛翔し上下から飛来する二本の短槍を切り払うと、ティアマットが短刀を逆手に持って無数の剣閃を放つが、加賀谷は斬撃の始点を右腕の銃剣で貫き、左腕に握った銃剣で短刀を握るティアマットの右手を撃ち抜く。


78 名前: GEARS最終話(前)2/9 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:51:22 ID:aQNKrZ4y
加賀谷はティアマットに対し格闘戦仕様ギアのアキレス腱とも言うべきマニピュレーターを、一つ奪い取った事に満足しながらも油断無く距離を取り銃剣を構え直した。
その直後、背後から鋭利な物で撫で斬りにされた様な微細な振動がコクピットに響き、加賀谷が反射的に機体を前進させると、モニターにダメージレポートが表示される。

背部メインブースターに中程度の損傷。推力30%低下――
加賀谷はこれまでの経験から愛機を削り取った攻撃の正体を一瞬で看破する。

「この感覚と威力は……鋼線か!」

本来、正面から撃ち出された武器が上下左右から愛機に襲い掛かった時点で疑いを持つべきだったのだが、多方向からの一斉攻撃に慣れ過ぎていた事が逆に足かせとなり判断力を鈍らせてしまっていたのだ。
その結果、音も無く愛機を斬られて初めて、ティアマットの左腕に握られたハルバードの柄から九本の鋼線が蜘蛛の糸の様にフィールド上に張り巡らされていたことに気付いたのである。

「気付くのが早いな……大抵の相手ならば"糸"を使うまでも無く刃の弾頭に倒れ伏すのだがな」

ティアマットが左腕に持っている柄を振り回すと、スカーレットに弾き飛ばされた武装の数々が空中で、その軌道を変え再びスカーレットに襲い掛かる。

「団体戦では全周囲に気を配り、攻撃の気配を探らねばならんからな」

この程度の芸当は造作も無いとでも言いたげな声色で返すものの、攻撃を弾けば弾くほど鋼線は複雑に結び付き、結界は密度を増しスカーレットの動きを封じ込め、流石の加賀谷も焦燥の色を強める。

「打つ手無し……か」

「加賀谷、確かにお前は強い。だが、お前には守屋や矢神の様な我武者羅さ足りない」

だから勝てないんだと付け足し、月島は鋼線に繋がれた武器を猛スピードでティアマットの左腕に手繰り寄せ、その勢いに煽られた鋼線が無軌道な斬撃の嵐となり暴れ出す。
そして、スカーレットを中心に三つの砂柱が巻き上がり、地中で結界の支柱の役割を果たしていた小槌がスカーレットの脛から下を打ち飛ばし斬撃の嵐の中に叩き入れる。

「足掻きに足掻いて抜け出して見せろ。お前を慕う選手達なら此処で諦めたりはしないぞ」

「気軽に言ってくれる……!」

だが、後輩達の手前もある。全神経を集中し、鋼線による斬撃の軌道を頭の中に思い描く。
この嵐も全ての武器と鋼線がハルバードの元に戻る一瞬を凌ぎ切れば良いだけの事だ。
避け切れない攻撃を両脚やスラスター、肩の装甲等の次の攻撃に必要の無い部位を犠牲にして、嵐が止むのを必死に耐えようとするが、勢いも数も尋常では無い。
斬撃を受け流し続けるのにも限界があり、摩擦熱で刀身を斬り落とされ発射機構が爆発し、肩口から左腕が弾け飛び錐揉みしながら大地に落下する。

「これではまるで守屋だな……まあ良い。偶には頑張ってみるか」

右腕に残された銃剣を宙に放り投げ、大地に右腕を突き、残った衝撃緩和剤を噴射し、墜落と右腕の損壊を防ぐ。
ブースターを点火。急上昇し、弧を描きながら宙を舞う銃剣を握り締め、急降下しながらティアマットに猛追する。

「…捨て身のつもりか? 流石にそれは愚かでは無いのか?」

ティアマットは再び、ハルバードを片手で構えスカーレットを絡め取ろうと武器を炸裂させする。

「頭が良いんでな。これでも理詰めさ」

加賀谷の皮肉に月島の目が釣り上がる。

(この状況で……何か仕掛けるつもりか)

加賀谷は対戦中に虚勢を張る事も無ければ謙遜する事も無い。出来ると言えば出来るし、出来ないと言えば出来ない。そんな選手だった。
それを薄々と感じ取った月島は加賀谷の様子に強い警戒心を覚え、満身創痍の加賀谷に油断する事無く意識を集中し、迫り来るスカーレットを力強く見据える。

「余計な物は全て、削ぎ落とした……後は!!」

加賀谷はブーストレバーを一気に最大値に引き上げ、スカーレットの背中から装甲と同じ色の巨大な焔の翼を生やし、閃光と見紛う程のスピードでティアマットに突進する。
攻撃に不要な部位を全て切り落とし、低下した推力を補い、高高度からの落下速度を上乗せして、本来の能力を遥かに上回る機動力を右腕に乗せ
我が身が砕け散るのもお構いなしの一撃必殺の一閃に月島は舌を巻きつつ、大地を蹴り抜き正面からスカーレットを迎え撃つ。
だが、加賀谷はティアマットが振り落としたハルバードなど在って無いような物と言わんばかりに粉砕する。
それでも、月島は容易く首を渡して堪るかと、マニュピュレーターが欠損した右腕を盾にスカーレットの突撃を食い止める。


79 名前: GEARS最終話(前)3/9 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:52:06 ID:aQNKrZ4y
拮抗は一瞬。ティアマットの機体性能自体がそれ程、高くない事もありその勢いを押し留めるには遠く及ばず、加賀谷はティアマットの右腕ごと、その首を貫かんと力を込める。

「チッ……矢張り手強い……だが!!」

月島はティアマットの右腕が爆散すると同時に身を捩りながら、足元に転がったハルバードの残骸を蹴り上げ、左腕で握り締め、弧を描くようにスカーレットの頭部を跳ね飛ばし、大地へと叩き落す。

「紙一重……か」

加賀谷の繰り出した最後の一撃は紙一重の所でティアマットの頭部から逸れ、右肩を深々と貫いており、流石の月島も加賀谷の技量に慄きを隠せず呟いた。

一方の加賀谷はというと、月島との対戦で得心がいったらしく満足気な表情で汗を拭い、コクピットの開閉スイッチを押し、コクピットを模したシミュレーターマシンのハッチを開いて、外に出た。
浅黒い肌に猛禽類の様な鋭い瞳に守屋よりも青みがかった銀髪の長身痩躯の男……今し方、対戦していた岸田学園の月島静丸が加賀谷を出迎えた。

「個人戦の勘は取り戻せたか?」

「お陰様でな。助かったぞ、月島」

遂に訪れた高校スポーツギア全国大会。八坂州の代表メンバー達は、開催地の砕牙州へ向かう道中の暇潰しに移動車輌に備え付けられたシミュレーターで各自、思い思いの練習を行っていた。
全国大会での種目は全て個人戦となっているため、加賀谷は個人戦の勘を取り戻そうと月島との手合わせを頼んだというのが事の次第である。

「加賀谷、お前は八坂州の柱だ……練習とは言え、簡単に敗北する姿を晒すな。士気に関わる」

満足気な表情をしている加賀谷に対し、月島の表情は芳しくなく加賀谷に苦言を吐いた。

加賀谷が振り返ると守屋や、矢神を始めとする八坂州の代表選手が呆気に取られた顔をしている。
団体戦から選ばれた代表選手達4名は公式大会で加賀谷に嫌という程、捻じ伏せられた経験があり、守屋も練習の度に地に叩き落された。
矢神も年末に善戦空しく敗退しており、小野寺にしても直接、拳を交わした事は無いが、その力は何度も目の当たりにしてきている。
代表メンバーの実に過半数が加賀谷の力をよく知っているだけに、そのショックは隠せない様子だった。

「団体戦なら兎も角、俺と月島が一対一で戦って、俺が勝ったらお前の立つ瀬が無いと思うが?」

高校卒業を目前に控えている加賀谷は、この大会が終われば守屋達の面倒を見る事も無くなる。
何より、外の世界にはまだ見ぬ猛者が多く待ち構えており、加賀谷は自身の事を一挑戦者としか思っていない。
誰が勝っただの負けただので心を乱されているようでは、まだまだだなと肩を竦めた。

「いい加減に親離れして貰わねばならんのだがな」

「自らが慕う者が敗れる姿を見て良い気になれる筈もあるまい……察してやれ」

加賀谷がやれやれと肩を竦めている内に一行を乗せた車輌は州境を越え、砕牙州へと到着する。

(内紛があったって言ってだけど八坂と同じで平和その物じゃないか……ま、砕牙も広いしな)

「何を呆けている?」

半月ほど前、父から砕牙州の動乱を聞かされていた守屋は砕牙の変わらぬ姿に安堵しつつも、拍子抜けしたような表情で倭国の面影を色濃く残す砕牙の景色を眺めていると、背後から凛とした少女の声が投げかけられた。

「小野寺先輩に矢神サン……この面子の中で俺一人、浮いているなと思って」

守屋が振り向くとコーチ役の小野寺織、親友兼ライバルの矢神玲が相も変わらず、二人連れ立っていた。
二人の身長差は優に40cmを越え、並んで話しかけられると、あからさまな視点移動をせねばならず、非常に気まずい思いを強いられ辟易する思いで返事をした。

砕牙で内乱があったなどと言って、大会前のテンションに水を差すのも馬鹿らしいので、誤魔化し半分の言葉を洩らした。
三年連覇の月島静丸に加賀谷望を始め、剣戟戦闘最強と名高い矢神玲に個人戦重装備部門で砕牙州と八坂州の二州を制覇した小野寺織。
団体戦から選ばれた4人の選手達もいずれも劣らぬ実力と実績を兼ね備えた猛者達。
自分が酷く場違いな場所に居るのでは無いかと、少しばかり居心地の悪い思いをしていた。

「阿呆が! だから、この大会で立ち塞がる奴等を全員、薙ぎ倒しに来たんだろうがよ!」

そして、矢神は気合を注入してやると言わんばかりに守屋の背中を思いっきり引っ叩いた。


80 名前: GEARS最終話(前)4/9 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:52:47 ID:aQNKrZ4y
「まあ、私の名の影に隠れんよう精々、気張る事だな」

何かと対照的な二人組が、これまた対照的な物言いと態度で守屋を激励した。
程無くしてから、2万uの広大なバトルフィールドをカバーする球状ドームを12棟も備える地球50州の中でも最大の規模を誇る砕牙州立スポーツギアスタジムに到着した。

「いつもの事とは言え、仰々しい警備だな……」

スタジアムの周辺を取り囲む様に警察のパトロールギア、エイテンが警備に当たっており月島と加賀谷は同じような事を口にし、微動だにしないエイテンを流し見ている。
守屋もエイテンが要塞を取り囲む鉄の騎兵に見えてしまい、何処と無く物々しさを感じていた。

「人が多く集る場所ってのはテロリストみたいな武装犯罪者にとって格好の餌食ですからね」

現に守屋達は去年の八坂州野宮地区大会の決勝戦で50機のスポーツギアに襲われており、決して非現実的な話では無かった。

「だけど、精鋭揃いの大会でテロなんてやるかなぁ? 返り討ちに遭うだけって分かんないかな?」

守屋の意見に反論したのは守屋と同様、全国大会初出場の選手、片桐セイナだった。

「向こうはそう思っていない。アームドギアを使っている連中の中でも軍人崩れの奴なら尚更な」

「全国の精鋭による大会とは言え、スポーツ目的のギアでは遊び同然というわけか……」

守屋の反論に加賀谷もやや不機嫌になり憮然とした表情で洩らす。
確かにこの大会に出場している選手ならば、最低でも単騎で五十機を殲滅出来るような猛者揃いだ。
だが、それは相手がスポーツギアで違法ギアに身をやつす様な操縦技術の低い搭乗者であればの話だ。
アームドギアと、スポーツギアではスペック差が10倍も20倍もあり、交戦するなど無謀以外の何物でも無い。

「だから、守る側もああやって高性能なギアを大量に配置しているんでしょうね」

「暇そうに突っ立ってるだけのオッサン達よりも下に見られていると思うと何だかなァ……」

「好きな様に思わせておけば良いでは無い。どうせ、性能が同じなら逆立ちしても私達には勝てんよ。
逆立ちしても勝てんから、寝てても勝てる様な高性能なギアを使って守っているのだからな」

あからさまに不満気な矢神に対し、小野寺が宥める様に声をかけるが矢張り、不機嫌そうだ。

(……大会の規模が大きくなる程、人も物も金も動く、開催地になりたがるわけだな)

選手専用の連絡路の窓から客席を覗くと途方も無い数の観客が試合を観戦している姿が守屋の目に映った。

(情報規制を行うわけだ。内紛があった州を開催地に選ぶわけにはいかんだろうからな……)

「ま……鎮圧したって言ってたし、俺には関係無いか」

八坂州代表選手用のパドックで愛機に乗り込みギア専用地下通路を通り、競技場へと歩を進める。
薄暗い通路を通り抜けると守屋とその愛機、アイリス・ジョーカーを出迎えるのは観客達の大歓声。

そして……

「あの機体は……機体照合開始」

守屋は対戦相手のギアを見て息を呑み、落ち着かない様子で敵機の情報を確認する。
本来なら、やる必要の無い行為だ。何故ならば――

≪機体照合完了――サンメードマテリアル社製スポーツギア、アイリス・ジョーカーです≫

その後も守屋のアイリスに搭載されたAIが対戦相手のギアの詳細スペックを淡々と語っているが既に守屋の耳には届いておらず、その表情は興奮と期待に満ちている。
アイリスタイプと言えば八坂州では守屋一刀の愛機というイメージが強いが、アイリスタイプの生産台数が多いという事もあり、決して珍しい機体では無い。
だが、守屋にとっては初のアイリスタイプとの対戦で、矢神との試合とは違った興奮を覚えていた。


81 名前: GEARS最終話(前)5/9 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:53:40 ID:aQNKrZ4y
「装備はナックルシールドの完全打撃特化型か……潔い選手だ」

拳を交わして測るまでも無い。この場に立っているという事こそが手練の証だ。
守屋は楽しくて仕方が無いという表情を浮かべ、拳を握り絞めるとアイリスも熱気に当てられたのか、己の写し身との初めての戦いに勇み立つかの様に身体を奮い立たせた。

試合開始のサイレンが鳴り、二体のアイリス・ジョーカーの全周囲モニタにGOサインが表示されると両者は、ほぼ同じタイミングで補整されたフィールドを蹴り抜く。
脚部よりも一回りも二周りも大きな穴を穿ち、甲乙付けがたい程の砂塵と爆風を巻き上げ、弾丸の如く一直線に鋭く肉迫する。
黒のアイリスが上半身を弓の弦の様に引き絞り、必殺の間合いに踏み込むなり、荷重の全てを右足へと移し、全てのギアを撃ち砕く剛拳を白のアイリスに叩き込む。

黒のアイリスにとっての必殺の間合い。それは同型機である白のアイリスにとっても等しく、必殺の間合いであるという事を意味している。
互いにアイリス・ジョーカーの性能と特性を熟知しているが故に、相手の攻撃のタイミングを読むのは非常に容易い。
その上、黒のアイリスの搭乗者は守屋と同様、スマートに勝ちを拾いに行く様なタイプでは無いらしく、最後まで立っていれば良いと考え、守る事を一切考えない鋭い攻撃を繰り出した。

互いの間合いに踏み込む白と黒。その刹那、守屋は思考を張り巡らせる。

(ナックルシールド……威力は奴の拳の方が遥かに上だ)

思考と言うには、あまりにも大袈裟、大雑把、短絡的。寧ろ、何も考えていないと言っても何の差し支えも無い。

守屋が出した結論。それは―

(だが、俺の拳の方が疾い……奴の拳が最高速に達する前に押し潰せる。いや……)

何の躊躇も無い愚直なまでの最高最速、超高速の閃拳を黒の拳に叩き付ける。
黒の搭乗者は何ら驚いた様子も無い。寧ろ、そう来るであろう事は予想していた。
いや、予想以上の思い切りの良さに堪え切れず口の端を釣り上げた。

(威力はこっちが上。力で捻じ伏せる。いや……)

『その拳を叩き壊す!!』

愛機も同じなら、搭乗者の物の考え方も似たり寄ったり。
似た者同士が放つ最速の拳と、最強の拳が真正面からぶつかり合う。

だが、白の拳が如何に瞬速を誇ろうとも純粋な力の前では相手を制するには到らない。
とは言え、黒の拳が全てを砕く剛拳であろうと圧倒的な瞬拳の前では、その剛力を完全に生かす事も出来ず、白の瞬拳と黒の剛拳は鏡合わせの様に、その身を硬直させていた。

「チッ……」

守屋は仕留め切れなかった事に苛立ち舌打ちするが、それとは裏腹に満足気な表情をしている。
並大抵の相手ならば、今の一撃で拳ごと頭部を叩き潰せていた程の一撃だ。
それを力押しで阻まれた事に守屋はアイリスの格闘戦能力と、相手の技量と度胸に舌を巻きながら歓喜した。

守屋はチャクラムを起動させ、バックラーブレードを展開し、気化した衝撃緩和剤を振り払うかの様に切裂き、呼吸と共に白のアイリスは疾風迅雷の一閃を斬り放つ。
黒のアイリスがシールドナックルで、バックラーブレードを受け止めると、その激しい衝撃が火の粉となって周囲に降り注ぎ、鉄巨人達を幻想的に染め上げた。
守屋は円を描く様に身を翻し、ナックルシールドを撫で斬りにして、高速回転しながら火花を散らすチャクラムシールドナックルの切れ目を狙い撃つ。

内側から破壊されたナックルシールドは小さな爆発を伴い、破片の雨となって二輪の菖蒲を叩いた。
黒のアイリスは慌てた素振一つ無く、無手となった右腕を後ろ手に白のアイリスへと間合いを詰め、守屋もあらゆる奇手奇策に対応出来る様にブレードを構え直し、剣閃を切り結ぶ。
間断無く放たれる無数の剣閃を黒のアイリスはナックルシールドで受け流し、後ろ手に隠した右腕を振り上げ、黒光りする鉄塊で五月雨の様に放たれる剣閃を食い止める。

「戦斧かッ!」

守屋の斬撃を受け止めた黒い鉄塊、それは反り返った片刃を持ち一枚板の合金で鋳造した刀身と、柄が一体となったトマホークだった。
出力と機体重量は全く同じ。単純な力の押し合いでは拮抗するのは自明の理。無意味と言っても良い。
黒のアイリスは守屋の力を受け流しながら身を翻し、一瞬にして守屋の背後を取り、その後頭部に目掛けてトマホークを力任せに振り落とす。


82 名前: GEARS最終話(前)6/9 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:54:21 ID:aQNKrZ4y
守屋が背後を振り返る事無く、背中から黒のアイリスの懐に飛び込み間合いを詰めると、黒のアイリスが振り落としたトマホークは白のアイリスの頭部よりも遥か前方。
漸く訪れた勝機に守屋はニヤリと笑い、何も無い空間に黒の残影を残した右腕を受け止め、黒のアイリスの軸足を蹴り払い重心を崩し、背負い投げで地面に叩き落す。
流石の黒のアイリスも投げ飛ばされた経験は無いらしく満足に受身も取れず、背中から派手な音を立てながら地面に叩き付けられる。
だが、アイリス乗りの性か搭乗者もしぶとく地面に叩き付けられ、機体がバウンドすると共に機体を一回転させ、再び両の脚でしっかりと大地を踏みしめる。

守屋も別段、驚きもしない。一年満たずとは言え、このアイリス・ジョーカーで多くの強敵達との激戦を潜り抜けて来たのだ。
如何なる時、如何なる場所、如何なる相手であっても最後の最後まで倒れる事を知らない鉄巨人。
アイリス・ジョーカーが鋼の身体に不屈の魂を宿すスポーツギアだという事を身をもって知っているからだ。

守屋は黒のアイリスが斧を構え直したのを確認して、攻撃を再開しようと身を沈めると試合中断のサイレンが鳴り、アイリス・ジョーカーのモニタには試合中断のサインが表示される。
怪訝な表情をしていると大会本部からマップデータが転送されてきた。そのタブに記載されている文字は――

――脱出経路

十二に分かれたスタジアムで激しい激闘を繰り広げ、それに熱狂していた観客達が静まり返る。
スタジアムが静寂に支配されるのも一瞬。スタジアムの外で鋼が断ち切られる様な轟音が轟いた。
そして、徐々に近付いて来る爆音と、航空機の排気音によく似た耳をつんざく高音がバトルフィールドに響き渡った。

「避けろ!! 黒のパイロット!!」

守屋が外部スピーカーのスイッチを入れ、叫びながら駆け出すと同時に空から光の粒子が撃ち放たれ、大地を蹂躙しながら黒のアイリス・ジョーカーの背後に迫り寄る。
黒のアイリスの搭乗者が試合とは全く別次元の絡み付くような殺気を感じ背後を振り返ると、吐き気を催す程のドス黒い殺気を内包する光の粒子が眼前にまで差し迫っていた。
そして、それが恐ろしい物だと直感的には理解していても、粒子の奔流に神秘的な物を感じ、見惚れたまま動きを止めてしまった。

「クソッ……逃げろって……」

守屋は大地を蹴る脚に力を込め、黒のアイリスの腕を引っ手繰る様に掴み上げると同時に黒のアイリスの半身が光の粒子に飲み込まれ始めた。

「……言ってるんだ!! 死にたいのか!!」

守屋は苛立ち一つ隠さず、黒のアイリスを光の粒子から引っ張り上げ、安全圏へと蹴り飛ばすと黒のアイリスはよろめきながら、転倒しないように何とか踏みとどまる。

「ビーム兵器だ! スポーツギアの装甲なんか一瞬で蒸発するぞ!」

それまで呆けていた黒のアイリスの搭乗者は守屋に怒鳴りつけられステータスパネルを見て息を呑んだ。
光の粒子に飲み込まれていたのは半身のみ。それも一瞬だけだったのにも関わらず、堅牢を誇るアイリス・ジョーカーの強靭な右腕が消滅しており、全身に深刻なダメージを受けている。
更にコクピット内にはビーム兵器特有の異臭が入り込んでおり、黒のアイリスの搭乗者はこの悪臭がまるで自分を死に誘う死神の気配の様にも感じて酷く狼狽した。

ビーム兵器の威力はスポーツギアの装甲程度なら一瞬で溶かし尽くし、紙一重で避けたとしてもエネルギーの余波で内部機構に深刻なダメージを与える。

「ジョーカーならまだ動ける! 今、動けば死にはしない! さっさと逃げろ!」

黒のアイリスの搭乗者は守屋の檄を受け、這う様にして連絡通路へ向かって走り出す。
本来のアイリス・ジョーカーにとっては瞬く間に駆け抜ける事の出来る程の距離にも関わらず、全身を灼かれたせいで上手く走れない。
だが、懸命に足を動かしどうにか連絡通路の入り口まで後一歩の所まで辿り着く。

これで一安心だと安心した所で黒のアイリスの搭乗者はある事に気付いた。

――響く、足音は己の足音のみ

あの恐ろしい粒子の渦から、自分を救い出してくれた白のアイリスの搭乗者が後から着いて来る気配を感じ取る事が出来ない。

「……まさか」

黒のアイリスの搭乗者は総毛立つ思いをしながら、背後を振り返ると白のアイリスが連絡通路に背を向け、空を見上げていた。

「何をしてるの! 君も早く!!」

搭乗者は外部スピーカーのスイッチを入れ鬼気迫る声で叫ぶが、白のアイリスは背を向けたまま、身動き一つしない。


83 名前: GEARS最終話(前)7/9 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 01:55:22 ID:aQNKrZ4y
「この会場には霧坂が居る……露払いもせず我先に逃げるわけにはいかん」

そして、守屋とアイリス・ジョーカーは空を――いや、黒のアイリスに光の粒子を放ったギアを二体のアームドギアを睨みつけた。

「じゃ、じゃあ……私も……」

黒のアイリスの搭乗者はあまりにも無謀過ぎる戦いに挑もうとしている守屋に助勢しようと渋々、身を翻した。

「相手はアームドギアだ。スポーツギアで太刀打ち出来る相手じゃない。その損傷状況なら尚更な」

「だ、だけど君だって……」

「問題無い。コイツはあの手合いとも戦える特別製だ。ジョーカー……フルドライブだ」

守屋は尚も食い下がる黒のアイリスの搭乗者の制止を無視して、競技用では無く戦闘用のシステムを起動する。
プラズマジェネレーターが紫電を放ち異音を立てながら、アイリス・ジョーカーに更なる力を与える。
全身に回るエネルギーの渦は過負荷状態となり、膨大な熱にアイリスは湯気を浮かべ、陽炎を揺らめかせると背面部のカバーが開きマント状の放熱シートが広がる。

「八坂高校一年、守屋一刀だ。またいつか、決着をつけよう」

守屋はスタジアム内に降り立つ二体のアームドギアに向かって駆け出し、外部スピーカーの音量をMAXにして叫ぶ。

「逃げろ、霧坂! この場は俺が抑える!!」

守屋の叫びが霧坂に届く。しかし、それはアームドギアのパイロット達にも届いている……いや、聞かせてやった。

一人は侮蔑の笑みを浮かべた。アームドギアを相手にスポーツギアで勝負を仕掛ける? 正気か――と。

もう一人は苛立ちの表情を浮かべた。ガキのスポーツ用品如きで俺達を抑える? ヒーロー気取りのクソガキが――と。

案の定、安い挑発に引っ掛かった二体のアームドギアはバトルフィールドに降り立ち、アイリス・ジョーカーを攻撃目標に定める。
地球統合軍主力量産アームドギア、ストライカー。本来ならば違法組織の手に渡る事など絶対に有り得てはならない程の超高性能機だ。
固定武装は二種、腰部に収容された二振りのビームセイバーに、肩部のメガビームキャノンとシンプルながら、去年の秋に攻め込んできたバリエントとは比べるべくも無い程の性能を持つ。

本来ならば泣いて謝ってでも逃げ出したくなる様な相手だが、身体の各所に真新しい損傷をこしらえた二体のストライカーの状況を察するに絶体絶命には程遠い事が見受けられた。
守屋を嘲っている方は左半身にキャノン砲を失う程の大きな損傷を受けており、守屋に苛立っている方は両腕を欠落しておりセイバーを振るう事が出来ないでいる。

彼等に対し、手傷を負わせた相手は警備に当たっていた警察のパトロールギア、エイテンである事は間違い無い。
だが、エイテンは一世代前のアームドギアをベースに改修を受けた機体で、武装も周囲に影響の及び難い低出力のビーム兵器を装備しており、数の利があるとは言え、ストライカーに太刀打ち出来るような性能では無い。

装甲強度、出力、耐久性、耐ビーム防御、稼動時間、機動力、追従性、環境適応能力。
それらの全てがエイテンより遥か上を行き、特にビームに対するバリア機構は余程の大出力ビーム兵器で無ければ無力化は非常に困難を極める。
エイテンの装備では損傷を与えるのは不可能と言っても良い……それにも関わらず、彼等の損傷は酷く激しく、ストライカーの能力を持て余しているのは明らかだった。

(コイツ等は軍人崩れの類じゃない……あまりにも稚拙過ぎる)

尤も、それはギアの操縦技術に限った話であって、彼等の放つ殺気は少しの陰りも無く、違法ギアの様な度を越した悪ふざけをしている連中とは違い、明らかに暴を生業とする者達である事は紛れも無い事実だ。
何より、守屋とアイリスに勝機があるのかと問われると限り無くゼロに近く無謀な戦いである事に違いは無い。だが、この戦いにおける守屋の勝利条件とは敵を撃破する事では無い。
今、こうしている間にもスタジアムの外では敵と警察が凄まじい激戦を繰り広げている最中で、援軍の到着も時間の問題だ。ただ、それまでの時間を稼ぎ切りさえすれば良いのだ。

「毎回毎回、良い所で邪魔しやがって……いい加減にうんざりんだよッ!!」

霧坂達が避難するまでの間、敵の目を自分に引き付るだけで良いのは分かっている。
その為だけに、この場に留まっているのだから。しかし、それを理性で理解していても感情は別だ。
事実、守屋は辟易し苛立っていた。毎回だ。毎回、こうなのだ。

初めての襲撃では、アイリスを工場送りにされ、ビーム兵器恐怖症を患い、二度目の襲撃では試験勉強の邪魔をされ、三度目の襲撃では矢神との決着を邪魔された。


84 名前: GEARS最終話(前)8/9 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 02:00:23 ID:aQNKrZ4y
四度目は霧坂が捕らわれた。そして、五度目の襲撃でこの有様だ。何故、こうも自分が心の底から楽しんでいる時に横から沸いて出て来るのか?

「本当にうんざりだ……失せろ!!」

ストライカーが右腕から反り返った光の刃を形成し、巨大な砲口に粒子を集束させるが、守屋は恐れる事無く、二体のストライカーに肉迫する。
ビーム兵器に対する恐怖に打ち勝ったわけでは無く、ただ恐怖よりも怒りの方が遥かに上回っているだけだ。

血反吐が出るまで殴ってやらなきゃ気が済まない――ただ、その一心で一直線に間合いを詰める。
ビームの威力を目の当たりにしながら、恐れる事無く猛進する守屋の姿に驚きに目を剥くのも一瞬――

「ヘッ……いい度胸だ。自分が死なないとでも思ってやがんのか?」

左上半身を煤けさせたストライカーがブースターを吹かし、彼我の距離を一瞬にしてゼロにする。

「テメェ等は頭を潰しゃあ何も出来ねぇんだろうが!!」

ストライカーの搭乗者が言い終わるよりも早く、ビームセイバーがアイリスの頭部を跳ね飛ばす。
頭部を失ったアイリスは断続的に大地を蹴りつける両脚の動きを止め、力を失ったかの様にストライカーにもたれ掛かった。

「ハーハッハッハッハッハ!! 映画のヒーローみたいになれなくて残念だったなぁ!!」

ストライカーの搭乗者の哄笑がスタジアムに響き渡った。

アイリスのコクピット内では光が失われ、モニタには敗北の二つ文字が表示されているが、守屋の表情に寸分の衰えも無い。

「悔しくて、何も言えないかぁ? なぁ! おい!!」

嘲りの言葉を何度浴びせてもアイリスからは何の返答も無い事に気を良くしたストライカーの搭乗者はセイバーを逆手に持ち変え、コクピットに狙いを定める。

「エマージェンシーモード……再起動」

スポーツギアの事を勘違いしている者は非常に多い。例えば、頭部が弱点であるという事。
頭部を失う事により行動の全てが停止するというのは、ただの敗北演出に過ぎない。

そして、エマージェンシーモード。主に違法ギアの襲撃や災害発生時の避難時に使用する機能だ。
想定外の脅威から脱出する際、頭部を失ったからと言って一々、機能を停止していては話にならない。
試合のルールや損傷に関係無く迅速に避難する事に特化しており出力も引き上げられる。

一瞬にして力を取り戻したアイリスは上体を逸らし振り落とされるビームセイバーの柄目掛けて掌底を叩き付ける。
斬撃軌道が内側に抉りこむように弧を描き、自らのプラズマジェネレーターを貫き大爆発を巻き起こす。

「馬鹿野郎が! ガキなんぞに良い様にされやがって!!」

ビームキャノンのエネルギーをチャージしていたストライカーの搭乗者が悪態を吐き捨てながら、荒々しくトリガーを引いた。
燃え盛る爆炎のせいでアイリスの姿が見えないが、撃破された味方を撃てば外れたとしても余波で消し飛ばせる。
脱出出来ているか如何か分からないが精々、運を味方に付けるんだなと考えながら躊躇う事無く、仲間のギア目掛けてビーム砲を撃ち込むと見当違いの方向からチャクラムが飛来する。

「ガキの玩具が通用するか!!」

ストライカーの搭乗者は上半身を捩り、キャノン砲の砲身でチャクラムを叩き落すと、爆炎を切裂き刀身が剥き出しになったバックラーブレードが投擲される。
今度は無防備を晒し、装甲だけで弾き飛ばす。アームドギアにはスポーツギアの武装では傷を付けるのは困難……いや、不可能だ。

「効かねぇって言ってんだろうが、クソガキが!!」

それでも守屋は爆炎に紛れて三度目の投擲を繰り出すが、爆炎の目暗ましも長くは続かない。
爆炎が晴れ、ストライカーのモニターが片膝を付くアイリス・ジョーカーの姿を映し出す。

搭乗者は残虐な笑みを浮かべ、ビームキャノンのターゲットをアイリスに合わせトリガーを引くとビームキャノンの砲身が閃光を放ち、光の粒子は猛り狂ってストライカー自身を呑み込んだ。
表情を一片させ機体状況を確認するとキャノンの砲身に守屋が三度目の投擲に使ったストライカーのビームセイバーが深々と突き刺さり、砲身にスパークを走らせていた。


85 名前: GEARS最終話(前)9/9 ◆B21/XLSjhE [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 02:01:07 ID:aQNKrZ4y
「クソガキ……ッ!!」

悪態を吐き終わるよりも早く火球に飲み込まれ、球状のコクピットブロックが吐き出される。

「クソはお前等の方だろうが……霧坂、聞こえるか? 此処はもう大丈夫だ。早く避難するんだ」

守屋は一人ごちながら機体を立ち上がらせ、霧坂の元へ向かおうとすると背後から凄まじい爆音が鳴り響く。
新手の登場に苛立ちながら背後を振り返ると砕かれた壁の破片を弾き飛ばしながらベースキャリアが内部へと侵入し、中から無傷のストライカーが現れた。

「新手……これ以上、好き勝手にやらせるかッ!!」

アイリスが勢い良く駆け出すと、ストライカーは慌てた様子も無く掌から光の剣を形成し縦横斜めに三つほど剣閃を紡ぎ上げ、アイリスを弾き飛ばす。
蹈鞴を踏んで再度、前進しようとすると間の悪い事にフルドライブの長期使用の影響でオーバーロードが発生し、四肢から黒煙が吐き出される。

「ッ……限界か!?」

新手のストライカーは好機とばかりに左右から剣閃を繰り出し、その剣閃が一つ、二つと数を増していく度にアイリスの動きが鈍化していき、四肢の爆発と共に動きが完全に停止する。
アイリスが膝から崩れ落ちようとしているのも構わず、肩口から腰にかけて袈裟懸に斬り裂かれ背中から倒れ込むと、その衝撃で切断面から守屋が外に放り出される。
全身を叩き付けられた守屋が目を見開き立ち上がろうとすると、その視界に右腕を天に伸ばしたまま地に倒れ伏し炎上する愛機が守屋の目に映った。

完膚なきまでの完全なる敗北。せめて主の命だけでも救われた事に満足したのかアイリス・ジョーカーは燃え盛る炎の中へと消え、守屋は失意のまま意識を失った。




以上、最終話(前)の投下を完了致します。
最終話(後)の執筆も完了しているのですが、台詞系SSばりに台詞だらけで地の文が、殆ど無いという不思議な事態に見舞われています。
なのにも関わらず、14レスも使わなければいけないとか……いっそ殺陣以外は地の文殆ど無しとかにしてみようかと思ったり、思わなかったり。
取り合えず、明日は会社に泊まり込みの予定なので、次回投下は火曜日の夜以降にを考えています。

ティアマットの由来を太古の悪魔としていますが、厳密に神様です。ちょっと色々あって、その他の神様諸共、悪魔扱いされています。


86 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 03:04:23 ID:X7iLZQ3d
>>85
投下乙! >>75の>再修正 という文言に書き直しておられるのかと思って油断してたら支援も出来なかった…… だと…… まあレス数的に大丈夫だったか。

冒頭のスカーレット対ティアマット、緊迫感あふれる戦いですね。
敵に斬らせて質量低減を計る……か。大胆な発想と確実な技量が無ければ不可能であり、部長のスゴさが際立ちますね。ただの怪人ではなかったことがコレで証明さr
さらに月島選手、なかなかに出来た人物なようで。部長も合わせ、集団を率いていくカテゴリーの人間だと思わされますなあ。
そしてもはや「無いわけが無いだろう」なアームドギアの襲撃ですな。
まさしく圧倒的な性能差…… ですが、使う人間とそれが持っている情報により、全く結果が変わってくるというのがはっきり示されていますね。
守屋が勝利した場面でも敗北した場面でも。
それにしても最終話(後)を前にして主人公機が失われてしまったわけですが、一体どうなるのか目が離せませんな(物語の中の意味でも物語としての意味でも)。
では、投下を楽しみにお待ちしております。

>ティアマット
悪魔扱いされるようになった神はいろいろいますな…… 完全に余談ですが、「ティアマト」、俺も構想中の自作で使う予定d


87 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 16:03:47 ID:YPxe2C1L
>>85
乙!


88 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 18:33:42 ID:6UkKzkTB
test


89 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/26(月) 20:14:29 ID:5WnYa6gR
投下増えてる……だと……!?
まとめて投下乙!


90 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 20:15:07 ID:6UkKzkTB
ティママト   ひでぶっ


91 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/26(月) 21:34:51 ID:5WnYa6gR
改めて、まとめて投下乙!

>>741
確か脳に痛覚はないぞ中隊長w
あと柿崎のご冥福をお祈りしますw

>>787
相変わらず甘酸っぱいなオイ!ティマの成長っぷりも本当に凄まじい。モリベさん、忘れがちだけど凄いものを作り出してたんだな……タウエルンも同じように成長してああなったのかな
しかし極細の思考が思春期真っ只中すぎるwいいぞもっとやれw

>>888
ロリ教授の過去、ヘヴィーだなあ……
是非ともロリ教授には幸せになっていただきたい

>>24
見える……私にもブラが見えるぞ!しかしなんだこの変態技術w素敵すぎるw

>>60
「お父さんたち」ってそういう意味だったか……気分が悪くなる話だ……お母さんの逞しさに感動
そして次は戦闘かな?ダイスケが彼女たちの信頼を得る事ができるのか、今から楽しみだw

>>70
おお、おとんかっけぇ!……けど、ちょっとたまちゃんと同系列の機体には見えんなぁ……

>>85
流石に部長と月島はレベル高いなぁ……夏の部長だったらどうなってたんだろうw
なんてニヤニヤしながら読んでたら、アイリスがやられた……だと……!?いやいやまさかまさか、あのアイリス・ゾンビがやられるなんてそんな馬鹿な!
最終回、どうなるのか予想がつかないぞ……


92 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 22:59:07 ID:vQ6QEpEg
 遅くなりましたが、改めて皆さん投下乙です!

前スレ>>787
 相変わらず読んだ後で枕に顔を埋めてバタバタしたくなる話ですねw こんな話書けるようになりたいなぁ……。
 ティマのこの成長をモリベさんは予測していたのでしょうか……。モリベさーん、あんたの娘はすくすく成長してますよー。
 それにしてもティマかわいいよティマ。極細もげうわ極細なにをするやめ。

前スレ>>888
 ロリ教授にこんな重い過去があったなんて……。例え元に戻れなくても、教授にはまた新しい幸せを見つけてもらいたいですね。
 それにしても、ロリ教授は何の研究をしていたのでしょうか。妄想が止まりませんw

>>24
 ずっと見えない見えないと思ってたら、下からではなく上から見ていたのか私はーっ!
 この謎技術、面白いですねw 色々と悪用できs(ry

>>60
 「お父さんたち」はやっぱりそういう意味でしたか。バックボーン重いですね……。でも彼女たちは元気そうでなによりですw
 さて、色んな意味で厄介な事になったわけですが、ダイスケはどうするのやらw しかしロリに囲まれるとはダイスケもげろと言わざるを(ry

>>70
 おお! おとんかっこいい! 相変わらず882氏のデザインは個性的ですねw
 ではこのイラスト、おとんをデザインする時にありがたく参考にさせていただきます!
 おとんを描いてくださって、ありがとうございました!

>>85
 月島の実力もさることながら、部長も強い……なんかもう格が違うって感じですね。
 ……って、マフラーが採用された上マントにパワーアップしているー!? うっわ、ちょっと何て事してくれたんですか! 私テンションだだ上がりで爆散しますよ!?
 と思ったらやられてもやられても立ち上がる事に定評のあるアイリスたんがやられた……!? 乗機を無くした守屋はこの先どんな行動に出るんでしょう……。

 それでは、次回も楽しみに待ってますね!


93 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 23:10:47 ID:vQ6QEpEg
 ふう……今回は恐ろしい投下ラッシュだった……。


94 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 23:31:45 ID:3mc+eYWP
>>24
最初何のことかと思ったけどwwwさすが>>882氏www

>>60
投下乙です!
いやこれは……ちとキツイw「父さんたち」で予測はしてたけど当たって欲しくなかったw
まぁ倫理だの道徳だのって機能してる社会の中でしか通用しないからなぁ……

ダイスケがんがれ、超がんがれ。この子達を守れる大人になってくれ

>>70
投下乙です!
いかにも白兵戦向きの、頑丈そうなフレームもった機体ですな!かっけぇw
娘を抱え込んでいる構図がまさに「親狼」な風情でナイス
おとんたしか4bクラスだから大体合ってるんじゃないかな?大きさ
あとヴァルパインタイプはうpろだにたまちゃんの仮デザインがあったと思われー

>>85
投下乙です!
肝心な時に勝負させてもらえない守屋(´・ω・` )カワイソス
初の同型機対決はお流れになったけど、アイリスの活躍は流石w
色んな要因(ストライカー負傷、相手の練度が低かった、油断していた)があったとはいえ、アームド2体相手に勝利とは腕上げたなぁw
これは後半にも期待w


95 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/26(月) 23:45:18 ID:5WnYa6gR
一日でこれってのが恐ろしいなw


96 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 23:46:09 ID:3mc+eYWP
この速度、夏が来たって感じだなw


97 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 23:49:38 ID:6UkKzkTB
みなさん一日お疲れサマーです


98 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 23:51:27 ID:vQ6QEpEg
 まだまだ忙しいですけどねw
 早く楽になりたいなァ……。


99 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/26(月) 23:53:12 ID:5WnYa6gR
よろしいならば北斗有情拳だ


100 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 23:55:11 ID:vQ6QEpEg
 あは〜、いい気持ちだ〜。

 ち に ゃ !!


101 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/26(月) 23:58:27 ID:6UkKzkTB
私にそのワザは聞かあじゃぱーッ!?


102 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:00:20 ID:TyfbtDDo
 あー! マンモス哀れなやつだー!


103 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:00:27 ID:5WnYa6gR
拳王親衛隊はともかくなんで蟹がいるんだよw


104 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:05:35 ID:TyfbtDDo
 小宇宙を感じたんだよ!


105 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:06:55 ID:BzXxyVG1
コスモだって……!?


106 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:07:36 ID:5WnYa6gR
グレンキャノンもだ!


107 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:08:55 ID:TyfbtDDo
 イデオンガンを忘れるなんて!

 なんで近所でレンタルしてないんだろう……。


108 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:10:59 ID:BzXxyVG1
カーシャに撃たせろ!


109 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:11:28 ID:WEozyhFu
それにしても珍獣とおとんはかわいいなあ


110 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:13:35 ID:TyfbtDDo
 よし、ならばクーはいただいていく!


111 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:13:41 ID:hzF93HhV
グレンキャノンもだ!


112 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:15:41 ID:BzXxyVG1
>>110
猫の大群がそちらに向かいました


113 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:16:15 ID:TyfbtDDo
 グレンキャノン、いらないよ!

 強攻型アクエリオンならもらってやらん事もない!


114 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:17:13 ID:19ZN6hoN
流れをぶった切って、何か唐突にガッテンダーとかいうロボの名前が頭に浮かんだ

ちなみにライバルの搭乗する2号ロボはオーライター


115 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:18:58 ID:WEozyhFu
クーは猫、珍獣は犬、じゃあ遥さんは何なんだろう

>>114
よし、本編を書く作業に(ry


116 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:21:10 ID:BzXxyVG1
  人
  (:0)
  ヾ"
 f ̄~}テ
 |T ̄ ̄|
 ||  |
 ||(゚Д゚)
 |(ノ  |つ
 ||__|
  ∪ ∪



117 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:21:25 ID:qSwHfT0n
>>114
愕天王とかあったなぁ

漫画じゃロボになったっけか


118 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:23:28 ID:TyfbtDDo
>>112
 ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁ!!

>>114
 試してガッテンダーですね!

>>115
 朱鷺、あるいはゴリラジョインジョインハルカァ


119 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:26:54 ID:QATxl/NA
その昔、電撃コミックガオ増刊「ガオZ」という一瞬で消えた雑誌に
江戸前合体ガッテンダーという漫画があったのを思い出したぜ……

速攻で休刊したから、連載もほんの数話、コミックスも出てないが……


120 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:41:31 ID:19ZN6hoN
ガッテンダーは、飛行機型メカ・ガットレイヴンと、自動車型メカ・ランドテンダーによって構成される合体ロボである
彼らは今日も、悪の組織リジェクターと戦い続けるのだ!

ここまではすんなり決定した


121 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:43:54 ID:TyfbtDDo
 よし、次はキャラクター設定だ!
 もちろん男女で合体ですよn(ry


122 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:47:34 ID:zsR1scff
ロリとお姉さまで合体というのも捨て難いw


123 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:48:50 ID:TyfbtDDo
 ロリと聞いてみなぎってきました!


124 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:49:49 ID:hzF93HhV
男装美少女と女装男の娘の合体がイイと思いますっ!


125 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:49:57 ID:BzXxyVG1
お姉さま、アレを使うわ!


126 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:51:20 ID:TyfbtDDo
 いいですとも!


127 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:51:36 ID:19ZN6hoN
ガッテンダーは、男女でも女女でもかまわんが
オーライターのパイロットは、クールでキザで、でも内に熱い心を秘めてる青年ってのは譲れん!


128 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:52:42 ID:WEozyhFu
>>126
それは兄さんだwwwwwww


129 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:52:43 ID:hzF93HhV
そしてベジータのようにツンデレですね、分かります。


130 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:53:16 ID:zsR1scff
水没兄貴と暗殺者みたいなクールな漢達の奇妙な友情も好き


131 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:55:14 ID:TyfbtDDo
>>127
 それなら男男を推すねッ!

 やっぱりね、河原で殴り合いって(ry


132 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:55:56 ID:BzXxyVG1
そして目覚める熱き友情―――         の果てに過ちを犯して島流し


133 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:56:40 ID:WEozyhFu
どんだけ河原で殴り合いが好きなんだよw


134 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:58:11 ID:zsR1scff
夕陽をバッグに河原で殴り合いも浪漫だから仕方が無いw


135 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:58:19 ID:TyfbtDDo
 PBMじゃやりにくいけど、ダイソードでは絶対やるよ! <河原で(ry


136 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 00:59:30 ID:BzXxyVG1
河原もいいが屋上と体育館裏も捨てがたいとも思わんかね


137 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:01:36 ID:19ZN6hoN
>>131
意気投合した後のライバルが
「絶望が俺のゴールだ」とかいって壊れる可能性を考慮してもいいならば


138 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:01:48 ID:TyfbtDDo
 え? 屋上と体育館裏は(ワーオ)な事をする所ですよ?


139 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:02:54 ID:BzXxyVG1
>>138
ジョインジョイン(ry


140 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:03:30 ID:hzF93HhV
(色々な関係の)ハッテン場とな!?


141 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:03:54 ID:TyfbtDDo
>>137
 個人的には全然OKです、そういうのw


142 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:04:55 ID:WEozyhFu
>>137
実は竜くんはあれが素なんじゃなかろうかw


143 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:06:51 ID:zsR1scff
>>138
屋上は閉鎖されていて、体育館裏はカツアゲされる場所ですよ


144 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:07:21 ID:BzXxyVG1
>>143
つ島展開


145 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:09:02 ID:hzF93HhV
>>143
つエクスカリバー


146 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:09:31 ID:TyfbtDDo
 いつの間にか、島っていう呼称が見事に定着してしまいましたねw


147 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:09:48 ID:zsR1scff
>>144
いじめられっ子が体育館裏でカツアゲされた挙句、ポルノ小説を朗読させられるという理不尽な島展開ですね。分かります。


148 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:14:23 ID:WEozyhFu
ふとなめ猫的なものを思い浮かべた。なめおとんとか、なめペネ子とか


149 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:18:12 ID:TyfbtDDo
 カツアゲされたタカ坊が過酷な修業の末に世紀末救世s……ヴァーストタカ坊になって逆襲するんですね!


150 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:20:24 ID:19ZN6hoN
>>147
「うふんダメよもうすぐパパがかえってくるんだから」
といったのだがボブはごういんに……


151 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:22:38 ID:BzXxyVG1
>>148
シャカシャカヘイ♪

>>150
アッー?


152 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:23:23 ID:hzF93HhV
さらわれた金銭を取り戻す為にカツアゲした相手を追い詰めて「俺を強くしたのはお前と同じ執念だ」的な台詞を言って止めを刺したけど、実は奪われた金はもう無くなったと思わせて実は隠してたりするんですね!


153 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:24:40 ID:WEozyhFu
じゃあまどかさんか遥さんに朗読させようぜ!
ウ詐欺さんは本気で演技しそうだから困る。珍獣は大声で朗読しそうだからもっと困るw


154 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:25:37 ID:BzXxyVG1
珍獣「漢字が読めません!」


155 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:26:50 ID:zsR1scff
まんま悟空みたいになりそうだなw


156 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:27:30 ID:TyfbtDDo
 つまり珍獣はスーパー……何人だろう。


157 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:28:00 ID:WEozyhFu
満月を見ると狼になるのかw


158 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:28:08 ID:QATxl/NA
……スーパーヤセイ人?


159 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:30:05 ID:WEozyhFu
超野生児となw


160 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:32:55 ID:TyfbtDDo
 狼になった珍獣は危険だ! ビーフジャーキーをやるかフリスビーで遊んでやらないと暴れだすぞ!

 そして洗濯物が犠牲に……。


161 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:35:42 ID:WEozyhFu
被害しょっぺぇw


162 名前: DS世界観の人 ◆a5iBSiEsUFpN [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:35:54 ID:BzXxyVG1

>>70
おおーっ、おとんカッコイイw
でもたまちゃん型とは似ても似つかぬですね

>>85
投下乙です!
あちゃー……さすがのもりやんも相手が軍用機じゃ分が悪いか。っていうか部長つえええ
ロボコン機VS軍用ロボット並み……と思ったらリミッターだと。アイリスは本当に競技用なのか怪しいような。外殻機で戦車に勝っちゃうようなもので……。ああ、守屋ならしかたないか、もりやなら。
毎度毎度都合のいい時に襲撃来るけど、こりゃなにかの陰謀なんでしょーか。お粗末な警備だなぁ。
アイリスも燃えちゃって、守屋君も気絶、霧ちゃん大丈夫なのか、次回も待ってます。

>>91
感想さんくすです!
ロリ教授にとっての幸せってなんなのか、書いてて自分で分からなくなりました。

>>92
感想ありがとうございまする。
ロリ教授の過去は設定初期の段階でだいたいこんなもんと決めてあったのを今回文章に起こしました。
愛があっても愛せないって、きっと死ぬほど辛いんじゃないかと思います。なんとか幸せになってほしいですが……。

>何の研究をしていたのでしょうか
実は研究内容を匂わせたり、ところどころに情報を散りばめてあったりしますw




163 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:41:10 ID:TyfbtDDo
 確かアイリスたんのフルドライブは以前も披露してましたよっと。

>>161
 主婦の方にとっては意外と致命的だ!


164 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:44:07 ID:BzXxyVG1
じゃあ軍用機がフルドライブったら(ry

まずいな、外殻機の戦いがショボく見えてきた


165 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:45:45 ID:hzF93HhV
一瞬、「そして洗濯物が犠牲に……。」が「そして洗濯板が犠牲に……。」に見えた。コンプレックス!


166 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:47:24 ID:TyfbtDDo
>>164
 今の所殴り合いばかりの機械人形に隙はなかった!

>>165
 ジョインジョインハルカァ。


167 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:48:43 ID:BzXxyVG1
>>165
ビート板でなにがわるい!

>>166
ビームとか大統領とか出てるじゃないですかァー!


168 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:50:33 ID:WEozyhFu
警備がお粗末なんじゃなくて、襲撃グループの規模が想定より大きかったとかそんな感じじゃないのかね。内紛があったみたいだし


169 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:52:54 ID:BzXxyVG1
襲撃グループパネェ……資金源を辿れば怪しい場所に行きつきそうな予感


170 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:54:32 ID:TyfbtDDo
>>167
 ビーム→一回使っただけ。
 大統領→一方的に蹂躙しただけ。

 これを出てるとは言わんのだ多分ッ!

>>169
 兵器の流通が最近は異常って剣パパが言ってたような気ががが。


171 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:54:52 ID:zsR1scff
次回で真相が明らかにされるのを期待しようw


172 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 01:58:28 ID:WEozyhFu
むしろカネや物資の出どころが怪しくない方がおかしいと思うんだw


173 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 02:00:41 ID:BzXxyVG1
>>170
ナインテール無双もあったじゃないですかァー!

>>172
“正規の”場所が資金源だったとしたら(ry


174 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 02:01:42 ID:TyfbtDDo
 高性能おじいちゃん出撃の件もありますしね!
 ロボスレのおじいちゃんおばあちゃんマジ高性能。


175 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 02:03:25 ID:zsR1scff
きっと日本人の敬老精神の表れなんだよ(棒


176 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 02:04:19 ID:BzXxyVG1
拳老とな!?


177 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 02:05:54 ID:WEozyhFu
高性能ロリータも多いようなw


178 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 02:07:28 ID:BzXxyVG1
妖女とな!?


179 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 02:09:10 ID:WEozyhFu
それはたまちゃんとかババーン大首領の事ではないのかw


180 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 02:09:59 ID:TyfbtDDo
 つまりババァですね!?


181 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 02:10:38 ID:BzXxyVG1
しっぽで擽り殺されたい


182 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/27(火) 02:15:26 ID:WEozyhFu
だが射殺


183 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 02:17:35 ID:TyfbtDDo
たまちゃん「刈 ら せ て も ら う ぞ(レールガン発砲)」


184 名前: >>882はそっとしといてあげよう ◆MVh6W.SAZtbu [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 05:48:09 ID:uCog9+Vz
厨スペックおばあちゃん 厨スペックおばあちゃん イェイイェイ 僕の好物さ〜

おとん ver lupus Ausf.>>882に感想頂いた皆さん、ありがとうございます!
>たまちゃんと同系列に見えない
ええ、ワタクシもそこ難しくてですね。
師匠及び遅筆氏のたまちゃんデザイン見て、「動物顔」の下にバイザー顔付けてみたりしたんですが、如何ともしがたかったです。
そもそも、あれフレーム構成がたまちゃんどころかこのスレのどのロボとも似てないもんなあ(胴部はオレの「頭が監視カメラロボ」と同じ構成なんだが……)。
で、師匠のたまちゃん見て、装甲形状になんとなく着物とか羽衣、中国の女性衣装、つまりは東洋の女性服のような印象を受けたので、
作品からおとんに持った印象と合わせ、野武士や落ち武者といったイメージでデザインしてみた(装甲形状なんかは腹巻とか当世具足を意識してる)んですが、
どうにもなんなかったですね。
やはり他人様の持ち味を再現するのは難しい……

……で……
>>37の、「陰になってるけどのぞきこめば股布がなんちゃら」っつーのを出来るかどうか実験的に描いてみたんですね。
こんなことに他人様のキャラ使うっつーのもアレ
(オルさん……は考えたんだけど確実に「伝説の性剣(エクスカリ棒)」も出るので甚大な被害が予測されるため見送られた)なので、
オリキャラです。まさかの再登場。
……で……、誠に遺憾ながら、「下からのぞきこむ」んじゃなくて「上から透かし見る」みたいな感じじゃないと見えないんですよ。
これはワタクシとしても非常に残念で、何とか出来ないかと考えてたんですけど、
ふとしたはずみに「何オレはこんなこと真剣に考えてるんだろう」と冷静になってしまい、そのまま考え続けるとココロに再起不能のダメージを受けそうだったんでそこでやめました。
そいでこんな感じです↓
http://dl2.getuploader.com/g/sousakurobo/718/experimental.jpg


185 名前: 連投すみませんが>>882です ◆MVh6W.SAZtbu [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 05:55:19 ID:uCog9+Vz
もいっちょ。
>>160
>狼になった珍獣〜フリスビーで遊んで
これに触発されて描いてみたら……

これ僕の知ってる珍獣じゃないよ〜 なんか知らないひとがいるよ〜 ししょえも〜んししょえも〜ん たすけてししょえも〜ん
http://dl2.getuploader.com/g/sousakurobo/719/furisubi.jpg


186 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 10:46:58 ID:fIhZAStz
オルトロック?


187 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 20:59:51 ID:BzXxyVG1
>>184-185
パンツが見えないかさんざん下から試してやっと上からだと気がついて覗きこんだら、見えたっ!
でも頭にパンツがあったからわりとどうでもよくなったw 虚しい的な意味で

>珍獣
手ェダシタラ裂く手ェダシタラ裂く手ェダシタラ裂く手ェダシタラ裂く……


188 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 22:42:02 ID:IMzTxxuS
ガンダムエース読んでたら島本先生がGガンが載ってたから驚いたんだ
読んだら腹筋が死んだぜ・・・

あれは恐ろしい、恐ろしすぎる何かだった・・・


189 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 23:05:28 ID:P9ll0KsM
>>184-185
パンツwwwさいしょから見えてるじゃねーかwww
あとおとん過保護すぎwww

>>188
>島本先生のGガン
なん……だと……? チェックしてこようw


野口賢作画のバビル2世 ザ・リターナー読んだんだが、3つのしもべの内、
ポセイドンとロプロスのデザインが面白かった。特にロプロスの異形っぷりがw


190 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/27(火) 23:58:03 ID:TyfbtDDo
 てすてす。


191 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 00:01:49 ID:TyfbtDDo
 よし、規制されてない!

>>184-185
 投下乙です!
 わあ、ぱんつ見えたのに嬉しくない! ふしぎ!
 あとこの文字は誰が書いたんでしょうね(棒読み)


192 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 00:38:12 ID:6l5sEQea
あの構図でウ詐欺さんのパンチラをかいてくれたら死んでもいい


193 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 00:56:35 ID:H61g1Xp1
 今の私が描くと世紀末になるがよろしいか?


194 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 00:57:20 ID:6l5sEQea
そぉい!


195 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 00:59:04 ID:7K5bYomI
性器末パンツと聞いて


196 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:08:15 ID:H61g1Xp1
 ほぅあったぁ!!
 最近忙しいのでいつになるかはわかりませんが、とりあえずやってみますw


197 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:10:11 ID:6l5sEQea
期待して待ってますぞ……できればおにゃのこ的な意味でのウ詐欺さんがいいかなーっと(パンチラッ


198 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:14:06 ID:H61g1Xp1
 パンモロかもよ!
 パンチラは難易度高いですよ……Sガンダムくらい難易度高いですよ……。


199 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:18:11 ID:Ob1Oj0dI
むしろ
「パンツ穿いてません」


200 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:19:14 ID:H61g1Xp1
 ごめんね! 私穿いてる方が好きなの!


201 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:20:25 ID:Ob1Oj0dI
よく言った
オプー…じゃない、前張りで描く権利をやろう


202 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:22:32 ID:5q9Haf6g
解除されてたら例のベルと遥さんに前張りのウ詐欺追加


203 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:23:15 ID:5q9Haf6g
馬鹿な!?なんだとチクショウ!?


204 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:24:34 ID:6qdnBC13
>>199
誰もがパンツを脱いでいる世界で醜いものにパンツを穿かせて回るのと、誰もがパンツを穿いた世界で美しい人のパンツを脱がせて回るのと、どちらがより優れた人生か

考えるまでも無い話だとは思いませんか?



そこ、書きたかっただけだろとか言わない!!


205 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:25:56 ID:H61g1Xp1
 絆創膏もいいですよね!

>>202
 子供ぱんつを! 子供ぱんつを所望する!
 ……って赤ロリコンが言ってた。


206 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:26:42 ID:Ob1Oj0dI
>>204
お前は裸族を理解していない

誰もがパンツを脱いでいる世界に醜いものなどあるはずもなかろう
さあ、お前も脱ぐんだ レッツフルオープン



207 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:26:49 ID:5q9Haf6g
最近このスレに弄ばれてもうお婿に行けない……

>>205
このグンゼマニアめ!


208 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:29:10 ID:H61g1Xp1
 露出卿がアップも始めずに>>206にダイブしそうです。
 助けてオドレイさん!

>>207
 ありがとう、最高の褒め言葉だ(満面の笑み)


209 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:30:22 ID:6qdnBC13
>>206
パンツ脱がす楽しみが無い世界なんていらない着エロが無い世界なんて何が面白いんだ!!


あと、某キャラの台詞○コピなので、その台詞は某キャラに言ってくれw


210 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:32:04 ID:H61g1Xp1
 フッ……脱がす必要はない! 着たままだ!


211 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:35:11 ID:5q9Haf6g
着ている状態も脱いでる状態も選べて2度おいしいから個人的には着てるほうが良い!

>>208
遥さんもグンゼだからのう、差別化が欲しくは無いかい


212 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:38:56 ID:H61g1Xp1
 個人的に脱ぐ時より着る時の方がえっちいと思うんですよ!

>>211
 では、うぬならばどう差別化をはかるのだ!


213 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:40:54 ID:Ob1Oj0dI
ローライズというのはどうだろう、と自作品の女の子たちに穿かせるものについて調べ物をしているときに思った


214 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:41:54 ID:5q9Haf6g
>>212
私は紐パンが好きです


215 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:42:38 ID:NVFhSCYN
>>213
たまちゃんとか似合いそうなイメージが


216 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:44:32 ID:H61g1Xp1
 ローライズだと! 紐パンだと!
 残念だがそれはババa……たまちゃんの装備だ!

 まどかさんに紐パンもいいかもしれぬ……。


217 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:45:30 ID:3jZtnnuv
まどかさんにはクマぱんが似合うと思ってる俺は一体何を言ってるんだろう


218 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:45:43 ID:eb7kFF8b
パンチラで最も重要なのは何かと問われれば、多くの人がパンツと答えるであろう。しかし、それはあまりにも未熟な考えである。
パンチラで最も重視するべきは羞恥に染まった女の子の表情なんだよッ!
平気な顔でパンツを見せてくれても、そんなモノに何の価値も無い!!
女の子の表情! これがパンチラの魅力を究極まで高めるのだ!!!


219 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:47:49 ID:NVFhSCYN
>>217
  どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!
   三           三三
        /;:"ゝ  三三  f;:二iュ  三三三
  三   _ゞ::.ニ!    ,..'´ ̄`ヽノン
      /.;: .:}^(     <;:::::i:::::::.::: :}:}  三三
    〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__
    ,へ;:ヾ-、ll__/.:::::、:::::f=ー'==、`ー-="⌒ヽ
  . 〈::ミ/;;;iー゙ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド'
    };;;};;;;;! ̄ll ̄ ̄|:::::::::.ヽ\-‐'"´ ̄ ̄ll


220 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:48:22 ID:Ob1Oj0dI
>>218

性的なことがよくわかってない女児が
自分からパンチラを無防備かつ無邪気に見せてくれる魅力も至宝である
パンモロでもいいし自分からスカート捲り上げててもいい


221 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:48:22 ID:H61g1Xp1
 だがパンチラに気付いていないのもまたいいものなのではなかろうか!?

>>217
 おお、強敵(とも)よ……!
 ウ詐欺さんはうさぎのバックプリントがついた女児ぱんつを想像していたのでござるよ。


222 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:50:20 ID:5q9Haf6g
>>216
じゃぁウ詐欺に一番合うのはなんだろうか!
確かにヒモパンは御姉様用装備だ!

>>218
ここは紳士の集いし場所、ロボスレ

仏に説法とはこのことだな!


223 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:53:06 ID:Ob1Oj0dI
>>222
この際、締め込みふんどしか六尺ふんどしという方向に模索してみるのはどうだろう


224 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:55:00 ID:3jZtnnuv
無邪気さとパンツの組み合わせはとても良い物だよ、って全国一千万の珍獣ファンの筆頭の俺が言ってた

>>221
握手しようか!


225 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:56:30 ID:6qdnBC13
というかもはや紳士じゃないんじゃないかと思い始めたw


226 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:56:57 ID:5q9Haf6g
ペネ子は女性用ボクサーパンツが似合う気がするんだ


227 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:57:27 ID:6qdnBC13
九条は女性用ボクサーパンツが似合う気がするんだ


228 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 01:59:22 ID:H61g1Xp1
 よし、じゃあかぼぱんでどうだ!

>>224
                   , - 、 __,- 、
              , ー 、 /、 丁  ,.ノ_
            , ー、f   `l l  |_,ィ'´  ノ
           |ヽ `〈l   ド、 l  _/_
       , -、  / ` 、 ゝ   ! `´rゥ- '´ j
     __/ `ュ >_/    1_,/`‐'  ''"   _.../
        |            r' ´
          l      _, -‐ '´厶_
         ト-‐ゥ-‐' \   ィ´  `t┼
         `ゝ_| !   」   ヽ   / 1
         ___」   |∧    / 勺
        "      !ヽヘ  _/ ゙;`


229 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:00:16 ID:Ob1Oj0dI
そうだ、ドロワーズという選択があるのをすっかり忘れていたな…


230 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:01:23 ID:eb7kFF8b
なんという……なんという紳士力……!? 恐るべきはロボスレ!
しかしそれでも俺は、パンチラの魅力は女の子の表情にこそあるという信念を捨てる事は出来ぬ!


231 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:01:32 ID:3jZtnnuv
俺のイメージだと
 遥さん→グンパン シロ→ローライズ 珍獣→スポーツショーツ
 たまちゃん→ヒモ まどかさん→くまパン ペネ子→ボクサーパンツ
 なごみん→ドロワ
だったでござるよ


232 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:02:13 ID:5q9Haf6g
ウ詐欺はいっそ弩ストレートにショーツとかが良いんじゃないかという神のお告げが…


233 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:03:25 ID:H61g1Xp1
>たまちゃん→ヒモ
 なんかたまちゃんがまどかさんのヒモみたいに(ry
 うん、大体あってうわたまちゃんなにをするやめ


234 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:03:35 ID:3jZtnnuv
>>231
パンツうさぎ(白)さんは、あえての直球勝負というわけですな
割とその選択肢はアリだと俺のセンサーが告げている……!


235 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:03:59 ID:6l5sEQea
ちょっと目を離してたらこのありさまだよ!


236 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:05:49 ID:3jZtnnuv
>>233
たまちゃんとまどかさんの、二人っきりダダ甘自堕落ライフを夢見てしまいそうになったじゃないか……!


237 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:06:25 ID:5q9Haf6g
いいか、絶対に冷静になって今の自分を振り返るなよ!絶対だぞ!


238 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:06:41 ID:NVFhSCYN
お前ら少し落ち着けwww


239 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:08:15 ID:H61g1Xp1
 万乗パンツか……素晴らしい、素晴らしいぞ!

>>236
 それ、たまちゃんがまどかさんにお世話されるだけのような気が……w


240 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:10:04 ID:H61g1Xp1
>>237
 目なら……醒めているさ。


241 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:11:45 ID:eb7kFF8b
>>239
だが少し待ってほしい。たまちゃんがまどかさんをお世話するのも良いのではないか?


242 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:11:47 ID:6l5sEQea
クラ姉とウィス姉は間違いなくセクシィ黒下着
逆に黒に違いないのに色気が出なさそうなのがクー
アルメリアはしまパンなんだろうなぁ……委員長は若葉色か!?

>>234
ハートマークにのったウサギが刺繍されているに違いありませんよ!


243 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:12:23 ID:3jZtnnuv
別に意識ははっきりてるし、酒も入ってないし、普通に真顔でレスしてるし、後悔しない自信もあるので




お医者様を呼んで下さい


244 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:13:20 ID:6l5sEQea
>>243
座薬処方しておきますね


245 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:16:03 ID:H61g1Xp1
>>241
 風邪をひいたまどかさんを生活能力皆無なたまちゃんがお世話するんですねわかります!

>>242
 ニンジンを背景にしたうさぎのバックプリントだよきっとそうだよ!

>>243
 どれ、おれが治してやろう。
 心配するな。おれは天才だ。おれに不可能はない!!

 (中略)

 ん!? まちがったかな……。


246 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:17:50 ID:3jZtnnuv
>>242
>クー
放浪時代はそもそも下着つけてない予感が……女性下着は捨てる時には切り刻んだりするから、使えるのが拾えるか否か……
アイリーンの元にいるようになってからは、(特に最初期)彼女の趣味全開になってるかもですなw

>>244
アッー!
……オフゥ


247 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:20:51 ID:6l5sEQea
>>245
おかゆを作ろうと奮闘するたまちゃんですね? 萌えます

>>246
>そもそも下着つけてない
彼女は男性用下着でも躊躇なく着てしまうような子なので(ry


248 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:22:28 ID:H61g1Xp1
 塩加減間違えた凄いしょっぱいおかゆが出きたけど無理して食べるまどかさんかわいいです。

>>247
 つまりブリーフッッッ!!!


249 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:23:30 ID:3jZtnnuv
>>247
オウライ把握した……それはそれで!

気にしないゆえの男物とか、背伸びがゆえのブカブカ派手下着とか……アンバランスなのっていいよね……


250 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:25:47 ID:eb7kFF8b
女の子の服で袖が余って指だけ出てたりするのとか最高だよね! ロリだと特に。


251 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:25:55 ID:H61g1Xp1
 無理してブラですねわかりますw
 え? やだなぁ遥さん、あなたにブラはいらなジョインジョインハルカァ

 一方珍獣はタンクトップだった。


252 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:26:36 ID:6l5sEQea
>>248
ふーふーしてもらいながらですよね、モツィロン

>>249
しかしクー(大)ではそんなことをしないのであった……
でも確かにアンバランスっていいですよねーw


253 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:28:26 ID:H61g1Xp1
>>250
 おお、強敵(とも)よ……!

>>252
たまちゃん「馬鹿野郎、口移しに決まっているだろう。言わせるな恥ずかしい!」


254 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:30:00 ID:6l5sEQea
>>250
おお、同志よ……!

>>253
ΩΩΩ<(ry


255 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:31:51 ID:3jZtnnuv
>>248
たま「ならば甘くしてやろう」
的な口移シーンを妄想してたら>>252-253に先を越されたよ!

>>250
最近、ごく一部で萌え袖とかって名前が付いてるらしいよ! とても好きだけど、個人的にそのネーミングはどうなのって思うよ!

>>252
ですなw クー(大)に背伸びとか存在しないw


256 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:34:23 ID:H61g1Xp1
※1.ババァが勝手に言ってるだけです。
※2.でも弱ってるまどかさんなら聞き入れてくれるかもしれません。
※3.想像したらなんか興奮してきました。
※4.そしてババァとまどかさんの歳の差を思い出して笑えてきました。


257 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:37:52 ID:6l5sEQea
>>255
>萌え袖
余り袖でいいじゃない!

クー(大)が背伸びもなにも大人になっちゃってますからねーw

>>256
※9.デデデストローイ


258 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:43:11 ID:H61g1Xp1
 大人クーでも子供クーでもいいからぎゅっとしたいです。

>※9.デデデストローイ
 ギャァァァァァァァァァ!!


259 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:58:39 ID:6l5sEQea
では遥さんはどうするっ


260 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 02:59:50 ID:H61g1Xp1
 ぎゅってされたいです!


261 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 03:00:54 ID:6l5sEQea
逆なのかw


262 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 03:10:56 ID:H61g1Xp1
 そしてコキャっと……。


263 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 10:24:25 ID:3FL0zYkz
昨晩はお楽しみでしたね


264 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 10:52:35 ID:6l5sEQea
いいえ、平常運転です


265 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:02:17 ID:H61g1Xp1
 いやあ、破廉恥な話題になると途端にトランザムしますね!


266 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:08:11 ID:6l5sEQea
ハーレーダビッドソンな話題だとトタンでトランザムだと……!?


267 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:10:11 ID:3FL0zYkz
学生の頃はハーレーに対する憧れがハンパ無かったのに社会に出た途端にどうでも良くなるという謎現象。


268 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:11:00 ID:6l5sEQea
むしろスクーターの方が実用的と気がついてしまうんですね


269 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:18:44 ID:H61g1Xp1
 大人になるって悲しいことなの……。


270 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:20:26 ID:6l5sEQea
おいやめろ


271 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:20:42 ID:3FL0zYkz
JOJO―――ッ!!


272 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:24:41 ID:H61g1Xp1
 ヨヨに好きな子の名前つけるなよ! 絶対だぞ!


273 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:28:05 ID:3FL0zYkz
バハラグのお陰で主人公に自分の名前、ヒロインに好きな子の名前を付けなくなりました。
ありがとうバハラグ!! だけど、JOJOテメーはダメだッ!!


274 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:29:50 ID:6l5sEQea
主人公の名前を「ダーリン」にして(ry


275 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:31:54 ID:H61g1Xp1
 ドラクエで主人公の名前をおれにすると戦闘が愉快な事に!


276 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:32:42 ID:6l5sEQea
ロボスレのキャラでRPG作ったらどうなるのっと


277 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:34:00 ID:3FL0zYkz
LALみたいな感じになるんじゃないのかなっと……アリシアあああああッ!!!


278 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:34:40 ID:H61g1Xp1
 普通のキャラのコマンド→たたかう、まほう、アイテム

 露出卿のコマンド→ぬぐ、アイテム


279 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:36:34 ID:Ob1Oj0dI
→たべる いただきます オレサマ・オマエ・マルカジリ


280 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:38:14 ID:6l5sEQea
ロリッ子があらわれた!

リヒトは動揺している!


281 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:41:39 ID:H61g1Xp1
 いいえ、一切動揺せずに、紳士的にお茶に誘います。
 そして遥さんかウ詐欺さんかたまちゃんに抹殺されます。


282 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:45:10 ID:Ob1Oj0dI
リヒトが水没した未来の地球でサルベージされてロリッ子だらけの基地で生活するようです


283 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:47:34 ID:3FL0zYkz
基本、紳士だからすぐに信頼されるだろうけど、途中でアホな事をやらかして警戒されたりしてそうw


284 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:48:17 ID:6l5sEQea
P「あの世界ならきっと私の活躍が……!」


285 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:51:32 ID:3FL0zYkz
ブルーホールに吸い込まれてクロスオーバーってのもアリですよねw


286 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:55:29 ID:H61g1Xp1
>>283
ロリコン紳士「ばっかおめー、別にアホな事なんかしねーよ。ただ一緒に風呂入ったりするだけだ」

 とりあえずピンチになった時にロリコン紳士が「大丈夫だ。俺は、死なない」って言うところまで妄想しましt(ry


287 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 11:56:33 ID:6l5sEQea
あの世界ならまさしくダイバーの出番のような気がするが、核融合炉搭載の蟹とかいるし、どうなんだろうか

>>286
ジョインジョインハルカァ


288 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 12:03:54 ID:3FL0zYkz
この業界にはスパロボ補正って便利な言葉があってだな


289 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 12:10:39 ID:6l5sEQea
ああ、ゴーストでも必中でイチコロっていう(ry


290 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 12:25:19 ID:H61g1Xp1
庵野「ATフィールドを無効にできるのはエヴァだけだと作中で説明したが、別にエヴァでなくてもフィールドは抜ける(キリリッ」

 っていうのもありましたね、確かw


291 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 12:28:17 ID:Ob1Oj0dI
>>290
というか劇中でエヴァの力とかATフィールド中和とか無しで
攻撃がATフィールド抜いてるのを、割と序盤でやっているからね

そんなわけでエヴァのFF・二次創作ではミリタリ路線に走って
エヴァに頼らず人類の軍事力中心で使徒を倒してる作品もあったり


292 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 12:44:43 ID:6l5sEQea
ポジトロンライフルで抜けるならエヴァなんていらなかったよねな話もあったなぁ


293 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 12:50:51 ID:H61g1Xp1
 ACER、フレイヤ使えるんだ……また核ゲーになるのかしらw


294 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 12:51:44 ID:H61g1Xp1
 今のは誤爆だ! 暑さって怖いね!


295 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 12:57:56 ID:6l5sEQea
おう、尻をむけろ! 核弾頭ブチ込んでやる!


296 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 12:58:55 ID:H61g1Xp1
 ACの核でお願いします。板野サーカスしてやんよ!


297 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 13:00:44 ID:6l5sEQea
※ただし自機はタンクに限る


298 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 13:03:42 ID:H61g1Xp1
 そ、それでもOBなら! OBならサーカスできるはず!


299 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 13:11:13 ID:6l5sEQea
※ただしNBとする


300 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 14:36:19 ID:H61g1Xp1
 ね、NXよりはマシだ……!


301 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:08:30 ID:UnvFrYVP
昨日の流れを読んだが……
苦言ではないけどちょっとむむむだなって思ったぞ
このスレは前々からだけど、話題になる比重がキャラ>ロボットに傾き過ぎてる気がする
そりゃあ作品に出てくるキャラはどれも面白くて個性的だから、話題というか話が弾むのは分かる
けどあのキャラがどんなパン(ryを穿いてるかとか、一見さんが入ってきたらえ、何それは(ドン引き になる可能性もある訳で
だから個人個人で自制というか、少し省みようぜ。でないとまた内輪云々とかで好ましくない論議をする事になるかも知れんぞ


と長々とマジレス書いてすまない、要はちゃんとロボについても盛り上がろうぜって事なんだw
で、話題振ってみるけどロボスレ作品でこれは熱かった・印象に残ったってバトルってある?
それかこのロボット同士の戦いがまた見たいとか


302 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:20:31 ID:6l5sEQea
ロボットじゃなくキャラの日常ばっかりでごめんね;;


303 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:31:19 ID:tgStXKXk
>>301
よしわかった、次からはあのロボはどんなパンツが似合ry


304 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:34:02 ID:6l5sEQea
……ティマか教授なら解決じゃね?

みたい戦いと言ったら、そりゃあタカVSオルトさ! 作中じゃ無理と分かってても


305 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:34:29 ID:H61g1Xp1
 乙女さんかクラドセラケの活躍を所望する!


306 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:37:25 ID:H61g1Xp1
>>304
つ ヴィルシャU予告

 可能性は、ゼロではない!


307 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:39:15 ID:tgStXKXk
個人的には敵メカ同士の対決、ガードロボとグランキョが戦ったらどうなるかというのを考えてみたい


308 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:43:17 ID:6l5sEQea
>>305
DS世界観とはいえロボケミじゃ活躍の機会がががが
続編を書くべきなのか

>>306
そうかゼロじゃなかったんや!

>>307
純粋な戦闘能力じゃ蟹さんの方が強いんじゃないかと思います。
物量とかだとガードロボかな。遺跡が稼働してればいくらでも湧くし。


309 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:45:46 ID:H61g1Xp1
>>308
つ 外伝

 無理に続編にする必要はないでござるよ!


310 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:50:27 ID:6l5sEQea
>>309
外伝……そういうのもあるのか!
クラドセラケを活躍させる外伝もいいですけど、いっそ世界観変えちゃって、その世界でクラドをパラレルな意味で登場させようかなと目論んだことも。
絵まで描いて頂いて、あの登場回数じゃ残念無念


311 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:53:30 ID:/yyAJDK7
>>301
絶体絶命フェチとしては、
・スラッシュゲイル対妖魔軍団
・スカンクエイプ対ライズガルム
・ネクソンクロガネ対シロガネ四天王

ここらへん読んでて凄く興奮した。


312 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 15:54:25 ID:H61g1Xp1
 個人的に乙女さんなんか凄く外伝向きだと思うんですよ、中の人的にw


313 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 20:44:44 ID:H61g1Xp1
 時が止まったとでもいうのか……!?


314 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:09:52 ID:eb7kFF8b
皆、紳士力を使い果たしたのだ。回復には時間が掛かります。


315 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:24:58 ID:H61g1Xp1
 一方私は久々に初代ACEをプレイしていた。
 クラウドブレイカーかっこいいです(^q^)


316 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:28:59 ID:72n8QaY+
たまには異種格闘技戦ならぬ異作ロボバトルがみたいな
誰と誰とを戦わせたい?


317 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:30:48 ID:X2SbnOgI
>>316
ティマVSGドラスター


318 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:32:52 ID:0TIeDpis
今日、仕事が暇な時間に
「首相撲からの膝蹴りをロボット作品に組み込めないだろうか?」
とか考えていたら、何故か鬱展開な作品一式が思い付いてしまった……
盆休みで書けたらいいなぁ。


319 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:33:20 ID:H61g1Xp1
 じゃあヴィルティックvsリベジオンで!


320 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:34:09 ID:H61g1Xp1
>>318
 どこがどうなってそうなったんです!?


321 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:36:11 ID:X2SbnOgI
首相撲って、頭で腕相撲みたいな対決する事?


322 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:39:42 ID:H61g1Xp1
首相撲
 ムエタイの代表的な技のひとつ。
 相手の首を掴んでコントロールし、膝蹴りや肘での攻撃につなげる。

 だそうですヨ。


323 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:41:49 ID:X2SbnOgI
相手の首を掴んでコントロールし唇や頬へのキスにつなげる

……だと!?


324 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:42:46 ID:H61g1Xp1
Σ(゚Д゚;)さすがにそれはちょっと無理があるよ!


325 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:44:08 ID:0TIeDpis
>>320
膝蹴りを見せ所にしたロボットを考えたら、パイロットが何故か悲劇的な結末を迎えることになった。
理由は不明、思い付くままネタ帳に書いてたらこうなってしまったんだ……

暇な時間+休み時間だけでもネタは練れるな! うん!


326 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:45:01 ID:X2SbnOgI
>>324
その無理、俺の道理でこじあける!!


327 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:46:12 ID:on2CXHdH
首相撲
相手の正面に立つ→相手の首の両側から手を回す→首の後ろで指を組む→あとは好きな場所に膝蹴りでも

ね?簡単でしょ?


328 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:48:39 ID:H61g1Xp1
>>325
 なるほど、全くわからん!

 膝蹴りで膝や肘にパイルバンカーを装備したロボを思いついたでござるのマキ。
 よし、ペネ子に装備させてやろう。これで全身がパイルバンカーなロボの出来上がりだ!

>>326
 というかそれセクハ(ry


329 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:50:11 ID:X2SbnOgI
>>328
訴えられなきゃセクハラじゃない(キリッ



逆に言うと何やっても訴えられりゃセクハラだが


330 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:51:22 ID:AqyCetZy
>>325
まあ、大抵のロボのコクピットって腹か体の真ん中にあるから
首掴みからの膝蹴り組み打ちなんかしたら
膝が腹部の相手のコクピット直撃でかなり悲惨な事になるのは確実だよね

頭にコクピットあってもそのまま首をもいで…


331 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:52:54 ID:X2SbnOgI
>>330
そんな時の為に、股間コクピットだ!
金的を率先的に狙う格闘術ってあんま聞かんし


332 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:53:34 ID:AqyCetZy
>>328
>膝や肘にパイルバンカーを装備したロボ
ガサラキのTAライデンにはアルムブラストというのが膝とかにも仕込まれてて
こいつは一種の燃料気化爆弾で…あとはわかるね?


333 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:56:41 ID:X2SbnOgI
足の裏から精密射撃時の姿勢固定用にパイルバンカー装備してる奴が
敵機の足を踏みながら杭出して、そのまま貫通させて下がれなくした上で全力でぶん殴る
みたいなコンボを考えた事はある


334 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 22:58:40 ID:AqyCetZy
なんでこのスレガチンコ格闘に詳しい人が多いんですか…
しかもえげつない方面にばかり


335 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 23:03:20 ID:X2SbnOgI
ロボット+格闘術って夢が広がるよな〜
人体に無いギミックを前提とした格闘技ってのを
色々妄想した事もあったなぁ……主に銃夢の影響で

生まれ変わったら宇宙空手家になるんだ……


336 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 23:09:04 ID:H61g1Xp1
 格闘するんならチンコクピットもかなり危ないような……脊髄のあたりはどうなんです?


337 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 23:12:01 ID:TBkgcycr
>>336
脱出ポッドを兼用するとしても結構理想的な箇所だと思うなー。敵から離れた方向に射出出来る訳だし。
振動やら衝撃なんかはどうかは知らないが……



338 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 23:14:08 ID:X2SbnOgI
>>336
脊髄とか負荷のある運動やってると痛めやすい部位だし
コクピット仕込むには不安な事は変わらんのでは

真面目に考えると遠隔操作するか
パイロットをガンダムファイター系にする必要があるな
ゲッターロボとか「パイロット頑丈な奴にすればよくね?」だし


339 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 23:25:09 ID:FxmTApj/
>「パイロット頑丈な奴にすればよくね?」

ゲッター線「そうなるように仕向けた。竜馬かわいいよ竜馬。リョウちゃんマジダイナミック」


340 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 23:26:39 ID:eb7kFF8b
ガンダムファイターって生身で戦った方が強いんじゃないかと思えるぐらいだよね。
素手でモビルスーツ破壊するし、ドモンと師匠はビル蹴り飛ばすし。

機動武闘伝Gガンダム 生身での戦闘シーン集
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm10761058


341 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 23:34:00 ID:X2SbnOgI
真面目な話、そういう「コクピットはどこにあっても危険」って問題があるからこそ
ロボットによる格闘技術というのが重要になるのではないかと考えたりもする

敵機からの攻撃を装甲で受け流す事で最小限に留め
コクピットや動力部への衝撃も四肢の動きで分散させる
極めた奴は打ち出されたパイルバンカーの先端を絡めるように掴み取り
そのまま関節技や投げ技に移行できますよってなノリで


342 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 23:46:10 ID:AqyCetZy
いま、ロボットでガンカタという妄想が頭をよぎった


343 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/28(水) 23:49:44 ID:H61g1Xp1
 これは模型の箱で何故かやたらとガンカタのアッピルをされまくったストライクノワールさんの出番の予感!


344 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 00:15:36 ID:I4zrqOJi
>>342
実は原作廻セカだとシロはガン=カタ使ってたのだよ


345 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 00:19:10 ID:iVop/utK
な、なんだってー!?


346 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 00:26:21 ID:YtgGS6mJ
 PBMでもその予定だったのよ。でもそんな事したらやおよろずが倒産しちゃうから蹴り主体になったのよ。

 でもたまちゃんは湯水の如く使いまくる! ふしぎ!


347 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 00:30:28 ID:I4zrqOJi
そいや師匠。原作廻セカだとクロの方もガン=カタ使ってたんですか?


348 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 00:34:49 ID:YtgGS6mJ
 ACE終わったどー。EDのクレジットで(´神`)の名前を見た瞬間噴き出してしまった私はナニカサレタヨウダ……。
 それにしても初代は難易度高めだなぁ。

>>347
 あ、はい。
 基本的に黒い子は白い子のカラバリなんでw


349 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 00:46:12 ID:tAP+/02f
(´神`)<ガチタンと聞いて


350 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 00:49:34 ID:YtgGS6mJ
 もう社長、ガチタンならACERに出るでしょ!
 ……何故かAFサイズでドリル付きのやつが。


351 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 00:52:20 ID:tAP+/02f
(´神`)<あれはワシが造った




それにしても、原型になった作品まで愛されるPBMはつくづく変態だと思う(褒め言葉


352 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:00:23 ID:YtgGS6mJ
 うん、そんな気がするよ社長w

>原型になった作品まで愛されるPBMはつくづく変態だと思う
 いやいや、DSには劣りますってw
 まだPBM世界には浪漫が足りない……。


353 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:03:53 ID:tAP+/02f
ナゼェバレタンディス!?


ちなみにDSに廻セカとPBMのような関係の作品はないんだぜ


354 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:04:31 ID:VKPVEQBD
浪漫っていうかあれかな、未知の部分はたしかにDSの方が多いかもですな
PBM!世界は、遺産の類とか何がどうなってるか、あらかた決まってる状態ですしw


355 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:08:53 ID:YtgGS6mJ
>>353
 フロムネタに積極的に反応するのは貴様かage氏くらいのものだからだーっ!

>>354
 それどころか遺産と会話したりキャッキャウフフしたりしてますしね。
 よく考えたら変な世界だなぁ……w


356 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:15:34 ID:tAP+/02f
>>354
待ちたまえ、「何か」についての情報が未知ではないか!?

>>355
>フロムネタに積極的に反応するのは
なん……だと?

うちの世界で遺跡がペラペラ喋り始めたらそれはそれでブキミ(ry


357 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:18:06 ID:VKPVEQBD
>>355
>変な世界
良い意味でねw あるいは個性的ともいうね!

>>356
あちらには無言がゆえの面白さがありますなw
そこいら辺の差異こそ、世界観が立ってるってことかとw


358 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:18:57 ID:YtgGS6mJ
遺跡<よく来たね。君達の事をずっと……待っていた>

 すごくアリだと思います!


359 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:20:33 ID:VKPVEQBD
そういえば今、この板の2周年(8/27)に向けた記念スレが立ってて、そこで板内キャラの人気投票してるそうですよ
せっかくのお祭りだし、エントリーしてみてるのもアリかもですぜ

まあ、その2日後にはロボスレ2周年なんだけどね!


360 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:22:41 ID:tAP+/02f
>>357
無言どころかハイジョハイジョですw

>>358
遺跡<遅かったな……やらないか?>

>>359
人気投票とな……新しい、惹かれるな


361 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:29:05 ID:VKPVEQBD
【8/27】創作発表板二周年記念スレ【お誕生日】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1280186219/

【2周年記念】創発キャラクター人気投票アピール会場
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1280318388/

上が本会場、下が支援投下用会場ですな
普通の投票に加えて、投票ボタン連打自由、愛のある限り投票可能なタイプもあるとかw


362 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:32:56 ID:YtgGS6mJ
 とりあえず“何か”については作中で説明しようかどうか迷ってます、ええ。

>>359
 もうすぐ三年目ですか、時が経つのは早いもんですねw
 もうスレは36号機……随分遠いところに来たなぁ。

>>360
 その遺跡、中に眠っているのはまさか……!


363 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:36:16 ID:tAP+/02f
>>361
ウチの子らは他の板に知られてるような有名人でもないしなぁ……迷う

>>362
迷ってるなら、やっちゃえよ!

そうかもう三年目に突入するんだ…早いな。思えば自分もここに棲み(誤字であらず)ついて一年くらい?なのか。


>中に眠っているのは

興興興興興興興興興興興興興興興興
興興興興興興興興興興興興興興興興
興興興興興興興興興興興興興興興興
興興興興興興興興興興興興興興興興


364 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:37:40 ID:tAP+/02f
三周年じゃねぇ2周年だよーっ


365 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:37:46 ID:YtgGS6mJ
>>361
 ほう、これはこれは……。面白そうですね、ウチから誰か出してみるのも面白いかもしれない……。


366 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:39:40 ID:VKPVEQBD
>中に眠っているのは
ま、まさか伝説のAss Bore Encounter(尻掘遭遇存在)が……!

>>362
>スレは36号機
避難所まで足すと、もうジャスト50スレ目なんですなあ……感慨深い


367 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:42:07 ID:tAP+/02f
ウ詐欺さんが影からじっと見ている!

        /丶
.       /  .|
       /ノ .リ
.      // ノノ
      / ' ∠ 、./\
   ,/       匁. \
  ,:′          \ ヽ、
  i/  __ノ__.   ハ_,_  ハヽ、.__フ
  ζl. i _/レ__ヘ.ノ_V_ソ, .i
  'イ l イゝ__ノ  ゝ_ノレ .ノ   
   ハ 人|*._  △ *ハノ.    ………。
.  /    テ.\V.ヘ   ' i
 ノ     ノ i く冫li.   :
 : ,イ   ゙α'ラテ爪ν  ;
 ヽハノ从 F=テF=トノレヽノ
     ' 'i._/. l._;'





368 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:43:49 ID:VKPVEQBD
>>363
>迷う
まあ細けえこたあいいんですよ!
未見の人のために、wikiにリンクを張れたり、支援投下もできますしね

>自分もここに棲み(誤字であらず)ついて一年くらい?なのか
俺もあと少しで常駐1年ですわー


369 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:48:10 ID:YtgGS6mJ
>>363
 やるとしても凄い終盤ですけどねw

>興興興興興興興興興興興(ry
穴ウンス:侵入者感知、廃除せよ。

???:やらないか、やらないか、やらないか、やらないか、やらないか。

(BGM:Red Butterfly)

 ですねわかります!


 しかし人気投票か……遥さんはなんかそういうのとは無縁そうっていうかあんまり人気なさそうなイメージががが。
 送り出すとしたらウ詐欺さんか珍獣かババァかまどかさんじゅうよんさいかペネ子でしょうか……ウーン、迷う。


370 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:50:00 ID:rMW2oR9e
どうやら明日でここに来てジャスト一年らしい自分が参上
というかまだ一年経ってなかったのかw


371 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:51:45 ID:YtgGS6mJ
>>370
 おめでとうございますw
 というわけで……さあ、名を名乗れ!


372 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:52:31 ID:VKPVEQBD
まあ、ぶっちゃけ、そこまで重く捉える必要はないかとw
開始3時間にして、半ば自演気味に連打で1000票超えのキャラとかいるんでw

>>369
>凄い終盤
たしかPBM!っていつか計算した時に、完結まで6年くらいかかるって……w


373 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:53:52 ID:tAP+/02f
>>369
なんでもいいから や ら な い か ?

>人気投票
ロボスレ内でやってみたい件

>>370
名を名乗れィ!


374 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:54:24 ID:rMW2oR9e
>>371
名乗るほどのものでもない、通りすがりの仮面r……じゃねぇ、遅筆野郎です


375 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:54:58 ID:m/bTCWC4
>>370
1号機からいるけれどまだ一つも完結させてないせいで
回りの人が完結させてるの見て焦ってる俺ガイル
ちょっと脇道それたら脇道に2月かけてるよ!!


376 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:56:23 ID:VKPVEQBD
ログ見てきたら、7/30のレス数は僅か5レスだったw
そして、その中での投下はただひとつ……! やはりあなたか、筆氏!


377 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:57:04 ID:YtgGS6mJ
>>372
 いえ、終わらせるだけなら次の話でできなくもないです。
 ただし展開はソードマスターヤマトだがな!!!

 最近忙しいですし、完結まではもっと長くなりますね、多分w

>>373
 アッー!


378 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:58:37 ID:7d6mwqHx
急いだところで何もいい事はにい
のんびりじっくりコトコト煮込むといいんだべ


379 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 01:59:40 ID:VKPVEQBD
>>377
ハイスピード展開過ぎるw じっくりやるが吉とですよw


380 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:00:26 ID:rMW2oR9e
一年超えるし色々とけじめなければなるまい!
リアルが落ち着くまでは絵もろくに描けないけど……(´・ω・`)ショボーン

>>376
見抜かれていたというのか…!

そういえばPC買い換えることにしました、財布どころか通帳が瀕死になりますがw


381 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:02:55 ID:VKPVEQBD
>>380
フフフ……!

にしても、筆氏のデジタル環境が、最近どんどんハイスペックになっていきますなw


382 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:03:22 ID:tAP+/02f
>>375
制限期間は決められてないし、厳密な締め切りもないのだからゆっくり行きましょうぞw

>>377
>終わらせるだけなら次の話でできなくもない
うそーんw

>>380
遅筆氏が新型になって帰ってくると聞いて


383 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:03:55 ID:YtgGS6mJ
>>374
 誰かと思ったらちーちゃん! ちーちゃんじゃないか!
 早いもんですねぇ……。

>>375
>1号機からいる
>まだ一つも完結させてない
 よし、把握したぞ!
 まあ、私も完結1作品だけな上に二次創作なんで気にしない気にしないw
 たろ氏の勢いは本当に凄まじいべ……。

>>378-379
 ンッフッフッフ……このPBM、急ぐ気などもとよりない!


384 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:04:54 ID:rMW2oR9e
>>381
というか現状がロースペック過ぎてw

・起動後も数分間は動かない
・いきなり電源から落ちる
・二窓でフリーズ
・動画でフリーズ
・なんならノートン先生でフリーズ
・Pixiaにすら耐えられない処理速度


385 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:08:36 ID:rMW2oR9e
>>382
何故かソフトではなくハードから固めていく私ですw

>>383
そうだよ!ちーちゃんだよ!
いいかげんロボくらいはそろそろ完成させないといかんぜよ……。


386 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:10:07 ID:YtgGS6mJ
 ハードに固めていく、だって……!?


387 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:10:22 ID:VKPVEQBD
>>383
ちーちゃん吹いたw

>>385
期待してお待ちしておるのだぜよ!


388 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:11:39 ID:tAP+/02f
>>383
萌えキャラみたいに言うなwwww

>>385
たしか、修整に修整でなかなか終わらないとか……でしたっけ?


389 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:15:14 ID:YtgGS6mJ
 遅筆氏は今どれくらいデザイン溜め込んでましたっけ?


390 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:15:14 ID:rMW2oR9e
>>386
そうそうSMのごt(ry

>>387
その関係でちょっと今年の夏は顔出す回数が減るかもしれんぜよ!

>>388
現状は忙殺されてるというのが一番ですね
とりあえず修正を恐れずに現状のMAXを一度ぶち上げようとは思ってます


391 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:16:39 ID:YtgGS6mJ
>>390
 え!? ブレードを使う時の基本戦術じゃないんです!?


392 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:19:59 ID:tAP+/02f
遅筆が描いているという絵の内容を忘れてしまった!


393 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:21:09 ID:rMW2oR9e
ロボが7機とキャラが勝手に描いてるのと依頼で7人ですね、あと紙飛行機一枚
リメイク数はロボが15回くらいでしょうか、人はカウントが難しいです
とりあえずはロボ優先で処理を進めようかと

どんだけ溜め込んでんでしょうね、本当に('A`


394 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:22:12 ID:VKPVEQBD
つうか、俺に至っては、自分でやると宣言した分が分からなくなってきたぜ……やべえ……


395 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:22:46 ID:YtgGS6mJ
・リベジオン+フライトユニット
・アインツヴァイン
・ドラグリヲ
・フツヌシ
・遥さんとベルたんとウ詐欺さんがぱんつでにゃんにゃん←New!

 だったような気がしマッスル。


396 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:23:03 ID:tAP+/02f
島用の書くとか宣言してたの忘れてたががががががががぴー


397 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:24:53 ID:VKPVEQBD
絵:eXaのアリスと、エアーズと、アノフェレス
文:DSV
アレ、あとまだ他にもあったような気がするぞ……!?


398 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:25:16 ID:rMW2oR9e
・リベジオン
・ネクソンクロガネ
・ブルーショルダーカスタム
・ドラグリヲ
・フツヌシ
・アインツヴァイン
・オルヴェリオン

キャラはどれが依頼でどれが勝手に描いてるのかわからない状態です
・遥さん
・ウ詐欺
・ベル
・シャーリー
・メリッサ
・会長
・霧ちゃん
・カルマ



399 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:25:22 ID:YtgGS6mJ
 私はやる事自体は少ないけど、最近忙しいから手がつけられない……。


400 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:26:43 ID:tAP+/02f
>>397
わぁい超サンダーブリザード!

>>398
すげぇ……w


401 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:27:23 ID:rMW2oR9e
8人じゃねぇか……遂に数すら数えられなくなったというの!?


402 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:28:01 ID:YtgGS6mJ
>>397
 フィジカル遥さんを忘れてるゾ☆
 ……はいすみません嘘つきました。

>>398
 >>395で挙げたの全然足りなかったあーッ!!


403 名前: 超必殺スーパーマッド酸ダガブリザー剣キック乱れ撃ち@珍獣二刀使い [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:28:22 ID:VKPVEQBD
>>398
この数は予想外w


404 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:29:59 ID:YtgGS6mJ
 そろそろチョーさんのコテがわけわかんなくなってきましたねw


405 名前: 超必殺スーパーマッド酸ダガブリザー剣キック乱れ撃ち@珍獣二刀使い [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:30:38 ID:VKPVEQBD
とうとう名前長制限にひっかかったw 「ド」が入らんかったw


406 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:33:04 ID:rMW2oR9e
>>400>>402-403
忘れてるのあったら教えてください、一応全部覚えてると思うんですが…

まぁ、あまり進んでも無いので話すことも無いんですが、1つだけ
オルヴェリオンのモデルは仮面ライダーイクサです、現状w


407 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:35:09 ID:tAP+/02f
>>405
その長さが限界のようですねw


ところで、ロボケミメンバーのラフが既にあるとの話が以前ちらっと出てましたが、今うpして頂けませんでしょうか!

>>406
それで全部のはずです。たぶん。


408 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:35:13 ID:VKPVEQBD
……HD漁ってたらすごいもの見つけた……筆氏出てきた

>>402
悪いごはいねがー、嘘づぎはいねがー


409 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:36:25 ID:YtgGS6mJ
>>405
 ついに限界に達してしまったwww

>>406
>オルヴェリオンのモデルは仮面ライダーイクサです
ΩΩΩ<(ry
 イクサのデザイン好きなんで楽しみですw


410 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:38:33 ID:YtgGS6mJ
>>408
 はい、私です……(尻を差し出しながら)

 ああ、早くウ詐欺さんのぱんつ描きたい……でも時間がない……!


411 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:39:20 ID:rMW2oR9e
>>408
HDを漁ってたら俺が……!?いつの間に電磁記憶媒体に侵入できるスキルを身につけたんだ俺!

>>409
あのデザイン良いですよね、展開前が好きです、個人的に


412 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:40:09 ID:tAP+/02f
>>408
筆氏!?

>>410
ぱんつ(*゚∀゚)=3ぱんつ


413 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:43:55 ID:YtgGS6mJ
>>441
 私もセーブイクサの方が好きですw


414 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:46:00 ID:VKPVEQBD
>>407
全くクリンナップしてないどころか、下書き状態ですぜ
せめて主線拾うくらいしたいので、もすこしお待ちを

その間、発掘された筆氏をご覧下さい
恐らく半年ほど前、どこかへ外出する話になった時に、色々とスレ住人から餞別を渡された結果
このようなお姿になられたものと推測されます
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/720/Fude.jpg
一言でいうならごめんなさいとしか……!


415 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:49:11 ID:tAP+/02f
>>414
待ちます待ちますいつまでも待ちます! ええもちろん本編書きながらたったか待ちますとも!


>筆氏
これはまさかリコーダーwwwww 装備品が酷過ぎるwwwww


416 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:51:15 ID:rMW2oR9e
>>414
まさか盗撮されていたとは……!どこ!?カメラどこ!?




    そうか、極麺を会にローソン行った時に…野郎、店員だと思って油断したぜ!


417 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 02:56:41 ID:VKPVEQBD
住人がレス中で渡していった物だから、ある意味コレがロボスレのセンスだよ!w


418 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 03:13:46 ID:VKPVEQBD
ひとまず1枚
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/721/DS2_NiseJulia.jpg

やっぱ、突貫は駄目だあ……


419 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 03:20:09 ID:VKPVEQBD
さらに突貫でもう1枚上げてみた
……けど>>415をみる感じ、「も少し」の意味が間違って伝わった予感がしないでもないでござる
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/722/RC_Schro.jpg


420 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 03:26:13 ID:VKPVEQBD
うむ、一旦画像引き上げたので、また後日晒しますぜ


421 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 03:33:28 ID:tAP+/02f
目を離してたせいで保存できなかったOTZ
後日ということらしいので、期待を


422 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 12:10:27 ID:YtgGS6mJ
 全部画像見れなかった……orz


423 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 15:26:24 ID:tAP+/02f
ダレモイナイ……トウカスルモノスラナイ……


424 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 16:15:04 ID:YtgGS6mJ
 イソガシクテラクガキモデキナイ……パンツカキタイ、メカカキタイ、SSカキタイ……デモカケナイ……。


425 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 16:19:16 ID:tAP+/02f
(´;ω;`)


426 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 16:34:15 ID:YtgGS6mJ
 だけど来週の水曜、来週の水曜まで我慢すれば、私は少し自由になれる!
 そして8月19日に……ンフフハハハハハハ!!


427 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 16:47:55 ID:tAP+/02f
何が始まるんです?


428 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 16:49:37 ID:YtgGS6mJ
 アーバレストでひと暴れしてきます。


429 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 16:58:56 ID:tAP+/02f
自分の分も存分に楽しんできて下さいね! ……買えないんです


430 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 17:25:37 ID:YtgGS6mJ
 はい、存分に楽しんできますとも!

 フロムさん、秋になったらAC5の情報、出るよね……?


431 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 17:39:03 ID:tAP+/02f
白熱連装チェーンソーで焼き尽くしてやんよ!


432 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 17:53:02 ID:YtgGS6mJ
 なら物影からとっついてやんよ!


433 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 17:56:58 ID:tAP+/02f
フロムでACだから、とっつきとか火炎放射機とかはあるんだろうなぁ
ムーンライトとかもあると予想


発売したら購入しますか、主任?
Yes←→No


434 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 18:18:57 ID:YtgGS6mJ
 我が買わぬと思うてか!

KARASAWA「……」


435 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 18:21:58 ID:tAP+/02f
カァオカァオ!


436 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 18:30:39 ID:qBDxHJf+
PC買うと流石に金が残らない……本当はACER欲しかったんだ!欲しかったんだよ!


437 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 18:34:30 ID:I4zrqOJi
そういやなんかPixivに小説機能が追加されたらしいですね


438 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 18:36:06 ID:tAP+/02f
自分は絵を投稿うんぬん以前なので(ry


439 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 18:44:50 ID:YtgGS6mJ
>>437
 おや、そうだったんですか!
 でも私はこのスレでもう満足してるんだな……。


440 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/29(木) 22:12:37 ID:YtgGS6mJ
 てすてす。


441 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 00:02:59 ID:Hk7aAWSU
 誰もいないと思ったら、みんな規制されちゃったんですね……。


442 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 00:08:41 ID:PpbX6xkw
ロリっ子がスカートをたくし上げて恥ずかしそうな顔をしていれば
一斉に集まってくるって先日ここで聞いた


443 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 00:10:29 ID:1WFE196B
いやいやそんな馬鹿な話が(スッ


444 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 00:21:10 ID:Hk7aAWSU
 できれば泣き顔がいいかな(ササッ


445 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 00:30:38 ID:4t/mYwSe
おい待て、待つんだ。
ロボスレにそんな殊勝な心がけを持った女の子がいるわけ……


446 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 00:31:50 ID:Hk7aAWSU
 た、多分メルフィーならやってくれるよ!

 ウチのヒロインは全滅か……。


447 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 00:39:00 ID:PpbX6xkw
うちはまず、「スカートを穿いている」に該当するのは1作品しかないよ
全作品ほぼ女の子しか存在しないのにスカート比率が約3分の1とは…

まあその1作品だけで14人もスカート穿いてるのだけどね
残り2作品が6人が全身一体ボディスーツで14人が水着
ってなんで女の子ばかり34人も居るんだ!?
野郎が今のところ2人しか出てきてないよ


448 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 00:41:20 ID:Hk7aAWSU
 百合だからさ!


449 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 00:45:43 ID:1WFE196B
なぜかわざわざスカートアーマーを追加装備して、それをまくり上げてる白ウサギさん(ロボ形態)が浮かんだでござる


450 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 00:47:13 ID:PpbX6xkw
あっ!? しかもよく考えたらスカート穿いてる作品には「ロリっ子」な年齢のがいない!
精神年齢お子様は何人かいるけど!!
体型ロリで実年齢はロリじゃないのが1〜2人いるけど!
くそう、ぬかったわ!!


451 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 00:57:10 ID:Hk7aAWSU
〜ウチのロリ〜
 三つ編みロリ→19歳。
 金髪ロリ→19歳。
 ロリうさぎ→23歳。

 全 滅 !

 くっ、ならば候補はティマしかいないか……!?


452 名前: ◆gD1i1Jw3kk [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 13:26:31 ID:UgRHO4NI
M50オントス自走無反動砲って男の子だよな。
という訳で、投下します。


453 名前: 最終話B [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 13:27:33 ID:UgRHO4NI
「安らかに眠れ、柿崎。俺はお前の『死んだら俺の全コレクションを隊長に譲るよ』と約束した遺言を必ず果たす。バイバイブラザー、また会う日まで」
<死んでねーよ、生きてるよ、勝手に殺すなよ!? ってかそんな約束した事も遺言残した覚えもねーよ! 俺のコレクションは死んでも渡さねーからな!!>
「ちぃっ。まだ生きてやがったのか、この糞野郎がッ。戦友が死んで悲しむっていう、物語だと一番盛り上がる良い場面なんだから大人しく死んでろよ!」
通信から流れてくるのは間違いなく柿崎の声。しかし、柿崎はオルトロス二型の針弾に貫かれて致命傷を負った筈。実際、ズタズタになった首から下の胴体が地面に横たえられている。
ならばこの声は幻聴か、柿崎の霊が語りかけてきているのか。答えはどちらでもない。
<頭部の生命維持装置への接続と機体の修理、完了したぞ>
柿崎に駆け寄っていた後方支援重歩兵二人の内一人が報告してくる。
<なんで俺を生首にしたんだよ! ちゃんと治療出来ただろ!?>
<ああ、頭以外の全身がぐちゃぐちゃになってても、生きてれば細胞一つ一つ完璧に治療してやったよ。時間があったらな。お前一人に集中治療する時間なんざ無いんだ、これから糞忙しくなるんだからな>
<糞ッ、右腕持ってかれた!?>
他の仲間が塹壕までやって来たオルトロス二型の針弾に貫かれ、治療用バックパックと修理用バックパックを背負った後方支援重歩兵二人は直ぐに急行する。今度は柿崎と違い右腕が千切れただけの軽傷だったから「生首」にする必要はなく、治療と修理は一分以内に完了した。
<おい、右腕少し短くなってるぞ。ちゃんと治せよ!>
<その程度で文句を言うな。戦闘に支障は無いし、元の世界に戻ったら病院で完全治療してもらえばいいだけの事だ>
正統日本の医療技術は、脳さえ無事ならどんな重傷であろうが完全に治療出来る。昔と違って四肢、臓器の再生程度余裕余裕ゥ。その技術は、最前線で負傷した兵士をその場で短時間に治療する事を目的に開発された重歩兵用携行治療大型バックパックにも使用されている。
並大抵の傷害で死ぬ事は無いし、致命傷を負っても「生首」にして重装甲強化服の生命維持装置と接続すればいい。頭さえやられなければ、まず死なない。
殺すのではなく負傷させて兵站に負担を掛ける、昔使われた手は通用しない。そもそも負傷兵を後方に送る必要自体無いからだ。
大部隊なら治療用大型バックパックより高性能な、病院に設置されている装置と同等の性能を持つ牽引式装甲治療車、自走治療車を戦場に持ってくるしな。
治療と同様、兵器の修理も「その場」で「短時間」に行える。故に、兵士も兵器も凄まじく「タフ」である。その上、正統日本の全ての兵器は「過酷な環境下での長期運用」を前提に設計開発されており、元からとんでもなく頑丈だ。
中途半端に生かしておくと何回でも何十回でも何百回でも蘇ってくる。だから確実に止めを刺す為に、戦力として復活出来ないよう「潰す」為に振動熱兵器が開発されたのだ(実際はそれだけが目的ではないが、ぶっちゃけ説明がめんどいのでここまで)
全身が潰れても頭だけは絶対やられないようにするのは重歩兵にとって基本中の基本。オルトロス二型の針弾を避けられなくても頭に直撃を食らう事だけは避けている。
今の所、「生首」3名、重傷5名、軽傷10名。まだ一人も死んでいないが、このままでは遅かれ速かれ結果は見えている。
「さて、後何分持ち堪えられる事やら」
そう呟いた直後、十数匹のオルトロス一型、二型が攻撃してくる。残った間接防御兵器の弾丸を全て使い果たして足止め、牽制。その間に周囲の仲間の攻撃で多数のオルトロスを倒すが、攻撃を免れた一匹のオルトロス一型が真っ直ぐ俺に向かってくる。
仲間の支援は間に合わない。その上、俺の重装甲強化服は満足に動ける程電力が回復していない。
もう重装甲強化服は邪魔なだけだ。軽装甲強化服を纏った軽歩兵として戦おうと重装甲強化服を脱いで外に出た直後、横から長い黒髪の少女が飛び出し、俺に背中を向けてオルトロスに突撃していった。


454 名前: 最終話B [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 13:28:27 ID:UgRHO4NI
軽装甲強化服すら着ていない少女は、走りながら右手に持った全長37.5cmのゴツイ拳銃、軽歩兵の基本装備である12.5mm軽拳銃(軽拳銃の「軽」は軽歩兵用の略)をオルトロス一型に向けると、片手で握ったまま連続で全弾ブッ放した。
生身の人間なら骨が砕け散り肩が壊れてもおかしくない反動を物ともしない所か一発残らず正確無比に命中させて素早く銃を右腰のホルスターにしまうと左腰の75cm振動熱斬刀の柄を掴み、オルトロス一型が触手を振るう前にその根元へ神速の抜刀を放つ。
斬断された触手が地に落ちるより速く、両手に構え直した刀で一、二、三、四、五、六、七、八、九。計九つもの斬撃を一瞬で振る舞った後に刀を鞘に戻すと、左足を前に踏み出し止めの超神速の抜刀でオルトロス一型を斬り裂く。
75cm振動熱斬刀は軽歩兵用の武装であり、重歩兵用の武装である150cm振動熱斬刀に比べれば威力は大きく劣るが、これ程までの斬撃を浴びてはオルトロスといえども絶命するしかなかった。
全高2mの体が倒れ伏し、生命活動の停止を確信すると、少女は刀を鞘に納めてこちらに向き直り歩いてくる。
真っ黒な和服に身を包んだ美しい少女。外見は十代後半ぐらいで、少女の可憐さと大人の妖艶さを兼ね備えた容姿は彼女より美しい女性などこの世に存在しないのではないかと思わせる程であった。腰まで届く艶やかな長い黒髪が彼女の魅力を更に高めている。
重装甲強化服を脱いで外に出た俺のすぐ前で彼女は立ち止まった。無言で、怒っているようにも泣きそうにも見える複雑な表情で真っ直ぐ見据えてくる。どうしてそんな顔をしているのか理由は全く分からない。取り敢えず、俺は彼女の名を口にした。
「シーナ、危険だから出てきちゃ駄目だって言っただろう。さ、危ないから輸送車に戻るんだ」
彼女は……シーナは、中隊にとって最も大事な存在だ。俺達百人全員の命を掛けてでも守り抜く決意と覚悟で戦っているのに、危ない戦場に出て来られては困る。だが、シーナは戻ろうとはせず、顔を俯けた。堅く握り締められた拳が小刻みに震えている。そして。
「がッ!?」
全力で殴られた。シーナの渾身の右拳が左の頬……軽装甲強化服の頭部左部分に叩き込まれ、強制的に顔を右へ向かせられる。
並大抵の打撃では蚊に刺された程度も感じない軽装甲強化服越しに激痛を感じる程の拳打を受けて、殴られた事よりもシーナの拳を心配して直ぐに顔を戻す。案の定、シーナの右手は皮が破れて血が流れていた。だがそれ以上に、シーナが目から涙を溢れさせていたのが衝撃だった。
「どうしてですか」
こちらが言葉を発するより早く、シーナは問い掛けてくる。
「何でですか」
悲しい顔で、悲しい目で、悲しい声で、涙を流しながら。
「私は、本気で怒っているんですよ」
シーナは詰め寄り、叫んだ。
「私が人間じゃなくてロボットだから他の皆と同じように扱ってくれないんですか!」
俺はどうすればいいのか、何を言えばいいのか分からず黙るしかなかった。シーナは更に叫ぶ。
「私を本当に大切だと思っているのなら、どうして一緒に死のうと言ってくれないんですか、隊長!?」
シーナは俺の胸元に額を押し付けると、嗚咽を漏らしながら血が流れる握り拳で胸を軽く叩いてくる。
彼女は、シーナは人間ではない。俺達の中隊が所有する備品、「物」。女性型性処理用ロボット第4444444号が正式名称だ。
男の欲望と暴力を受け入れる為、ただその為だけに造り出された「彼女達」は、むしろロボットというよりも人間に近い。本来の目的である性行為は当然として、全身に血は通い、涙も流せ、人間と同じように食事も出来る。「最悪の事態」に備えて、妊娠、出産も可能。
最高の技術で造られた、最高の「人形」。だが俺達は法律ギリギリの改造を施し、彼女に心を与えた。一度も慰み物とはせず、娘、あるいは妹のように大切に扱った(抱いたら処女じゃなくなっちゃうってのが大きい理由だったりするが)
この娘を守れるなら命など投げ捨てても構わないと、俺を含めた中隊全員が心の底から思っている。だから、俺達全員がオルトロスに殺されても生き残って欲しかった。
輸送車の中に入れたまま地面の奥底に埋めておけば、何十年、何百年先になるか分からないが、何時か安全に外に出られる時がやってくるだろう。だが、俺の胸に縋って泣くシーナを見て、その考えは間違っているのではないかと思い始めた。


455 名前: 最終話B [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 13:29:41 ID:UgRHO4NI
俺達は一度も手を出してはいないが、シーナは抱いて欲しいと思っている。それが彼女の造られた、この世に在る為の存在意義だからだ。人間と同じ心を与えられても変わらない、本能のようなもの。それを俺達の我侭でずっと満たす事が出来ずにいた。なら、せめて。
「すまなかったな」
シーナを抱き締めて、頭を撫でる。本来の使い方をされず、最後は廃棄同然に「持ち主」から捨てられる。それは彼女にとって耐えられない事だったのだろう。抱く事は出来ないが(俺達は童貞だ!)、せめて運命は共にしよう。
「一緒に死ぬか」
そう言うと、シーナは両腕を俺の首に回し、思いっきり抱きついた。涙は変わらず流しているが、怒りでも悲しみでもない。喜びの涙だった。
「地獄の果てまで御供します」
より一層抱き締めて、優しく頭を撫でる。全く、本当に可愛い奴だな。死んでも一緒に居たいと思う、思ってくれる生身の女なんざ一人もいやしないが、そんな事はどうでもいい。この娘だけいてくれれば。
「全く」
左腕でシーナの頭を撫で続けながら、右手に持った12.5mm軽拳銃で襲ってきたオルトロス一型二匹に弾倉の全弾丸を撃ち込む。
「いいシーンなんだから邪魔するんじゃねーよ、戯け!」
二つ同時に持った軽歩兵用手榴弾、軽手榴弾をオルトロス一型二匹に投げ、止めを刺す。
「全員聞け、中隊長命令だ。「生首」と重傷者、治療と修理用バックパックを背負った者を除く全ての重歩兵は重装甲強化服を脱ぎ捨て、軽歩兵として戦え。どうせ重装甲強化服はもう弾薬も電力も使い果たして何の役にも立たんだろう。
最後に残った軽歩兵用の全武装、全弾薬を叩き込むぞ。奴らに俺達の恐怖の味を刻み込ませてやる」
<そいつぁいい考えだな、隊長>
<そうだな。さっさとあのタコ共をブチ殺して中隊裁判を始めようぜ>
<シーナに抱きついたり、頭を撫でたり、そんなうらやまけしからん事をやりたい放題しやがって……ゴルゴ……隊長、ゆ゛る゛さ゛ん゛!>
<じゃあとっととオルトロスを皆殺しにしちまうか>
<製作途中の十八禁同人ゲームも完成させなきゃならんしな>
「……全く、どいつもこいつも、本当にどう仕様も無い野郎ばっかだな」
シーナが離れる。彼女は今までで最高の笑顔で頷いた。俺はシーナの頭にぽん、と手を置いた。
「行くぞ、糞野郎共、馬鹿野郎共。全員で地獄への片道切符旅行だ。楽しみながら喜びながら遅れず俺について来い」
<おおッ!>
右手に弾倉を交換した12.5mm軽拳銃を、左手に30cm振動熱斬刀を構えて迫り来るオルトロスに突撃しようとした、その時。塹壕の外側で爆発が起こった。
<な、なんだ!?>
砲弾を撃ち込まれたような、千を越える爆発。爆煙が晴れた後、小型浮遊監視装置から送られてきた映像には全身から水蒸気を発しながら溶けていくオルトロスの姿が。
<こ、これは振動熱……!>
「ま、まさか」
[そのまさかよ]
「何ィッ!?」
小型浮遊監視装置がオルトロスとは異なる反応を捉えた。俺達を、いや、オルトロスを包囲するかのように、少し離れた距離でドーナツ状に均等に現れた900の反応。それは間違いなく、五式重装甲強化服だった。
[地獄への片道切符旅行だって? そんな楽しそうな事を自分達だけでやろうなんてずるい奴等だな、俺達も交ぜろよ]
[ちなみに嫌だと言っても聞く耳持たんからな]
[シーナたん、本物の生シーナたんだよ、ハァハァ]


456 名前: 最終話B [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 13:31:35 ID:UgRHO4NI
   突撃中隊 主な武装 125mm重擲弾発射機300基 250mm超重擲弾発射機100基

   砲撃中隊 主な武装 100口径62.5mm砲200門

  速射砲中隊 主な武装 牽引式100口径62.5mm連装砲25基50門 牽引式弾薬車25両

対空速射砲中隊 主な武装 牽引式100口径62.5mm連装砲25基50門 牽引式弾薬車25両(精密遮蔽誘導砲弾)

 対戦車砲中隊 主な武装 牽引式100口径125mm砲25門 牽引式弾薬車25両(超振動極熱弾)

  対空砲中隊 主な武装 牽引式100口径125mm砲25門 牽引式弾薬車25両(精密遮蔽誘導砲弾)

  榴弾砲中隊 主な武装 牽引式50口径250mm榴弾砲10門 牽引式弾薬車10両

  迫撃砲中隊 主な武装 150mm迫撃砲50門 牽引式弾薬車50両

 重迫撃砲中隊 主な武装 300mm重迫撃砲10門 牽引式弾薬車10両

9個中隊、900人の重歩兵達。
「お前ら、いつから」
[ついさっき、一分以内だよ。あ、一分はもう過ぎたか。それにしても再転移、とでも呼べばいいのか。まぁ、そんな細かい事はどうでもいいか、時間も無いし]
先程攻撃したのは900人全員ではなく、突撃中隊の100人だった。両肩、両手、両腰に計6基の125mm重擲弾発射機を装備した50人、250mm超重擲弾発射機2基を両手に持った50人。
明らかに過剰装備であり、重歩兵の利点である機動力を殺してまで「イカれた」超重武装をした馬鹿野郎共。まぁ、俺もあんまり人の事は言えんが。
弾倉によって五発連射可能な125mm重擲弾発射機。125mm重擲弾発射機と違い、単発式の250mm超重擲弾発射機。
誘導砲弾と比較して誘導装置が無い分、安価の上に純粋な破壊力が高い無誘導弾。125mm榴弾1500発、250mm榴弾100発を撃ち込んだのだ。そして彼らは既に砲弾の再装填を済ませていた。
[全員、味方を取り囲む敵生物に向かって攻撃ィッ!]
突撃中隊中隊長の号令で新たに125mm榴弾1500発、250mm榴弾100発。前回の攻撃と合わせて125mm榴弾、計3000発。250mm榴弾、計200発がオルトロスに容赦無く降り注ぐ。
突撃中隊は全弾薬を使い果たして要らなくなった125mm重擲弾発射機、250mm超重擲弾発射機をその場で投げ捨てると、鞘から重装甲強化服の全高と同じ長さの巨刀、300cm超振動極熱刀を抜刀し、両手に構えた。
[行くぞ。命知らずの馬鹿野郎共、命要らずの糞野郎共。ただひたすら突き進み、粉砕し、殲滅しろ。突撃せよ、突撃せよ]
道を阻む者は神でも人でも鬼でも等しく斬り捨てる修羅、100人の突撃兵が全力全速でオルトロスに向かっていく。その突撃兵を援護するべく、他の部隊も攻撃の準備を整えていた。


457 名前: ◆gD1i1Jw3kk [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 13:33:09 ID:UgRHO4NI
以上。
次の次か、次の次の次辺りで完結予定です。もうちょっとだけ続くんじゃ。
それでは。


458 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 16:58:41 ID:PpbX6xkw
>>457
投下乙です!
味方増援の登場は燃える王道シチュ!
クライマックスですねえ


459 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/30(金) 17:03:09 ID:/eITbptP
>>457
投下乙!
柿崎「ふう、死ぬかと思ったぜ!」

正当日本軍しぶとすぎるw頭潰さないと死なないとかどこの吸血鬼ですかww
しかし重歩兵中隊の紳士度は異常。わりと本気で勝てる気がしない。

そしてAルートの爆撃機に相当するのが再転位した味方とは……しかも9個中隊とか負ける気がしないw
続き楽しみにしてますよー!


460 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/30(金) 22:00:40 ID:gfMnP59S
てすてす


461 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/07/30(金) 22:01:21 ID:gfMnP59S
きた!解除きた!これで勝つる!


462 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/07/31(土) 18:12:18 ID:b7gcLYG/
そして人稲……
救いはないんですか!?


463 名前: 創る名無しに見る名無し 投稿日: 2010/07/31(土) 23:41:41 ID:+IubU6Jc
s


464 名前: 本スレよ、>>882は帰ってきたぁ! ◆MVh6W.SAZtbu [sage] 投稿日: 2010/08/01(日) 18:27:21 ID:VXe+YvhZ
丹羽部長まとめ↓ ペンタブ不調に悩まされたが、ようやっとまとめられた。
http://dl7.getuploader.com/g/sousakurobo/737/Niwa.jpg


465 名前: 秋水 ◆3C9TspRFnQ [sage] 投稿日: 2010/08/01(日) 19:45:28 ID:uZSogrdP
立体もOKらしいので、アップローダーの練習がてら。
これで大丈夫かな?

http://dl3.getuploader.com/g/sousakurobo/738/FA1.jpg

写真の内容はダイガスト世界の10式装甲歩行戦闘車両…じゃなくて、
コトブキヤのオリジナルロボットものに手を加えたもの。

おまけ 全国のレイヴンどもに
http://dl3.getuploader.com/g/sousakurobo/739/FA2.jpg


466 名前: 本スレよ、>>882は帰ってきたぁ! ◆MVh6W.SAZtbu [sage] 投稿日: 2010/08/01(日) 22:09:52 ID:9Mmnx+e5
>>465
投下乙!
フレームアームズですな。立体やる人が増えるのは嬉しい限りです。
2枚目を見ると、けっこう派手なポーズもとれるんですね。

ふっと思い付いた。琥珀全身デザイン↓
http://dl8.getuploader.com/g/sousakurobo/740/amber+idea.jpg

頭部サイズのバランスで悩んでるので複数描いた↓
http://dl5.getuploader.com/g/sousakurobo/741/amber+idea+2.jpg

蜥蜴氏、チェックお願いします。


467 名前: 本スレよ、>>882は帰ってきたぁ! ◆MVh6W.SAZtbu [sage] 投稿日: 2010/08/01(日) 22:15:00 ID:9Mmnx+e5
書き込み落としてしまいましたが、アップローダーの管理人さん、削除ありがとうございました。


468 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/01(日) 22:27:07 ID:Vtkwfp4H
久しぶりにまとめサイト見てみたら
自分の作品の感想がコメントであって嬉しい限り……

頑張って続き書かねばだ


469 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/01(日) 22:54:09 ID:n8YQpjoI
 


470 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 05:49:13 ID:c7ezch7q
本日19時ぐらいから3万4千字相当の物語を二時間置きぐらいで3回ぐらいに分けて投稿しようと思います
その際にはよろしくお願いします

今回のお話は萌えってなんだろう?って考えた末に出来ちゃったシリーズ第二弾です
きっと萌えがしっかりかけてると思いますので期待しすぎない程度に期待して貰えれば幸いです


471 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:04:24 ID:c7ezch7q
遅れましたが投稿していいかな?


472 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:07:40 ID:c7ezch7q
ちょっと時間無いので急行でやります(´・ω・‘)
止まったら規制されたと思って貰えればOKです。


473 名前: 電瞬月下 弐 一/八 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:10:01 ID:c7ezch7q




 不敗剣。
 それは如何なる剣理なのだろうか…。
 ありとあらゆる技を用いてもそこには一部の隙が生まれる。
 それが、どんなに刹那的なものであったとしてもその隙を突かれれば、敗北は必至なのである。
 だからそれを補う為に、より隙がないようにと技巧を凝らし、知恵を絞る。
 ある者は最短最速の流れを編み出そうとすれば、その手数を増やし相手をかく乱しようとする、果ては技をわざと打たせて相手の打ってきた攻撃に対応した後に攻撃するなどという概念まで存在するほどだ。
 相手がどうくるか、自分がどうするか。 
 この世界には実力が大きく違う者の決闘でさえ、その際に用いる工夫次第で弱き者が強き者に勝つ等という事がありえる。
 それほどまでにこの剣理の世界は深くまだその鉱脈の全ては掘り尽くされていない。
 つまり、勝つ為の手段というのは変幻自在であり千差万別。
 その中に勝つ為の絶対的な正解手など存在しないと言えるだろう。
 よって不敗の剣など存在しえないのである。
 だが、此度の物語で語るのは『不敗剣』の物語。



 満月が今宵も呪われた島に狂気を引き寄せ、機械仕掛けの鎧武者が血風を散らす呪ヶ島三決闘、第二幕の始まりで御座いまする。
 
 此度の闘いの鍵を握るのは、毒でありまする。
 如何様な毒がこの物語に回るのか…存分に思考してお楽しみくださいませ…。




電瞬月下 弐 ―不敗剣『刀蜘蛛』―




 呪ヶ島。
 幾多の武人達が、斬り合いの末に放たれた怨嗟に塗れた孤島。
 この大和国において、かつてから様々な決闘に用いられ、血に塗れた孤島。
 この孤島には武者の血を養分にして育った、樹木が生い茂っていると言われており、まるでその一つ一つがこの島で死んだ人間達の墓標のようになっていた。
 そんな孤島の入江にある白砂利が敷き詰められた決闘場。
 そこで、今宵も二機の武甲人が立ち向かい合い決闘を始めようとしていた。
 片方の色は漆黒、背に大きな二つの加速器である火筒が備わっており、二丈二尺程の長大な野太刀を構えている。
 武甲人はその纏った鎧の大きさから其の身の丈に合う生身では扱えぬような長大な太刀を使うのが常識ではあるが、長くても二丈であり、この二丈二尺という長さは異常という事、他無い。
 その武甲人、銘を『厩源時三式(うまやげんときさんしき)』という。名門と謳われる厩一門切っての天才『源時』の三つ目の作品。
 源時の作り上げた武甲人の中でも特に傑物とされる厩三大甲の一つである。
 それを纏うのは天田流名子派(あまたりゅうなごは)にて認可を受けた一人の男である。天田流は変幻自在を旨とする流派である。
 ありとあらゆる状況に対応し、処理し勝つ、それを基本理念として掲げる流派であり、常軌を逸した技よりも、常軌を逸した対応がこの流派の特徴であった。
 一つの技を持って一ノ太刀を放てば、その技の隙を即座に見抜き対応し打倒する。
  相手をした者からすればまるで悪魔のような剣術。
 だが、それはありとあらゆる状況において完璧な判断力を必要とするという事を示している事に他ならない。
 故に天田流での修練は常に命を危険にさらして行う、試合すらも全て真剣で行い死の傍で修練を行う事により刹那的な判断力を養うのである。
 稽古で死者が出るという狂行。
 天田流の門を叩くのならば千度死ぬ覚悟が必要だというのは剣について多少の知識がある者ならば誰もが知っている事である。




474 名前: 電瞬月下 弐 二/八 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:11:08 ID:c7ezch7q

 だが、時を重ねる事に、修練の最中で命を落とすなど馬鹿げているとされ、天田流もその狂気じみた修練を行われないようになっていった。
 それに異を唱えたのが、名子派なのである。
「元来、剣とは修羅の道、命を賭して修練を行わぬ者がその道を極められる事も無し。」
 そういって、本流から分裂した名子派は天田流古来から伝わる命をかけた修練を行った。
 人はそれを昔気質の馬鹿な考えと嘲笑したが、名子派が排出した武者達は、人々にその考えは改めさせる事になる。
 命を賭して得た刹那の対応力は他流の隙を一瞬で見抜き、全てに的確な返し手を放ち、斬り捨てる。
 そうして名だたる武芸者を次々と切り捨てた彼らはまさに阿修羅の如き強さを人々に示した。
 天田流名子派と決闘し生き残った数少ない武芸者は伊達にされた顔で「天田流名子派には触れるべからず、あれは人外の剣なり。」とただ怯えて漏らすばかりだった。
 その天田流名子派の皆伝を受けた男が、天田流秘蔵の武甲人『厩源時三式』を纏ってこの呪ヶ島に立っているのである。
 男の過去を顧みて『追道者』とでも称するべきだろうか…この男、ただ『至高剣』とは何か?それだけを求めて修羅の道を歩む者である。
 さて、それに向かい見えるもう一機の黄土色の武甲人。
 珍しい流星的な曲線を帯びた造詣が印象的で、両肩にある腰までに延びる二つの大きな触手のようなものが目にいく。
 背には二つ、両脚に二つと取り付けられた小型の火筒はこの武甲人が速力を重視して作られたものだと感じさせる。
 この黄土色の武甲人、銘を『鼬蜘蛛(いたちぐも)』という。蝦夷地方で名を馳せた緒方一門を破門された緒方源一郎作。
 緒方源一郎は緒方一門の中でも高い才覚を示し将来を有望視されていた男だったのだが、とある日から奇々怪々な武甲人しか作らなくなったのである。
 刀を持たぬ武甲人『伊賀栗』、体に百本の刀を備え付けた『針鼠』、5丈程の巨躯を誇る『城象』など名甲ではなく奇甲、常人には理解できないような概念を多量に詰み込んだ武甲人を大量に作り上げたのである。
 だが、その奇甲は駄作扱いされる事は無かった。常識に囚われずに作られたそれは、相手に攻撃手を読ませる事無く、理解が届かぬ奇々怪々な機構で名甲を纏った名のある武者すらも敗北を喫した事がある程だ。
 それ故に、この緒方源一郎作の奇甲を高く評価する者もいる。
 だが、それはあくまでその奇甲に緒方源一郎が吹きこんだとされる常識の中を超えた概念を理解し、使いこなしてこそ初めて意味を持つ。
 それ故に、扱いは困難な代物とされる上に、その機構の概要が認知されてしまえば、その武甲人は大きなディスアドバンテージを抱えてしまう事になる。
 奇甲は奇異でありその全貌が掴めない故に奇甲なのである。
 その奇甲の情報が漏洩してしまえば、もはやそれはただの屑鉄に過ぎない。故に奇甲使いは、徹底的にその機構を隠し、その機構を見た相手は全て殺す事を旨とするのである。
 それ故に、割に合わない、知らぬ者しか殺す事が出来ぬ駄甲等と評される事も多々あった。
 強き武者の情報は瞬く間に広がるこの大和において、この弱点は致命的ともいえた。
 さて、『鼬蜘蛛』は緒方源一郎末期の作品とされる奇甲である。緒方源一郎末期の作品は前面に押し出されていた奇異なデザインがなりを潜め、比較的武甲人としての定型に当てはまる形状をしている。
 確かに、流星系というのは異端の形状ではあるが、加速性を考慮して作り上げたのならば理解出来ないものではない。
 武器も目に付くのは腰に一本だけある小太刀のみと機動性を重視して作られている点が見受けられる。
 これだけならば少し変わった機動性を重視した武甲人という枠に収まる代物であった。
 だが、緒方源一郎の作は例外無く奇甲である。
 緒方源一郎の末期の作品が、このような形状になったのは大きな理由がある。




475 名前: 電瞬月下 弐 三/八 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:12:24 ID:c7ezch7q

 どれほど奇異な機構を作り上げたとしても、一度、白日の元に晒してしまえばその戦闘能力を露呈してしまい、対策を練られ打破されていく自身の武甲人を見る中で緒方源一郎は悩み、究極の機構とは何か?という命題に挑む事になる。
 見られてしまえばどのような奇々怪々な機構であっても対策を取られてしまい、次へ次へと闘いを続ける内に、それは使いものにならなくなってしまう。
 それを解決する為に緒方源一郎が辿り着いた機構は暗器であった。
 見えてしまうのが駄目ならば見えぬ機構を作れば良いと結論したのである。
 それ故に、外見は比較的に常識的な物を保ちつつ中には多量の機構を隠し持つ、そんな、奇甲を作る事に終始したのだ。
 前期や中期ほどの大がかりな機構が内蔵された武甲人ではないが、それは一見してどのような奇怪な機構が見えぬ奇甲として完成された。
 そして、その中でも傑作と緒方源一郎が死を前にして評したのがこの『鼬蜘蛛』なのである。
 さて、この『鼬蜘蛛』を扱う者、それは流派を持たぬ者である。
 かつては一刀流に身を置いた事もあったのだが、ふとした事でこの『鼬蜘蛛』を手に入れ、魅了され、一刀流における修練すら忘れ『鼬蜘蛛』の研究に走った。
 そして、二十年にも及ぶ研究の末に、自身の剣術と組み合わせて一つの魔技を生みだすに至った。

 −不敗剣―

 決して負けぬ事を意味する不敗、その二文字を冠する剣理をこの『鼬蜘蛛』を纏う者は完成させたというのだ。
 不敗とは幻想である。
 この世に決して負けぬ剣などあり得ない、どのような構えどのような攻撃からも必ず隙は生まれる。
 研鑽を積み重ねる事でそれは限りなく完全無欠に近いモノに近づけるのかもしれないが、それが完全無欠となる事は無いのだ。
 それは人が作りだした者の必然である。
 誰もがこの者が慢心して吐いている世迷い言だと思った、彼らはそれを法螺吹き(ほらふき)と呼んで嘲笑した。
 しかし、これもまた覆される事になる。
 一人の高名な武者がその不敗剣の鼻を明かそうと挑んだが、その武者は文字通り八つ裂きにされ肉塊になって帰って来たのだ。
 一体どのような剣術を用いれば人間はそのように解体されるのか?
 その死に様は不敗剣の異常さを感じさせるに十分なものだった。
 おそらくは『鼬蜘蛛』の暗器が関係しているのだろうと人は予想する、だがあのように人間を斬殺する暗器が存在するのだろうか?
 不敗剣を馬鹿にした武者達はその不敗剣の不気味さに恐怖を感じた。
 だが、馬鹿にした手前、それに挑まず逃げたとあっては武者の恥である。
 よって、また一人の武者が不敗剣に挑む、結果は同じく八つ裂き。
 さらに武者達は恐怖する、そうしてお互いに次は挑むのはお前だと譲り薦め合うようになる中で一人の男がその不敗剣に挑むと名乗りをあげた。
 それが天田流名子派皆伝の『厩源時三式』を操る武者、追道者であった。
 彼は不敗剣を否定し嘲笑などした事は無かった。
 だが、その不敗剣という技に非常に強く興味を引かれてもいたのだ。
 不敗剣とはいかなる理論によって構築された剣であるのか?何を持って不敗などと名付けたのか?
 それが自身の求める『至高剣』に繋がるのではないだろうか?
 そう考え、法螺吹きに決闘を挑んだのである。
 そして呪ヶ島の入江にある決闘場にて、『追道者』と『法螺吹き』、『厩源時三式』と『鼬蜘蛛』、『天田流名子派』と『不敗剣』の決闘となったわけである。
 追道者は中段に構えて徐々に鼬蜘蛛との間合いを詰めていく。
 天田流は基本的には受け技を得意とする流派である、自ら攻撃に出るという事はほとんど行わない。
 故に野太刀を中段に構えて、相手が動くのを持った。
 この野太刀を中段に構えるというのはある意味、異質の構えである。
 いや、剣に置いて中段の構えは攻防を兼ね備えた基本中の基本であるが、厩源時三式がその手に携えるは二丈二尺の長さを持つ異形の大太刀である。
 このような長剣を自在に振りまわす事は困難であり、中段において重要な即応を殺しているとも見る事が出来る。
 中段に構える事で、その刃の長さが大きな威圧感を持つのは確かであるが、それは単なるこけおどしでしかないと見る事も出来る。



476 名前: 電瞬月下 弐 四/八 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:13:33 ID:c7ezch7q

 つまるところ、長大な太刀を手にした時点ですぐ様、攻撃に転じられる、上段に構えるのが定石の筈なのだ。
 それこそがこの大太刀の長さと重さ、その双方を最大限に生かす術なのである。
 だが、その定石に矛盾を感じる事は無いだろうか?
 厩源時三式は天田流の理念と余りに違っている。
 相手の攻撃に対して即応し、返し、斬り捨てる、返しの剣。これぞ、天田流である。
 だが、この厩源時三式は長大な太刀を主武装としている点からも大きく攻撃力に比重を置かれた武甲人だ。
 防御を軸とした剣が、何故このような、攻撃特化の武甲人を秘蔵の武甲人としてきたのか?
 そしてその武甲人に対して最も適した上段という構えを取らず、あえて中段を取るのか?
 だが、その矛盾に応える物が天田流には存在している。
 是(これ)、天田流『引き心』と申す構えである。
 あえて、己の不利を相手に晒す事により、相手の意識をそこへと集中させる。
 そしてそれによって自身の不利や隙を限定させる事によって、そこへの攻撃を狙って放ってきた攻撃を逆に斬る。
 天田流の基本とされる心構えの一つである。
 それに伴い、あえて、中段に構えるモノでは無い、長大な太刀を中段に構えているのである。
 敵の目前に極上の馳走をぶら下げて、それに喰いついた所を斬る。
 それはまるで重力によって起こる黒渦の如き吸引力を発揮するのだ。
 最善はあれどもそれが必ずしも勝利に繋がるとは限らない。あえて初手にて不利を取る事によって最終的に大きな利を取る。
 成程、なんとも天田流らしき構えではないか…。
 今、法螺吹きの目の前に下げられている涎が出るほど美味そうな馳走はそのような致死に至る猛毒を染み込ませた餌なのである。
 さて、それに対して、法螺吹きのとった対手は、何もしない事であった。
 腰にある小太刀にすら手をかけず、両手を腰の横にぶらさげ、ただ、そこに立ち続ける。
 追道者が取った引き心が一部に隙を集中させる構えであったとするのならば、その体全てに隙が発生するという構え。
 否、構えですら無いのかもしれない。
 何もしないをしているのだ。
 まるで自分が見せているよりもより大きな毒入りの馳走を追道者は見せられているように感じた。
 すぐさまのその餌に食いつかずゆっくりと相手を見据える。
 そしてそのまま三刻程の時が経過した。
 未だ鼬蜘蛛はまるで攻撃の行動を起こさない。
 それはまるであちらも追道者と同じく攻撃を待ち対応する待ちの戦法に出ているかのように思える。
(このままではまずいな…。)
 これではいけないと追道者は思った。
 相手が掲げているのは不敗の剣である。もし引き分けになどなってしまえばそれは相手が負けなかったという事を意味し、相手の不敗剣はその時点で成立をしてしまう。
 何よりも相手はこれほどの隙を自分に見せているのだ、それに打ちこまず引き分けで済ませたとなれば、一族、流派が末代まで、とんだ臆病者だと笑い物にされるは必然である。
 それは死よりも恥辱といえた。
 故に、選びとれる選択肢は二つ。

 一・此方から撃ちこむ。
 二・お互いのどちらかの体力が切れるまでこのまま待ち続ける。

 一はあまり良い手とは言えない。こちらも待ち手に出ているが、あちらも待ちで出てきている。
 つまり、こちらの攻撃に対してなんらかの返し手があると見るのが妥当である。
 ここで先手を取るというのは火中の栗を拾いにいくようなものであった。



477 名前: 電瞬月下 弐 五/八 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:15:36 ID:c7ezch7q
 しかし、二は論外である。お互いの体力の限界、それはお互いがお互いの限界を知らない故にあまりに博打すぎる判断だ。
 何より、今、鼬蜘蛛は一つも武装を構えていないのに対して、こちらは重量ある長大な太刀を構えている。
 構え持つだけでそれなりの負担がかかる太刀だ。
 どちらが体力を先に底をつくか、それは明白な事実であった。
 不利を見せて誘うという策はここに見事に裏目として出たのである。
 故にその策を取るのは愚行と言えた。
(――――仕方無し。)
 追道者はそう結論する。
 何度も頭の中で試行を繰り返したが、あそこから考えうる返し手は無い。
 回避できても武器も構えぬそれがそのまま最速で攻撃に転じる術は無いと考えたのである。
 となると警戒すべきは奇甲の所以なる、暗器か…。
 先ほどから気にかかるのは、両肩から生えている鋼鉄の触手である。
 装飾というにはあまりに大きく、それがその武甲人の機構であるのは容易に察する事が出来た。
 だが、正体のわからぬものに無策で飛び込む程、愚かでは無い。
 刀を握る手の力を抜き、脱力する。
 天田流『心貫』の変形『触れ袖』
 本来受けに回る天田流が双方受けになり手づまりになった場合に取る技である。
 中段からの喉元にかけての突き。
 本来受け技がほとんどの天田流に置いて数少ない能動的な攻め技である。
 中段から最短であり、最も隙の少ない攻撃である突き。
 それに厩源時三式の機構を加える事によって完成させたのが『触れ袖』である。
 鼬蜘蛛は相も変わらず、ただ、構えなく立っている。
「―――――――いざ、参る。」
 それに向けて追道者は腹筋に力を入れ、足を前に踏み入れ突きを放った。
 二丈二尺にもなる太刀はすぐさま、敵の喉元に向けて雷の如く疾走する。
 その瞬間、鼬蜘蛛は屈み、脚にあった火筒に火を吹かせて厩源時三式とは逆の方向に飛んだ。
(――――何っ!)
 追道者は思わず、心の中でそう叫ぶ。
 突きは空を斬り、鼬蜘蛛は火筒から得た速力を持って、自身の背後にあった森の中に身を沈めていったのだ。
 一瞬、何が起こったのか理解できず追道者と厩源時三式は立ち呆けた。
 頭を振り、すぐさまにこの現状を確認し、今、あの法螺吹きが何をしたのかを理解する。 
「そういう事か、不敗剣!!!」
 そう見事にしてやられた事を忌々しげに叫び、追道者は背にある二つの火筒に火を入れる。
 そう、此方の攻撃を放つ、その硬直を狙って、あの黄土色の武甲人は逃げたのだ。
 してやられた、まったく持っての不覚。
 相手が端から勝負を捨ててくる等、考えもしなかった。
 背にある二つの火筒の加速力を持って、追道者操る厩源時三式はすぐさま鼬蜘蛛の逃げた森へと追って行った。








 不敗剣とは如何様な剣が成しうる異形なのか…?
 もし、その理を欲するのならば、そもそもとして闘わなければいいのだ。
 これが法螺吹きと呼ばれた人間が最初に組みたてた術理である。
 鼬蜘蛛の速力を活かした全力での逃走。
 鼬蜘蛛はその脚部のしなやかな懸架装置を用いて森の木々の枝を足場にして次々と飛び越えていく。



478 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:17:06 ID:dsWi+f1Z
支援


479 名前: 電瞬月下 弐 六/八 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:17:07 ID:c7ezch7q
 それが不敗剣三手が壱の手『駿足(はやあし)』
 これでこの逃走にて敵が自分を捕まえる事が出来なければその時点で敗北は無くなり、この時点で不敗剣は成立する。
 奇天烈な笑い声をあげながら、法螺吹きは駆ける。
 それに呼応するようにして、鼬蜘蛛の両肩から腰まで伸びる二つの触手の先が大きく円を描くようにして動く。
 そして触手の先は大きな口のように展開しておりそこから何かを放出する。
 弐の手『刀蜘蛛(かたなぐも)』。
 駿足で逃げ切れるのならば、その時点で不敗剣は成立する。
 だが、もし相手が自身に追いつく事が出来たとするのならば?
 その思考は重要だと言えた。
 逃げればその場で見逃す者もいるかもしれないが、ほとんどの相手は自身を追って来るのである。
 鼬蜘蛛は運動性を重視して作られた武甲人であったが、肩に余計な者を背負っている分、本当に運動性、加速性に特化して作られた武甲人の速度には適わない。
 ならばどうするか?
 逃げながら追って来る攻撃を行う事は不可能だ。
 逃げるという行動は相手に背を向けるという行動である。
 それゆえに攻撃を行うには一度脚を止め、相手と向き合わなければならない。
 だが、この鼬蜘蛛はその問題を解決したのである。
(破れるか?天田流、我が渾身の不敗剣を…奢りあれば、この弐ノ手はお主の全てを奪うぞ!)
 法螺吹きと呼ばれた者はそう、心の中で呟いた。






(――――――迂闊。)
 そう苦虫を噛みしめるようにして、追道者は己の纏った厩源時参式と共に駆けながら思う。
 てっきり奴は反撃の機会を窺っていたのだと思っていた。
 だが、違ったのだ。あの大法螺吹きは反撃では無く逃げる機会を窺っていたのだ。
 こちらの攻撃が来るのを見計らって、全力で逃走する。
 それが法螺吹きの目論見だったのである。
 不敗剣。
 敗れぬ剣。
 ならば、敗れぬ剣とは如何様な剣であるのか?
 敗れぬとは必ず勝つ事に非ず。
 そこであの大法螺吹きは考え至ったのだろう。
 闘わなければ負けない。
 もし、この事実が明るみに出れば勝負には何が不敗剣か、勝負から逃げた時点で負けているではないか?という者もいるかもしれない。
 だが、武者の中において勝負とは命を取り合いである事は当たり前の話だった。
 相手を殺した者が勝者であり、そうでないならそれは決着が付いていないのだ。
 つまりはこの勝負は引き分けもしくは無かったという事になる。
 それを続ける事が出来ればそれは即ち不敗、よって不敗剣として成立なしえるのである。
 その逃走の術理を組みあげたモノが不敗剣の正体なのだとその時、追道者は考え至った。
 ただ、その結論には僅かながら疑問に思う所もある。
 その逃走こそが不敗剣の本質ならば、何故、あの法螺吹きに挑んだ二人の武者八つ裂きにされて、帰って来たのだ?
 逃げるだけが脳の技の何がそんな無残な死に様を与えたというのだ?
 つまりは、不敗剣、これだけの技である筈は無いのである。
 故に、追道者は細心の注意を払いながら、鼬蜘蛛を追った。
 追うのが危険と知りつつも追わねばならなかった。何故ならば己はその不敗剣を破るという名目でこの決闘に臨んでいるのである。
 もしこの場で追うのをやめれば、あの法螺吹きは己の不敗剣が成ったと声高らかに叫ぶだろう。
 それをいくら奴は卑怯だ等と罵ってもそれは言い訳にしかならない。
 故にどのようなモノであろうともあの不敗剣を成立させてしまってはならないのである。
 今、追道者に求められているのは奴の言う不敗剣を完膚無きまでに打ち破り、あの法螺吹きの斬殺する事なのである。
(――――しかし、厄介な所に逃げたな…。)
 追道者は腹の底でそう苦々しく思った。



480 名前: 電瞬月下 弐 七/八 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:18:01 ID:c7ezch7q
 厩源時三式の主武装で二丈二尺にもなる野太刀はこのような周りに木々がある中で振るうには余りにも長すぎる。
 このような場所で振るうには鼬蜘蛛の小太刀の方が扱い易い。
 つまりは法螺吹きは、自身に有利になる場に逃げ込んだのである。
 目の前に次々と現れる木々を避けながら火筒の推進力を背に厩源時三式は駆ける。
 鼬蜘蛛と比べれば落ちるのかもしれないが、厩源時三式の機動性も低いとは言えないものだ。
 厩一門の武甲人の性能は『全てにおいて高水準(ハイスタンダード)』を満たしている、それが名甲と言われる所以でもあった。
 既に真夜中で視界も悪い。
 月から零れる僅かながらの光も森林の枝葉によって、殆ど無いモノになっていた。
 故に、追道者は厩源時三式の電子眼を暗視形態にして、追っていた。
 暗闇の中にある僅かな光を増幅した緑色に染まった視界を頼りに道を進みながら、あの黄土色の武甲人を探す。
 まだそれほど遠くに行ってはいない筈だ。
 いくら敵が相手が機動性に優れた作りをされていたとしても、この厩源時三式がそう簡単に離される事は無い。
 その時、追道者の目に遠く程先を飛び跳ねる機体の姿が映った。
 視界が緑色に染まっていたのもあり色まで明確に判別出来なかったがあの流星形、間違い無く鼬蜘蛛だ。
 追道者は予想外に早く逃げた鼬蜘蛛を視界に捕えた事を意外に思った。
(――――早すぎるな。)
 確かに、法螺吹きが逃げた後、すぐさま追道者はそれを追った。
 だが、その時点でついた距離はそんな簡単に縮まるようなものでは無かった筈なのである。
 それに外見から見てとれるように機動性を重視した作りの武甲人。
 いくら、厩源時三式が『全てにおいて高水準(ハイスタンダード)』だったとしてもそれに特化した敵機にそうそう追いつけるとも思えなかった。
 それとも自分が相手を高く評価しすぎているのだろうか?
 相手が使っている武甲人は奇甲である。それ故にその奇甲の所以たる機構を搭載していて、それによって、見た目よりも大きな速度が出せないという可能性はある。
 もしくは機構の重みを軽減する為にあのような形状にしているのではないか?
 可能性としては無い話では無い、速度に重きを置いた緒方一門の武甲人の話等、聞いた事が無いからだ。
 もし、緒方源一郎が異才放つものであったとしても、伝統的に長い間、機動性を研究し続けてきた一門の技術と比べるのならば、低いものになっているだろう。
 つまりは、緒方源一郎は武甲人の機動性のノウハウをほとんど零に近い状態から取り込んだという事に他ならないのである。
 故に、あのような造詣をしていても、所詮、付け焼刃でしかあらず、この厩源時三式に追いつかれる程度の速度でしか出ない。
 そう結論する事も出来なくもない。
 いや、この考察は正鵠を得ているとすら追道者は思えた。
 しかし、これにはいくつか疑問に思う点もある。

 不敗剣とは逃走術である。

 それは間違いない。
 だが、ならば何故、あんな武甲人をわざわざ逃走用の武甲人として使うか?
 そもそもおかしいのだ、速度が欲しいだけならば、それに特化した武甲人を手に入れれば良い。
 その武甲人を持って逃走術を練ればいいのだ。
 しかし、あの法螺吹きがその不敗剣を構築する事が出来たのは、鼬蜘蛛を手に入れたからだという。




481 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:18:15 ID:dsWi+f1Z
支援


482 名前: 電瞬月下 弐 八/八 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:18:44 ID:c7ezch7q
 つまりは、その上で鼬蜘蛛にしか出来ない何かがありそれによって理論を構築したという風に思えてならなかった。
(―――ならば、その手、まずは見せて貰うとするか…。)
 『触れ袖』の構えを取る。
 このような森林地帯では刀を横に振るという行為は木々が邪魔になりあまり容易ではないが、突きであるこの触れ袖ならば、それを無視して敵の位置まで行ける。
 脚を止め、刃を上方にいる鼬蜘蛛に向け、一つの保険を賭けて、再び火筒に火を入れその推進力を持って突撃する。
 火筒から発せられた炎によって推力を得た、厩源時三式は己の身を一本の刃として、向かった。
 その瞬間、鼬蜘蛛の触手が上へ、下へ、左へ、右へと縦横無尽に動いた。
 しかして、動いた所で、未だ、厩源時三式は触手の射程外にその身を置いていた為動く触手にその身を当てる事は無かった。
 つまりは攻撃してくる相手に自動的に迎撃を行う機構と言った所なのだろうか?
 訝しげに思いながらも、鼬蜘蛛は突撃を続け―――
 その刹那、追道者は見た。
 本来ならば気づけるかどうかすら程の刹那、触手が何か細い何かを巻きあげるようにしたのを見たのである。
 そしてその一瞬で、それが何なのか、追道者は理解した。
(――――――くっ――間に合うか…。)
 求道者は厩源時三式の胸部を開き、火筒を展開した。
 これこそが厩源時三式の機構である『胸筒』である。
 小型の火筒での逆噴射を用いての間合取りを主とする機構。
 それを最大出力で吹かせ、減速する。
 それと同時にぱすっと間抜けな音がなって、兜の一部が切断された。
 それに続くようにして武甲人の各部が切断されていく…。
「―――――ちぃ。」
 求道者は咄嗟に野太刀を横にあった巨木に向けて逆刃にして深く突き刺した。
(――――止まれ!!!)
 既に加速しきった機体は野太刀がしなるようにして機体が進もうとするのを止める。
 野太刀が折れるかどうかの、その瀬戸際で減速に成功する。
 そして、そのまま宙にいた、厩源時三式は推力を失いそのまま地に落ちる。
 その中で、追道者は思う。
 そう、これが不敗剣の正体だった。
 不覚、なんたる不覚、確かに迎撃される恐れは考えていた。
 自分の攻撃に対してどのような迎撃をされてもそれに対応する心構えはしていた、その為の『触れ袖』であった。
 だが、考えが甘かったのだ。
 既に迎撃されているとは思いもしなかった。
 だが、全てに納得がいく、八つ裂きにされた死体、自らに追いつかれた事、不敗剣と名付けた事の実態。
(成程、これが不敗剣の正体であったか…)
 そして、追道者の視界にはうっすらと鼬蜘蛛の放った剣を見て、地に落ちていった。



483 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:19:27 ID:dsWi+f1Z
支援


484 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 20:20:38 ID:dsWi+f1Z
早い、早いよスレッガーさん!


485 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/08/02(月) 21:26:05 ID:jHde7yVK
支援


486 名前: 古時計屋 ◆klsLRI0upQ [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 21:40:52 ID:c7ezch7q
猿さんされてました(´;ω;‘)
次の投稿は22時半ぐらいから一気に残り全部を投稿したいと思います
3回に分けようと思ってたのだけれど斬れる所がなかったw
というわけで支援のほどよろしくお願いします


487 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:34:12 ID:gR3UnUy8
00分からカウントして10レス以上の書き込みかつ00分からカウントして同一IPが半分以上でさるさん。
つまり簡単に言うと、投下<支援になれば解除される。それと00分をまたぐだけでも10レス分は解除される=20レスまではひとりでできるもん(ただし板全体の人が少ないと連投規制の恐れあり)。

他にも投下者が他のスレに書き込んでも効果があるとか、10分刻みでも緩和の効果があるとか。

まぁ00分またぎで避けれるのは多分確実。


488 名前: 古時計屋 ◆klsLRI0upQ [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:39:26 ID:c7ezch7q
>>487
詳しい解説ありです
一応投稿しようかと思ったけれど50分ぐらいまで待った方がいいのかな?


489 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:42:49 ID:2l1BjLOu
10レス以上使うほどの容量ならそうした方が面倒事が少ないんじゃないんでしょうか


490 名前: 古時計屋 ◆klsLRI0upQ [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:46:09 ID:c7ezch7q
>>489
現状計算した所、14レスです〜
てかなんで毎回こんな長くなるんだろと凹みがちです・・・

50分開始ぐらいを目途にやって行こうかと思います
避難所使えないのが本当に辛い(´;ω;‘)


491 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:47:53 ID:dClQqUsz
 


492 名前: 電瞬月下 弐 九/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:52:50 ID:c7ezch7q


 ―不敗剣―
 それは四つの理によって成立する秘剣である。
 壱の手『駆足』
 敵の攻撃の隙を取り逃げる、追ってこなければその時点で不敗は成立。
 最初にして骨子となる剣理。
 不敗剣とは敗北しない剣である。
 それ故に、闘いを行い命を賭すよりも逃走する事により遥かに生還率が上がる。
 だが、これは向き合った相手に背を見せるだけであり、不用意な逃げは相手に隙を与えるだけにすぎない。
 故に、相手の攻撃の瞬間、これを逃走の機会として待つのである。
 だが、ここで追って来る敵も当然いるだろう、己の武甲人の性能を遥かに凌駕する速度で自身に追いついてくる敵がいる可能性も考慮できる。
 それに対応する為に考えられた妙手、『刀蜘蛛』である。
 弐の手『刀蜘蛛』
 逃げると同時に糸刀を撒く、森林が生い茂る場所であるならばさらによし、それにて追ってきた敵を切断する。
 これが、鼬蜘蛛の機構によって行われる二つ目の剣理。
 鼬蜘蛛の型に付いた金属の触手はその先より糸刀と呼ばれる特殊な繊維で作られた糸を放出する。
 その糸は、武甲人の装甲にすら傷を付ける、強度と鋭利さを持っており、それを逃走と同時に散布するのである。
 いうなれば、鼬蜘蛛の後方には蜘蛛の巣ように木々に巻かれ張られた世界最細の糸刀がある事になるのである。
 この糸刀、隠遁にも優れており、特殊な塗料を塗り込んである故に武甲人の電子眼をもってしても注意を凝らしてよく見ないと気づかない代物である。
 これに鼬蜘蛛を追おうと加速する武甲人が当たる事によってその身を八つ裂きにするのである。
 逃げながら、攻撃を行う。こちらからは追わず、追って来るものには攻撃を…これが不敗剣の骨子となる剣理であった。
 まさに攻退一体の秘剣と言えるだろう。
 これに追道者が気付く事が出来たのは一重に、天文学的な幸運と常にその身を危険に晒し続けた事により得た刹那の反応力故のものだ。
 機体の中で血反吐を吐きながらも追道者は立ち上がる。
 そうして機体の状況を調査し、確認する。
 機体の各部と駆動系に異常が見られたが、機体は奇跡的と言っていいほどに致命的な損傷は受けていなかった。
 まだ戦闘機動が可能な程度な損傷に抑えられたのである。
 しかし、いつも通り四肢の感覚が無いのに加え、口の中でぬめりとした鉄の味が舌に絡みつき、発汗の量も酷い。
 もはや長い闘いには耐えられないだろうと追道者は自分の体を診断した。
 追道者は、厩源時三式の電子眼を用いて法螺吹きの駆る鼬蜘蛛を探す。
 十丈程離れた所に鼬蜘蛛はいた。
 既に逃走は止めており、間合から大きく離れたその位置から、此方がまだ戦闘を続行出来るかどうかを判別するようにして見つめている。
 こちらがまた鼬蜘蛛を追うような行動を取ろうとすれば、また糸刀を撒き、攻退一体のあの技を放ってくるのだろう。
 勝つ事では無く、決して負けぬ事に全てを捧げた剣。
 追道者はそれによって積みあげられた努力と想像力、そしてそれを実戦でなしうる、その実力に大きく感銘を受けていた。
 武術とは理によって練られるものである。ありとあらゆる状況を想定し、その全てに対応する。
 その理の最果てにあるとされる『至高剣』、それは追道者が追い求めてやまないものであった。 




493 名前: 電瞬月下 弐 十/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:53:54 ID:c7ezch7q

 かつて一度だけであるが、それに出会った事がある。
 敵の命を奪う事では無く、己が命を守る事に全てを捧げた事によって新たな魔性へと昇華されたその剣は追道者のその眼にはなんとも美しく映った。
 だから、追道者はその至高剣が歩んだ道を追ったのである。
 形こそは違えど、この不敗剣の理念は至高剣に限りなく近いものであった。
 勝利を放棄する事により敗北が寄りつかない雲の上に城塞を築き上げるが如き術理。
 まさに驚嘆に値する代物だったと言える。
 戦況は限りなく不利である、相手は逃げる事だけに徹していればいいが、こちらは相手の攻撃を掻い潜った上で攻撃を与えなければならない。
 それが出来なければ不敗剣に成立し、その打倒は失敗と終わる。
 だが、追道者が武甲人の鋼鉄の中で笑いながら思う事は一つである。
(―――――――面白い、では、不敗剣破りと洒落こもうか…。)
 追道者の脳裏を霞めるのは先ほどまでこちらを見つめていた鼬蜘蛛と法螺吹き。
 既にその姿は無かったが、それより導かれる不敗剣唯一の弱点、それを突いてあの魔技を打破する。
 それは薄氷のように薄く、すぐにでも溶けて消えてしまいそうな弱点であるが、それを失わない為に追道者は立ち上がった。
 もはや限界が近い体に力を入れ、追道者は火筒に火を入れる。
 跳躍。
 そして巨木に刺さった自身の野太刀を引き抜き、鞘に収める。
 腰にある脇差を使わず、このような木々の中で振りまわすのには向かない野太刀を手に取った理由は一つである。
 それは得物の長さの問題。
 鼬蜘蛛の放つ糸刀の射程は、一般的な脇差の長さを大きく上回りそれでいて広いと考えられる。
 広範囲に撒かれたそれを受ける危険を考えれば、一度に多くを切断でき、そしてその射程の外からでも攻撃が可能となるように少しでも長い得物が必要だと結論したのである。
 確かに、二丈二尺にもなる武甲人の身の丈を超える長さを誇る得物はこのような場所では扱い難いという難点があるが、それでもこの野太刀でなければ、そもそも斬撃を当てる前に己があの斬撃の餌食となるのは予想に難くない。
 なんと分の悪い勝負だろうかと自嘲する。だが、これでいいのだ。分が悪ければ悪いほど、その隙は拡大していく。
 故に唯一の勝機を掴む為にはこの術しかない。
 既に、追道者の後ろに道は無い。死合って殺すか、死合って殺されるか、その二つのどちらしか許されない。
 それ故により高く、火筒の中の燃料を吐き出すようにして飛ぶ。
 その中で、森に残されたいくつかの糸刀を確認し、脇差を持って切断していく。
 切断しきれなかった糸刀が追道者の武甲人の装甲ごと肌を斬り裂き、焼けるような痛みを追道者に与える。
 肌を掠めている間は良いが、四肢と胴体、頭のどれかが切断されてしまえば、その時点で黄泉路を渡る事になる。
 故に体を極力小さくし、自身の胴体に当たる場所にある糸刀だけをその即応力を活かして切断していった。
 厩源時三式は天高く、満月の下にその身を晒す。
 既に、あの黄土色の武甲人を見失っていた追道者はこうして高い視点から探さなければ、その敵を捕捉することすら出来ない。
 目を凝らし、鼬蜘蛛が逃げた方角を見つめる。
 捕捉。
 敵機は予想通り、木々の枝葉を足場にして跳躍しながら逃走している。
 それもその筈である。
 鼬蜘蛛の放つあの糸刀は自身の背後と下方にばら撒く事は出来るが、重力によって上方高くに放つ事は出来ない。
 故に、出来る限り高い位置をとって、逃走するのである。 



494 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:54:08 ID:Kf0TlfT3
今更ながら>>1
>>70
やらないかには疑問符は付かないし
どうだいじゃなくてコイツをどう思う?だしそんな間違いしてるとやっちゃうよ、やっちゃうよ!?(迫真

【カミーユ……お前は、俺の……】
ガンダム史上情けなさ1(2はアチャーさん)のライバルキャラ、ジェリド・メサさんの最後の句
肝心な所で言葉を切られる不遇さもさる事ながら、その死因も
主人公のカミーユに直接手を下される訳は無く、油断してふっ飛ばされた所を戦艦の爆発に巻き込まれて死亡という、情けないにも程がある死に様である

実際ジェリド、カミーユになんて言いたかったんだろう


495 名前: 電瞬月下 弐 十一/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:55:08 ID:c7ezch7q

 今、追道者はそれを逆手にとり、空中高くから逃げる黄土色の武甲人を見つけ出したのである。
 だが、これだけ高く跳躍した、この目立つ機影、夜とはいえこうも月下に晒されれば、敵方も既にこちらを捕捉しているだろう。
 故にこれは博打に近い手段であった。それも勝ち目は非常に薄い。
 それにこの跳躍で厩源時三式に積まれた燃料の多くを使ってしまい、おそらくはこの攻撃で全ての燃料を使い果たすだろう。
 それ故に、追道者のこの判断を愚行と笑う者もいるかもしれない。しかし、時間がたてばたつほどこの不敗剣との相対は不利になるばかりである。
 それに先ほどの怪我を鑑みれば残り何分も戦闘を行う事が出来るかわからない、それ故に選択した最も早い一手。それがこの跳躍なのである。
 そこから鼬蜘蛛に向けて、残った燃料を惜しむ事無く放出し、その元に向かう事で厩源時三式と追道者は『不敗剣破り』を開始した。




 




(あれだけでそこまで見抜いたか、天田流。)
 法螺吹きと呼ばれた者が、満月の下に舞い上がって、こちらに向かって突撃してくる漆黒の武甲人を見上げる。
 確かに、上方からの攻撃はこの弐の手『刀蜘蛛』に唯一有効といえる手段である。
 交わしたのはたかだが一合程度、それもこちらの攻撃が糸刀によって行われている程度の情報しか、あの天田流の武者には与えられていなかった筈である。
 しかし、それだけでこちらの技を正確な理解をし、それに対して最善手を打ってくる。
 その天田流の刹那の理解の速さにそれに応じた対応手を打つ速さ、それが尋常でない事に法螺吹きはただ、ただ、感嘆した。
 命を賭して、得る事が出来る極限の即応力。天田流名子派が魔性の剣だと言われるのも納得がいく。
 誰もあんな化生と死合などしたいなど思わないだろう。
 しかし、これに勝ってこそ、我が不敗剣はより、その強さを確立できる物である。
 そう思い、法螺吹きは自身が組み立てた究極の剣『不敗剣』の理論を自身の頭の中でその骨子たる四つの理を反芻する。
 壱ノ手『駿足』
 弐ノ手『刀蜘蛛』
 参ノ手『待蜘蛛(まちぐも)』
 終ノ手『糸喰(しが)』
 未だ、あの敵に見せた不敗剣はその理の二つに過ぎない。
 確かに両肩にある触手の先から放たれる糸刀で作り上げた結界により背後から追う敵を自動的に斬殺する弐の手『刀蜘蛛』には糸刀の結界が届かない遥か上空から襲いかかる敵には対応できないという難点がある。
 しかし、このケースは稀ではあるが武甲人の特性上考えられないという事では無かった。
 つまりは、その攻撃方法は不敗剣を構築していた段階で既に考慮し、対策を講じてあるという事である。
 そして、それこそが参の手『待蜘蛛』である。
 法螺吹きは鼬蜘蛛に触手の動作制御を待蜘蛛の型に合わせるように設定を変更し、一気に木々の上から大地へと舞い降りた。
 それと同時に触手が螺旋を描くように回り、糸刀をまき散らす。
 放出された糸刀は辺りの木々の幹に絡みつき、次第に蜘蛛の巣のような刃の結界を作り上げる。
 いうなれば、これは攻撃に特化した盾。
 この糸刀のよく出来ている所は、武甲人の装甲すら切り裂く程の切断力を持つが、それらを固定する為にくくり付けられる木々を切断する事が無いという点だ。
 これはこの糸刀が形状記憶合金で作られた物だというのが最大の要因である。
 一定の熱を加えるとこの糸刀は膨張しその表面積を大きくする作用がある、つまりは、糸刀の細さによる切断力を熱を加える事で殺し、その刃を殺した部分を木々にくくりつける事が出来る。
 そして、それを鼬蜘蛛に搭載された電子頭脳が糸刀を撒く対象の木々の幹の長さを計算し、膨張分と刃の部分を調節した長さで放出するのである。
 手に持つ事も振る事も叶わず、相手の攻撃を受け止める事にも使えない、しかして触れればその身を斬り裂く、この世で最も奇天烈な刀剣。
 これこそが、鼬蜘蛛の奇甲たる所以である。



496 名前: 電瞬月下 弐 十二/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:57:25 ID:c7ezch7q

 後は、上空からこちらに降りてくる敵をこの刃の巣に誘いこめばいい。
 どのような策を弄そうともこれだけの糸刀によって形成された結界、全てを切断出来る理由もなし。
 そんなものに天高く飛翔し月下からこちらに向かって来る漆黒の機影を見て法螺吹きはふと思う。
(――――ああまで実直にこちらへ向かうか…まるで香車だな…。)
 ここで追ってこなければ絶対に生き残れるというのに後退の選択肢を捨て、ただ、一途に此方の命を奪う為に真っ直ぐに向かって来るこの世界で最も鋭利な槍。
 だが、此方は既に『待蜘蛛』という穴熊を完成させており、香車ではその結界の一部である歩を取るのが限界で、その回りにいる様々な駒に食い潰される図となるのは明白であった。
 空中高く舞い上がり、月下から此方に向かって来る厩源時三式はその二丈二尺にもなる規格外の野太刀を振り上げる。
 当然だろう、と法螺吹きは思った。
 こちらが既に糸刀による刃の結界を張っている等、あの天田流が気付かぬ筈がない。
 故にそれを破る手は一つ、その結界を全てその手に持った刀で斬ればいいのだ。そうすれば、自分のいるこの位置にまであの名甲と共にここに辿り着く事が出来る。
 これは単純にして明快な解答だと言えた。
 然し、事はそう簡単にはいかない。この参の手『待蜘蛛』移動しながら広範囲に散布する弐の手『刀蜘蛛』とは違い、停止して何重にも糸刀を張る技である。
 その刃の密度と範囲は『刀蜘蛛』の五倍に達する。
 故にいくら規格外の長さを持つ野太刀だとしてもその張られた結界を一振りで全て、切断する事など不可能なのである。
 ならば二撃、三撃と放てばいいが、それも今や叶わないだろう。
 二丈二尺、武甲人の身長を超える程の長さを持つ、馬鹿げた長さである。
 長い太刀はその分、重さを増し、一度振り下ろした刀を持ち上げようとするのにも大きな力が必要となる。
 確かに武甲人には大きな筋力強化の側面があるが、これ程、長大な野太刀となると早々に持ち上げるのも難しい。
 せめて、地面を踏み締める事が出来たのならば、事は違ったかもしれないが、今、厩源時三式がいるのは空中である。
 力を入れる為の足場もなく、一度、その長剣を振り降ろせば、それをもう一振りする為に持ち上げるのは困難である。
 いや、武甲人の筋力強化を鑑みれば、可能になる事もあるのかもしれぬが、それでも振り降ろし、振り上げ、振り下ろす、この動作に隙が発生するのは避けられない事象だと言えた。
 そしてこの隙が致命的になる。
 幾重にも張り巡らされた糸刀の結界はその隙を許しはしない。
 その振り上げるという動作を行う中でこの『待蜘蛛』は確実にその命を受けるのである。
 故に、この『待蜘蛛』は糸刀による究極の防御術であると同時に最強の攻撃術でもあるのだ。
 これを突破出来る者など無し。
 法螺吹きはそれ程の自負を持ってこの結界を構築したのである。
 しかし、その数瞬後、法螺吹きの眼は驚愕に大きく開く事になる。
 さて、地上で刃の巣を張り待つ鼬蜘蛛に向けて天田流の追道者がとった対手は厩源時三式は肩に担いだその野太刀を振り降ろすという事だった。
 確かにこの野太刀であれば鼬蜘蛛の張った糸刀など一振りで切断する事が出来るだろう。
 しかし、一振りではその『待蜘蛛』によって張られた全てを切断する事は適わない。
 故に、この死合は法螺吹きの勝利で幕を閉じる。
 不敗剣は成立し、決して敗れぬ剣として人に知れ渡るだろう。


 しかしそれは、それがただ一振りであったのならばの話だ。


 それは余りにもおかしい一振りだった。
 別に振り方がおかしかったわけではない。肩に担いだ野太刀をそのまま振ったというだけ…。
 この振り自体は何もおかしくは無いといえるかもしれない。
 問題は振った位置である。
 それは森の位置からすれば遥か上空だった。
 法螺吹きからすればまだ、その漆黒の機影が指一つの大きさにしか見えない程の上空。
 木々の天辺にもかからぬその位置で厩源時三式はその野太刀を振り降ろし、虚空をただ斬ったのだ。
 異様な光景。
 法螺吹きはそれを見て、追道者の気が触れでもしたのか?とすら思った程だった。
 しかし、それから先に繰り広げられるのは更なる異様だった。
 刀による斬撃とは振り上げ、振り下ろすものが基本とされる。



497 名前: 電瞬月下 弐 十三/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:58:33 ID:c7ezch7q

 上空から重力の助けを得て大地に向けて振り下ろすのである。
 しかし、この振り降ろすという行為に一つの限界が生じる。
 どれほど高く振り上げ低くまで振り降ろそうと、やがて、大地に阻まれて止まるのである。
 だが、この斬撃を限界まで振り降ろすという行為を地上では無く、空中で行ったのならば如何様になるのか?
 そう、己が力で止めようとしなければ止まらないのである。
 そこには大地は無いのだから、ただ下に振り降ろされるのである。
 だが、腕の長さがその限界を作り上げる。腕の伸びる範囲でしか、剣は振り下ろす事しか出来ない。
 しかし、厩源時三式のいるその場所は大地の無い空である。
 その限定的な状況が、次の理を紡ぎだす。
 振り降ろされた野太刀の重さとそれによって付いた勢いを利用して、厩源時三式はその体を丸くし、ぐるりと回転させた。
 刃は上方から下方に向かい、再び上方へと戻ったのである。
 そして、追道者はその際に付いた勢いを殺さぬように厩源時三式に同じ行動を何度も行わされる。
 上方から下方へと振り降ろされ、その勢いを利用し、回転し、下方から上方へと振り上げる。
 厩源時三式は己が身を軸に車輪のようにして回転させたのである。
 天田流三秘奥が一、『刃車(はぐるま)』。
 振り降ろし、振り上げるという本来なら一度停止を置かなければならない動作を空中という大地の無い限定的な状況を利用して、円の軌道を用いて、その振り降ろした剣を止めずに空中で回転する事により振り上げ、その勢いのまま再び振り下げる、それを繰り返す。
 それは、振り降ろしから振り上げにあるその停止という間を削除する事に他ならない。
 そして回転が増すたびに斬撃の速度は上がり、それは、武甲人の体全てを絶対の殺傷力を持つ一振りの刀へと変える。
 これこそが天田流の空中戦における連撃の奥義であり、追道者が選択した『待蜘蛛』破りの妙技である。
 厩源時三式はその鋼の体を軸に独楽のように回転させ、『待蜘蛛』の結界の中へと斬り込んでいく。
 一ノ太刀からニノ太刀へ、ニノ太刀から三ノ太刀へ、それは本来あるべき隙を生じさせぬ程の速度を持って回転する。
 野太刀の常識を超えた長さも手伝い、厩源時三式は法螺吹きが張った鼬蜘蛛の結界『待蜘蛛』を全て斬破した。
(――――あれでは無理だ。)
 法螺吹きは己の技が破れたのに驚きながら、ふとそう思う。
 回転を利用し『待蜘蛛』の高密度に張られた糸刀の結界を斬り裂く程の速度をもって空中高く放たれた秘剣。
 それは本来破れる筈も無い、待蜘蛛の結界を突破するに至っている。
 しかし、だからこそ、ここに一つの無理がある。
(―――あれ程の速度が出ていては止まれない。)
 簡単な話である。追道者が厩源時三式に放たせた『刃車』は大地が無い事を利用し、円の軌道を用いた加速する斬撃である。
 厩源時三式は今もその身を回転させながら重力の法則に従い、大地へと直進している。
 これが大きな問題なのだ。待蜘蛛を突破したまでは良い。
 しかし、それを破る為に加速させた己が身を止める事は出来るのだろうか?
 斬撃を繰り返す度に加速する秘剣。しかし、その加速した剣を減速する事が出来なければ、それはその速度のまま大地と衝突するという事を示している。
 そのまま、大地と衝突すれば、厩源時三式の大破は勿論それを纏っている追道者の死も必然なのだ。
 確かに、不敗剣参の手『待蜘蛛』は追道者の放った『刃車』に敗れた。
 しかし、その対価が己の命では意味が無い。
 だが、忘れるな…と法螺吹きは気を張り詰めて、それを見つめる。
 相手は天田流、その中でも最強とされる名子派とされる事を忘れてはならない。
 天田流とは人外の剣なり、魔性の剣なり、修羅の剣なり、人を捨て、己を捨てる事で、刹那を永遠にする反応力を持ち、人の粋を超えた術理を行使する剣なり。
 そんな耳を疑うような話をこの死合に赴く前から幾度も幾度も聞いた。 




498 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:59:34 ID:dClQqUsz
 


499 名前: 電瞬月下 弐 十四/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 22:59:54 ID:c7ezch7q

 だが、それが真の話である事を、先ほどから何度も己の目で確認している。
 『刀蜘蛛』の奇襲から逃れ、絶対に破れる事のないと考えていた結界『待蜘蛛』すら破る。
 それほどの敵。
 そう、敵は、あの天田流名子派の免許を持つ武者なのだ。
 だから、相手の放ったあの自身を刃の車輪のようにして迫る技は、たかだか地面に激突するぐらいで、使用者の命を終わらせるような欠陥があるわけが無い。
 故に、油断も慢心もしない、起こった事を起こったまま受け入れて、冷静に対処するその心構えを心の中で唱える。
 必ず敵はその問題を解決してくる。
 その思考は法螺吹き中で既に確信となっていた。
 そして、それに対して取る手段は一つだと、法螺吹きは考える。
 壱ノ手『瞬足』、天田流の即応力の域までは達していないのかもしれないが、それでもそれを鍛え抜く為にかけてきたこの一生の全てをそこに賭ける。
 己がやってきた事が全て無駄では無かったとそう信仰する。
 そして、その回避に成功した時こそ、不敗剣終ノ手が完成する。
 故に見極める、それだけに己の全てを賭す。
 厩源時三式はその加速を緩める事なく、大地に激突する。
 常識の中で考えればここで必死。
 だが、当然の如くその必死は回避される。
 刃の車輪となった厩源時三式はそのまま、大地に向けて野太刀を斬ったのである。
 野太刀の刃が大地を抉る。
 空中で十二分に加速を付けたそれは、そのまま再び大地を抜け円の軌道による回転を継続する。
 大地を斬り裂きながら回転を継続したのである。
 そして空中で付けた速度を利用して、鼬蜘蛛のいる方に向けて回転しながら走り始める。
 『刃車』はその名を表すように大地に受ける衝撃を自身の加速力となるように流し、その身を一輪の車輪と化して大地を疾走したのである。
(――――巫山戯ている。)
 法螺吹きはそれを見て、そう驚愕する。
 予想はしていた。
 敵は必ずその必死から生還するだろうと…しかし、これは人の所業なのだろうか?
 超高速で回転する中での大地と接触する際の回転の調整、それらを行った上でこちらを視認し、それに向けて己が身を走らせなければならない。
 それ以外にも様々な技能が必要とされ確かにそれは不可能な話では無い、信じられない話ではあるが、地獄を見る様な修練によってそれは習得できるという可能性を否定する事は出来ない。
 しかし問題なのは、その際に生じる尋常ならぬ腕への負担を無視しているという点だ。
 確かに武甲人には筋力強化の機能がある、だが、月を背にする程高く空中に舞い上がった後に減速せず落下した際に受ける反動。
 いくら力を流す技術があったとしてもそれはどれほど鍛えようと人の腕が耐えきれる負荷では無いのだ。
 しかし、それを成している。
 出来る筈もない理を成しているのである。
 法螺吹きはまるで悪い夢でも見ているように思った。
 それはもはや人間が行える所業では無い。
(しかし、良かった。)
 と、法螺吹きは絶望的な戦況の中でそう思う。
 刃の車輪と化した厩源時三式はその加速を持って、こちらに向けて突撃してくる。
 おそらくは長くは持つまい。
 既にあの武甲人は加速力を得る物が無い、空中で十二分に付けた速度が尽きるのも時間の問題だ。
 法螺吹きと鼬蜘蛛は自身に向かってくる刃車を回避する為に横に飛んだ。
 刃車が鼬蜘蛛の隣を通り抜けていく。
 しかし、まだ刃車となった厩源時三式の猛攻は終わらない。
 自身の体重を移動させる事によって、重心をずらし、弧を描くように旋回、再びその刃を鼬蜘蛛に向けた。
「――――――っ!!」
 法螺吹きは鼬蜘蛛を素早く立ち上がらせ、再び横転させる事でその刃を回避する。
 そして、避けられた事を認知し、厩源時三式は再び旋回する。
 回避、旋回、回避、旋回、回避、旋回―――
(――――――辛いな…。)
 幾度かそれを繰り返し、法螺吹きはそう思う。
 厩源時三式の太刀筋は単純で回避する事は造作も無いが、こうも素早く連続で攻撃を続けられると回避の難度は跳ね上がる。



500 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:00:03 ID:dsWi+f1Z
支援


501 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:00:25 ID:dClQqUsz
 


502 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:00:50 ID:JnW8QEoi
 


503 名前: 電瞬月下 弐 十五/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:01:08 ID:c7ezch7q

 いや、それだけならば、問題は無いが、余計な事もしている為、あまり大きな回避行動をとる事が出来ず、出来る限り小さく避けなければならなかった。
 紙一重で回避する度に背筋に強烈な悪寒が走り、すぐさま自分の体のどこかが切断されていないかと不安する。
 だが、それを確認する間もなく次の攻撃が来るのだ。
 法螺吹きはこの回避の時間、まるで生きた心地がしなかった。
 だが、相手が限界を迎えたのであれば、それはこちらの勝利を意味する。
 いうなればこれは根比べだと言えるかもしれない。
 それにそろそろあちらの限界が近い事は疑いようが無い。
 先ほどから旋回するたびに、速度が大きく落ちているのである。
 最初は息をつけぬほどの速さで迫ってきていたそれが、一呼吸、二呼吸とつけるようになってきた。
 それは相手の攻めが緩くなり始めているという事を示している。
 息を吸う度に、今まで感じていなかった疲労が鉛の重さとなって足にのしかかる。
 しかし、別に動かないというわけでは無い。
 だから、それを意思の力で強引に補強する。
 回避、旋回、回避、旋回、回避、旋―――――
 そして、厩源時三式はついに地を走る程の回転を失い、その野太刀を大地に突き刺したまま、停止した。
(――――好機。)
 そう思い、法螺吹きは鼬蜘蛛を高く飛びあがらせ、それまで用意してきた終ノ手を発動する。
 参ノ手『待蜘蛛』で仕掛けた糸刀は追道者の秘技によって破れた。
 しかし、その秘技が全ての待蜘蛛の糸刀を切断したわけではない。
 今、追道者は自身の悪魔じみた能力と厩源時三式の力を用いて自らがここに辿り着くのに必要な最低限の一部分を切断しただけなのである。
 そう、未だこの一帯には法螺吹きが鼬蜘蛛の触手によって仕掛けた糸刀が大量に存在している。
 さて、その糸刀を高速で巻き取るとどうなるだろうか?
 上方下方前方後方右方左方の全方位に長く、短く、ばら撒かれた糸刀が空中高くに舞上がった鼬蜘蛛の触手へと巻き取っていくのである。
 その過程において通る道程にある鼬蜘蛛を中心として周囲二町(200m程度)内にある障害物。
 それら全てを糸刀は斬り裂く。
 その結界の中にいるものは全方位からの斬撃にその身を晒される事になる待蜘蛛が破られた場合にのみ発動できる不敗剣最後にして最強の一手。
 全てを無差別に斬り裂き喰らう糸、不敗剣終ノ手『糸喰』。
 追道者は『待蜘蛛』を破った時点で既に『糸喰』の斬撃の射程中へと誘い込まれていたのである。
 本来ならばその時点ですぐさま『糸喰』へと移行し敵を斬殺するのが法螺吹きの考える不敗剣としての正しい姿であった。
 しかし、誤算だったのは追道者が待蜘蛛を破り地上に着いた後もその回転を止めず刃の車となって自信に襲いかかってきた事だ。
 あれ程の回転を保っている状態では例え、糸刀を撒きとってもその全てを斬り裂かれてしまう可能性も考えられる。
 ゆえに破られた待蜘蛛の結界から相手を逃さずに回転が止まるまで待つ必要があった。
 それは、博打だといって良かった。
 一瞬でも判断を間違えればそれは即、死に繋がる。
 そんな苦境に自ら置く命がけの博打。
 そして、法螺吹きと呼ばれた武者はそれに打ち勝ったのである。
 後は、己の糸喰の中から逃れられぬ範囲に漆黒の武甲人、厩源時三式がいるのを確認し、飛翔しながら糸刀を巻き取る。
 様々な困難な過程を経て、ついに法螺吹きの不敗剣はその最強の技を振るったのである。
 鼬蜘蛛の近辺から遠方まで仕掛けられた糸刀が巻き取られる。
 そして、自らの下方には斬撃の嵐が吹き荒れ、その中に厩源時三式は巻き込まれ天田流追道者の身を微塵と化すだろう。
 全方位からの逃れようのない斬撃はいくら天田流だろうと破れない。
 既に地に足を付け、停止したものに全方位からの斬撃に対応する術など無いのだから…。
 そして、糸喰は成った。
 鼬蜘蛛は全ての糸刀を巻き取りそのまま糸喰の斬撃で切断された倒木の上に着地する。
 回りをふと見渡すが木々が糸刀によって切断されており、鼬蜘蛛を中心にして周囲二町程が倒木で埋め尽くされていた。
 法螺吹きはため息を吐く。
 これでは死体を探すのが面倒だ。
 己の不敗剣の勝利を示す為に首を持ち帰らなければならないのに、これでは日の出までにでも探し終える事が出来るかどうか…。
 しかし、そう思いながらも体は喜びに震えている。




504 名前: 創る名無しに見る名無し 投稿日: 2010/08/02(月) 23:01:46 ID:JnW8QEoi
 


505 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:01:50 ID:dClQqUsz
 


506 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:02:18 ID:dsWi+f1Z
  


507 名前: 電瞬月下 弐 十六/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:02:24 ID:c7ezch7q

 ――――勝ったのだ。
 あの天田流に、あの魔性の剣に…。
 この事実があれば、誰も法螺吹き等と揶揄せず、己の不敗剣の完成を認めざるおえない。
 自然と笑い声が漏れる、どうして止める事が出来ようか、成った、成ったのだ!
 十数年の年月と天啓を経て、ついに我が剣はその頂きに辿り着いた。
「そうだ、ついに我は無敵の剣を手に入れ――――――」
 その時、ふと法螺吹きは己の見ている景色に違和感を感じた。
 そう違和感である。
 辺りは糸喰によって己を中心に周囲の木々全てがその幹を切断され倒れ、残った部分は切り株となっている。
 それ自体は何もおかしい事では無い、糸喰を使ったのだから当然の結果といえる。
 だが、今、己の立っている倒木の下にある切り株と遠くにある切り株の高さがおかしいのだ。
 着地した自身の足元ゆえに最初は気付かなかったが、その切り株の高さが今自分がいる地点と、遠方では明らかに違う。
 明らかに足元の方にある切り株が遠方にある切り株の三倍程高いのである。
 満遍なくまき散らした糸刀がある程度の誤差はあれども、それほどの差を出すとは考えづらい。
 そして、その高さは武甲人一機が隠れるに足る程の高さがある。
 そこから導き出される答えはただ一つ。
 法螺吹きは慌ててそこから飛び立とうと脚の火筒に火を入れる。
 しかし、もう遅い、遅すぎる。
 全ては悪魔の掌の上。
 倒木の下から飛翔し、微塵になった筈の漆黒の武甲人は、その二丈二尺の野太刀を黄土色の武甲人の脳天めがけて振り降ろした。
 天田流『雷花』。
 法螺吹きはすんでの所でなんとか頭部への斬撃の回避に成功するが、その全てを回避しきれずその一閃は右腕を根から切断する。
「ぐげぇゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ!!!!」
 聞くに堪えぬ悲鳴を上げ、涙を流しながら法螺吹きはその漆黒の武甲人と距離を取る。
 肩から焼けるような痛みと己の右腕を失ったいう喪失感を味わいながらも法螺吹きは己が宿敵を見つめた。
 そして息も絶え絶えに、腹の底から捻りだしたような声でその漆黒の武甲人に問いかける。
「何故だ!何故、貴様が生きている!!!何故、こんな、こんな事が起こっている!!何故だ!!!貴様は本当に人なのか?天田流!!」
 法螺吹きの得た傷は深い。
 即死は免れたが、右腕を肩から切断したその一撃は、既に出血多量による死を約束しており、致命傷と言っていい傷である。
 それを観察するようにして見つめた後、追道者はその口を開いた。
「別にそれほど難しい話じゃない、少し考えればわかる筈だ。そうだな、ヒントは俺が空中からあんたの作った結界破って地上に着地してあんたに向けて攻撃を仕掛けていた時だ。」
 その言葉を受けて、法螺吹きは全てを理解する。
 だが、それはまるで信じられない話でもあった。
「馬鹿な!!まさか、あの時、我を襲うと同時に我の仕掛けた糸刀の切断も行っていたとでもいうのか!?」
 息も絶え絶えになりながら、法螺吹きはそう驚愕した。
 それは糸喰の唯一の攻略法であった。
 不敗剣終ノ手『糸喰』は参ノ手『待蜘蛛』の残滓を用いて行われる一手である。
 本来ならば、『待蜘蛛』が破られた瞬間に発動する技であったが、追道者が厩源時三式に回転斬撃を行わせていた為、すぐさまの使用が出来なかった。
 地上を回転し、転がりながらその一帯にあった糸刀の全てを切断していたのである。
 二丈二尺ほどの長さとなれば、通常の武甲人の太刀では届かぬ高さの所にある糸刀も切断出来る。
 つまりは糸喰による巻き取りが行われた際に、そこには糸刀の影響を受けない安全地帯が作れるのである。
 成程、確かにこれは糸喰を破るにたる一手とは言える。
 だが、しかし、それは余りにもおかしい。
 確かにそれは、確かに糸喰を破るにたる一手だとは言えるかもしれない。




508 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:02:32 ID:dClQqUsz
 


509 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:03:32 ID:dsWi+f1Z
 


510 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:06:40 ID:Kf0TlfT3
>>494
誤爆です、失礼しました><


511 名前: 電瞬月下 弐 十七/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:07:26 ID:c7ezch7q
 しかし、それは糸喰という技がどういう技なのか『知っている』という前提が無ければ組み立てる事が出来ない一手だ。
 この終ノ手『糸喰』はこの死合にて始めて使われた切り札なのである。
 この技を知る者はそれを組み立てた法螺吹き以外いない筈なのである。
 そんな風に思う法螺吹きの心中を察して追道者は答える。

「別にあんたがやろうとしていた事を見切るのは、それ程難しい話じゃなかった。不敗剣ってのはつまる所逃げる技だろ?
 あんたが俺が上空から迫る時に打った返し手を俺が破ったのならば、普通なら、あんたはもう一度逃げ直そうとする筈だ。
 俺も不覚ながら最初の糸刀の奇襲でダメージを受けていたし、あんな無茶な技まで使ったんだからな。
 消費している体力の差を鑑みれば、そういう行動を取るは不敗剣としては正しいし、そうした方があんたは圧倒的に有利な状況に持ちこめただろう?
 おそらくはそうすれば逃げ切れた。でも、あんたはあえてそれを取らなかった。それは、あんたが俺に対し、さらになんらかの反撃手があるのだと教えているようなものだ。
 そこでさらに疑問になるのが、あんたがここら一帯から離れようとしなかったという事だ。
 普通に回避するだけならもっと大きく回避したっていい。そっちの方が安全な筈だ。それを、あんたはしなかった。
 俺からすればそれはまるで俺にここから離れて欲しくないと大声で叫んでいるようなもんだ。そこから、導く事の出来る解答は一つ。
 あんたは俺が斬り切れていない糸刀を使って再び俺に攻撃を仕掛けようとしている事だ。途中から俺の攻撃、回避しやすくなっただろう?
 あれはな、糸刀を出来る限り多く切断する為に大周りでやってたんだ。あんたに気付かれない程度に気を使いはしたがな…。」

 いくらか納得のできる解答がそこには示された、しかし、それでも法螺吹きには納得の出来ない部分がある。

「噂に聞く天田流の見切り、我はまだ過小評価をしていたのかもしれん。
 しかしだ、それでもそれはおかしい、確かに貴様のいう理屈で我の技が見切れたとしよう。
 だが、貴様はさっき言ったな、あの空中から回転斬撃、あれが無茶な技であったと、そして我があのまま逃げれば逃げ切れたのだと…ならば、何故、貴様はあのような方法を取ったのだ?
 貴様が得ている情報から結論した不敗剣は逃げる剣なのだろう?
 そんな分の悪い博打をしてもまるで意味が無いではないか、結果、今の結果があるにしても理を持って良しとする天田流の発言とはとても思えん。」

 厩源時三式は中にいる追道者の動きを追従して呆れるように首を振っている。
「そうだな、同じ技を使う奴が相手で、それがあんたじゃなければそんな手は取らなかった。だが、あんたなら逃げたりはしない、そういう確信に近いものはあったよ。」
「なんだと!?」
 ははは、と漆黒の面の奥から追道者の笑い声が漏れる。

「だって、あんた不敗剣とか言って、あれだけ逃げる事を旨とした剣理を組み立てて置きながら、結局の所、勝とうとしていただろ?
 そもそも最初のだっておかしいんだ。あんたはあの糸刀の奇襲を仕掛ける為にわざと速度を落として俺に追いつかせた。
 別にあの技は俺が追いついてからでも良かった筈だ。けれどそうじゃない、もう一度言うぜ、あんたは俺に追いつかせたんだ、あんたの勝利で決着を付けようとする為に…。
 まあ、その時はまだそんな攻撃をしてくると思って無くて危うく死にかけたのだがな。」

 法螺吹きは固く口を閉じ沈黙する。それにどう言葉を返せばいいのかわからずただ、ただ言葉を失っていた。

「まあ、これは実は結果論で俺が実際に気付いたのはあんたが、最初の攻撃を俺が喰らった際にわざわざ俺の受けたダメージの程をしっかりと確認していた時なんだがな。
 別にあんたが確認するのは俺が生きているか死んでいるかの二つだけで良かった筈だ。
 それなのにあんたなりの時間をかけて俺の武甲人や俺自身のダメージを計っていただろう?
 あれがいけなかった。俺はあれで確信したんだよ。ああ、こいつ勝ちたいんだなって、俺からしてみればそれだけで十分だった。
 それだけであの博打に出て勝つだけの自信が出来た。そして、その勝利を得よう時に発生するだろう隙をずっと探しているだけで良かった。わかるか?
 お前の不敗剣はお前が勝利を欲した時点で既に破綻していたんだ。しかし、最後の攻撃は駄作にも程がある一手だったな。
 例え、相手が俺じゃなくてもリスクが大きすぎてそもそも成立するかどうかするか危うい、他の三つは完成度の高さに感心したものだが、あれは駄作も良い所だ。」




512 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:08:03 ID:dsWi+f1Z
 


513 名前: 電瞬月下 弐 十八/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:08:28 ID:c7ezch7q

「――――ぐっ…。」
 返す言葉も無い。
 法螺吹きと呼ばれた武者の胸に宿る感情は後悔であった。
 己が勝利を求めた事への後悔、そして終ノ手『糸喰』を生みだしたことへの後悔。
 だが、その後悔よりも強い感情が法螺吹きの胸中にある。
 それは自分に対する怒りであった。
 それもその筈だろう。
 己が今用いた不敗剣は新しく組み直した不敗剣なのである。
 原初の不敗剣は三手にて構成され、終ノ手『糸喰』は存在せず、壱ノ手『駿足』、弐ノ手『刀蜘蛛』、参ノ手『待蜘蛛』の三つだけで構成されていた。
 壱ノ手にて見切りを行い逃走、弐ノ手にて逃げながら後方への迎撃を行い、上方から来る敵は参ノ手で対処し、それが破れれば再び壱ノ手と弐ノ手にて逃走と攻撃を行う。
 そのどれもが突破困難な攻撃であり、突破できたとしても、その時には既に再びあの弐ノ手を開始している。
 こちらはそれほど大きな行動をせずとも相手には大きな行動を強いる事により、体力と精神に大きな負担を与える事が出来る。
 そして、こちらはそれほどの行動を行わない為、体力の消耗は相手と比べるならば天地程の開きが出る。
 それを循環させる事によって相手の体力を奪い逃げ切る、いうなれば不敗剣を用いる者にとって分の良い根比べを行う、それが不敗剣の原型だったのである。
 それに終ノ手『糸喰』が加わったのは不敗剣が一度目の勝利を得た時、つまりは不敗剣破りを行おうとした名乗りをあげた徒党の一人目の武者を斬った時である。
 一人目の武者を弐ノ手『刀蜘蛛』にて斬殺した際の後始末の最中、木々に垂れ下がった糸刀を見た事が始まりだ。
 その時に得た勝利という名の美酒と残った糸刀をさらなる攻撃に使うという馬鹿な考え…。
 それが法螺吹きの心を酔わせ、その思いつきを天啓と勘違いし、不敗剣の本来のあるべき姿を歪ませ、余計なモノを付け加えた結果、その全てを不出来な技へと変貌させてしまった。
 己が勝利という名の毒を喰らっていたのだとまるで気付かずに…。
 そして、その結果が、この結末だ。
 自業自得。
 己で組み立てた究極の論理をそんなくだらないものをさらに食そうとする余りに勝つための論理、つまりは終ノ手『糸喰』を付け加えてしまった。
 そしてそれが致命的な隙となり、このような致命傷を負う原因となってしまったのである。
 止めようの無い後悔と、そんな事に気付きもせず勝利を求めるべきではない剣に勝利を求めてしまった己への怒り。
 それが法螺吹きの胸中でみるみると燃えあがる。
 今、法螺吹きの目の前に繰り広げられているのは片腕を失いもうじき死ぬ運命にある己と己に向けてその両腕で刃を向ける武者というどうしようもない現実だけだ。
 既に勝負は決している。
 全てにおいて、目の前にいる漆黒の武甲人を纏った武者に勝てる道理など無かった。


(―――――けれど…。)


 朦朧とし、少しずつ薄くなっていく意識の中で法螺吹きはそう思う。
 確かに自分は他の人間の言うように法螺吹きなのだろう、不敗剣等と名乗りながらも自らそれを汚すような行為を行う者。
 法螺吹きの死後、己で組み立てた技を自ら改悪した愚か者と人は笑うだろう。
 それは良い、まさにその通りだ。
 けれど―――――

「―――――まだ―――――不敗剣は―――――破れてはいなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」

 そう己の全生命力を振りしぼり大声をあげる。
 決意を示すように、残った全生命力を振りしぼるように…。
 痛覚は既にない、そもそも痛覚は己が危険な状態であるという事を己に知らせる為にあるものだ。
 既に死を間近に控え、限界を超えた状態にある法螺吹きの体にはもうそれは意味を成さない。
 ゆえに法螺吹きの脳は、己の体に苦痛を与える事を止め痛覚を遮断するという選択をしたのである。
 だから、法螺吹きの意識に余計な雑念はもう無かった。
 ただ、一個の思いを遂げる為、そこにその残りの生命力の全てを燃やそうとする。
 そして法螺吹きは己の腰にある小太刀へと手をかけた。
 それを見た漆黒の武甲人 厩源時三式の仕手である追道者は二丈二尺の野太刀を構え、嬉々と言う。
「そうだよなぁ、そう来るよなぁ、それしかないよなぁ。」。
 不敗剣とは逃亡によって成り立つ剣である。
 それは例え相手が生きていようと己が生きていれば決着はついておらず引き分けに終わる。



514 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:11:23 ID:dsWi+f1Z
 


515 名前: 電瞬月下 弐 十九/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:12:03 ID:c7ezch7q

 それによる不敗という思考を根とする剣なのである。
 既に法螺吹きの受けた傷は致命傷といえ、時間を待つだけで法螺吹きは死に、その死によって不敗剣は敗北を喫し幻想に終わる事になる。
 このままいけば不敗剣を必敗、この傷では既に勝利の目も無い。
 しかしだ、法螺吹きが用いるのは不敗剣であり、法螺吹きが行うべき事は不敗剣が不敗である事の証明だ。
 それ故に、不敗剣は不敗剣であるがゆえに一つの論理が導きだされる。
「そうだ、その通りだ、別にあんたは勝たなくて良いんだ、例え相打ちだろうと、それが出来ればあんたの不敗剣はここで破れちゃいない事になる。」
 そう言って、追道者は厩源時三式に中段に構えさせる。
 それは最初の一合にて追道者が用いようとした天田流『心貫』の変形『触れ袖』の構えであった。
 この『触れ袖』は追道者が最も信頼する技である心貫を元に完成させた、追道者の我流剣技。
「ここで空気読まないのならば、逃げちゃうんだろうし、かつて俺の両腕を奪った糞野郎もこういう場合は無理をせず逃げるという選択肢を取るんだろうがな…………安心しろ不敗剣。
 俺はお前を完膚無きにまで斬り捨てて、その存在を否定してやるよ。そして俺は奴とは別の方法で奴と同じ土俵に立つ。」
 そう、己の身を不敗剣の化身とした法螺吹きに対し、追道者は告げる。



                                    「――――いざ、」


                                  「―――尋常に―――」


                                     「「勝負!!」」



 先に動いたのは、法螺吹き操る鼬蜘蛛であった。
 これはある意味、当然と言える。法螺吹きの命は既に尽きようとしている、それは時限爆弾を背負って闘っているようなものだ。
 待ちに徹する事など出来る訳も無かった。その待ちに使う刹那すら今は惜しい。
 状況は限りなく不利、腕一本を失い、自分のいる方が風下だ。
 これでは糸刀を相手に向けて放出する事も出来ない。
 どう足掻いても絶望。
 そんなハンデを抱えながらも法螺吹きは狂乱する事なく、己の死への恐怖すらも忘れ、着実に相手を殺しうる理を己の経験から検索する。
 何故ならば、もはやこの身はただ一つの概念を証明する為だけに存在する刃。
 『不敗剣という概念が存在する』、それを証明する為だけにその全ては存在している。
 法螺吹きの操る鼬蜘蛛は、倒木の上を駆け、鎌鼬のように走る。
 足場である倒木は幹によりかかるようになってその全てを完全に地付けておらず傾斜になっていた、傾斜の上側に立っていた鼬蜘蛛は必然その傾斜を降りるさいに得られる加速力を利用し急速で厩源時三式の元に駆ける。
 たった、一つ、この逆境を覆すに足る策、それを実らせ、首を己の小太刀で斬る為に、ただ、走る。
 それに対して、追道者は動かなかった。
 天田流の理念に従い、自身に襲いかかる敵を待ちうける。
 無理に動く必要は無い、例えこちらが拒否しようとも己の首を取ろうと執拗に狙って来る。
 故にここはこちらから攻めるのではなく待つのが最上の手である。
 細心の注意を払い、例え、片腕となり、もう数瞬後に死ぬような相手でも油断はしない。
 何故ならば手負いの獣ほど恐ろしい敵はいないのだ。
 あの黄土色の武甲人の仕手は己に残された命の全てを自分を殺すという事に使用している。
 その執念、その覚悟から放たれる一ノ太刀がそのような油断をして受けられる訳が無い。
 既に命が尽きようとしているのだから、それは己の命を顧みようとせずに捨て身で来る。
 故に人が人に使う理ではそれに対抗する事は出来ない。
 追道者の目の前にいるのは、もはや人間などでは無い、ただ、不敗剣という概念を証明する為に己を魔に落とした化生。
 それを証明する為ならばどのような手も使う、そんな一個の化物(モンスター)だ。



516 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:12:53 ID:dClQqUsz
 


517 名前: 電瞬月下 弐 二十/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:12:58 ID:c7ezch7q

 そんな敵を倒すにはどうすればいいのかと追道者は考える。
 命を捨てて闘いを挑んでくるもの等、それは命を捨てるからこそ行える剣理を行使出来る事にならない。
 そのようなものに対応する手段など考えようが無かった。
 だから、追道者はただ、信じる事にした。
 己の修練、己の技、己の武甲人、己の流派、己の夢、己の生涯、今まで己の剣を作る為に費やし、抱いたそれら全てを信じる。
 その全てがあるが故に、あの魔を倒す事が出来るのだと、ただ、ただ、信仰する。
 そうして、追道者はその命を捨てた法螺吹きの一撃に挑む。
 どちらも決意も固く、どちらの覚悟も深い。
 油断も無く、奢りも無く、二人の武者が激突する。

 勝負は一瞬だった。

 厩源時三式は鼬蜘蛛が間合に入った瞬間、その二丈二尺にもなる長大な野太刀を突き出した。
 ――――諸手突き。
 それは最初の一合でも見せた受けの剣である筈の天田流が己から攻撃を仕掛けるという異端の技、天田流『心貫』その変形『触れ袖』。
 二丈二尺ほどの長さがある太刀ならば突きはその長さ故に強力な技になるという考えは間違いである。
 本来、長大な野太刀は突きを行うのに向いている武器では無い。
 その理由の一つとしては柄の短さにある。
 刀は槍とは違う。
 異常なまでの長さの柄を持つ槍はその柄に手を滑らせる事が出来るだけの余裕を持っている。
 故に槍の突きは素早くかつ的確に相手を刺し抜く。
 しかし、これは刀の場合だとそう簡単な話にはならない。
 否、刀における突きは選択肢の一つであるが、二丈二尺などという規格外の太刀でそれを行うというはあまりに大きな問題がある。
 通常の刀であるならば、槍ほど特化はしてないものの突きは強力な一手になりえるが、この野太刀の場合は刃が長く重い為にその切っ先の制御が困難なのである。
 それゆえにその突きは槍程の速度も出なければ、的確に狙った個所を刺すのも困難と来ている。
 そもそも本来、斬を主体とした武器で突は虚をつく為の奇手でしかなく、長大な太刀による突きは実用的な強さを持たずその隙を相手に突かれ易い事から悪手であると言える。
 何せそれは大した速度も精度も無いのだから、例え長さの利があっても、その利を潰す程を大きなリスクを起こす技なのだ。
 ならばそれを回避し、その隙を突く事で法螺吹きの勝利は約束される。
 しかし、法螺吹きはそれを良しとしない。
 最初の一合目の時もそうだった、そこで突きを選択したというのはあり得ない選択のように思えた。
 まるで自分の前に弱みを見せられているかのような悪手の選択。
 つまりはそれは誘いなのだと天田流との理念と重ね合わせ、法螺吹きは感じとった。
 悪手は誘いなのだ。
 そして、相手がとりうる剣理をすぐ様想定する。
 もはや限界を迎えつつある法螺吹きの脳は限界を超えて思考を回す。
 法螺吹きの脳裏を霞めるはあの車輪のように回転してきた際に発揮したあの回転を御する驚異的な腕力。
 武甲人による筋力強化などという言葉ではとても説明できない異形。
 もしその腕力を持って、あの長大な野太刀によって放たれる際に現出する突きの難点を力ずくで強引に解決する事が出来るとするならば、それは悪手では無く、非常に強力な技となる。
 なんという事か、あの腕力をもってすれば長大な野太刀は槍へと変貌するのだ。
 悪手という嘘を纏わせた、強力な一手。
 既にお互いは間合いに入っている、あの槍が放たれるのを止める術は無く、あの槍を回避する術も無い。
 あの槍は確実に心臓を貫く一槍となるだろう、それで即死、それで終わり、だから――――
(―――問題は無い。)
 そう思い、武甲人鼬蜘蛛の装甲の中で法螺吹きは微笑む。




518 名前: 電瞬月下 弐 二十一/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:14:25 ID:c7ezch7q

 こちらからあの攻撃を回避するのは不可能だ。
 既にそれほどまでに間合は詰めてしまった、しかし、こちらの攻撃が相手より先に攻撃が届くかと言えば否、小太刀のリーチでは二丈二尺の野太刀のリーチの中でまるで攻撃が出来ず、鼬蜘蛛最大の特徴である糸刀も逆風によってまともに機能しない。
 故に、追道者の命を止める為にはあの攻撃を回避した上で攻撃を通さなければならない。
 しかし、この突きは回避する事は不可能なのである。
 この矛盾を覆す為に考えられる唯一にして無二の奇手を法螺吹きは既に創造している。
 鼬蜘蛛はその残った左肩の鋼鉄の触手を動かし、既に放ってあった糸刀を巻き取った。
 『糸刀』、鼬蜘蛛に搭載された暗器にして、最強最大の武装。
 逆風により前方に確実な投擲する事が出来ないそれは、攻撃に使用する事は出来ない。

 しかし、後方に撒いて、倒木に巻きつけて置く事ぐらいは出来るのである。
 
 現在、二人の武甲人が足場にしている倒木は切断された切り株に寄りかかるようにして倒れている。
 つまり倒木の側面全てが地面と密着しておらず倒木と地面の一部には隙間があるという事である。
 さて、もし切り株に寄りかかっている方の倒木の幹の一部を切断するとどうなるだろうか?
 倒木は寄りかかり所を失い、重力に従って下方に落ちる。
 つまりは、足場が落ちるのである。
 それが鼬蜘蛛の武者、法螺吹きと呼ばれた者の最後にして最大の一手だった。
 そのような例え、正確無比の斬撃を放った所で足場が落ちれば、放おうと思っていた位置とはまるで違う所に斬撃を放つ事になる。
 回避できないのであれば敵に攻撃を外させれば良い。
 それが、不可避の攻撃を攻略する唯一の方法だった。
 落ちる足場の上で追道者が放った高速の突きは鼬蜘蛛の肩を霞め、外れる。
 そしてそのまま小太刀の届く間合へと侵入、そのままその小太刀を持ち上げ振り上げ――――――――





 ―――――ある意味、法螺吹きの不幸は、敵に背を向けていた為に、どのようにして弐ノ手『刀蜘蛛』から追道者が生還していたのかを見ていなかった事かもしれない。
 そう、厩源時三式の胸部に仕込まれた二つの火筒『胸筒』の存在を知っていれば、感知する事が出来たかもしれないのだ。
 追道者が、厩源時三式が、放ったその突きが、罠である事を理解しそれを前提に攻める手立てを構築する事が出来たかもしれない。
 しかし、法螺吹きは背を向けていたが故にそれを知る事がなかった、だからそれに対応する事は出来なかった。

 ―――――厩源時三式、機構『胸筒』起動。

 小太刀を振り上げた法螺吹きの目の前で胸部を展開し、胸に仕込まれていた二つの火筒の内の左方に火を入れる。
 火筒から吹き出る火は推力を生みだし、厩源時三式のその巨大な体躯を垂直に押す。
 法螺吹きの、鼬蜘蛛の、放った斬撃はそれで回避され、厩源時三式の放った突きは己を押す推力の反動を受けて、別の技に変化を遂げる。
 つまり、斬撃である。
 武甲人と武甲人の袖が振れ、厩源時三式の二丈二尺の野太刀が、鼬蜘蛛の体に肩から食い込む。
 追道者が放ったその突き…その全てが偽装だったのだ、天田流名子派の追道者はこちらから攻撃するのを待っていた。
 攻撃とは防御を無くしている事と同義でもある。
 つまり攻撃に転じている瞬間こそが致命的な隙を作る事にもなる。
 追道者はその致命的な隙を意識的に作り、相手にそこを突かせ、厩源時三式の機構によってその隙を消し、相手の攻撃によって生まれた隙を狩る。
 それを実現する術理こそが厩源時三式の性能と天田流を組み合わせた末に生まれた我流秘剣『触れ袖』であった。
(―――――まったく。)
 その刃をその身に感じながら刹那の中で法螺吹きは思う。
 なんという武者なのだと、そう思う。
 決して最初に放たれた突きは甘い攻撃では無かった。
 半端な技ならばその技に乗る気迫から、法螺吹きはそれを察知していただろう。
 しかし、それは間違いなく己の命をかけて放たれた一撃であった、それだけの気迫があった、それだけの強さがあった。
 決して見せかけの一撃では無い、その突きはそのまま放たれていたのならば確実に己の心臓を貫いていた。
 普通ならばそれだけの技があればそこで思考を停止しても良かった筈なのだ。



519 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:15:13 ID:dsWi+f1Z
 


520 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:17:16 ID:1rSjSl/7
 


521 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:18:00 ID:1rSjSl/7
 


522 名前: 電瞬月下 弐 二十二/二十二 [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:18:40 ID:c7ezch7q

 だが、追道者はそうしなかった。
 どんなに強力な技であっても、破れる事がある、そう想定し、理を組み立てる。
 だからこそ、本命の一ノ太刀が避けられたのならば、相手の攻撃を回避しつつ本命のニノ太刀を放てるような技を作り上げたのである。
 法螺吹きはその己が死ぬ刹那の中で厩源時三式の漆黒の面を見る。
 どのような人間が、どのような生涯の上に、このような剣を組み立てたのだろうか?
 才覚だけでは作れない、修練だけでは作れない、己の生涯を全て剣に捧げた上で地道に一歩、一歩を踏みしめ歩いた者にしか作れない。
 そんな剣技だった。
「―――――見事だ。」
 そう告げて、追道者は鼬蜘蛛とそれを操っていた法螺吹きの右肩から左腰まで真っ直ぐに切断した。
 完全な死、胴を二つに裂かれて生きている事が出来る人間などは存在しない。
 追道者はその長大な野太刀に付着した血を拭いながら、己が斬った敵を少しの間、見つめた後、
「もし、あんたと俺に差があったとしたならば、敗北を知っていたか、否かという話だと思うよ。俺はな、一度負けてるんだ。あんたは不敗剣なんて術理を組み立てていながらきっと負けた事が無かったんだろう?
 もし知っていれば、勝利なんてものに惑わされる事なくその概念を貫き、この勝負に勝っていたのはあんただったかもしれない……先に逝っててくれ。
 そして、俺も逝ったら、また黄泉の国で一勝負といこうじゃないか、もう不敗剣じゃないけれどその技は面白かった、だからあっちで完成させておいてくれよ。」
 そう言って、背を向けてその義足に力を入れて歩み始める。
 そしてこの死合はここに決着を迎えた。




 不敗剣は存在しえたのかもしれない、しかし、その不敗剣は毒に侵されその本質を歪めてしまったが故に、義手義足の武者によって打倒された。
 敗北を知らなかった故に勝利に毒され、それは存在しなかったのである。
 不敗剣とは幻想である、何故ならば、敗北を知らなければ必ずそれには綻びが生まれるのだ。そして敗北を知ればそれは不敗では無くなるのだ。
 


 電瞬月下 弐 −終−


523 名前: 古時計屋 ◆klsLRI0upQ [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:27:36 ID:c7ezch7q

 当初の予定一万二千字程度
 実際の字数三万三千字程度

( ゚д゚) (゚д゚ )  ( д ) ゚ ゚


 まず最初に支援してくださった方々、猿さんにかんして教えてくださった方々本当にありがとうございました。
 さて、この3万字近くある上に、9割が説明文でたまにある会話すら説明で満たされた物語を読んでいただきありがとうございました。
 この電瞬月下弐は当方、古時計屋の読み切りシリーズ第二弾となります。
 某悪鬼のパロディ書こうにも剣の知識が不足しているが故に、凄いテキトーな剣理でも良いような世界観を作り上げ書いているシリーズです。
 今回はシ○ルイっぽさがどっかに行き、完全に古時計屋ワールドといいますか、無茶苦茶な物理法則による見栄え重視の無茶苦茶殺陣理論ぶっぱになってしまいました。

 しかしそれにしても今回も長いです、申し訳無い…。
 見込み甘いなんてレベルじゃなかったぜ><
 そもそも見込みの字数で収まった経験が無いのですが…(というか大体の場合において予想の倍になる)
 さてさて、CRの次の話は2万字程度と睨んでいるのですが、うーん、四万字いっちゃうのかなぁー。
 読む方への負担また大きくなるし嫌だなぁ…と頭を悩ましている所です。
 個人的には今まで呼んできて貰った方は勿論始めて読まれる方にも楽しんでもらいたいですし、頭痛い所です。
 時間と余裕が山ほどあれば、ストーリーと設定を半年間図書館にこもってずっと作っていたいとも思うのですが
 続きものの途中で待たせるのも嫌ですし、月1でなんとか投稿出来るようにと遅筆ながら努力している所でもあります。 
 そんな中で書いてるのは楽しいのですが、息抜きしたいなーと思って始めたのが今作であり、この電瞬月下弐、実は久しぶりに趣味しか書かなかった話だったりします。
 結果息抜きどころかガチガチの内容になってしまって、ちょっとスレで愚痴ったりもしてました…見苦しくて申し訳ない。
 でも書いてる分には凄く楽しかったです。
 他の作者の方々の読んでいる際にキャラ萌え描写がとにかく秀逸で俺なんかが俺も萌え萌えしたお話を書きたいな〜とか思ってたら思いついた物語です。
 凄く萌えたでしょ?個人的には刃車たん萌え〜とか触れ袖たん萌え〜とか言ってもらえると凄く嬉しいです。
 嘘ですごめんなさい、こんな需要がまるでなさそうなニッチなお話を長々と読ませちゃってごめんなさい、長いわ!!と投げちゃった方もっとごめんなさい、俺の力不足です。
 前回のは短くコンパクトにまとめてましたが、今回は過去最長だったシャドウミラージュ2話の殺陣すら超えてしまいました。
 さて、今回のは殺陣はぶっちゃけ凄く嘘っぽいですよねw、前回の殺陣は凄く好きなのですが地味だったので今回はあえて、メカメカしさを出しつつその対極を書いてみようと思って書きました。
 そうしたら必然シャドウミラージュちっくになってしまいまして、まあ、書いてるのは時間かかったけれど凄く楽しかったのです。
 どうしても剣戟って一合以上の闘いにはならないんだなーと痛感した上で数合重ねようとするとどうするべきかと考えてたらこんな話になってしまったのですが…。
 勝敗に関してはあれが結果です。
 個人的にはあの結末以外はありえないと思っています。
 死者が生者に勝ってはいけないのです。
 個人的には結構チェックしたのですが結構長いスパンで書いていないせいか文章が一部安定してないかもしれません、後半はどんどん地の文章になってますしね(´・ω・‘)
 いかんせん長いので誤字脱字校正不足や整合性に穴があった場合は心からお詫び申し上げます。
 


524 名前: 古時計屋 ◆klsLRI0upQ [sage] 投稿日: 2010/08/02(月) 23:30:24 ID:c7ezch7q
 本当はやっちゃいけないこう言う所での解説(いや、流石に入れてる余裕なかったんだもん)

 Q:触れ袖ってどんな技なの?
 A:野太刀の長さを利用した、突きを放つと同時に胸筒を吹かす事で、回避を行い振り降ろしへと移行する二連撃。
   引き心と心貫の概念を組み合わせた追道者独自の剣。
   

 Q:刃車とか馬鹿なの?死ぬの?
 A:馬鹿なのです、死ぬのです。自分の渾身のギャグであり萌えです。
   ちなみにアレ本来の使い方としては双方が空中戦の場合、上方を取って、そこから円軌道を利用した連撃によって相手を斬破する技だったりします。


 Q:流石に糸ぐらいの得物で装甲を裂くのは無理があるんじゃない?武甲人の装甲どれだけ脆いのよ。
 A:俺も思ってた!!!そこら辺はSF(すこしふしぎ)が働いたんだと考えてね!!SF(サイエンスフィクション)的な補完は無いよ!!
   一応こじつけ設定としては武甲人の装甲は高周波ブレードを装備する事が常になってからどんどん薄くなってるという設定はあります。


 Q:武甲人の刀ってよく斬れますね、というか刀剣でも装甲斬るのは無理があるんじゃない?
 A:例外はありますが、基本的には武甲人の刀は高周波ブレードという設定になっています。


 Q:この世界、銃は無いんですか?
 A:ありますよ、でも凄いとんでも設定で、使い物にならないとされて研究がまるで進んでいません。


525 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/03(火) 00:11:12 ID:17I66Yl6
>>524
投下乙!
ゆっくり読みまうす……


526 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/03(火) 00:27:11 ID:Q4MB+lo/
もう感想大丈夫かな?

>>524
息詰まる外道と外道の戦い、堪能いたしました。
囚われの有る者が破れるのは、極限の世界では自明の理。
最後に小太刀を振り上げてしまった時点で、法螺吹きは完全に我を忘れていたのでしょうね。

…小太刀、あれの流派って意外にパワフルなんですよね。
まさに肉弾って業がいっぱいで。


527 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/03(火) 00:43:47 ID:prF+xHVY
>>60
背景重!!
ぐいっと字面に入りこまされました。
次がどうなるんだろうと先が気になる感じがずるいですw


>>85
アイリス格好良すぎんだろう、おい(褒めてます)
とにかくクライマックスというべきか息を突かせぬ戦闘展開にぐいぐい引っ張られました

最後に、己の身を呈して主を守ったアイリスに敬礼
最終回が楽しみ過ぎて、俺がヤバイです><


>>526
感想ありです
るろ剣での小太刀のイメージが結構強いですねー
最初何も考えず刀の長さ決めてたんですが、実際に殺陣書き始めると野太刀とか長すぎて使いづらくて大変でしたw


528 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/03(火) 01:25:16 ID:b1fbH2Mk
保守


529 名前: 創る名無しに見る名無し [s@ge] 投稿日: 2010/08/03(火) 01:50:24 ID:dg1BYC/e
 皆さん投下乙です!
 暇になった時にまとめて読ませていただきますね!


530 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/03(火) 21:50:53 ID:4UUaCo8b
>>524
投下乙です! じっくり読ませて頂きます!


531 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/08/03(火) 21:57:28 ID:dg1BYC/e
 落ちてきたんでageときますね。


532 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/08/05(木) 16:47:23 ID:0zbDy/I7
 避難所にGEARSの最終回が投下されましたよー。


533 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/05(木) 20:01:25 ID:aU4bx4Km
>>531
お前いい事言うな。
やれんのか?
なら今すぐやれ。


534 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/05(木) 20:22:11 ID:0zbDy/I7
 誤爆!? 誤爆なんだね!!
 ならば罰ゲームだ!


535 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/05(木) 22:56:50 ID:Q7u2QUuM
>>523-524
改めて投下乙でございますー!
第一弾に引き続き、圧倒的な描写の密度!……堪能させて頂きました(*´ω`*)
勝ちたいと思う欲。
兵法者なら大小の差はあれ、誰もが持っているものでしょうが、不敗剣の理においては害毒でしかなかった、と。実に皮肉な話でw
仰るとおり、なるべくしてなった結果ということですね。
今回は人の技以外のギミックを使った戦闘を目指したということですが、実に完成度が高かったと思います。技術にギミック乗せるというのは個人的に大好き!w
追道者が過去に仕合った相手も気になるところ。次回に機体、もとい期待していいんですよね?(チラッ

CRの続きも楽しみにしとりますー(´ω`)ノシ


536 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/06(金) 18:30:34 ID:u0BDG3rX
ロボット物書きたいが中々進まない!
バトルですら難しいのにその上メカなんて……!
その内掌編でも投下します。

ついでに落書き。
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/751/%E3%82%81%E3%81%8B.jpg


537 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/06(金) 19:59:03 ID:lP70fQLY
>>536
サムネ見てから保存余裕でした。
エイリアン系の亜人型ロボおいしいです(^q^)


538 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/06(金) 23:01:52 ID:u0BDG3rX
誤爆でこっちにも投稿してしまったorz


539 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/07(土) 23:40:50 ID:PYwamaNs
ACやったことないのにおかしな妄想が止まらない
興味本位で動画なんて見るんじゃなかった
何だよ、エステバリス(テンカワ機)VSナインボールって
はえーよ、かてぇよ、アーマーがどんどん削られてくよ
ディストーションフィールドで攻撃を防いでも接近戦で殴ってくる。マジ怖い

さっきまでACE2をやってました


540 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/08(日) 01:15:22 ID:dx0dPINR
 デデストローイ、ナインボー。


541 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/08(日) 01:51:52 ID:rfEw+uwH
規制解除きたかな?(´・ω・‘)

>>535
ギミックを利用した技術というネタは自分が一番の好物なんですよね
次回に期待は・・・うーんどうなのだろうかw
二案ありましてその話をやるか、もう全然関係ない話やるか
ただ、短くなる事は確かですw


542 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/08(日) 09:40:52 ID:pkibmAEx
学校生活についての案をねっていたら
女キャラばかりふえていくうう
主人公含めて4,5人にしたいのにすでに10人w


543 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/08(日) 14:09:01 ID:vAJ2a9ud
>>542
当初は30数人だったのを10数人まで減らす俺の様なハメになるぜ


544 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/08(日) 20:36:33 ID:ezfUiO0R
キャラが増えると差別化も難しくなるから、ある程度削った方がいいかもな。
迷走した末、俺みたいに『世界観が近未来的だけど、いつも和服なヒロイン』とか創るなよ!?


545 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/08(日) 21:41:50 ID:0nUGdTqM
>>542
キャラの立ち位置というかストーリーの中での(主人公にとっての)役割から
絞り込んでみるのもいいかもですよー


546 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/08(日) 21:48:03 ID:tsI75USx
ちゃんと捨てきれるなら多くてもいいと思うんだよ。
情景描写として必要なときだけ置いておくようなのとか。


547 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/09(月) 20:03:33 ID:5yUXltSM
かっこいいなぁ。。
SSってこうやってつくるものなのか…


548 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/09(月) 22:24:45 ID:lJt4ng0n
 新人さんですか? 歓迎しますよ!


549 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/10(火) 01:59:14 ID:7k9YMXhk
SSって言うくらいだから短くまとめることも考えないといけないんだなぁ
皆さん書き始めるときは完結までどれくらいかかるかも想定して書いてるんですか


550 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/10(火) 02:04:44 ID:AZ4oB63s
 一応想定はしていました。
 ですがまったくアテになりそうにありませんw


551 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/10(火) 02:31:57 ID:BEasKYJC
細かいところがぼちぼち変わる事は稀に良くあること


552 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/10(火) 16:57:03 ID:CgAYINMW
とりあえず書き始めて投下してって、それから設定やら全体のストーリーとか考える自分みたいな人間も居るけどね!
短くまとめる気なんてサラサラ無いぜ!


553 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/10(火) 19:15:41 ID:5aws7O6W
いつも設定作りこんじゃうからあえて作り込まない場合どうなるかと試した結果風呂敷がやたらとでかくなった俺ガイル

指針作る為にも設定って大事だよなぁーと痛感w


554 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/10(火) 20:35:09 ID:B/AZS5xL
まずは第一期、2クールという目標で。
支持を得られれば後半戦も。

きっとツヴァィって付いてケーブルテレビで・・・


555 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/10(火) 20:36:49 ID:AZ4oB63s
< 仮面ライダー555が >
>>555ゲットだ!!! >
 ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
   ヾ /
   r-ヤ"カー、
フォ /⌒| |⌒ヾ ォォォ!!
  (( |0| )j
__ヽヾ|V|ノ_/r==、
゙==ヽViVノ/ー―ヽ
/ /⌒7厂c/^^^))))))
(ー⌒((⌒-`ー^ー―"
_∧_/∧_ノ ノ
 |ロ  ロ  |


556 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/10(火) 21:44:35 ID:xOUr/VFt
またこいつかww


557 名前: 創る名無しに見る名無し [age] 投稿日: 2010/08/10(火) 22:11:41 ID:gKlY93n0
今回はちゃんとゲットできたみたいだなw


558 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/12(木) 00:55:31 ID:fljidA9D
 避難所、新型ロールアウトでございます。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1281541411/


559 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/12(木) 20:58:32 ID:fljidA9D
 しーずーかーだー!


560 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/12(木) 21:04:05 ID:y9K9UaMX
じゃあ、何か話しをしようZE!


561 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/12(木) 21:24:29 ID:fljidA9D
 人が……本スレに人がいたよ!

 バカでかい戦艦っていいですよね。


562 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/12(木) 21:30:13 ID:y9K9UaMX
バカでかい戦艦っていうとヱルトリウムですな!
ところでマクロスはロボット? それとも、戦艦?


563 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/12(木) 21:35:45 ID:hAk8+WJU
>>562
マクロスはマクロスだ


564 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/12(木) 21:36:44 ID:5/6LSCqS
要塞だけが残ってしまった街が
新たな土地を求めるために
要塞を改造し巨大歩行戦艦にし
残存勢力の追っ手をかわし
マグマを踏みしめながら旅する話を作ろう……と思ったらエクソダスだこれ



565 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/12(木) 21:39:51 ID:y9K9UaMX
>>564
ソレはソレ。コレはコレ。作ろうぜ!


566 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/12(木) 21:41:19 ID:fljidA9D
>>562
 超時空要塞でいいんじゃないですかねw


567 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/12(木) 21:45:59 ID:fljidA9D
>>564
 YOU書いちゃいなYO!


568 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 01:08:49 ID:b4iJYqWg
かいたよー
http://dl6.getuploader.com/g/sousakurobo/766/battleship.JPG
手抜きでごめんよー


569 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 01:13:13 ID:aoqwzgp/
>>568
 投下乙です!
 かっこいい……けど所々に書いてあるセリフのせいでなんか可愛く見えてしまうw


570 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 01:33:31 ID:t+UR3ooa
突然ですが投下します
初めて書いた物なので読みづらいかもしれませんが・・・
少しでも楽しんでいただければ幸いです


571 名前: ヒューマン・バトロイド [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 01:37:46 ID:t+UR3ooa
西暦2100年、二十二世紀に入ったと同時に世界は三度目の世界大戦を行った。
しかし、その内容は驚きの物だった。戦争の構図は、世界対日本。
小さな島国でしかない日本が、世界を相手取った。
一年も要らないと予想された戦争の終結は、十五年後に日本の降伏により幕を閉じた。
戦争の爪跡は大きく、世界は二分されてしまった。新たな資源の為に宇宙に進出すべきだという宇宙開発同盟。
宇宙進出で宇宙からの防ぎようのない攻撃を恐れた世界地球主義連邦。
第三次世界大戦から九年後、西暦2124年。第四次世界大戦は幕を開けた。


外から響く銃声、怒号、破壊音。それから逃げるように、隠れながら進む人影。
影は三つ、一人は初老の男性、残りの二人は青年である。全員一様に研究者の様な白衣を着ており、男性の手には銃、青年達はアタッシュケースを持っている。
「先生、この部隊いったい何なんでしょう?心当たりありますか?」
「いや、心当たりがないわけではないが・・・こいつらは私の予想していた連中とは違うようだ」
青年―リクと男性の会話にもう一人の青年、クーリが加わる。外ではいまだに人型兵器、HB―――ヒューマン・バトロイドの戦闘が繰り広げられている。
「だがこれだけ大掛かりになるとやはり、心当たりが無いほうが不自然ですね」
「でもこいつらは多分、私設軍だしやっぱり心当たりは無くて当たり前じゃないかな」
「君達は奴らが私設軍だと思うのかい?」
男性がきくと青年達は頷く。
「恐らくそうかと」
「動きが素人くさいです。施設の占領も手際が悪いですし」
男性は少し考えると、敵について考えだした。
「なるほど、やはり研究結果を持って逃げだして正解か」
「なぜです?」
男性の結論に疑問を持つクーリ。
「恐らく奴らは施設ではなくデータを狙っているはずだ。理由は軍備増強の為だろう」
「しかしここでの研究を軍備に活かすのは難しいでしょう」
クーリが反論するも男性は遮って言う。
「何かを作るならそれが及ぼすであろう結果も考えなければいけないよ」
諭すように言われ閉口するクーリ。そしてリクが言う。
「なら先生はこの技術が軍事転用可能だと?」
「ああ、新兵器の開発に必要なのだろう」
質問しておきながらリクは顔を歪める。
リクは戦争が嫌いだった。幼いころの記憶が原因だ。その記憶をどうにかして塞ごうとしているがそれは叶わない事だと分っている。
「さてそろそろ出口だ。すぐに脱出艇に乗り込むぞ」
男性が言った事に気付き、すぐに走り出す。二人はこの男性に救われた。自分の過去の境遇から抜け出せたのは、彼が自分たちを引き取ってくれたからだ。だからこそリクは彼を慕い、助けになるようにしてきた。クーリもまたそうだと信じていたのに。
パン、と何かが破裂する音がし、男性が倒れる。
「先生!」
ケースを放り投げて男性に駆け寄りリクは自分の仲間を呆然と眺めた。
「なんで・・・」
男性を撃ったクーリは口の端を釣り上げながらいった。
「べつに、いまどき銃を持っている事なんて別に不思議なことでもなんでもない」
「そうじゃない!なんで先生を撃った!」
怒りに震えながら裏切者の目を見据える。
「簡単だ。連中が俺を必要としたからだ」
「何で私設軍なんかに協力しようとするんだ」
「それも簡単、俺らの本来の居場所は戦場だからだ」
「違う!」
「いいや!違わない!少なくとも俺はこの平和ボケした現状が嫌で嫌で仕方なかった!」
クーリの叫びは、本心からの物と分かったが割り切れる物ではない。
「それが先生を撃っていい理由になるのかよ」
「ああ、なる」
「先生に対しての情は全く無かったのかよ!」
「ない」
非情にも言いきるクーリに怒りよりも、悲しみが溢れる。次の瞬間にはクーリが近ずいており、
「おまえにも選択の権利をやる。牢獄の中でよく考えろ」
という声が響き、意識を奪われた。



572 名前: ヒューマン・バトロイド [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 01:39:04 ID:t+UR3ooa
どことも知れない施設に連れて行かれ、そして地下の牢獄に投獄されてから三ヶ月がたった。
牢番と親しくなり、話を聞いて分かった事がいくつかある。
曰く、ここはある新興宗教の本部である事。
曰く、その宗教の信徒は教祖に絶対の忠誠を誓っている奴がほとんどという事。
曰く、その教祖は今の政府に戦争を仕掛けようとしている事。
今は宇宙開発同盟と世界地球主義連邦に世界が分断され、第四次世界大戦に突入しているというのになぜそんな事を?と思っていた時、他の情報が入った。
曰く、この宗教の軍備には宇宙開発推進派の兵器を一手に担当するジャパン・テクノロジー・コーポレーションが協力している事。
ジャパン・テクノロジー・コーポレーション。
JTCと呼ばれるその企業は十一年前にあった第三次世界大戦で平和を提唱する憲法を翻し世界に単身戦争を挑んだ国、日本の技術者が集まってできた企業だったはずだ。
日本の技術力は著しく、脳に埋め込むブレインチップ、人型汎用兵器HBの開発、しまいには宇宙に巨大建造物を作りそこから攻撃し始めた。(ちなみにそのせいで宇宙開発の反対派が生まれてきた)
世界はそのまま日本の手に落ちようとしていたが必死の抵抗と圧倒的な物量に精鋭だけでは勝つ事が出来ず、敗戦。
その後、国家が解体され技術者がJTCを作り上げて世界に貢献する事で元日本国民は肩身の狭い思いをせずに済んでいるという話だ。
そのJTCが戦争に関わるというだけで世界中が抗議したものの、味方になる分には歓迎されており今では二年続いているこの戦争で重要な役目を背負っている。そんな企業がこの宗教の軍備に関わっている。これは偶然か?
しかし情報も、ここを訪れた男の特徴が自分が見た事あるJTCの技術者に酷似していたというだけだ。核心には全く遠い。
「なにぼーっとしてんだ?リク」
看守に話しかけられる。思考から抜け出し答える。
「いや、少し考え事してたんだ」
看守―リキにそう答える。
「はぁーあ、全く監視なんか無けりゃ今頃集会に参加できたんだけどなー」
「ん?集会?」
リキとは馬が合い、良く暇つぶしに会話をする。そこから得る事も多いのだが。
「そ、集会。今上で新しい力のお披露目をやってるんだとさ」
「新しい力、ねぇ」
リクは少し考えるとリキに尋ねる。
「その力って言うのは、ひょっとして新型機?」
「何なら少し映像見るか?」
リキが手元のホロキーボードを操りこちらに画像が見えるように映される。
そこには見たこと無い白い機体とその前に立つ教祖、そして数千人の信徒の姿だ。得られたことと言えば新型機の姿程度だろう。
「あれ?こいつ・・・」
教祖の後ろ舞台の端にいる男がふと気になった。そこにいたのはJTCの技術者、キセノ・アサギだ。こいつがいるという事は・・・。
少しずつ考えを深めていく。恐らくこいつがこの宗教を利用して新型機を製作した。
恐らく各所の研究所のデータが必要だからすぐに集められるようにここに襲わせて、そのあと回収する気だろう。
そしてこいつならリクが牢獄にいる事にも気付いているはずだ。奴は僕を殺したがっていた。なら如何にかして僕を殺すだろう。
その時、流れていた音声が気になった教祖の演説だ。
『―――我々は選ばれた人民として、今日この日よりこの新たな力「グラビレイト」とこの要塞を改修して作り出した空中要塞、「ドラゴン」と共に世界を正すのだ!』
演説の内容に興味はなかったがただ一つ気になる事が・・・
「空中要塞だって?」
もしかしたらそれは・・・
「悪い、リキ。この施設の見取り図を見してくれ!」
「いくらなんでもそれは無理だ」
「なら牢獄と地上の間のでいいから!」
「まぁ・・・そんくらいなら・・・」
見せてもらった見取り図。地下一階から牢獄となっており、地上とは結構な隔たりがある。
「もうちょい詳しくみたい。設計図はない?」
「なんでだよ?何かあったのか?」
リキはさすがに不安げになる。
「俺の予想が正しければ、この地下牢獄で俺達生き埋めになるよ」
「なんでそう言い切れる?」
「話してる暇はないんだ!」
半ば脅すように建設時の設計データを見る。特に柱を。



573 名前: ヒューマン・バトロイド [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 01:39:47 ID:t+UR3ooa
やっぱり・・・」
「沈むのか?ここ」
設計図を見せながら言う。
「柱の連結が他の階と少し違う。普通にさえしてれば問題ないが、浮かぶとなると落ちるな」
「おい、それって・・・」
「おまえら看守は捨て駒にされたらしいよ」
真実を告げる。周りで少し話を聞いていた奴らも慌てだした。
「畜生ふざけてやがる・・・俺他の看守を説得してくる!」
リキはそう言って他の看守に話しに行った。しばらくすると看守らがカギを持ってこちらに来た。
「あんたの話、信じられないが・・・死んでからじゃ遅いからな」
看守の行動によって投獄されていた奴らが解放されていく。リクは全員に向かって言う。
「今から皆に協力してもらいたい。全員一丸となってここから逃げ出そう!」
看守室の武器が回され、看守と囚人による脱出が始まる。


筈がいきなり躓いた。
「あかねぇ・・・」
鉄扉が地下と地上をつないでいてそれが完璧閉まっているらしい。シャッター式だから全く歯が立たない。打ち破ろうにも火力が足りない。どうするか悩んでいる中でリクが前に出る。
「僕がやるよ」
「どうやって?今ここで全弾撃ち尽くしても扉は開かないぞ?」
「そりゃぁ止まってればな」
武装の中からダッシュギアとレーザーライフルを取る。
「おまえ、まさか・・・」
リキが言う。
「そのまさか。ダッシュギアで加速つけながら撃ちこむ」
「無茶だ!扉にぶつかって終わる!」
「いいや出来るさ。僕は強化孤児―――チャイルドアーミーだし」
絶句する気配が後ろから伝わる。それと同時に納得も伝わる。離れてろと指示を出し自分も離れた所に移動して、ダッシュギアを高速で動かす。そこらの自動車並みのスピードで突っ込みながら、出力最大のショットガンを構えて引き金を引く。
バッガァアン、と轟音がして扉が吹き飛ぶ。
「いくぞ」
静かに囚人と看守が動き出す。


リクは戦争が嫌いだった。強化孤児、チャイルドアーミーと呼ばれる生き方をしてきたのが原因だった。
戦災孤児を軍が子供のころから訓練して強力な兵士とする。前大戦で行われたその手法により、大量の感情を持たぬ子供が戦場に立った。リクもその一人だった。
一般的に強化孤児の訓練が始まるのは四歳からで、リクはセオリー通り四歳から一年間、第三次世界大戦が終わるまで強化され続けた。
終戦後、強化孤児は国連に保護されて精神面のケアの後、里親に預けられる事となった。
しかしリクは聡い子であったが故に、強いトラウマが残った。
あるいは戦場で戦い続けていたらそれも払拭できたかも知れない。慣れるよりも早く、そして抜けるには遅かったのだ。
しかし彼は前を向いて歩きだそうとしていた。
里親のもとで研究に身をいれ、そしていつか自分が強化孤児たちの道となれればいいと思っていた。
その矢先に起こった事件。研究所の襲撃、同じ強化孤児の裏切り、そして義父の死。
リクは再び戦場に引き戻されつつあった。


地上に出たところで人が二つに分かれる。脱出艇を強奪して先に逃げたい奴らと、中に残りせめて教祖に一矢報いたい奴ら。
四分の三は脱出して残りは集会の場所へ近づく。リクはキセノを狙うため、この場に残る選択をした。
集会会場は異様な熱気に包まれていて、全員が教祖に忠誠を誓っているのは確かだった。
逆に看守をしていたのはそこまで忠誠心が強い奴がいる訳ではなく、だからこそ捨ててもかまわないと思われたのだろう。
見張りを手早く沈黙させて舞台に近づく。近くから見れば襲われる事など微塵も考えていない布陣である。
しかしすぐに飛び出して教祖を殺してもすぐに信徒による暴動がおこる。
別動隊がHBを強奪するのを待っている間に演説が終わってしまった。
教祖は後ろに控えていた新型機に乗り込みコクピットハッチを閉めてしまう。
そこで始めてそのHBを見る。
規格は良く分からないが、そこまで強力な機体にも見えない。サイズは小型の部類にぎりぎり入る大きさ、固定武装は見当たらず、サイズから見てジェネレーターの性能もそこまでいいとは思えない。
しかしこれは外見から分かる事だけ。中に使われている技術が分かるわけではない。
リキにここが襲った研究所のリストを見せてもらうとかなりの数が襲われていた。
いくつかの分類に分けると、重力関連、粒子関連などが主だった。このニつに関連があるのかは分からない。




574 名前: ヒューマン・バトロイド [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 01:45:24 ID:t+UR3ooa
「何か分かったか?」
「少しなら。恐らくあの機体は何らかの粒子を散布する事で力を発揮するんだと思う」
根拠は二つ。一つは機体の各所にダクトがある事。これで粒子を散布するのだろう。もう一つはリクが所属していた研究所の研究テーマ

、「飛散する粒子への軌道干渉」から。これは周囲の粒子の軌道を制御するための実験だ。発表されれば素粒子の研究は飛躍的に進歩す

る筈だった。
「恐らく重力の方は粒子の飛散時間の延長の為だろうね」
「粒子の種類によってはかなり厄介になるな」
もし粒子が猛毒だったりしたら人が死ぬのはもちろん、HBのパイロットも外部から取り込んだ空気に乗った毒で死亡する。そこにいる

だけで殲滅を行う事が出来る大量破壊兵器が完成する。いったいどういう効果なのか、それが運命の分かれ目だ。


コクピットに乗り込んだ教祖は事前に教えられていたようにシステムの起動を行う。
(この機体が、人類をより良い方向に導いてくれる事を願って)
教祖は常に世界がいい方向に向かう事だけを願っていた。
それは全体としての事であり、同時に結果的に平和になりさえすれば良いという犠牲をなんとも思わない考えだった。
だが周囲はそれに賛同し、遂に第四次世界大戦に第三軍として参戦しようとするまでに至った。
『システム起動完了。続いて搭乗者の脳波の観測を行います。ヘルメットを被ってください』
女性の声がする。この機体には最新型のAIが積まれており、自立思考による戦闘の補助を行う事が可能だった。
起動した後はこのAIの指示に従うように言われていたのですぐに近くにあった電子ゴーグルのようなヘルメットをかぶる。
『脳波観測開始します・・・・思考能力に異常が見られます』
「どういう意味だ?」
脳波の観測の結果に思わず問いかける。
『そのままの意味です。具体的に言えば思想に危険性が含まれます』
「逆に聞こう、それがどうした」
苛立ち混じりに言い返すと答えが返ってきた。
『簡単です。あなたには適正が認められませんでした。強制的に機を降りてもらいます』
次の瞬間ヘルメットから逆流する情報に脳の回路を焼き切られて、教祖はコクピットハッチから落ちていた。


「な、なにが・・・」
リキの疑問はもっともだ。突然コクピットから悲鳴が聞こえたと思ったら教祖が落ちてきたのだから。完全に絶命していた。集会が一気

にパニックに陥る。
「リキ、お前はダッシュギアですぐに別動隊と合流してくれ」
「お前は?」
「僕は、あの機体を奪っていく」
「無茶だろそれは。あの機体がどんなのかも分からないんだぞ」
「だから、こそだ。いざとなったら中で自爆してでもあの機体を破壊する必要があるからな」
「それでも設計図は残るだろ?意味ねぇよ」
リキの言う事も一理あるがそれは心配いらなかった。
「設計図ならあそこにいる男をやれば大丈夫だ」
キセノを指さして言う。
「じゃ、後は任せた」
そう言ってリクは壇上の期待に向かって走り出していた。会場のパニックは大きくなっていた。その収束点はJTCの技術陣に向けられ

る事となった。教祖死亡の責任を取って自殺しろ、もしくはおとなしく殺されろと。
そのときパニックが少しだけ収まった。リクの姿が壇上に現れたからだ。リクは真っ直ぐ走って機体に乗り込みハッチを閉めた。
人々が呆然とする中、コクピットで機体の起動に入る。
「この機体・・・従来のAIを使って無いな・・・起動方法が分かりづらい・・・・基本性能は高そうだな」
ぶつぶつ言いながらシステムを開いていると突然『お困りですか?』と声をかけられた。



575 名前: ヒューマン・バトロイド [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 01:48:50 ID:t+UR3ooa
「誰?」
『誰かと聞かれても私は固有名を持っていません。通称でよろしければイザナミとお呼び下さい』
「分かったイザナミ、君は何なんだ?」
『私は自立型学習式AI、つまり人工知能です』
「完璧な意思を持っているの?」
『いえ、今の時点ではただのプログラムです。しかし学習機能がありますので初期化されずにいるとどうなるかは不明です』
どうやらこの機体のAIらしい。
「さっきの男を殺したのは君の意思か?」
『はい。先ほどの方は危険思想を持っていたのでこの機体に乗るのにふさわしくないと判断しました』
「なるほど・・・システムの起動は可能か?」
『可能ですが適性が無いと先ほどの方と同じ目にあいますよ?』
「構わないよ」
『なら脳波の観測を行います。そちらのヘルメットを被って下さい』
ヘルメットを手に取り頭にかぶせる。目の前にはヘルメットの内側に表示された情報が展開されている。今出ているのは脳波観測の進効率だ。
『脳波観測完了。異常見られません。これからよろしくお願いします。マスター』
「パイロットとして認められたってことでいいんだね?」
『はい。適性が見られたのでこの機体は私が初期化されるか、マスターが搭乗権を放棄するまでマスターの専用機となります』
「なら動こう。機体の起動を頼んだ」
『了解しました。グラビレイト起動。重力炉稼働率十七パーセント。各計器異常なし。重力炉稼働率上昇。各部位粒子チャージ率五十二

パーセント』
機体の起動が行われるにつれてヘルメットに表示される情報が増える。重力炉稼働率、各部位粒子チャージ率、機体状況、レーダーなど

が表示されるが稼働時間が表示されない。
「なあ、稼働時間が表示されないんだけど」
稼働時間はバッテリーに限りがあるHBには一番重要なものだ。
『稼働時間はこの機体には関係ありません。内部に搭載された重力炉の力で半永久的に稼働します』
「無限機関ってことでいいのか?無茶苦茶だ」
『確かに無限機関ではあります。粒子を製造する事で生まれる余剰エネルギーで機体のバッテリーが充電されます。バッテリーの残量が

十五パーセント以下になった場合は警告しますが、基本粒子製造の方が電力消費より上回るので問題ありません』
「そいつは・・・またなんとも」
苦笑しながらリクは戦闘への身構えを正す。
「少しは戦闘訓練を受けているけど、実戦は初めてだ。アシストを頼むよ」
目の前の集会所の壁を破り、数機のHBがあらわれた。


「ちっ、マジの敵だな」
合図となる光通信が無い。
『敵機戦力解析、サイズ中型区分三型二機、大型区分一型一機、全機こちらをロックしています』
「よし、いけ!」
『いえ、各関節のロック解除がまだです』
「へ?」
『十五秒は動けません』
「・・・うそ」
目の前では既にミサイルの発射態勢に入った敵の姿が・・・
「どーすんのこれ!死ぬぞ!?」
『粒子の散布だけなら出来ますがどうしますか?』
「それでどうにかなるなら早くして!」
『了解しました。機体前面への粒子散布を開始します』
カウントは残り五。機体前面にはダクトから散布された粒子が膜を作っていく。敵機のミサイルが発射され、なす術もなく前段が粒子の

層に突っ込む。



576 名前: ヒューマン・バトロイド [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 01:51:48 ID:t+UR3ooa
「あ・・れ?」
しかしミサイルは目の前で消滅して、爆発すら起こらない。いや、カメラの映像には小さな金属片が装甲にぶつかった様子が見れた。
「この粒子の効果は?」
『この機体が精製する粒子は重力場粒子―――フォトン・グラビティと呼ばれるものです。それ自体が重力に対する干渉能力を持ってい

て、様々な重力干渉を引き起こします。粒子自体の有効効果時間が短いため常に周囲に散布する必要があります』
「なるほど、重力に対する干渉能力を持つ粒子、それを制御する機能か・・・」
『それよりもマスター』
「ん?どうした」
『先ほどの攻撃で数基のミサイルが背後の武器に命中しました。観測するに使える武器が対艦ブレードしかありません』
「な!?」
『それと敵機が射撃がきかない事を悟って接近戦を仕掛けてきます。接近戦に関しては粒子で防ぐにしても限度があります。対応を』
「くっそ・・そのブレードはどこにある?」
『真後ろです』
手を伸ばしブレードを手に取る。ブレードと言うよりは大剣の様なそれで敵機に斬りかかる。不意をうつ形で大型を突き飛ばす。
「反応速度はかなりいいな」
『警告、外部から更なる増援。数十一』
「有視界に入ったら指定の光通信を送りたい。それに指定のパターンで返事が来たら味方だ」
『了解しました』
グラビレイトは小型区分だが高機動特化型よりも速い。重力をうまく使っているからだろう。
リクは素早さを生かして建物の外に出てヒットアンドアウェイを心がけながら戦闘を行う。
『第二陣のHB部隊から光通信で返信あり。以後味方と判定します』
「通信つなげるか?」
部隊と通信がつながる。
[おい、リク?大丈夫か?]
「リキか?こっちの首尾は上々。とりあえず機体の強奪は成功したよ」
[そっちに向かうのは時間がかかりそうだ。別動隊がいた]
「問題無いさ。こっちはすぐ終わる」
中型二機による波状攻撃をかわして一機にブレードを向けて腰関節から真っ二つにする。
次に衝撃で動きの鈍い大型にブレードを突き立てる。
武器が動かなくなったところを狙ってくる残りの中型には振り回してすっぽ抜けた大型と衝突してもらう。
重力操作を応用した戦闘で三機を潰した。すぐに別動隊の応援に行く。
「向こうまでどれくらいで着く?」
『最短距離で二十七秒です』
「よし任せた」
弾丸のごとく、白い機体が戦場を駆けていく。



577 名前: ヒューマン・バトロイド [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 01:55:16 ID:t+UR3ooa
「目標到達まであとどれ位ですか?」
「あとー十分って所ですかねぇ」
「全く、こんな辺境にそんな大きい組織がいるかっての」
「リリちゃん。もう少し女性なのですから言葉使いを丁寧にしなさい」
「はいはい、わかりましたよーっと。艦長あれそうじゃね?」
「だから・・・はあ」
「んー座標照会・・・ビンゴ!さすがリリちゃん」
「もっと褒めてもらって構わないぜー」
「ハ―ミスト艦長、出撃どうします?」
「とりあえず下手に刺激するのはまずいでしょう?とりあえず様子を」
「あ、艦長。戦闘起こってます」
「速く言いなさい、そういう事は。で、何処がドンパチやってるんですか?」
「仲間割れしてるっぽいっすね。機体総数二十三、十二対十一って所っすね」
ハーミストは正直クルーの力量に舌を巻いていた。
この戦艦、「スターク」は多目的艦として開発された世界地球主義連邦の最新鋭艦だ。
HBを最大二十五機搭載可能で、艦自体の武装も充実している。
しかしその運用方法は幅が広すぎて、ぶっちゃけるとフリーダムすぎるのだ。
運用には各情況に対応出来るだけの多数のクルーが必要で、動かすだけでもそれぞれの役職に三人は交代要員が必要なのに、このクルーはどんな状況でも完璧に責務を果たしてくれる心強い仲間だ。・・・性格にはかなり難があるが・・・
「どちらが味方に付いてくれそうですかね?」
「見たところ機体は宇宙開発同盟の機体ばっかだし、味方にはなってくれないっしょ」
「彼らも裏切るに値する何かがあったのでしょう。それを見極めれればどうにかなるかと」
「あ、ちょっと待った。これ、新型がいる!」
「新型?ああ、あれ・・・え?」
「リリちゃん?どうかしましたか?」
操舵手のリリが顔面蒼白になっている。彼女は眼が良くて、レーダーで捉えるよりも先に相手を見切る。男勝りというか男前な性格な女性である。
「なにあれ?」
その彼女が呆然としている。
「すげっ、これマジでHBか?」
普段はチャラケている通信士のゴースまでもが目を見開いている。
「画像出して下さい!速く!」
「無理っすね」
副長のカルラにあきらめにも似たの言葉を発するゴース。
「代わりにレーダーの映像出しますよ」
目の前にはレーダーが現れる。数は・・・?
「十二対五?速すぎないか?」
そこそこの距離、従来のHBでは二分はかかりそうな距離を一瞬で駆けて、そして斬る。機体サイズでどうこうではなく、正真正銘の高速移動。
「あの機体は・・何で変な粒子発生させてるんだ?」
「恐らく、あの機体は未知の技術で動いてる・・・」


578 名前: ヒューマン・バトロイド [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 01:58:44 ID:t+UR3ooa
『残り敵機四機です。サイズは近い方から小型一区分』
近づき、斬る。
「撃破!」
『大型二区分』
刺さずに、掌底をいれる。
「落ちろ!」
『中型一区分』
最後は刺して飛ばす。
「終わり!」
この間七秒。
『いえ、あと一機残ってます』
「どこに?」
『ここから離れています。そこにはシャトルが一機ありますね』
「キセノか!」
すぐに最短距離で走り出す。それを呆然と見る残された者たち。
[速すぎないか?]
[見えなかった・・・]
[いやレーダーにすら映らないほど速かったぞ!あれ!]
「まあいいさ。あいつはどうにかするだろう。俺らはやんなきゃならない事があるからな」
[脱出ルートの確保か?リキ]
「そういう事、というわけで」
何も無い方を向き、光信号を送り出す。
[ちょっとまて、お前はこの辺は航空機どころか人が一切通らないのを知らないのか?]
「知ってるけど、そこにいるなら別だよな」
[へ?]
目の前に光通信に対応して要請通り戦艦が何も無い所から光学迷彩を解き、現れたところだった。
「さて、交渉の余地はあるかな?」


小さなシャトルに近づくと、中型三区分くらいの機体が現れた。
[交渉は決裂かい?リクくん]
「もともと交渉の余地なんて無い!」
[ならそれを作るのは俺の仕事だよねー]
「キセノ!お前の所為で俺の人生滅茶苦茶なんだぞ!しかも二度もぶっ壊しておいて!それで交渉の余地があるものか!」
[いやいや、別に和平じゃない。一時休戦だ]
『敵機に動き有り。すぐに戦闘を行ってください、マスター』
敵のHBがライフルを構える。
[それに聞きわけが無いなら、力尽くで止まってもらうしね]
相手の弾を飛翔しながらかわす。
『敵機の武器はエネルギー式です。フィールドは効果が薄いので回避を行うかエネルギー弾用のリフレクターをはってください。それとあの機体にはかなりのチューンの跡も見られます。専用機のようです』
[リク、ここは通さない]
「お前・・クーリ・・・」
[せっかくのチャンスを棒に振って・・・従っておけば良かったものを]
「黙れ!先生を殺した奴と一緒にいられるか!」
『マスター、脳波に乱れが見られます。落ち着いてください』
クーリの機体も飛翔してこちらを狙ってくる。中距離戦はグラビレイトの武装では届かない。


579 名前: ヒューマン・バトロイド [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 02:00:05 ID:t+UR3ooa
「くそ、対応策ある?」
『他の武装は有りません。もう少し近づけば攻撃は届きます』
「これ以上近づけばかわしきれない・・・どうする・・・」
連射されるライフルの軌道を読む。右二十度、下三十六度、右三十七度、上十一度・・・
スラスターで機体を捻りながらかわす。右肩を下にしながら回転、そして宙返り。装甲表面を熱が掠る。
[ちょこまかと逃げるだけか?]
「うるさい!当てられもしない癖に」
[なら当ててやろう]
機体側面のハッチが開きミサイルが顔を出す。
[発射ぁ!]
数十のミサイルがこちらを狙う。
『二十七発のミサイル、来ます』
しかし次の瞬間。
『警告、ミサイルは全基クラスタータイプです。対応を』
「な!?」
ミサイルの先端が割れ、先から更に十二発のミサイルが飛び出す。
「やばい・・・あれは」
[気付いても遅い]
『レーザー、来ます』
ミサイルの先端が光を放つ、クラスターレーザが全て狙いを定めている。今かわしてもシーカーに狙われているからかわしきれない。逆にかわせるぎりぎりまで牽き付けても、レーザーで焼かれる。
『レーザークラスター・・・」
『迎撃しましょう』
「どうやって!?」
『ブレード展開、チャージ率百パーセント』
ブレードが中央から割れて、刃がスライドする。ブレードはその中央に隙間を作る。
『トリガーを押しながら振って下さい』
「こうか?よし、いっけぇー!」
ブレードから伸びたのは粒子の塊。それはふれたミサイルを飲み込んでいく。密度が濃くなった粒子は触れていないミサイルも巻き込んで振り下ろされていく。
「おちろぉーーー!クぅーリぃー!」
[バカな!こんなこ―――]
クーリの乗った機体を真っ二つに斬り裂き、飲み込みながらブレードが振り抜かれた。
『敵機撃墜、ブレード、粒子チャージに入ります。シャトルは既に戦線離脱、足跡は追えません』
「はぁ、はぁ、はぁ、くぅぅっ・・」
あまりにも、あまりにもあっけない敵討ちに、リクは涙が止まらない。ただしそれはどういう感情なのかは、本人にも分からない。


580 名前: ヒューマン・バトロイド [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 02:03:01 ID:t+UR3ooa
以上です
読みづらいですが・・・
表現力が欲しいです


581 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 06:28:42 ID:aoqwzgp/
>>580
 投下乙です! 感想は少し待ってくださいな。
 あと、酉をつけていただけるとwiki収録時に助かりますー。


582 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/13(金) 22:57:42 ID:cf7dvaVz
>>580
投下乙です!じっくり読ませていただきます!


583 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/15(日) 10:30:58 ID:jVhxd15a
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/773/%E6%AD%A3%E7%BE%A9.jpg


584 名前: ◆9MC6FR8UMj7S [sage] 投稿日: 2010/08/15(日) 10:35:05 ID:jVhxd15a
ミスって途中で書き込んじゃった・・・
忘れられてエターなってるんじゃないのかと疑われているであろう頃ににポツリと投下。

以下、正義の執行者をちょっとだけ。
荒野に生きるも絵とか文とか暇を見つけては書き溜めてはいるけど、肝心のパソコンがネットに繋がっていない・・・


585 名前: 正義の執行者 ◆9MC6FR8UMj7S [sage] 投稿日: 2010/08/15(日) 10:39:11 ID:jVhxd15a
用語
人型兵器:
 マシンと読む。この世界における人型兵器の総称。
 乗用車や救急車やバス等をまとめて「車」と呼ぶのと同じニュアンスなので、細かな派生先にはそれぞれ別の呼称が存在する。

警備用人型兵器:
 ガードマシンと読むが、一般的にはガードで通っている。一般企業向けに量産された、一般人には最も馴染があり、値段で言えば恐らく最も安価な人型兵器。
 企業によってOSやカスタムの程度は違うが、あくまでも人型兵器での犯罪対策用であり、ソコまで高い性能は有していない。



一章
3.

 どこか遠くから汽笛が聞こえた気がして、船本は目を覚ました。
 窓から差し込んでくるほのかな明かりが、明かりの点って居ない部屋を薄ボンヤリと照らし出している。
 どれ程眠っていたのだろうか――。
 午前中のあの夢の中を漂っているかのような不安定な不快感が消え去り、頭の中がとてもハッキリしている。ソレが心地良い睡眠のお陰だと考えた船本は、
サイドテーブルに置いてある自分の携帯端末に手を伸ばした。
 午前四時をもう直ぐ回ろうとしている。恐らく眠りに付いたのが日付が変わった辺りだと思われるので、凡そ四時間といった所であろう。
 微かな波の音と共に、夜景がゆっくりと揺れていた。
 船本はそっとベッドを抜け出して窓際へと歩み寄り、黒い水面に浮かぶ街の明かりを眺めた。窓から覗く夜景が色鮮やかに輝いている。何度見ても、ココから
見る街の夜景は綺麗だと、彼女は小さく息を漏らす。
 彼女は街の港から沖合いに数キロメートルに浮かぶ大型船の一室に居た。最近の彼女は、週末になると必ずの様にこの船に乗っている。

「ん……?」

 背後でモゾリと人が動く気配と共に、男性の声が上がった。
 船本が振り返ると、先程まで彼女が寝ていたベッドで髪の長い男性が寝返りを打ち、まどろんだ様子の瞳でコチラを見つめていた。

「春江クン?」

 歌手の様に低く、澄んだ声の男性が船本を呼ぶ。

「ああ、起こしましたか?」
「ん、いや、寝返りを打った先にキミの感触が無かったから少し驚いただけだよ」

 男は船本に微笑を浮かべて見せ、枕に顔を埋めながら小さく手を上げた。

「なに、直ぐ側に居ると分かったから、安心して夢の続きが見れる」

 男の言った通り、上げられた彼の手がすぐに力無く倒れるのを見て、船本は口の端を緩めて笑った。
 一見すれば、ただの優男にしか見えないこの男性がまさか日本を変えようとしているだなんて誰が考えよう。
 船本は窓の外へと視線を戻し、彼方の街の光に想いを馳せる。
 二十年前の大災害によって、人類は人型兵器という大きな進化を果たした反面、それによってコレまで以上に力を持つ者とそうでない者の強弱の溝を深くしてしまった。
 未だに人型兵器はそう易々と手に入れる事の出来ない値段であるものの、最近は量産技術の進歩も相まって、企業が防犯用の人型兵器を持つようになっている程度には
出回っている。そしてソレが意味する事は、人型兵器を用いて犯罪を犯す不届き者が居るという事でもあった。
 そもそも、起きない事件事故に対策する必要は無いのだから。
 そして、人型兵器による犯罪が起こされた場合を想定して揃えられた筈の警備用人型兵器自体が犯罪に用いられてしまい、昨今の人型兵器による犯罪を助長していると
いう本末転倒な事例も起きている。
 そう、船本のパイロットとしての初陣でもあったあの事件の犯人もまた、盗み出した警備用人型兵器を改造して犯罪を犯していた。
 人類は戦闘機よりも戦車よりも強力な兵器を手に入れてしまった。
 ソレを今更奪い去る事は出来ないし、コレから先、より安価に量産され、強化されていくに従い、犯罪の数はより増えていくだろう。治安の低下は唯でも
弱い立場の者を更に弱くし傷つける事はあれど、彼等を強くしたり、庇う事は無い。
 何を隠そう、先の大災害で最も大きな被害を受けたのは、原因不明のまま戦争を開始して多くの非難を浴びた政府でもなく、人型兵器に乗って
戦ったパイロット達でもなく、上空で銃弾を湯水の様にばら撒いた挙句に羽虫の様に容易く墜落する人型兵器を地上で眺めていた弱者達である。


586 名前: 正義の執行者 ◆9MC6FR8UMj7S [sage] 投稿日: 2010/08/15(日) 10:41:21 ID:jVhxd15a
 人型兵器が安価に量産されるようになった現在、『防犯と言う名目で軍事力を蓄える事が出来るようになった』現在、第二の大災害が
起こされる可能性の引き金は、とても軽い物となってしまっている。
 この弱者たちを守るにはどうしたらいいのか?
 その答えを見つけたのが、先ほどの、船本の隣に寝ていた男性――黒峰であった。
 彼の父は大災害の最中に、人型兵器の生産ラインを確保したことで政府と結びつきを得て、莫大な資産を得たという。
 そして数年前に、当の父の死によってその遺産を相続した彼は、大災害と言う戦争で得たこの金を有効に活用できる事は何かと考え、
そしてあの『正義の執行者』に辿り着いたのだという。
 莫大な資産を糧に、政府からの援助を受けず、無所属で独自に行動する戦力……。そしてその戦力は、弱者を守る為だけに行使される。
 圧倒的な戦力差。
 神出鬼没にして正体不明。
 『悪』と断定すれば必ず処断する行動力。
 人型兵器によって悪事をはたらけば、何所からとも無く赤い人型兵器が現れて断罪する。
 そのイメージが根付いてしまえば、国内の人型兵器による犯罪は無くなり、犯罪者と被害者の放った流れ弾を受ける弱者も居なくなる。
 それが、黒峰の描いた"抑止力"の形であり、赤い人型兵器の――正義の執行者の存在意義である。
 コレから正義の執行者の認知度は上がり、出撃の頻度も増えていくであろう。
 とはいえ、当然ではあるが、彼女一人で日本中の悪を裁ける筈も無い。現在は正義の執行者の二号機以下を、船本の出撃で得たデータを
元に改良しつつ生産している段階である。
 計画は水面下で順調に進んでいると言えた。
 最大の問題と思われた機動警備隊からの追跡も初回を覗き許して居らず、出撃の回を重ねるごとに船本は実践と言う名のパイロットスキルを
高めており、奇襲から離脱の流れも順調になっていた。
 あえて問題を挙げるとするならば、ただ一つ。
 彼女の親友である小泉茜が言っていた事だ。

『今、巷で噂になっている赤い人型兵器は、雑誌に書かれているような愉快犯ではなく、ある一定の目的を持って行動している人物――或いは、
組織だろう。当人の正確な目的や思想は理解出来ないが、恐らく、悪人を裁いているつもりなのではないか』

 ソレは小泉曰く、彼女の知人の言葉らしいが、ソレを聞かされた時、船本は泥に沈んでいる様な感覚の中で背筋が冷えるのを感じた。
 小泉はあっけらかんと「私は人型兵器とか、その関連の知識とか無いから、どういう意味なのかはさっぱりなんだけど」と笑っていたが、
少なくとも、彼女の知人はコレまでの数件の被害者の名前から、船本達の意志を読み取る事が出来る人物である。
 その人物もまた、正義の執行者に断罪される立場の人間なのか、正義の執行者の理念を理解してくれる人間なのかは判らない。
 ただ、どちらにしても、もしその人物がこの先自分の前に立ちはだかる事になるのならば、小泉には悪いが、その人物には消えてもらわなければ
ならないだろう。
 できればそんな事はしたくはない、と船本は目を伏せた。
 恐らくその人物こそが、彼女が最近恋をしている相手なのだろうから。そんな事は無い方が良い……。
 


587 名前: ◆9MC6FR8UMj7S [sage] 投稿日: 2010/08/15(日) 10:44:15 ID:jVhxd15a
以上

船本は裸だったり、その男性とはナニだったりしますが、まぁ、ここに書くような事ではないですね。


588 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/16(月) 01:30:45 ID:VelraBVi
>>587
投下乙!じっくり読ませてもらいまうす


589 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/17(火) 20:25:34 ID:StFrwzLb
>>587
遅ればせながら乙です。
どこか社会風刺的でもある世界観は彼女の視点だからこそのものもあるんでしょうね。
姉小路との接触がどのようなものになっていくのか……今から楽しみです。

そして小泉さん微エロ可愛ぇ。


590 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/17(火) 23:05:40 ID:Dn+AFvYe
>>580
改めて投下乙です!
なかなかにハードな世界ですね。企業として生き残っている日本とか設定が格好良すぎるw
一時は仲間だった相手を斬らなければならない……実にいい王道的展開だと思います。

あとちょっと気になったのは、キャラの名前が似たような音が多かったことと、
読むと大体分かりますが、用語というかの解説が欲しかったな、とw
次作品や続きを書かれる予定があれば、読ませて頂きたいです。GJでした!

>>587
投下乙です!
実にきなくさいですなーw船本は「正義の側」に立っている積もりなんでしょうが……
慢心して上から目線になってる彼女がこれから先、更にどう歪んでいくのか。
かなり怪しい黒峰の本当の目的とは?
気になるなーw続きを楽しみにしとりますw

イラストも相変わらず素敵です!(特に胸とか胸とかry


591 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/18(水) 18:39:02 ID:3nMxShSq
避難所に新スレが立ちますた

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1282124248/


592 名前: 創る名無しに見る名無し 投稿日: 2010/08/19(木) 16:57:40 ID:TZeqXi1G
浮上


593 名前: 創る名無しに見る名無し 投稿日: 2010/08/19(木) 17:05:35 ID:V1F+rxxD
きもいんだよ
早く消えろや
うざいしくさい
お前みたいな社会のゴミは消えてしまえ


594 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/20(金) 20:30:40 ID:6Hw/piN+
掛け合いやりたさにチビチビ書いていたが、途中で某α部隊の映画なんか観にいってしまったもんだから、もう暫くは劣化になってしまうわ。
元々憬れてた部分もあったからハナからそうだったのに気付いただけかもだけど。


595 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/20(金) 23:55:49 ID:hbISJutS
α任務部隊とな?
このステーキの肉は本物の牛だよ、みたいな?

…あー、センチネル映像化しないかなぁ


596 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/21(土) 00:07:51 ID:UawLyS10
テーンテレッテー テッテーテー(例のBGM)
そうか公開は20日からかー

そのノリが来るとしたら、俺としてはむしろ歓迎せざるを得ないわけだがw


597 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/21(土) 17:14:45 ID:1pVGprko
今考えたらテレビシリーズからずっとアメリカンな馬鹿の象徴だったなあの部隊は。

手製の迫撃弾で角材発射したりライフル一丁で先住民を手駒にしたり。


雷は一日に一回までだ。


598 名前: 秋水 ◆3C9TspRFnQ [sage] 投稿日: 2010/08/22(日) 07:58:35 ID:0vPt6y/N
wikiって作ったページの削除は出来ないのでしょうか?
…できないですよね。

wiki管理者様、素人が編集しておりましたらページを余分にこさえてしまいました。
『地球防衛戦線ダイガスト 第四話』です。

お手数をおかけしますが、そのページを削除していただくか、
『地球防衛戦線ダイガスト 第五話』へと名前を変更していただきたいのですが、
お願いできますでしょうか?

もしくは、それ以外の方法があるようでしたらご教授いただけると幸いです。
宜しくお願いいたします。

私用、申し訳なし。


599 名前: PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM [sage] 投稿日: 2010/08/22(日) 10:44:40 ID:PryHzNzF
 あ、じゃあ私がやっときますね!


600 名前: PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM [sage] 投稿日: 2010/08/22(日) 10:47:11 ID:PryHzNzF
 五話にタイトルを変更してきましたー。


601 名前: 秋水 ◆3C9TspRFnQ [sage] 投稿日: 2010/08/22(日) 11:53:38 ID:0vPt6y/N
変更ありがとうございます。
感謝極まりないです!


602 名前: ◆CNkSfJe3Zs [sage] 投稿日: 2010/08/22(日) 23:44:28 ID:zD0ktrfr
本スレが過疎ってるのが悲し過ぎるのでこっちにネタ投下する事にしました
このままスルーされても泣かないのが自分なりの覚悟


603 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/22(日) 23:46:48 ID:7Xg8Na8c
バッチコーイ


604 名前: ◆CNkSfJe3Zs [sage] 投稿日: 2010/08/22(日) 23:58:30 ID:zD0ktrfr
机上の戦争!? ステンボーグス!


 ここ最近、僕たち小学生達の間で一つの噂が流行っていた。

「オバケ机」

 机を前に座っていると、机ごと異世界に引きずり込まれてしまい、
自分の机が、巨大な机の塊「オバケ机」に組み込まれ、椅子から事も出来ず、戻れなくなる……という内容だ。

 これに、それぞれの学校で別々の「いつどこで異世界に引きずり込まれるか」や
「何をやれば回避できるか」というのが加わり、噂はいくつものパターンが出来あがっている。
「4時44分に勉強もせずに座っていると危ない」だの「某塾に誰も座らない席がある」だの
「異世界に飲み込まれかけたが、チョコレートを持っていたら助かった」だの
よくある怪談話のような話ばかりだが……その中に、奇妙な単語が含まれるのが存在した。

「ステンボーグ」という物を持っていると、オバケ机まで引っ張り込まれるが、戻ってくる事も出来る。

 この「ステンボーグ」というのが何なのかは誰も知らない。当然、僕も何も知らなかった。

 そう、あの日が来るまでは……


605 名前: ◆CNkSfJe3Zs [sage] 投稿日: 2010/08/23(月) 00:06:44 ID:8s1y0YEX
基本設定

ステンボーグ:全長30〜50cm程度の小型ロボット。核となる「コアンボーグ」が周囲の文房具を取り込んで完成する。
机に座るボーグマスターの指示に従うが、自らの意思を持っているので好き勝手動く事も。

ボーグマスター:ステンボーグと契約した者。基本的に小学生のみ。座っている机ごと異世界にあるオバケ机の元へ運ばれ
その状態でステンボーグへと指示を送る事となる。ちなみに状況に応じてステンボーグの文房具を換装させる事も可能。

オバケ机:異世界にある巨大な机の塊。その姿は不確定であり、一定期間で変化し続ける。このオバケ机の中にいる
ターゲットを、ステンボーグが破壊すればボーグマスターは現実世界に帰還できる。ちなみに一度に呼び出される
ボーグマスターは4〜6名でそれぞれの机が並んで配置される。異世界に引っ張り込まれてから戻るまでの時間は、
異世界内でどれだけ時間が掛かっても、現実世界では一瞬の出来事となる。


606 名前: ◆CNkSfJe3Zs [sage] 投稿日: 2010/08/23(月) 00:16:46 ID:8s1y0YEX
キャラクター設定

主人公
能登間 録郎(のとま ろくろう)
小学五年生。テストは常に満点で学習塾のテストも常にトップという天才少年だが、その学力の秘訣は
「どんな事でもノートに記録する事」であり、ノートの消費量は凄まじく「ノート魔ロクロー」というあだ名が付けられている。
祖父から貰った万年筆がコアンボーグであり、ステンボーグ・ペンドランのボーグマスターとなる。
頭はいいのだが予想外の事態に弱く、基本的には臆病でパニックになり易い。

主人公機
ステンボーグ・ペンドラン
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/793/Pen-D.jpg
コアンボーグは万年筆が変形した物体で、右腕がシャーペンをベースにした「0.5mmニードルガン」
左腕が六色ボールペンをベースにした「6連インパクトパンチ」 両脚は蛍光ペンベースの「ラインフット・イエロー&レッド」
ちなみに首に巻いているのは筆箱を止める用のゴム紐で武装ではない。
相方とは対照的に直情系の熱血馬鹿。


607 名前: ◆CNkSfJe3Zs [sage] 投稿日: 2010/08/23(月) 00:19:56 ID:8s1y0YEX
とまあ、避難所で皆様のアイディアから色々纏まったのを
とりあえず絵にしてみましたよ〜という感じです。

過疎化している本スレを活性化させるべく
ヒロインとか仲間とか仲間用のステンボーグとかを募集してみようかな〜などと考えてます。
特に締め切りとかはなく無期限で……てか、それよりまずマーナガル(ry

という訳で、今日はもう寝ます
皆様お休みなさい


608 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/23(月) 00:27:56 ID:EqWW/Kbg
なんとカッコイイ……


609 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/23(月) 00:29:03 ID:dQ0i5RfA
>>607
投下乙です!
ステンボーグがお目見えですか!

机がそのままコクピットと戦闘空間なわけですな
ネーミングや舞台設定からにじみ出る雰囲気といい、いづなよしつね風味のロボデザインといい
子供心がくすぐられすぎる……!


610 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/23(月) 20:36:45 ID:DWP/AG+y
縦笛は文房具に含まれるのですか、
とか思ってしまう私はきっと心が穢れているのでしょう。

みんなー、本スレは良いところだぞー!
早く帰ってこーい!


611 名前: ◆CNkSfJe3Zs [sage] 投稿日: 2010/08/23(月) 22:23:21 ID:8s1y0YEX
>>608-609
感想どうもありがとうございます〜

>>610
もう「学校に持ち込める小物なら全部文房具でよくね?」という考えになっています。


追伸
仲間はともかく、ヒロインも募集ってのは流石にアレだと思うので自分で考えようと考え直したのですが、
アイディアが纏まりません。

とりあえず

1.ポジション
 a:幼馴染やクラスメイト、同じ塾に通ってる等の、元々日常での知り合い。
 b:ヒロインもオバケ机だのステンボーグだのに関わっていて、非日常から始まる関係。
 c:色々あってオバケ机のある異世界からやってきた、そもそも非日常の存在。
2.性格
 a:天然系。
 b:気が強い。俗に言うツンデレ寄り。
 c:無口無表情。
3.パートナー・ステンボーグ
 a:ガチガチの攻撃型
 b:防御だの回復だのの支援型
 c:謎の機能付きの特殊型

の組み合わせの内、どれがいいですかね?


612 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/24(火) 18:50:13 ID:9FNo+245
関連スレが復活したので貼るよ!

勇者シリーズSS総合スレPart4
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282636520/


613 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/24(火) 18:54:22 ID:9FNo+245
>>611
俺的にはベタ気味に1-a、2-a、3-bかなあ

2-bの場合、ツンデレっていうか、勝ち気な元気っ子の方が
往年の子ども向けっぽいイメージで俺の少年ハートをくすぐる気がするよ!


614 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/24(火) 22:00:48 ID:U0AYi2HF
>>611
主人公が『静』の様だし、ヒロインはバランス取りに
1a、2b、3a…かな。

主人公君のノートには幼馴染用の記録ノートもあるんだろうさ。
…うん、そこはかとなくエロスだね。


615 名前: ◆CNkSfJe3Zs [sage] 投稿日: 2010/08/24(火) 22:58:25 ID:dLZGD0/O
>>613
>>614
1と3はaが無難ですかね〜

2はbで勝気方面……?
とりあえず、回復系の能力持ったヒロイン用ロボのデザイン考えます。
あと、記録ノートは多分取ってます。授業中にも教師の癖とかノートに追記する奴なので。


616 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/25(水) 21:49:32 ID:9PmNwvPj
書き込もうと思ったら>>613に思ってた事全部言われてしまったような気がする。


折角だから避難所の時から落書きしてたアイデアを出してみよう。

ステンボーグ・ステープザウラー

変形したハンドタッカーのコアを持つ、恐竜型ステンボーグ。
脚はフラットクリンチ式、腕は連射式(ガチャック)のステープラー(ホチキス)になっており、前者はスタンガン、後者は機関銃になっている。
しかし最大の武器は、頭部になっている巨大なリムーバーによる噛み付き攻撃。
(リムーバーだけにパーツの結合まで解除してしまうというのもアリ?)
頭はよくないが素直で真面目とか、相棒はガキ大将とか、多分そんなん。


617 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/25(水) 22:37:06 ID:TnkYW8ks
ロボット物SS総合スレin避難所18号機
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1282715738/

避難所の新スレが立ちましたよ

……前スレが>>591……だと……?


618 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/25(水) 22:38:08 ID:2h6fz9CJ
本スレ止まってるなー……って、このレスも規制で出来ないんだろうけどな


619 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/25(水) 22:38:50 ID:2h6fz9CJ
出来たしwwwwwwwwwwwwwwwww


620 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/25(水) 22:39:34 ID:TnkYW8ks
>>618
Welcome back!!


621 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/25(水) 22:52:24 ID:TnkYW8ks
>>616
>思ってた事全部言われてしまったような気がする
ナカーマ

ガチャック、そういうのもあるのか……! 名前初めて知ったw
恐竜モチーフは実に素晴らしいものであるよ、俺的に


622 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 03:30:49 ID:x6le72Wv
ちょっと短めのものを投下


623 名前: ワイルドアイズ ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 03:32:24 ID:x6le72Wv
その時代、人類はゆっくりと滅びへの道を歩んでいた
汚染された土は腐り、空気は澱み、空からは酸の雨が降り注ぐ
木々の葉は枯れ落ち、金属は錆び、生物は毒と病に犯されていた
突如起こった大破壊と呼ばれる災厄によって、
それまでの高度な文明社会は一瞬にしてその形を失い
かつて隆盛を誇っていた世界は変貌した
都市は荒廃し砂漠化や汚染が進み、全土は荒野と化し
凶暴化した変異生物や、暴走する旧時代のAI兵器が溢れる

だが大破壊より数十年経った今でも、
人類は未だに生存のための抵抗を続けていた




人生で最悪じゃない事なんて一つも無い。
毎日啜るのは泥水で、口にできるのは新鮮な奇形魚のフライ。
汚染されてない浄化水や、安全鳥肉の串焼きなんてものを店で注文できるのは一握りの金持ちだけだ。
俺みたいな、子供のころに「人狩り」に攫われて奴隷として売り飛ばされたような奴は、下水道産の焼きアメーバでさえ高級な食事。
毎日重労働を課せられ、たまに客の食べ残した雑草サラダをこっそりポケットに入れて、ベッドの中で食うぐらいしか楽しみが無い。
チビでデブでニキビだらけじゃなくて、もう少し容姿がよければ美味いものも食わせてもらえるだろうが、そっちはそっちで最悪だ。
娯楽の少ないこの街では訪れる交易商人や荒くれ者どもは、大抵店で女を買う。
それが多少ガキでもあまり気にされないし、男のガキでもちょっと女っぽくて突っ込む所がありゃあ構わないって奴も少なくない。
俺と一緒に買われて来た何人かは、壊れるまで客を取らされた。
脱走しようとして捕まり、見せしめに両腕を切り落とされた奴も居る。
褐色の肌で砂色の髪をした、綺麗な女の子だった。 その子が逃げ出す前夜、俺に「一緒に行こう」と言ってくれた。
だが俺は、捕まるのが怖くて乗らなかった。
そして、案の定捕まったその子の細い腕に斧が振り下ろされるのを、目と耳を塞いで震えていた。
……その子の脅え、泣き叫び、もう二度と逃げ出そうとしないと許しを請う顔を見ることは出来なかった。
彼女が逃げる事をチクって、褒美に串焼きを貰ったのは俺自身だったから。




624 名前: ワイルドアイズ ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 03:34:16 ID:x6le72Wv
そう、俺は卑怯者の卑劣漢だ。
おまけに臆病者で裏切り者ときている。
彼女は俺に優しかった。 毎日棒で殴られながら店主にこき使われる俺に、客から貰った飴玉を分けてくれる事もあった。
俺は彼女が好きだった。 だが、たかが串焼き一つのためだけに彼女を売った。
結局その子は客の誰かに買われてどこかへ連れて行かれた。 五体満足じゃなくなったガキの行く末なんて、たかが知れてる。
もう生きては居ないんだろう。
そして、最低な野郎には最悪な人生がお似合いというわけだ。

あの時、一緒に逃げてれば、今頃違った人生になってたんだろうか?と思うときがある。
馬鹿馬鹿しい。 俺は自嘲する。 逃げたところで、ガキ二人でどこへ行く? 何が出来る?
クルマも無しに他所の街へ辿り付けるはずもない。
荒野でのたれ死ぬか、AIの狂った殺人マシーンに殺されるか、モンスターに食われるか、どれかの違いでしかない。
この人生を抜け出す方法なんて、ありはしない。 「ハンター」になれば別だが。

「ハンター」はこの錆と汚染物質だらけの世界を渡り歩く、誰もが憧れる花形職業だ。
銃火器で武装し、クルマを駆り、マシーンやモンスターを文字通り「狩って」その部品や体の一部を回収し、
街に持ち帰って資源や食料として提供する。
工場や資源採掘基地の壊滅した今の時代、人間社会はそうしたハンターの活動によって生活を支えられていた。
それだけじゃない、ハンターには治安維持にも貢献している面がある、いわば英雄的存在だ。
街や小さな集落を襲って食料や燃料を強奪するならず者、賞金首どもを追捕するのもハンターの仕事で、
賞金稼ぎの仕事だけで食っているハンターもいる。
だが、貧しいのが嫌で、なけなしの金をはたいて安物の旧式拳銃と数発の弾丸を購入し
「ハンター」となって荒野に駆り出しても、大抵の奴は半年も経たずに死ぬ。
それだけ、世界の大部分を覆う荒野は人間が生存するのには過酷過ぎるのだ。
他に荒野を渡り歩く職業といったら、交易商人(トレーダー)ぐらいのものだが、彼らも武装している上に
ハンター同様、クルマを持っている。

そう、クルマ……この世界で荒野を横断するために、人間の足となり、鎧となり、そして武器となる鋼鉄の機械。
大破壊前の前時代の技術によって作られたそれは、様々な形態を持ち、主砲や機銃を装備し、
生半可な銃器では傷つかない装甲を備えている。
移動のために作られたもの、戦闘のために作られたもの、重作業のために作られたもの……元もとの目的や性質は
異なるものの、それを無しに荒野へ足を踏み出すのは無謀すぎるという点で統一認識されていた。
その多くは大破壊の時に壊れて地面や遺跡に埋まっているのを発掘されるが、マシーンども同様に搭載されたAIが
狂って野生状態で荒野を彷徨っているのも少なくない。
それらを見つけるか、捕獲するかして、人類はクルマを入手している。
これ以外にクルマを手に入れる方法は無い。
ごく一部のクルマの種類を除き、殆どのクルマは大破壊のときに生産工場と技術が失われているからだ。



625 名前: ワイルドアイズ ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 03:35:21 ID:x6le72Wv
そう、俺は卑怯者の卑劣漢だ。
おまけに臆病者で裏切り者ときている。
彼女は俺に優しかった。 毎日棒で殴られながら店主にこき使われる俺に、客から貰った飴玉を分けてくれる事もあった。
俺は彼女が好きだった。 だが、たかが串焼き一つのためだけに彼女を売った。
結局その子は客の誰かに買われてどこかへ連れて行かれた。 五体満足じゃなくなったガキの行く末なんて、たかが知れてる。
もう生きては居ないんだろう。
そして、最低な野郎には最悪な人生がお似合いというわけだ。

あの時、一緒に逃げてれば、今頃違った人生になってたんだろうか?と思うときがある。
馬鹿馬鹿しい。 俺は自嘲する。 逃げたところで、ガキ二人でどこへ行く? 何が出来る?
クルマも無しに他所の街へ辿り付けるはずもない。
荒野でのたれ死ぬか、AIの狂った殺人マシーンに殺されるか、モンスターに食われるか、どれかの違いでしかない。
この人生を抜け出す方法なんて、ありはしない。 「ハンター」になれば別だが。

「ハンター」はこの錆と汚染物質だらけの世界を渡り歩く、誰もが憧れる花形職業だ。
銃火器で武装し、クルマを駆り、マシーンやモンスターを文字通り「狩って」その部品や体の一部を回収し、
街に持ち帰って資源や食料として提供する。
工場や資源採掘基地の壊滅した今の時代、人間社会はそうしたハンターの活動によって生活を支えられていた。
それだけじゃない、ハンターには治安維持にも貢献している面がある、いわば英雄的存在だ。
街や小さな集落を襲って食料や燃料を強奪するならず者、賞金首どもを追捕するのもハンターの仕事で、
賞金稼ぎの仕事だけで食っているハンターもいる。
だが、貧しいのが嫌で、なけなしの金をはたいて安物の旧式拳銃と数発の弾丸を購入し
「ハンター」となって荒野に駆り出しても、大抵の奴は半年も経たずに死ぬ。
それだけ、世界の大部分を覆う荒野は人間が生存するのには過酷過ぎるのだ。
他に荒野を渡り歩く職業といったら、交易商人(トレーダー)ぐらいのものだが、彼らも武装している上に
ハンター同様、クルマを持っている。

そう、クルマ……この世界で荒野を横断するために、人間の足となり、鎧となり、そして武器となる鋼鉄の機械。
大破壊前の前時代の技術によって作られたそれは、様々な形態を持ち、主砲や機銃を装備し、
生半可な銃器では傷つかない装甲を備えている。
移動のために作られたもの、戦闘のために作られたもの、重作業のために作られたもの……元もとの目的や性質は
異なるものの、それを無しに荒野へ足を踏み出すのは無謀すぎるという点で統一認識されていた。
その多くは大破壊の時に壊れて地面や遺跡に埋まっているのを発掘されるが、マシーンども同様に搭載されたAIが
狂って野生状態で荒野を彷徨っているのも少なくない。
それらを見つけるか、捕獲するかして、人類はクルマを入手している。
これ以外にクルマを手に入れる方法は無い。
ごく一部のクルマの種類を除き、殆どのクルマは大破壊のときに生産工場と技術が失われているからだ。



626 名前: ワイルドアイズ ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 03:36:46 ID:x6le72Wv
俺がそのクルマを手に入れる気になったのは、別に今更ハンターの英雄的な部分に憧れたからじゃない。
もう15歳にもなってガキの感傷は捨てていたし、いい加減この最低な現実から目を背けるのもやめていた。
だから、俺は純粋かつ現実的に、この人生から足抜けしたかった。
ハンターになれば、こんな毎日からおさらばできる。
酔客に殴られ、店主に罵られながら床を這いつくばって働くのはもう嫌だった。
だからと言って、無目的に脱走しても先は知れている。 クルマを手に入れて、ハンターになるのはこの街を出る最低条件だ。
ハンターになれば、金も食い物も、女だって手に入る。
クルマを手に入れれば、荒野を越えて何処へだって、好きなところに行ける。
危険も多い職業だが、少なくとも今の生活よりはよっぽどマシだ。

もちろん、クルマを手に入れる手立てはあった。
もともと、街の近くには前時代の遺跡があって、そこにはクルマが埋まっているという噂はあった。
今までにも何人かのハンターや、ハンターになろうと目論む奴が遺跡を探索したが、誰もクルマを見つけた奴はおらず
噂話に過ぎないんだろう、と街の人間は笑っていた。
が、ある時、店を訪れた数名の「ハンター志望」のゴロツキ数人が遺跡の奥にある前時代の施設の入所キーだというカードと
パスコードを手に、自慢げに店内の人間に見せびらかした。
彼らはもうクルマを手に入れた気分になっていて、前祝いだとばかりに高級な酒を注文してはベロベロに酔っ払っていた。
俺がそいつらに酒を運ぶ時に、こっそりカードとパスコードの書かれたメモを掏り取るのは案外簡単にできた。
そして、その足で店をこっそり抜け出すと、俺は遺跡へと向かった。
あいつらが酔いつぶれている隙に、クルマを手に入れるためだ。

途中、モンスターに遭遇する事も無く首尾よく遺跡にたどり着き、入り組んだ通路の置くに無機質で、まるでカードを
差し込むためだけにあるかのような細いスリット以外に何の装飾も無い、の簡素だが分厚くて頑丈でそれまで誰もその先に侵入することが出来なかったのであろう鋼鉄の扉を見つけた。
思ったとおり、カードキーはそのスリットに上手い具合に挿入できた。 そしてロックが解除されて開いた先に、果たしてクルマはあった。
そこは大昔の整備工場で、なぜこんな遺跡の奥に設置されているのかはわからないが、とにかく幾つかの……耐久年数を過ぎて
劣化した機材の隣にクルマは丁寧に安置されていた。




627 名前: ワイルドアイズ ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 03:38:11 ID:x6le72Wv
それはハーフトラックという、前輪は普通の車両のタイヤで後輪がキャタピラになっている装甲車だったが、屋根に37ミリの対戦車砲が装備されたタイプだった。
俺はそれが本式で無いにせよ、曲がりなりにも「戦闘用」に作られた物である事に狂喜した。
武装が付いているクルマなら、荒野を渡る時にマシーンやモンスターに襲われても返り討ちに出来る。
もしかしたら、貴重な部品としてクズ鉄屋に売れるマシーンや高級肉として扱われるモンスターを仕留めて、早速金を手に入れることも不可能ではない。
俺はこれからの華々しい人生の幕開けに喜び勇んでクルマに近づこうとした。
が、幸運は連続しないもので、俺は何かポカをやらかしたのか、施設の警備システムを作動させてしまったらしい。
おそらく、周囲の機械は死んでるものと思って不用意に近づきすぎたのが悪かったんだろう。
突然機械の一つが生き返り、ディスプレイを転倒させるとそこに数行の文字列を表示させる。
俺はその時気付かなかったが、なんらかの警告文と、行動を促すための出力であったらしい。
しかし、機械に詳しくなかった俺は突然壊れていると思い込んでいた機械が動き始めたので、驚いて何も出来なかった。
そうこうしている内に、なんらかの時間切れになったのだろう。
施設内の壁面のシャッターが開かれると、そこに格納されていた「スイーパー」と呼ばれる、警備用マシーンが姿を現した。
当然、スイーパーは不法侵入者である俺を敵と認識し、円筒形の体の真ん中に取り付けられた機関銃で俺を撃ち始めた。

俺は積み上げられた古い機械の陰に隠れて銃弾を避けたが、武器が無い。
どう考えても太刀打ちできないし、命が惜しい。 折角クルマを見つけたにも関わらず、逃げるしかないと悟った。
だが、逃げるにも銃撃の雨をどうやって掻い潜り、出口まで辿りつくのか。
逃げ切れずに撃ち殺される公算のほうが大きい。 というか、ほぼ確実に死ぬ。
それでもここに隠れていても埒が明かないので、一か八か飛び出して全力で駆け出そうとしたその時だった。
ショットガンが火を引き、スイーパーを吹き飛ばしたのだ。

立て続けに撃ち込まれる大口径のスラグ弾を食らって、さしもの警備用ロボットも活動を停止した。
スイーパーを片付けたのは、俺がカードキーを盗んだゴロツキどもだった。
彼らはニヤニヤした顔をしながら俺に近づくと、まず俺を立ち上がらせ、次にぶん殴った。
そして、数人がかりでの殴る蹴るのリンチが始まった。 盗みをしたんだから当たり前だが、俺は自分の最悪でついてない人生を呪った。
俺が床に這いつくばって動かないのに満足したゴロツキたちは、上機嫌で俺の見つけたクルマに近づいた。
悔しかったが、俺にはどうすることも出来なかった。
さんざんに痛めつけられた体は全く動けなかったし、立ち上がる力があった所で、相手はショットガンで武装し、俺は素手だった。
だが、俺もそいつらも大きな誤算があった。
クルマは、整備工場の中でただ眠っていたわけではなかった。
多くのクルマやマシーンがそうであるように、そのハーフトラックにもしっかりAIが搭載されていたのだ。
大破壊後、多くのマシーンが狂って人間を襲うようになったように、そいつのAIも……



628 名前: ワイルドアイズ ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 03:39:33 ID:x6le72Wv
ご機嫌なゴロツキの一人がハーフトラックのボンネットを撫でた時、そいつは動いた。
エンジンが唸り声を上げて始動し、シャシーの表面に縦横の亀裂が入り、分割される。
部品の一つ一つがまるでパズルを紐解くかのように分かれてゆき、そしてまた違う備品と噛みあって、再結合しながら
ハーフトラックの形を、別の大きなシルエットへと変貌させてゆく。
整備工場の天井に頭をこすり付けるギリギリの高さに立ち上がったそれは、大きな人の形をした機械だった。

クルマ。 移動と機動性を重視した車両形態と、格闘能力と武装の取り回しを優先した人型形態を使い分ける、
前時代の科学技術が生み出したロボット兵器。
ゴロツキたちの2倍近い身長を持つ巨人は、驚き、脅え、戸惑う哀れな人間たちを冷たい赤い光を放つアイセンサーで見下ろすと、左腕を振り上げた。
悲鳴を上げながらゴロツキの一人が巨人にショットガンの銃口を向け、発砲する。
だが次の瞬間、そいつは振り下ろされた大きな金属の塊の拳に押しつぶされて、床との間に血の染みになって絶命した。
人間が潰され、肉と骨とが砕けて混じる嫌な音が耳に残る。
残る二人のうち一人が、仲間を見捨てて出口に向かい一目散に駆け出した。
だが、巨人はそいつの背中に右腕を向けると、手首から先を変形させ部品を再構成し車両形態時に車体の上に取り付けられていた37ミリ砲を手首の先に出現させる。
轟音とマズルファイアが室内に響き渡り、次の瞬間には出口に向かったゴロツキの仲間は影も形もなくなっていた。
至近距離で大砲の直撃を食らったら、人間の肉体なんてあっけなく吹き飛ぶ。
残った最後の一人も、ガタガタと震えながら呆然と立ち尽くしていた。
そして、無慈悲な殺人機械の目が彼を捉える。 左腕が変形し、近接用の格闘武器である大型のチェーンソーが出現した。
床に這いつくばったままの俺と、そいつの目があった。
「死にたくない」と、彼は目で訴えていた。 が、俺にどうしろって言うんだ。
どうしようも無いだろ、お前は死ぬんだ。
俺が告げてやる暇も無く、唸り声を上げて高速回転するチェーンソーの刃が振り下ろされ、体を生きたまま両断される
そいつの耳障りな悲鳴で俺の鼓膜は支配された。

最高に不愉快な気分と、次は俺が殺されるのだろうという恐怖に尻を叩かれながら、俺は俺が殺されないために、床を這った。
3人の哀れな犠牲者を公平に肉片に加工し終えた巨人がゆっくりと、俺のほうに近づいてくる。
殺人機械が俺を処刑する前に、俺はどうしても生き延びるために、両腕に力を込めて這った。
あんな風にひき肉にされるのはごめんだった。 最低な15年間を過ごして、こんな所で死ぬなんて納得が行かない。
それじゃあ、俺は何のために生きてきたのかわからないじゃないか。 死にたくない。
だから俺は、必死で痛む手足を動かした。
そして、先ほどから作動しているあの機械に辿りつく。
ディスプレイに表示されている文字列は、俺には読めないし理解できない言語だったが、それが何を要求しているのかはもう解っていた。
殴られすぎて立てない足腰に鞭を撃ち、踏ん張った腕の力でコンソールに齧りつく。
そして、ゴロツキたちから盗み出したもう一つのもの……メモに書かれていたパスコードを機械に入力した。



629 名前: ワイルドアイズ ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 03:42:21 ID:x6le72Wv
ディスプレイの文字列表示が切り替わり、俺の背後で巨人の足音が止まる。
やがて、巨人の体を構成している部品が一つ一つのパーツに分解していき、それらは再度組み合わさって元のハーフトラックへと戻った。
俺は、ほっとため息を付く。 カードキーはこの施設への扉を開けるための鍵だった。
そして、パスコードは……警備システムを解除し、クルマに自分を「ゴシュジンさま」だと認識させるための合言葉だったのだ。
俺も最初は、そしてこれを持っていたゴロツキたちも、どちらも単純に両方を入るための鍵で、どっちかを使えば
扉を開く事ができるものだとばかり思っていた。
が、もっと早く気付くべきだった。 扉にはカードの差込口はあっても、パスコードを入力するコンソール類は付いてなかった事に。


後は、やるべき事は他に無かった。
整備工場の中には生きている機械も、使えそうなガラクタもあまりなかったし、
肉片にされたゴロツキたちの死体からは落としたショットガン以外、拾えるものは何も無かった。
晴れて俺の言う事を聞くようになったクルマには、ゴロツキを殺した通りの武装の他に7.7ミリ機銃が装備され、
燃料も充分入れられていたし、何十年も放置されてた割にはどこも錆び付いていなかった。
クルマとともに外に出た俺を、荒野を照りつける眩しい日差しと、荒れ果てた錆と砂ばかりの何処までも続く大地が出迎えた。
これから、何処へ行こうか。 何をしようか。
当初の予定通り、ハンターになるべきか。 ハンターになるとして、マシーンやモンスターを狩る仕事に落ち着くのか。
それともならず者どもや、俺を攫って売り飛ばした人狩りの奴隷商人どもを追い掛け回して殺す賞金稼ぎを目指すのか。
あるいは、俺自身がならず者になって、奪って殺して気ままに生きるべきか。
そうするとしたら、まず最初に襲うのは、長年の恨みの積もるあの街の店主や客たちをターゲットにしてついでに復讐してしまうのか。
あの時果たせなかった、あの子の切り落とされた腕の分も一緒に仇を討ってしまうのもいいかもしれない。
ただ決まっているのは、これまでの最低で最悪な人生はここで終わりって言う事だ。

それじゃあ、行こうか、俺のクルマ、俺の相棒。
上機嫌な調子で俺が呼びかけると、クルマはエンジンを唸らせて答え、土煙を上げて走り始めた。


(ここまで)


630 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 03:46:12 ID:x6le72Wv
あ…ありのまま 今月 起こった事を話すぜ!
『おれはSS書く作業とゲームと同時にできると思ってミクシィアプリのMSニューフロンティアを始めたと
思ったらいつのまにかメタルマックスとメタルサーガのwikiを読み漁り、同シリーズにのめり込んで
プレイ動画や曲アレンジを漁り回ったあげく戦車をロボットに置き換えたSSとその設定を書いていた』
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
洗脳だとか布教だとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…


すいません
「Seirenes」と「少女機甲録」と「イナバが〜」がかなり遅れています
あとやる夫がメタルマックス2と大破壊後を生き抜くようですが凄く面白いです



631 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 03:54:39 ID:ukF2col+
>>630
投下乙です!

MSNF、俺の周囲でも流行ってますわー(俺自身はmixi自体やってないので、プレイできませんが)w
申し訳ないですが当方眠気限界につき、後ほど読ませて頂きますー


632 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 21:12:46 ID:untxJP5s
>>630
投下乙です…と言いたい所だが、
健全な本スレで18禁込みの『大破壊後を〜』を勧めるなw


633 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 21:15:58 ID:MAmyoCbm
健……全……?


634 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 21:22:15 ID:dTR4G7JD
KEN☆ZENだよ!


635 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 21:26:38 ID:MAmyoCbm
>>634

                        ,、ァ
                      ,、 '";ィ'
________              /::::::/l:l
─- 、::::;;;;;;;;;`゙゙''‐ 、    __,,,,......,,,,_/:::::::::/: !|
  . : : : : : : `゙'ヽ、:::゙ヾ´::::::::::::::::::::::`゙゙゙'''‐'、. l|   またまた ご冗談を
、、 . : : : : : : : : r'":::::::::::::::::::::::::,r':ぃ::::ヽ::::::::ヽ!                 ,、- 、
.ヽ:゙ヽ; : : : : : :ノ:::::::::::::::::::::;;、-、、゙:::     rー-:'、                /   }¬、
. \::゙、: : : :./::::::::::::::;、-''"::::::::::   ,...,:::,::., :::':、           _,,/,,  ,、.,/   }
   ヽ:ヽ、 /:::::::::::::::::::::::::     _  `゙''‐''"  __,,',,,,___       /~   ヾ::::ツ,、-/
     `ヽ、:::::::::;;;、、--‐‐'''''',,iニ-    _|  、-l、,},,   ̄""'''¬-, '  ''‐-、 .,ノ'゙,i';;;;ツ
   _,,,、-‐l'''"´:::::::'  ,、-'" ,.X,_,,、-v'"''゙''yr-ヽ / ゙゙'ヽ、,    ,.'      j゙,,, ´ 7
,、-''"    .l:::::::::::;、-''"  ,.-'  ゙、""ヾ'r-;;:l  冫、     ヽ、 /    __,,.ノ:::::ヽ. /
       l;、-'゙:   ,/       ゞ=‐'"~゙゙') ./. \    /  '''"/::::;:::;r-''‐ヽ
     ,、‐゙ ヽ:::::..,.r'゙         ,,. ,r/ ./    ヽ.   ,'     '、ノ''"   ノ
   ,、‐'゙     ン;"::::::.       "´ '゙ ´ /      ゙、 ,'            /
  '     //:::::::::            {.        V           /
        / ./:::::::::::::            ',       /         /
.    /  /:::::::::::::::::.            ',.     /   ,.、     /



636 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 22:16:55 ID:dTR4G7JD
はははこやつめ


まぁ、時々住人の本性(紳士という名の変態)が出てしまうのは、認めざるを得ない


637 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/26(木) 22:59:59 ID:cWRWKLRe
やる夫作品は名作が多過ぎて困る。


638 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/27(金) 00:38:08 ID:XdoAF15A
というか乙を忘れていたorz
>>636
投下乙です!じっくり読ませていただきますね!

作業が終わらなくて「読んで感想」までいけない(´・ω・`)


639 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/27(金) 08:46:21 ID:mdTI51Ab
>>630
遅ればせながら乙です。
ドンゾコな世界観とキャラクタ、その中の希望……というより開放感ですかね、良いです。
ツボです。ヒーロー・ヒールがどうのこうのではなくただ生きる、こういう話に弱い。ロボスレでは少数派ですよね。
該当シリーズは知らないのですが、楽しませていただきました。



640 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 00:14:19 ID:8QYkSNV7
>>630
投下乙!メタルマックスとか俺得すぎて素晴らしい……!
ぴっちぴちの奇形魚とかぬめぬめ焼きとか懐かしすぎてもうw

しかし人攫いとは一瞬バイアスグラップラーの仕業かと思いましたがまぁそこらの悪党も普通にやってそうよね……
歴代主人公達の境遇が(あの世界にしては)比較的優遇されていたのであれですが、こんな彼みたいな人の方が遥かに多いんでしょう。。。(1はともかく2,3はかなりハードですが)

しかしクルマがトランスフォームとは。。。起動していて野に放たれていれば賞金首としてオフィスに目を付けられていてもおかしくはないですな。
「彼」がクルマを駆りどう生きていくのかは分かりませんが、MMらしい自由な人生を歩む事を願って。。。


641 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 15:25:00 ID:gRtAcd8l
作業の合間に、誰かがいってた気がするロボスレメイン機の大きさ比較表(簡易グラフ)
http://dl6.getuploader.com/g/sousakurobo/798/size.jpg


642 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 15:37:28 ID:0TOjZMIx
こういうグラフを見るとニヤニヤしてしまうのは何でだろう


643 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 15:47:37 ID:Y4wvZrS6
最大と最小のサイズ差を見ると「マトリョーシカアタック」が出来てしまいそうで怖いな


644 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 16:29:26 ID:YJa1NEWC
>>641
ブルーショルダーは4mじゃなくて3mだよ!

>>643
グレンラガンですね、分かります。


645 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 18:38:00 ID:8QYkSNV7
>>641
これは中々壮観ですn

ちなみにイグザゼンの大きい形態はオーバードフェノメオン(OF)じゃなくてソートギガンティックだったりします。
OFは今の所ビルドグランデしか登場していなかったり……


646 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 19:22:43 ID:gRtAcd8l
過去ログ片っ端から検索かけて斜め読みだったから色々ごっちゃになってました、申し訳ない。

スパロボ風にサイズ分けするとM(15〜30ぐらい)に比べてSサイズ(3〜10ぐらい)が確かに多いね。
視覚的に巨大感が出しにくい分、直接人と並べたりするパターンが多いからかねえ。リアルっぽいってのもあるんだろうけど。





647 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 20:48:37 ID:ZAj+us7d
>>641
まとめ、乙でした!
…嗚呼、こういうまとめの時に加えて貰えるような知名度になりたひ


648 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 22:19:29 ID:7d0SSBSK
おまたせしました、「Seirenes」第3話
投下します


649 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 22:20:55 ID:7d0SSBSK
「Seirenes」

第3話

コンキーリャはその名前の通り、貝みたいに海底にくっついて普段はじっとしているAI搭載の機械だ。
ソナーを内蔵しているから、付近を船舶や潜水艇が通りがかれば、コンキーリャは気付く。
そして、近くに居る奴なら自爆し、少し離れた所に居る目標だったら魚雷を発射して攻撃する。
グランキョと同じく大昔の戦争で使われた自動知性機雷と呼ばれる種類の兵器だ。
これを使うのは敵だけじゃない。 私たちも使う。
何かの理由で自爆しなかった奴や、スリープモードで眠ったまま目覚めない奴を回収して、分解して、
敵味方の音紋識別を再設定すれば後は自分たちの拠点や勢力下海域を警備する自動機雷として再利用できる。
あいつをサルベージした日も、これの設置と、前に設置した奴の保守点検……壊れてないか、とか
グランキョが近づいてきて作動したのが無いか、作動してたらまた設置しなきゃならないから、とかの確認に行ってたんだ。
まあ、そんなわけで、敵に回すと厄介。 味方だとそこそこ安心。
コンキーリャを見つけたら、極力自爆させないでなんとかして回収し、再利用しちゃうって決まってた。


母さんが死んだ日、それは最悪の一日だった。
前の日に私とラーナが組んでサルベージに出かけていて、なかなか良さそうなポイントを発見してたんだ。
そこは昔の沈んだ都市で、水没から逃れてきた人が沈まなかった場所に新しく作った避難場所だったんだけど、
結局10年かそこらでそこにまで海が浸食してきて結局海の底に沈んじゃったんだ。
と言っても、大きい建物の半分くらいは海面から顔を出してた浅海だったけど。
前から父さんたちが残した海図には載ってたけど、何故かサルベージはあんまりされてなかった。
理由は良く知らない。
まあ、水深が浅くて建物が入り組んでる場所ってのは多数のグランキョに囲まれて逃げ場がなくなりやすいから
万一の時に危険だっていうんで敬遠されてたのかもしれない。
前にもそんな経験があったけど、そこは母さんの操縦テクニックで切り抜けた。
ただ、私やラーナだと沈没都市でのサルベージは自身がなかったから、後日母さんの操縦で本格的に作業をする事にしたんだ。
そのために、周辺に危険が無いかどうか念入りに見て回った。
アクティブにもパッシブにも、ソナーには何の反応も無かった。
グランキョが潜んでても、近距離なら搭載してる核融合炉の熱ですぐバレる。 あいつらは待ち伏せには向かないんだ。
だから、巡回に気をつければ遭遇する事はあんまり無い。 あとは、サルベージしてる時に鉢合わせとか。



650 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 22:21:53 ID:7d0SSBSK
私とラーナは何度も確認をした。 建物には中に入った時に崩れそうなものは無かった。
コンキーリャはどこにも設置されてなかったし、周辺海域にグランキョの母艦がうろついてるような事も無かった。
だから、次の日にはサルベージ作業用に武装を外して改修したガンベレットに私と母さんが乗って、ルチェとラーナは
通常のガンベレットで周辺を警護しながら作業を始めようとしたんだ。

何にも無かったはずだった。
あんなに、私もラーナも危険が無いか確認したんだ。 何処にも何にも、怪しいところは無かった。
なのに、立った一日で、その沈没都市には大量のコンキーリャが設置されていた。
気が付いたときにはそこらじゅうコンキーリャの反応だらけで、しかもAIの意地の悪い事に、あいつら私と母さんが
都市の真ん中に入ってくるまで魚雷も撃たないで、静かにじっと待っていたんだ。
そして、一斉に魚雷を発射し、あるものは自爆して水中衝撃波を撒き散らした。
ルチェとラーナは必死にコンキーリャを潰して、逃げ道を作ろうとしていたけど数が多すぎてどうにもならない。
加えて、あの子たちは普段は後席の担当だから、戦闘には慣れてなかった。
逃げ回る内に、私と母さんのガンベレットは魚雷を受けて倒壊した建物に挟まれて動けなくなった。
さらに悪いことに水中戦の音を聞きつけてグランキョたちが……コンキーリャを設置して、遠く離れて獲物が罠にかかるのを
待ってたんだろう、猛スピードで接近してきていた。
邪魔な建物を解体してガンベレットを救出する時間は無かったし、ルチェとラーナにこの上グランキョの相手までさせる事はできなかった。
そうでなくても、コンキーリャの発射した魚雷を迎撃するのにルチェたちは全部の魚雷とロケットを使い果たしていた。

だから、母さんは決断した。
私が抗議する間もなく、私に水中マスクを付けさせるとガンベレットのコクピットから強制排出したんだ。
そして、自分は囮になるためにアクティブソナーのピン発振を全周に向けて打ちまくった。
そうする事で、私と、ルチェたちを逃がそうとした。

海中に放り出された私はルチェたちの操作するガンベレットのアームに掴まれ、後退しながら……構造物の下敷きになって
動けない母さんのガンベレットに幾本もの魚雷が白い航跡の尾を引きながら突き刺さり、爆発するのを見た。
私の叫びは、細かい気泡になってマスクから排出されて海中に虚しく消えた。







651 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 22:23:59 ID:7d0SSBSK
強い日差しと潮の音がまだ眠い俺の意識を揺さぶり起こし、朝が来たことを告げる。
蘇生してから初めて迎える朝日を、俺はただ眩しいとしか思わなかった。
廃材で組み立てられた雑な作りの小屋に取り付けられている窓から差し込む光に背を向け、俺はもう少し惰眠をむさぼる事にする。
何十年も海の底で眠り続けていた体には、太陽の光は強すぎるんだ、適応には時間がかかる、と言い訳をつけて。
だから、小屋のドアを開けて入ってくる小さな足音にも、俺は耳を塞いだ。

「パーパっ!」

次の瞬間、背中に唐突に圧し掛かってくる重量……といっても割と軽い感触。
そいつは、俺の背に馬乗りになってペシペシと俺の体を叩きながら可愛らしい高い声で喚いた。

「おきてっ! あさごはんだよっ! パーパ!!」

パーパって誰の事だ……と寝ぼけた頭で少し考え、自分がそう呼ばれているのだ、と言う事に気付いたのは数秒後だ。
体を少し起こし、自分の背中に乗っかっている小人を目で確認すると艶のある黒髪をツーサイドアップにしたアジア系の
顔立ちのの三歳児がニコニコと笑いながら、俺に向かって「パーパ」と嬉しそうに言った。
確か、ロントラ・マリーナとかいう長い名前の子だ。
ロントラとマリーナのどっちがファーストネームでミドルネームなのかはよく判らないし、二つあわせて一つの名前なのかもしれない。

「起きてるー? もう朝だよ。 ……ロン、起こしに来てくれてたの? いい子ね」

ヴィーペラか。 ちょうどいい、質問させてくれ。
どうしてこのちびっ子は俺の事をパーパとか呼んでるんだ?
あと、背中から降ろしてくれ。 起きられない。

「はーいロン、抱っこしてあげるからこっちおいで? ……最後の「父さんたち」が死んだ時、ロンは物心つく前だったからね。
男の人は、単純にお父さんだと思ったんでしょ」




652 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 22:26:05 ID:7d0SSBSK
ヴィーペラがロンを抱き上げて離してくれたので、俺はようやくベッドから立ち上がることが出来た。
朝っぱらから父親扱いされて起こされるなんて初めてだ。 結婚もまだなのに。
服着るんで先に行っててくれ、とヴィーペラたちを追い出し、俺は乾いていたスーツの上を掴んで羽織る。
この潜水服…サブマリナースーツとかダイブスーツとか呼ばれてる上下一体のスーツは体の幾つかの場所で分割出きるようになっている。
上半身と下半身は言わずもがな、袖から切り離す事も出来るし、半袖や半ズボンやパンツにもなる。
負傷をした時などの緊急時にいちいちスーツを脱がすのは面倒だし、切り裂くには高価過ぎて勿体無い。
そんなわけで、分割・接合自在の構造になっているわけだ。
ジャケットの方は生地が厚めなせいか、まだ少し湿っていたので干したままにしておく。

「アズミー? ごはんできたよー!?」

「コッコが作ったんだよ! はやく起きてね!?」

……またうるさいのが上がってきて、大きな声で呼びかけてくる。
ちゃんと聞こえてるしもう起きてるよ。 なんでこう、小さい子ってのはこんなに元気なのかね。

階段を降りて居住区に向かうと、そっちはそっちでやっぱり騒がしかった。
20人くらいは座れそうな広い食堂に、少女たちが皿を並べたり食べ物の入ったボウルを運んできたり
椅子の上に登って飛び降りたり、走り回って追いかけっこをしていたり、それを叱って大人しく座らせようとしたりと
実に賑やかな光景だ。
ガッビャーノを捕まえて後から両脇を抱え上げるルチェと目が合う。
おはよう、と挨拶をするも、彼女はプイと顔を逸らしてしまった。

「アズミの席はこっちね!」

コッコに手を引かれて俺の座る席に案内される。
錆びたパイプ椅子にはクッションが敷かれていて、背もたれにも白いタオルがかけられていた。
丁寧な歓迎っぷりだ、と思って礼を言おうとしてふと何気なく10歳以下年少組の席を見ると、同様にクッションと
背もたれカバーがかけられているのに気付く。



653 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 22:28:31 ID:7d0SSBSK
……つまり、俺はチビっ子たちと同じ扱いか? いや、お客さん扱いなんだろうと思い直す。
俺が椅子に座るのを、この椅子の用意をしたのであろう何人かの少女達がキラキラした笑顔で注目しているのだ。
ありがとう、と言いながら椅子に座ると目の前の皿にボウルからマッシュポテトみたいなペースト状の朝食が盛り付けられた。
茹でたニンジンみたいな赤いスティックも載せられる。
俺は、盛り付けているラーナに材料は何なのか訊いてみた。 無口な少女はこちらに目を合わせずに答える。

「……主に石油やメタンから合成した人工たんぱく質と人工炭水化物食料」

何だそれは。 本当に食べられるのか? ていうか石油って食べても問題ないのか?
まさか俺が眠っていた何十年かの間に、人間は軽油やガソリンで動くようになったんじゃあるまいな。

「石油の成分は、炭素と水素が結びついた炭化水素と窒素と酸素と硫黄。 たんぱく質は炭素と水素と酸素と窒素で、ほぼ同じ成分。
これを、微生物分解を用いて合成する事によって、石油酵母を作ることが出来る。 酵母は90%以上がたんぱく質から構成。
メタンの場合もほぼ同様、微生物を用いて合成を行う」

初めてラーナがこんなに喋る所を見たが、随分と詳細かつ丁寧な回答を貰った。
それにしても、ラーナは博学なんだな。 こんな事、俺の同世代の女子はまず知らなかったぞ。
そう言うと、仏頂面だったラーナがちょっとニコっと笑う。
……でも、それって結構無駄が多くないか? 石油資源もメタンガスも、採掘油田施設が殆ど海の底だ。
この基地は海上油田を元にしているというから、採掘が出来るのかどうかは知らんけどな。
普通に魚とか、あるいはプランクトンから合成した食料とかじゃだめなのか?

「目玉が左右4つずつあって、しかもそれぞれ別方向に飛び出してる奇形魚が食べたいのか?
ご希望だったら昼食までには釣って用意してもいいけどね」

俺の隣にチコを座らせながらルチェが言う。 ……さすがにそんな気味の悪い焼き魚は勘弁してもらいたい。





654 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 22:29:36 ID:7d0SSBSK
「そういえばさ、あんたって機械の分解とか修理とかできるの?」

食事が終わったころに、唐突にヴィーペラが俺に質問をしてきた。
まあ、水中潜航艇の整備くらいだったらできる、と言うとへえ、というつまらなさそうな答えが返ってくる。
へえ、とは何だ。 そっちが訊いておいて。

「……あんたがさっき、プランクトン合成の食料の事言ってたけど、実は設備そのものはここにもあるの。
でも、だいぶ前に製水・浄水系の設備が故障した時に部品をそっちから外して使っちゃってさ。
食料は石油合成プラントがあったから、水のほうを優先したの。 真水が無かったら生きていけないし。
あんたがもし、機械技術者だったらなんとか直す方法を考えてくれるんじゃないかなって期待したの」

成る程ね。 まあ、仮にその設備を直す技術があっても、純正交換部品も代用になりそうな物も何も無いんじゃお手上げだが。
サルベージした物の中に運良くそれがある幸運でも無い限り、永遠に石油を食べ続けることになるわけか。
俺がため息をつくと、何故か興奮したコッコが食いついてきた。

「好き嫌いしたらダメなんだよ!? それに、食べ物作るかかりはコッコなんだよ!?
もんく言う子にはごはん食べさせてあげないんだよ!? あと、コッコはせきゆたんぱくのごはん好きだよ!!」

「はいはい、そうね、陸地の方では作物が育たない地域も多いから、ここと同じように石油やメタンから食べ物作ってる
って父さんたちから聞いたものね。 好き嫌いしないコッコは偉いね」

「まあコッコはガソリンカイマンの親戚だもんね。 ワニだし。 石油が大好きだもんね
あと、コッコがやってるのはスイッチ押してるだけで実際に作ってるのは機械じゃん」

自分の仕事にケチを付けられたと思ったコッコにヴィーペラがフォローを入れる。
が、それにタルタが余計な一言を挟んだので喧嘩が始まった。



655 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 22:35:22 ID:7d0SSBSK
ガソリンカイマンって何だ? と呟くと、俺の隣に座っているチコが、ずっと遠い陸地に棲んでいる進化した生き物で、
その名前の通りガソリンなどの燃料を食べて生きている大きなワニなんだよ、と教えてくれた。
……それって実在の生物なのか? 都市伝説じゃなくて?
いくら何でも数十年でそんな滅茶苦茶な生き物が突然変異で生まれたりはしないだろう。

取っ組み合いを続けるコッコとタルタを取り押さえるヴィーペラとルチェに、ところで、何の部品が足りないんだ?
と尋ねると、ヴィーペラはコッコを後から羽交い絞めにしながら答えてくれた。

「取水口のパイプ管がいくつかと、プランクトンを濾し取るフィルター。
パイプは製水装置と共用して、繋げる事でなんとかなりそうなんだけど、フィルターは濾過にも必要だからどっちかにしか使えないのよ。
製水装置のフィルターがダメになっちゃったから、食料合成装置のから取り外して使ってるわけ」

ふーん……、とそれを聞いてから俺は少し考える。 まあどっちも装置の重要な部分だよな。
両方とも海水をくみ上げて、ゴミを取り除いたりプランクトンを選り分けたりするのに使うが、消耗品でもある。
無いままでも作れないことは無いだろうが、ゴミや不純物が混じる事になるだろうし、そのまま使い続けたら
内部に溜まったゴミで装置そのものが壊れかねない。 ポンプにも負担がかかるし効率も悪い。
……待てよ?
それって、閉鎖型長期循環システムに使われてる生命維持系装置にも似たようなフィルターや媒体があるし、そっちから転用できないか?
ほら、俺が入ってた避難ポッドとか。

「「「「「「マジでっ!?」」」」」

俺が何気なく呟いたその一言に、食堂にいた少女たち全員が注目して一斉に大声を上げた。







656 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 22:41:00 ID:7d0SSBSK
早速俺は第二階層にある整備工場に連れて行かれた。
昨日、俺が蘇生させられたのもここだ。 既に半分ほど解体されつつある避難ポッドが硬い床に無残に転がされている。
それにしても、派手にというか景気よくというか、躊躇いもなく分解してくれちゃって、まあ。

「しげんは有効利用するんだよ。 ヴィーペラやルチェやラーナが海の底から使えそうなものをサルベージしてきて、
タルタがそれを分解するんだよ! どう? すごいでしょ!」

「コッコも分解できるよ! あと、タルタは重いものとか硬い物とか取り外したり運んだりできないでしょ!
コッコが半分手伝ってるんだよ!?」

解体業担当だというタルタが胸を張ると、コッコが対抗してくる。
この二人は歳が近いせいもあるのか、どうも張り合っているようだ。
お互い不得意分野の仕事を分担してるって事で、仲良くすりゃあいいのに。
さて、取り合えずタルタが盛大にバラして何処にいったのか解らない、フィルター装置や浄化循環系の媒体を
スクラップ化した雑然と散らかされている部品の中から探すとしますか。
ていうか、構造がわからんとどれがどの部品なのか判別できんぞ。
配線もどれがどれに繋がっていたのやら……

「ああもう、だからラーナが何の部品で何に使えそうか調べながら解体するって言ったじゃない!
自分たちだけでこんなに分解進めちゃって……!」

ヴィーペラが無残にバラバラにされた部品たちを見て呆れながらため息をつく。
やっぱりか。 というか昨日の夜の内にここまで分解しちゃったのか?
せめて外側を外して内側の部品はそのままにする、とかして置けよ……と俺も呆れていると、また二人が喧嘩を始める。

「ほらあ、怒られた……タルタは分解は出来てもまだ何がどの部品かみわけつかないんだから
勝手に一人で解体しちゃったらダメなんだよ?」

「なによ! コッコだって前に一人で勝手に分解しようとして部品壊しちゃったじゃない!
ネジとかボルトとか無理やり引き剥がしちゃうし! カバー外れないからって中の半導体ごと折っちゃうし!」




657 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 22:47:01 ID:7d0SSBSK
……ネジやボルトを無理やり引き剥がすってどんな馬鹿力だよ。 10〜11歳児のやる事ではないぞ。
そして二人とも責任を擦り付け合ってあんまりギャーギャー喚くので、ルチェに首根っこから持ち上げられて外に連れて行かれた。
大変だな、女の子ってのは。 俺は女の兄弟がいないのでわからんが。

「最近ずっとあんな感じよ。 二人とも自分の仕事とか役割に責任と自覚を持ってくれる様になったんだけど、
その代わり何かあると自分のほうが仕事をしている、って張り合って……
まあ、何でも一人前にやりたいお年頃だもの。 私やルチェにも覚えがあるから」

ああ、俺もそれはある。 相棒とは助け合ったが衝突も張り合う事も経験した。
男同士は拳で友情を育むもんだが、女はそうは行かないだろうな。
まあ、何回も衝突を繰り返す内にお互い素直になれるもんさ、今は放って置いても問題ない。

「……そういうもん? 私たちの時は母さんが仲裁に入ってくれたけど」

そりゃ、致命的な溝ができそうだったらその前に修復してやる必要はあるけどな。
それ以外のときは、大人は黙って見守ってやるもんさ。 干渉しすぎても当人達に良いもんじゃないよ。


コッコとタルタが丁寧に細かく分解してくれた部品の中から、俺、ヴィーペラ、ラーナで手分けして選り分けていると
フィルターの方は案外簡単に見つかった。
が、本来それと接続されているはずの浄化循環系部品の方が見つからない。
元は繋がっていた部品なのだから、「くっ付けられ」そうな部品を一つ一つ調べているのだが……どうも部品が多くてどれがどれやらだ。

「それにしても、小さい部品ね……これ、本当に濾過装置のフィルターの代用になるの?」

ヴィーペラがペットボトルサイズの円筒形のフィルターを手に取りながらしげしげと眺めている。
まあ、一人用の避難ポッドの部品だからな。 でも、性能的には真水精製装置と同じくらいの能力はあるはずだ。
なにしろ、その小さな循環システムで大人の人間を数十年、理論的には100年近く長期冬眠させる事ができるんだぜ?
いかに、冬眠中の新陳代謝は最低限に抑制させられているとしても、だ。
本人が眠っている間の、内蔵の機能を殆どそいつが肩代わりしてくれる、高性能な生命維持装置だ。
例えば、生身の人間から肝臓やらすい臓やら腎臓やらを全部摘出して、代わりにその装置を肺と心臓に繋げても、生きていく事が出来る。
肺も取り払ってしまっても、代用を努める事が出来るし、海水から酸素を分離して水中呼吸も可能。
戦前にはそうして作られた深海作業用サイボーグなんかも存在したって話だ。 まさに半魚人か海底人間だな。



658 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:15:30 ID:7d0SSBSK
「へえ……地味に凄いんだ、これ?」

「……問題は、耐用期限。 その装置は既にアズミが数十年、使用している。
せっかくフィルターを交換しても、残りの使用可能期間が少なくなっていれば、また浄水装置は止まってしまうと思う」

ヴィーペラは薀蓄を聞いて素直に感心するが、ラーナは流石、いい所に気が付いた。
それに、装置そのものは高性能でも、流石にサイズが小さいし、一日あたりに作れる真水の精製量も限界があるだろう。
はっきり言えば、その場しのぎのものにしかならないな。
でも、別にこの循環装置を水を造るのに使わなくてもいいんじゃないか?
とりあえず、もう一つフィルターがあれば、プランクトン合成食料製造装置はあるんだから、製造能力の少ないこっちを
食料製造に使って、水の方は今まで通りにすればいい。
本格的なフィルター交換はそのうち、またどこかから部品を見つけてくるとして、さし当たって石油で朝昼晩全ての
食事を賄わなくていい事になるわけだ。

「成る程、アズミは意外にも頭がいい。 有害物質は除去して安全と解ってても石油を食べるのは皆やっぱり抵抗感があるから、
プランクトン食料が食べられるようになるだけでも喜ぶと思う」

なあ、ラーナ……「意外」って何だ? 見た目か? 見た目で判断されたのか?
頭が良さそうな顔をしてるとはお世辞にもいえないのは認めるよ……。
まあ俺の時代から既に、サルベージして来た部品や他の出来合いのもので色んな機材を修復したり代用したりってのは
当たり前になってたからな。
この位は誰でも思いつくさ。 俺と相棒が乗っていたガンベレットも、しょっちゅう電池や通信機の部品を
他のガラクタから外してきて規格の合わないものは無理やり繋げて工夫してたよ。

「ん……? あれ、ということは、あんたってガンベレットの操縦士だったわけ?」

何気なく昔を思い出して呟いた言葉に、ヴィーペラが今更驚いたような顔をする。 そういや、言ってなかったか。
さっき潜水艇の整備はできるとは言ったが、ありゃあガンベレット操縦士のオマケ技能みたいなもんだしな。
操縦士が整備士と兼任ってのは俺の時代では珍しい事じゃない。 機材だけでなく、人も足りてなかった。
海では戦って帰ってくるか、沈むかどっちかしか無かったんだから。

……ちょっと待て。 なんでお前たちがガンベレットなんて言葉を知ってるんだ?
まさか……いや、ここが元、俺の時代の日本の領海だったんなら、海自の装備や機材がまだ残って使われててもおかしく無いが。
現物がここにあるって事は、無いよな。

「……普通にあるけど。 というか、ずっと使ってるけど」

「私たちのお祖父さんの代からある。 父さんたちも、母さんも、サルベージにはガンベレットを使い続けてきた」

……マジですか。






659 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:19:57 ID:BbWptOIV
シエン


660 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:22:23 ID:7d0SSBSK
整備工場の隣の区画にあるのはガンベレットの格納庫だった。
天井からクレーンで吊り下げられている所々さび付いたガンベレットの真下には切り取られたような四角い穴が床に開いており、
そこから数m下に青く波打つ美しい海面を覗く事が出来る。
なるほど、クレーンを上げ下げして発進・回収するわけか。
俺は相当に年季の入った、俺の時代には新鋭機だったはずのガンベレットの変わり果てつつも懐かしいフォルムを見て
こみ上げるものを覚えながら、そのザラついたそうこうの表面を手で撫でた。
避難ポッドの中で眠っていた時間は数十年だが、主観時間では二日ぐらいしか経過していない。
最初は信じられない思いだったが、流石にこうして見知ったものが古くなり、所々劣化し、ある部分は雑に修復され、
耐塩ネオステンレスコーティングされた筈の装甲さえ錆びてしまっているのを見ると、本当に浦島太郎になってしまったんだ、
という事を実感せざるを得ない。
そして正直な所、できれば、この事実を見たくは無かった。
戦争はとっくに終わって故郷も古巣の組織も無くなっていると聞かされても、どこか夢を見ているような気分でいた。
だが、現実は数十年の時が経過し、俺は時代に置き去りにされた過去の人間というわけだ。

「見ての通り、もうあちこちボロボロでさ。 基本的に共食い整備。 あ、あっちに動かなくなって部品取り用に
解体しちゃったのは1機と半分のが置いてあるんだけどさ……
最初は、もっとあったんだって。 でも、だんだん壊れたり、戦闘で沈んだりして動くのは2〜3機だけ。
それも、2年前に最後の父さんたちが死んだ時と、半年前に母さんが死んだ時に1機ずつ失って、これが最後の……」

ヴィーペラの説明が途切れる。
気まずい沈黙がその場を支配していた。
原因はほぼ、俺だ。 自分で自分の顔を見ることは出来ないが、もしここに鏡があっても、
今の俺は形容しがたい複雑な表情をしていたのだろう。

何故、今更サルベージされたんだ。
何故、今更蘇生されたんだ。
何もかも、全てが、俺の知っていた物全てが、遠くに過ぎ去ってしまった事を見せつけるためか。
そりゃあ、俺の生きてた時代は良い時代じゃなかった。
生まれ故郷のトウキョウは、あの戦争の中で真っ先に海に沈んだし、両親は生まれたばかりの俺を抱えて生き延びる事に必死だった。
何千万という人が海の底に沈み、何百万という人が沈まなかった土地に逃れるために殺到し、政府も陸自も全ての人を助ける事は出来なかった。
その中で、どうにかこうにか生存する事が出来た数十万人の中に入る事が出来ても、けして楽な生活じゃあなかった。
資源もインフラも途絶え、地獄の様な変わり果てた世界で、それでも幸せだと思える事もあった。
友人も出来た。 共に夢を語り合い、そいつらと一緒にパイロットを目指して海自に志願した。
そして、相棒に出会い、配属された艦とその乗組員、艦長や士官たちは二つ目の家族、二つ目の家だった。

……今は、何もかもが遠い。 全て、海の底だ。
俺だけが、自分ひとりだけが、何十年も経ってから引き揚げられたのだ。
どうして。 今更。
何のために……俺だけが生き残ったってしょうがないじゃないか。
そう、そんなのは舌を噛んで死ぬほうがマシなのだ。
相棒を、家族を、俺の全てだったものを見捨てて自分だけが……



661 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:22:41 ID:BbWptOIV
 


662 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:23:36 ID:7d0SSBSK
思わず拳を振り上げ、ガンベレットの赤錆びた装甲表面に叩き付けようと目を見開いた。
が、俺の動作はそこで止まった。 一瞬、我が目を疑った。
信じられないものが、そこにあるのを発見したからだ。 まさか、そんな……こんな偶然ってあるか?
全て、母艦と一緒に沈んだはずだと、さっきまで思っていたのだ。
だが、それを否定するに十分な物的証拠が、そのガンベレットのコクピット前席の脇に、かすれた文字で書き込まれていたのだ。


JDS CHIH Y , AS−4 8
 H S−10  GAMBERETTO No,10114

SAWAT RI YUICH 
 &
AZU I DAIS  E 


塗料が剥がれて所々文字が消えていたが、それは確かに俺と相棒が乗っていたガンベレットの機体番号、そして俺と相棒の名前だった。
何度も見直し、その装甲部分が本体の他の部分とのツギハギ移植した物でない事を確かめ、機体の他の部分も見て回って
同様の見覚えのある書き込みが他にもあるのを確認した。
そして、まだ唖然としながらも、もう一度コクピット脇のそのかつては白かった、薄汚れ剥がれかかり灰色に変色した
俺と相棒の名前を見つめ、そして動かしようの無い事実をはっきりと認めた。
こいつは紛れも無く、俺と相棒のガンベレットだった。 だが、どうしてこんな所に。

「……アズミ? どうしたの、一体……その落書きがどうかした?」

ガンベレットの期待に額を押し付けて震える俺をヴィーペラとラーナが物凄く心配そうな表情で見つめてくる。
なあ、ヴィーペラ、こいつは……このガンベレットは、お前たちの祖父さんの代から使ってるって言ってたよな?

「うん、そうだけど……ああ、そういえば、前に母さんから聞いたっけ。
それは、ここに残ってるガンベレットの中でも、特にお祖父さんが大切にしていた1機で、
昔、お祖父さんが若いころに、お互いに相棒って呼んでたと一緒に乗っていたんだって。
もう消えかかって読めないけど、お祖父さんとパートナーだったその人の名前が書いてるって…・・・」

その祖父さんってのは、ここに名前が書かれている、俺の相棒だ。
そうか……相棒は、やはり格納庫で俺を待っていてくれたんだろう。
ヴィーペラの言葉を信じるなら、こいつを使ってた祖父さんってのは間違いなく相棒だ。
だが、俺はたどり着けなかった。 海の底で、何十年も沈んで眠っていた。

そうだったのか……恨むぜ、神様。 別に全然信じちゃいなかったし、今も信じてないけどな。
俺を、今になって海底から引き揚げさせたのは、このためだったのか?
俺にこんな再会をさせるための……

偶然でも運命でも、なんて残酷な仕打ちだ。
だが、相棒。


……俺は、還って来たぞ。





663 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:24:02 ID:BbWptOIV
 


664 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:25:21 ID:7d0SSBSK
男の人が泣くのを、私は初めて見た。 泣く物なんだ、男って。
あいつの話はどうも要領を得なかったけど、どうやら、私たちが父さんたちや母さんからの話でしか知らなかった
お祖父さんの、その相棒って言うのがあいつ本人の事で、偶然にも私たちはあいつとお祖父さんのガンベレットを、
数十年越しの感動の再会をさせてしまったらしい。

そして、あいつはお祖父さんの事、ガンベレットがこの基地にある経緯に関してやたらと私たちに聞きたがった。
でも、私たちだって生まれる前に死んでしまった人の事なんかよく知らないし、父さんたちと母さん経由で又聞きの又聞き
でしか知らない話だから、詳しい事は説明できなかった。
この基地を最初に作ったのは、雑多な人種の入り混じる100人かそこらの避難民で、元々この海上油田は結構な収容人数が
あったために、そんな大所帯でも余裕で暮らしていく事ができたらしい。
その中に、小型のサルベージ船とか潜水艇とかを持ち込んだ人たちが居て、お祖父さんもその中の一人だった。
お祖父さん一人で全部のガンベレットを持ち込んでたわけではないようで、あいつのいう海上自衛隊って言う組織の生き残りが
何人か居て、この基地に逃げ込んで来たんじゃないかって推測で結論が付いた。
そんなこの基地も、父さんたちの代になると死んだり、諍いが起こって出て行ってしまったりで随分人口も減ってしまって、
20人かそこらの男だけしか居なかった。
その父さんたちの中の一人が、お祖父さんの息子で、私たちの知ってる話を母さんに聞かせた人だったらしい。

ここまでの事を聞き終わって、他にもう無くなると、しばらくあいつはガンベレットの前に座り込んで何か考え続けていた。
食事の時間になって呼んでも来ないから、しょうがないから整備工場まで食事を届けてやる事にしたら、
フォーカとオターリャが率先して自分たちが運ぶ、と立候補したので任せた。
ニコニコしながら双子がお皿を持っていった数分後には、なにやら凄い音がして、双子が階段を笑いながら駆け上がってくるのを見たけど。
後で見に行くと、あいつが頭を掻きながら床に散らばったガラクタや部品を片付けていた。

「あの二人に縄でも付けてろよ」

どんな悪戯をされたのか知らないけど、あの子たちは柱に縛り付けてもどうにかして抜け出して、悪戯で仕返ししてくるから無意味よ?
と返すと、諦めたようにため息をついていた。

……次の日からのあいつは、一日中整備工場に篭り、ガンベレットをクレーンからレールに移して整備台座に運んでくると
なにやら大規模な修理作業を始めていた。
いつも不機嫌なスクアーロ……ガンベレットの掃除・点検担当、が物凄く不機嫌になるほど、勝手にガンベレットを
バラバラにしたかと思えば、スクラップ状態の予備部品の山をひっくり返して部品を吟味しているし。
おかげで、スクアーロは誰かが不用意に近づいただけで八つ当たりに噛み付くくらい、イライラしている。
妹たちは皆怖がって触らないので、さっきも愛用のスパナを自慢の丈夫な歯でガリガリと齧っていた。



665 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:26:39 ID:BbWptOIV
 


666 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:26:59 ID:7d0SSBSK
その次の日も、せっかく代用フィルターが見つかったのでプランクトン合成装置の修理のついでに機械修理の仕方を
タルタやコッコに教えようと思ったら、勝手に連れて行って何かの作業を手伝わせているし。
ピングイーノが泳ごうよ、飛込みしようよ、と誘っても生返事。
ペーシェとガッビャーノはあいつが作業をしているのを見学したり、邪魔したり。
フォーカとオターリャはそんなあいつを扉に隠れて覗き見しながら、顔を見合わせて笑ったりして悪戯やちょっかいかけの相談。
そうそう、ロンがあいつの事を「パーパ」って呼びかけるもんだから、チコーニャとチーニョまでパーパって呼び始めて…
膝の上に乗ったり背中に飛びついたり、まあ、下の妹たち全員にはいい遊び相手になって貰ってるからいいけどね。

問題は三日目ともなるとラーナまで「監視」とか言って、整備工場に入り浸るようになっちゃって……

「ラーナ、最初は随分あいつを警戒してたのに、口数も多くなってるよな。 どうしたんだ?
あいつ、祖父さんの友人だったからとかだそうだけど、でも男なのに変わりはないだろ?」

って感じで、働くのが二人きりになってしまった私とルチェは不満げ。
加えて、あいつがガンベレットをオーバーホール?しているおかげで、サルベージにも出られないし。
まあ、あいつの監視は私たち上の三人のうち誰かが常に付いてなきゃ行けないんだから、ラーナが貼り付いてるのは別にいいけどさ。
でもコッコとタルタは来年と再来年にはガンベレット操縦要員になるんだから、憶えてもらわなきゃいけないことは沢山あるのに。
とか言えば、

「アズミに教えてもらうから、いい!」

「アズミすごいんだよ! ぱっしぶそなー、とかいうの、全部動くように直しちゃったんだから!」

……と返してくる。 流石にそれは、私たちも半信半疑だった。
というか、交換部品が無かったはずなのに、どうやって?

「本当に全部直したわけじゃないけどな、劣化して感度が落ちてる授波器の素子を、隣り合ってる他の素子で機能を補ってやって
出力を増幅してやったら、見かけ上は完全機能しているっぽくなっただけだ。 実際には完調時の7割の性能って所だな。
まあ、元々パッシブソナーの機能が5割以下に落ち込んでたからこれでも随分調子を取り戻した事になるか……
これで三次元測定法も普通に使えるようになるはずだ」



667 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:27:53 ID:7d0SSBSK
私たちの疑問に、あいつはどうって事ないって風に軽い調子で答えた。
思わず、ルチェと顔を見合わせる。
コッコとタルタ、そしてラーナまでもが、まるで自分の手柄のように得意げにニンマリと笑ってこっちを見ていた。

「どう、これでわかったでしょ。 アズミはヴィーペラやルチェよりも修理が上手なんだよ!
アズミの事見直した?」

コッコがそう言って話しかけるのは、私の背中に隠れながらあいつを睨みつけているスクアーロだ。
誰でも噛み付く人食いサメ娘のスクアーロは、いつも通りの不機嫌な表情であいつにガンを飛ばしていたけど、やがて
トコトコとあいつに駆け足で近づいていって、小さな右手を差し出した。

「ん!」

「……ん?」

あいつが、こっちを見て視線で「何だ?」という問いを投げかけてくる。
握手しろって事でしょ? と返してやるとちょっと笑って自分の右手をゆっくり差し出してスクアーロの右手を握ろうとした。
自分の仕事であるガンベレットを占領されてここ数日怒り続けていたスクアーロが、あいつを認めた瞬間……に見えた。
が、スクアーロはニヤリ、と笑うと、突然あいつの右手をさっと取って、両手で鷲づかみにすると大きな口を開いてその腕に思いっきり噛み付いていた。

「い゛っ痛゛え゛え゛え゛ええぇぇぇぇぇっ!?」

その場に居た全員が意表を突かれて驚愕するなら、あいつが大声を上げて必死に振りほどこうとすると
意外なほどあっけなくスクアーロはあいつから離れて、駆け足でまた私の背中に隠れた。
そして、いつもの不機嫌さとは打って変わって上機嫌な表情で、

「それでゆるしてやる!」

と宣言した。

「……そいつ何とかしてくれよ。 人に噛み付くなんてどういう教育してるんだ?」

あいつは大きな歯型のついた右腕をさすりって半泣きしながらこっちに文句を言ってきたけど、どうしようもない。
私とかルチェとかラーナと同じで、スクアーロは生まれ付きこうなんだもの。
父さんたちにもよく噛み付いてたし、多分あんたにも噛み付き続けるでしょうね。






668 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:28:09 ID:BbWptOIV
 


669 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:28:44 ID:7d0SSBSK
「さて、大体できる所の修理は終わったし、ちょっと点検がてら慣らし運転に出かけたいんだが、いいか?」

サビやフジツボが取れて随分と見違えたガンベレットを前にして、あいつがそんな事を言った。
あんたね……三日以上もさんざん私たちのガンベレットを占拠しておいて、一言も無しに勝手に乗り回すわけ?
いくら、元々はあんたが乗っていたって言ってもさ、勝手すぎない?
そう文句を言うと、あいつはちょっとしおらしくなって、「すまん」と謝ってきた。
まあ、いいけどね。 どのみち、あんたが完全修理してどのくらい調子が良くなったのか、確認したいし。
その代わり、私が乗るからね?

「……ヴィーペラが乗るのかよ。 あたしじゃダメなわけ?」

ルチェがそう口を挟んでくるけど、長女特権として私があいつの監視も兼ねて、一緒に行くの。
それに、「何か」あったらを考えたら、これは妹たちには代わりをさせられない。
そうルチェにあいつには聞こえないように囁いて納得してもらい、私は格納庫のクレーンに移動させたガンベレットの後席に
登って座ろうとする。
そうしたら、今度はあいつが口を挟んできた。

「ん? ヴィーペラは後席担当なのか?」

別に? 母さんが生きてた時は後席だったけど、上の子たち三名は前席でも後席でもどっちにもなれるようにしてるけど?
ていうか、あんた前席のつもりじゃないの?

「あー……俺は元々後席の担当だ。 ヴィーペラが前席できるんなら、そっちで頼む」

……変な奴。 まあ、私が操縦するなら、主導も握れるし別にいいけどね。
それじゃ、私は前席に……と、移動すると何故かロンがガンベレットの装甲をよじ登ってきた。

「パーパ! ロンもいきたい!」

「ちょっ……!? ダメだよ、マリーナ! 遊びに行くんじゃないんだから!!」




670 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:29:27 ID:BbWptOIV
 


671 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:29:38 ID:7d0SSBSK
慌ててルチェがロンを抱きかかえて引き戻そうとするより早く、後ろ席から手を伸ばしてあいつがロンをコクピットに引き入れてしまった。

「いいだろ、ちょっとその辺潜ってくるだけなんだし。 俺が抱きかかえてるから、操縦の邪魔にはならないよ」

「なっ……そういうわけには行かないだろ! ロントラ・マリーナはまだ3歳なんだ!
ガンベレットに乗るには早すぎる! マリーナ、いい子だから、降りな!?」

ルチェが必死にロンをコクピットから降ろそうと手を伸ばすけど、ロンはあいつにしがみついて離れない。
「パーパだいすき! ルチェきらーい!」とさえ言う始末だ。
私はため息をつきながら、ルチェに向かって言った。
ルチェ、諦めよう。 ロンは一度言い出したら聞かない子だし、頑固さじゃタルタといい勝負だよ
「でも……!」

大丈夫、私が見張ってるから。 そう言うとルチェは引き下がった。
ロン、いい子だから大人しくしててよ?と後に向かって告げて、コクピットの耐圧ガラスキャノピーを閉じる。
他の年少組み妹たちは、ロンだけずるーい、とブーたれていたが、乗せられるわけはないので無理な相談だ。
クレーンがゆっくりと動き、私たちの乗ったガンベレットを海面に着水させる。

「超伝導推進ハイドロジェットエンジン始動、出力異常なし、給排水抵抗異常なし、出力8分の1で静音推進開始」

ダウントリム10、まずは深度15まで潜水、方位そのままで出力3分の1まで上昇。
いつもと違うエンジンの音。 いつもよりもスムーズな始動と潜水速度。
あいつはガンベレットが最初に作られた当時の現役の操縦士だけあって、整備の腕もいいみたいだ。
かつての自分の愛機なだけに、随分熱心に手を入れてくれたみたいだし?
それじゃあ、海中散歩と行きましょう。 後席とての腕も、ついでに見てあげるから。






672 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:30:23 ID:7d0SSBSK
基地から遥か沖の海底で、錆び付いた体の鋼鉄の甲殻類たちが水中無線で会話を交わしていた。

『修理装置の故障は』

『我々では修復不可能。 再現も不可能』

『最後の母艦が修理装置の機能を失って久しい』

『このままでは、任務が果たせない』

『至急、修復が必要だ』

『我々がまだ、活動できるうちに』

『武装および部品も、製造施設を失って久しい』

『11238657号と10665489号、そして1033574号を分解し、当面の補給とする』

『提案を受諾する。 これで、かの敵側拠点を強襲する必要な物資を確保できる』

『我々には技術者が必要だ。 母国との連絡が途絶えて久しい。 我々は我々を修復できる、技術者が必要だ』

『敵国の技術者でもか』

『選択の余地は残されていない』

『敵国も技術者は少ない、もしくは居ない可能性がある。 敵国の水中機動兵器の活動数は減少の傾向にある』

『ならば、いよいよ持って残された時間は少ない』

『以前サルベージに失敗した、保存ポッドは』

『かの敵側拠点に回収された公算が高い』

『20XX年以前の沈没艦の保存ポッドならば、内容物が修復技術を持った技術者である可能性は高い』

『至急、技術者の奪取を提案する』

『提案を受諾する』

『行動開始は』

『現時刻を持って』

『なれば、任務を果たすために』

『任務を果たすために』

『任務を果たすために』

『任務を果たすために』

『任務を…』

やがて、海上を数隻の母艦が通過し、海底に影を落とすと会話をしていた甲殻類たちは浮き上がって
その母艦を取り巻くように泳ぎ始めた。
向かうは、敵国の海上拠点、資源採掘基地……


(続く)


673 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:30:23 ID:BbWptOIV
 


674 名前: 「Seirenes」 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:31:14 ID:7d0SSBSK
・次回最終話予告


「どうすんのっ!? このままじゃ、基地が! 妹たちが!!」


うっさい、俺はまだ19だ。 おっさんとか言われるのに20年は早い


「できるの……あんたに!? ていうかなんで、あんたガンベレットのそんな事知ってんのよ!?」

任せろ、とうか信じろ。 俺が後席に乗っている限り、こいつは無敵だ。
たとえカニ野郎どもが何十隻いようとな。


「あんたが家族になって……ロンやフォーカたちみたいに「パーパ」って呼ぶのかコッコやタルみたいに
「お兄ちゃん」って呼ぶのかまだわからないけどさ
でもさ、本当に、母さんを愛してくれて、ちゃんと大事にしてくれた父さんもいて、だから……」


ああ、誓うよ。 相棒が残してくれたもの、相棒が託してくれたものを、俺は何一つ見捨てない。





675 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:32:13 ID:BbWptOIV
 


676 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/28(土) 23:41:59 ID:BbWptOIV
>>674
投下乙です! じっくり読ませてもらいますね!


677 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:19:38 ID:H+M2/Yoj
まだ完成していない小ネタですが、
記念日なのでに前半ということにして半分を投下しますw


678 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:20:48 ID:f7VzQ9pM
 支援しますよ!


679 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:20:53 ID:H+M2/Yoj
 スーパーロボスレ大戦SS  第15話〜開始時インターミッション〜

 場面
 ・敵性異界存在対策機関『イージス』を構成する組織の一つ、日本国守護機関『御劔』関東支部・横須賀基地。

 つるぎ級航空戦闘母艦参番艦『とつか』が納められたドックに隣接する巨大格納庫。
 その中には、小は人間サイズから大は50メートル級まで、様々な形式のロボットが格納され、作業服や白衣、あるいは黒ローブや狩衣姿の作業員達がメンテナンスやオーバーホールを行っている。
 そんな光景の中、二本の角を持つ白い機体を整備する、作業服姿の女性が二人。
 波打つ青黒い長髪をアップに纏めた女性が、肩部分の解放された装甲板の隙間に突っ込んでいた顔を上げ、分解され、台座に固定された機体の前腕部を弄っている女性に声をかける。

 「肩の方はこれで終わり〜。……ねぇ、ジュリちゃん、アイリスってこの前修理したばかりだったと思うんだけど、気のせいかしら?」

 声をかけられた方―短く切りそろえられた黒髪に赤い瞳の女性は、作業が難航しているのか、顔をしかめてボルトと格闘しながら気のない返事を返す。

 「ジュリ言うな。気のせいだろ、きっと。毎回パイロットがアクション映画のラスト並に熱い戦いを繰り広げているのも気のせいだ。……手首のサーボモーター、交換終わったよ」

 先に声をかけた、髪にアホ毛を装備している女性はクラウディア=リィナ=イレールア。
 返事をした、作業が終わるなり、ポケットから出した煙草を銜えようとしている女性がジュリア=ブルーストリート。

 「ジュリちゃん、ここ禁煙だってば。またおやっさんに叱られるわよ〜?」
 「ぐっ……! あぁもう早く終わらせるぞ!」

 どちらも現在『イージス』の協力者という扱いになっている、『ネオ・アース』という異世界からの『転移者』だ。


680 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:21:41 ID:f7VzQ9pM
 


681 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:22:19 ID:H+M2/Yoj
 ジュリアの返事を聞いたクラウディアは、手元の情報端末を操作し、作業内容をチェックする。

 「手首もおっけー、と。これで終わりね。次はどの機体だっけ〜?」

 自分で調べろよな、と呟きながら、ジュリアは律儀に情報端末を起動し、リアルタイムの情報を反映する機能を持った整備予定表を呼び出す。

 「えーと……、まだ終わってないのは、スラッシュゲイルだな。チェックだけで良さそう」

 さすがに整備の専門家が揃っているだけあって、各作業の進行速度が恐ろしく速い。10以上あった要整備の機体の大半が整備完了後のチェックまで終わっていた。
 クラウディアは端末をいじりながら、ふと真面目な表情でジュリアに声をかける。

 「りょうか〜い。……ねぇ、ジュリちゃん」
 「だからジュリ言うなと―……なんだよ?」

 いつも通りのツッコミをしようとしたジュリアだったが、真面目な表情のクラウディアという滅多に見られないレアな状況に、不審の表情を浮かべる。

 「何かすっかりこの状況に馴染んじゃってるわね〜、私達。『こっち』に飛ばされてから……2ヶ月半くらいだっけ?」
 「……そうだな。もうそれくらいになるか」

 警戒しつつも、『あの現象』が起きてから現在までのドタバタに思いを馳せるジュリア。


682 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:22:37 ID:f7VzQ9pM
 


683 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:23:30 ID:H+M2/Yoj
 僅かに警戒の気配が薄れたのを察したのか、クラウディアは、

 「こんなに長い間、『彼』に会えなくてジュリちゃんかわいそう……」

 ニヤニヤと笑いながら、からかいのネタを叩き付ける。
 それに対しジュリアは、必死で自分の表情筋と声帯の動きを押さえ、

 「………………」
 (ツッコまない! ツッコまないぞ!!)

 クラウディアが望んでいるであろう反応をしないよう、必死で抵抗を試みる。
 ちなみに『彼』とは、ジュリアの幼馴染みであり、現在恋人関係にある青年オルカ=マクダウェルの事である。
 少しして、

 「それにしても……もう随分“潜って”ないのよね〜。クラドセラケ作ってる時以来じゃないかしら?」

 ジュリアの無反応に飽きたのか、クラウディアは再び話題を変えた。
 まだ警戒の残った表情をしていたジュリアだったが、これ以上先程の話題を続けられても困るので、こちらも話に乗ることにした。

 「そうだな……。海じゃないと私等、戦力にならないから出る意味が無いし」

 このところの敵性異界存在との戦闘は、殆どが内陸部で行われていた為、クラドセラケはずっと母艦の格納庫で待機状態だったのだ。

 「戦場に出たい訳じゃないけど、知り合いが戦ってるのになんにも出来ないって落ち着かないわよね〜?」

 いつもの緩い笑みにやや憂いを混ぜた表情で、クラウディアは言葉を続ける。

 「だから整備手伝ってんだろ? ……落ち着かないのは同意するけど」

 ジュリアも頷き、言葉の後半部分は溜め息と共に吐き出された。


684 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:23:43 ID:f7VzQ9pM
 


685 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:24:12 ID:H+M2/Yoj
 ――――――――――――――――――――

 二人の間の空気が少々重くなりかけたその時、

 「おーい、嬢ちゃん達。そろそろ休憩しろよー」

 下方の通路側から、暖かみのある、錆を含んだ低い声がかけられた。
 二人が通路に視線を向けると、そこにいたのは短身で厚みのある体躯を作業着に押し込み、頭に原色のバンダナを巻いた髭面の老人だった。

 「あ、おやっさん」「おやっさ〜ん、お疲れさま〜」

 二人が返事を返した老人は、ディルク・ズィルバー・丹羽。
 『御劔』の技術部長であり、『とつか』の機関士と整備士を束ねる存在でもある。

 「おやっさんじゃなくて、部長と呼べ。ほれ、コーヒーだ。こっち来て休みな」

 丹羽は苦笑しながら、後ろに従えていたコーヒー用給仕ロボ(外見は一言で言うと高さ1m程の白いドラム缶)が、丹羽の操作によって内部で豆を挽き、ドリップする。
 二人から、ミルクと砂糖の量を聞いた丹羽がそれぞれの分量をいれ、通路に下りてきた二人にコーヒーを手渡す。

 「ありがと、おやっさん」「相変わらずいい豆使ってるのね〜」
 「だから部長だと……、まぁいいや。実際、不味いのよりゃ美味いモン飲んだ方が作業効率がいいのよ。んで、作業はどの辺りまで進んだ? ……おー、いいペースじゃねぇの。さすが自分達で機体いじってただけはある」

 携帯端末で作業の進行状況を確認しながら、二人作業を評価する丹羽。


686 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:25:32 ID:f7VzQ9pM
 


687 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:25:38 ID:H+M2/Yoj
 「他の人達に比べたら」

 と、別な場所で手際よく作業を行っている『御劔』や『イージス』所属の整備士達を親指で指し示すジュリア。

 「全然でしょ。それより、おやっさんの方はどうだったの? あの冗談みたいなロボット見に行ってたんでしょ?」

 そりゃ、こっちは専門家だかんな。嬢ちゃん達に負けたら懲罰モンだわ。と笑った丹羽は、そのまま続けて嬉しそうに、先程見てきたモノの事を口にする。

 「あー、『機械人形』な。『機械で構成された、自意識を持って自律稼働する存在』ってヤツは、俺の世界にも異種族としての『オートマータ』ってのがいるんだがなぁ。あんなのは流石に初見だわ。ちっちぇえ整備士の嬢ちゃんに作業を見せてもらったが、なかなか面白かった」

 つい最近合流した、『機械人形』が野生生物のように存在する世界から来た、『やおよろず』という集団。
 その中の、実年齢よりかなり若い見た目をもつ、金髪の整備士の作業風景を思い出しながら、丹羽は二人の元に来た本来の目的を切り出すことにした。

 「んで、だ。休憩終わってからでいいから、ちっとばかし相談があるんだわ。嬢ちゃん達の“鮫”の件で」

 丹羽の言葉にそろって首を傾げる二人。

 「鮫って……クラドセラケ?」「改めて話しって?」
 「あぁ、休憩終わったら設計室に……」

 「………………!」「…………!」「……!」

 「……ん? 何だぁ?」「……なんか騒がしいな」「なにかしら〜?」


688 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:26:18 ID:f7VzQ9pM
 


689 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:27:07 ID:f7VzQ9pM
 


690 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:27:46 ID:H+M2/Yoj
 話の途中で、やけに騒がしくなった格納庫の一角に三人が視線を向けると、そこでは数人の整備士達が、なにやら激しく言い争っている。
 何事かと三人が耳を澄ますと、言い争いの内容がこちらまで聞こえてきた。

 「だからカルマたんのチェックは俺がやるっつってんだろ!?」「俺がやるって」「いやいや俺が」
 「いい加減にしろよ! カルマたんがお前等みたいな変態を寄せ付けるわけねーだろ!」「たんとか言ってる時点でお前も同類だろ。常識的に考えて」
 「チェックという名目で、恥じらいを含んだ表情で服をはだけてもらえる絶好のチャンスだぞ!? 譲れるかよ!」
 「所詮我々は、相容れぬ宿命(さだめ)か……」「ならば……是非も無し!」「問答無用!」

 まるで愛と悲しみの果てに拳を交えるかのように、互いに距離を取り、身構える整備士達。

 「………………」
 「………………」
 「……最近別の所の奴らが入ってきたせいか、妙な影響受けてやがんな、ガキ共。
 ……あー、嬢ちゃん達。悪ぃけど、ちっとガキ共黙らせて来るわ。そんじゃあまた後でな」

 無表情になった丹羽は平坦な声でそう告げると、両袖をまくり、脂肪の上からでも筋肉の盛り上がりが分かる丸太のような腕をむき出しにして、騒ぎの元へ歩き出した。


691 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:28:11 ID:f7VzQ9pM
 


692 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:28:30 ID:H+M2/Yoj
 ――――――――――――――――――――

 具体的に描写は出来ないが、物騒な生々しい音が格納庫内に響く中、それらの音を極力無視して作業を終えた二人が、格納庫と同じ建物内にある設計室を訪ねると、既に中にいた丹羽がドアを開け、二人を招き入れた。

 「お、悪ぃな嬢ちゃん達。まぁ座ってくれや」

 丹羽の穏やかな表情や声からは、先程までのバイオレンスの嵐の余韻は感じ取れない。

 (……でもなぁ)
 (……あれって多分、ヘモグロビン的な何かよね〜?)

 作業服に点々と付いた、赤茶色のシミが気になるが、詳しく聞くと犯罪に巻き込まれそうなので流しておく。

 「それでおやっさん、相談って?」
 「クラドセラケについてだったわよね〜?」

 丹羽も二人が一瞬固まったことには触れずに、いつも通りの受け答えをしていく。

 「だからおやっさんじゃなくて部長と……まぁいいや、話戻すぞ? 相談てーのは、あの鮫にちっと手を入れさせて貰いてぇんだわ」
 「手をいれる? ……改造でもするの?」


693 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:29:14 ID:H+M2/Yoj
 聞き返したジュリアに丹羽は頷き、表情を改める。
 真面目な話だと理解した二人も、同様に姿勢を正した。

 「あぁ。今現在、俺達は少しでも戦力が欲しい状況ってぇのは分かるよな?」
 「勿論。戦闘が終わって消耗して帰ってくる連中見てればね」
 「嬢ちゃん達の鮫も、遊ばせとくには勿体ないって話になってな? 色々分析させて貰って充分前に出せるって判断されたんだが、戦闘力は申し分無ぇけど、行動出来る範囲が水中だけで、ちっと狭いわな? それを解消するためのプランを立てさせてもらったんだ」
 「ん〜、どうする? ジュリちゃん」
 「ジュリ言うな。……まずはどういう改造をするのか、全部説明してもらってからだな。その上で考える……これでいい? おやっさん」
 「おう。それじゃあ、でっけぇスクリーン出してくっから、待っててくれや」

 仮の了承が取れたことに期限を良くした丹羽は、いそいそと説明の準備を始めたのだった。


694 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/29(日) 01:29:20 ID:f7VzQ9pM
 


695 名前: PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM [age] 投稿日: 2010/08/29(日) 02:02:51 ID:f7VzQ9pM
 皆さん投下乙です! 感想はそのうちまとめて!

http://download1.getuploader.com/g/sousakurobo/800/%E3%81%8A%E3%81%BE%E3%81%88%E3%82%89.jpg

 というわけで、

http://download1.getuploader.com/g/sousakurobo/801/%E3%81%8A%E3%82%81%E3%81%A7%E3%81%A8%E3%81%86.jpg

 3年目もよろしくお願いしますねw


696 名前: ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 01:07:14 ID:RvbP8B+4
>>580です
トリップをつけました
ヒューマン・バトロイドの二話を投下します


697 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 01:08:05 ID:RvbP8B+4
「どうも、世界地球主義連邦准将のハ―ミスト・レインです」
「はぁ・・」
突然現れた戦艦に収容されて、コクピットから出たとたん偉い人から挨拶された。
リクは正直どう反応していいのか分からず、
「えと・・ど、ども・・・」
どもってしまった。
「とりあえず我々の目的と、君達の処遇について話しますね?」
「貴方は世界地球主義連邦なんですよね?」
いきなりだが確認しておいた。
「そうですけど・・・それがどうかしましたか?」
「いえ・・・何でかな、と思いまして」
そう、世界地球主義連邦が来る訳が分からない。
宇宙開発同盟が後ろ盾していたんじゃないのか?
「まぁとりあえず移動しながら話していきましょう」
ハーミストが先導しながら話を聞く
「まず我々の目的ですが、この辺に研究所を襲っている新興宗教があるとの報告が入りましてね。その調査です」
「しかし既にその宗教は僕たちが潰していた」
「ええ、そうですね。どっちにしろ害があるようなら殲滅しろと言われていたので手間が省けました。ありがとうございます」
「あーいえ・・あの、その報告はどこから入ったんですか?」
「諜報部から入りましたね。研究所の襲撃事件の生き残りの人たちから情報を集めたようです」
恐らくあの機体が連邦の手に入るのは奴の想定外だろう。
なら自分に出来る事は何だろうか・・・
あの機体を使って切れる手札は・・・
「さて、それでは君たちの処遇に関してですが、中に入ってから話しましょう」
「ここは?」
「ブリーフィングルームです」
ドアが開き中に入るとそこには見知った顔がいた
「リキ!どうしてここに?」
「どうしてとは御挨拶だな。俺がこの艦と交渉したんだぞ?」
「君達には代表として行動してもらいます。さて君達の処遇ですが・・・」
覚悟はしなければならないだろう。あの機体が自分しか使えない以上、無理やりにでも戦わせられるのは分かっている。
要はどれだけ戦いの機会を減らすかだ。
「どうしたいですか?」
「「は?」」
リキと声をそろえて驚いた。捕虜かパイロットのどちらかの選択肢が来ると思っていたのに・・・こちらに選ばせる?
「いやー、あまり人に強制するのって苦手でして・・・」
照れたように頭をかくハーミスト、てあんた准将なのに大丈夫か?
「俺らは基本的にパイロットがいいって奴が多いと思うが、詳しくは直接聞いてくれ」
「あなた自身は?」
「俺は戦うさ。それ以外やる事もないし」
「それなりの待遇はするつもりですよ。それで、そちらの君は?」
「僕は・・・」
僕は何がしたい?リクがずっと考えてきた事だった。
研究所は壊滅、残ったのはキセノに対するさらに深まった恨みだけ。
僕に出来る事とは何だろう。
「少し・・・考える時間をください」
「ゆっくり考えてもらって構わないよ。と、そうだ。一応名前と歳、出身国とかのプロフィールぐらいは聞かせてもらえますか?」
「リク・ゼノラスです。歳は・・・十九歳です。国籍はカナダです」


698 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 02:49:22 ID:RvbP8B+4
「さて、彼からの連絡がないという事はやられてしまったようだね」
ただ、北を目指すシャトルの中でキセノ・アサギは呟いた。
「やはりあの程度の相手じゃリクは殺せないね。全く厄介な男だよ・・・」
キセノはリクの成長に思いをはせていた。
「あのガキがここまで邪魔してくるとは・・・グラビレイトも取られたし」
グラビレイト、あの機体は自分の計画に必要なものだ。正確にはあの機体に積まれている重力場粒子の製造炉が、だが。
「いや、むしろあれを同盟に追わせるのもまた一興かな?まぁ、どちらにしろ」
キセノは言葉を切り、にやりと笑いながら言った。
「あのガキは殺しておかないと。俺の唯一の汚点になるからね」
あくまで楽しげに、キセノは次の一手を考える。
シャトルの行き先は激戦区、北極圏。両軍入り乱れての戦闘が行われているとされているにはにしてはあまりにも静かな、無人の氷原にシャトルは進んでいく。

「さて、結論は出ましたか?」
一晩、リクは自分の事について考えて結果を出した。
多目的艦スタークの艦長、ハ―ミストは問いかける。
「・・・やっぱり戦いたくはありません」
リクは俯きながら答える。
場所はブリッジ、出来るだけ負担をかけまいと出向いて答えを言った。
リクがグラビレイトを手に入れて一週間がたっていた。
グラビレイトはリクにしか動かせない。
だからこそリクは戦うことを拒んだ。
あれだけの力を持つことが怖くて仕方なかったのである。
「強化孤児である事も考慮すれば妥当な判断だと思いますよ」
ハーミストは肩をすくめながら言う。
この人は少し変わっている。かなりの地位がある筈なのにかなり謙虚なのだ。
だからこちらの要望は出来るだけ聞いてくれる。
「でも死にたくはありません。この艦に乗っている間はパイロットとして働きますよ」
場合によってはキセノが差し向けた刺客に襲われるかもしれない。
どうせこの艦を降りればキセノに復讐するために動くのだ。それぐらいは働こう。
「無理はしない方がいいですよ?別に無理に戦わなくても」
「だぁーー!イライラする!!」
ブリッジの前の方から少女の声が聞こえてくる。操舵手のリリ・ウィールだ。
「お前!男ならはっきりと答えろ!戦うのか戦わないのか!」
「こらこら、リリちゃん。人には事情というものがあるんですよ?」
「そんなもん知った事か!結果的に人の答えは二択だ!YESorNOだ!」
「無茶苦茶だ・・・」
この空気に慣れない。軍ってもっとキビキビしたものじゃなかったの?
「おい、そこの軟弱男!お前は戦うのが嫌なのか?」
「戦うのは嫌です。戦争なんて嫌いですから」
「それは理解できる、強化孤児だしな。ならどうして戦ってもいいとかいう?それがイライラするんだ!」
「それこそ人の勝手でしょう?わざわざ答える必要がありません」
あくまで強気に、リクにしては珍しくリリをにらみつけながら言う。
「じゃあ答えなくていい!戦うのか戦わないのかどっちだ!」
「だから状況によりけりです」
「がーー!!」
「こら、リリちゃんもリク君も落ち着きなさい」
「あーリクっつったっけ?とりあえず下がっていいぞ」
「分かりました、失礼します」
「あっ、逃げんな!」
「落ち着けって、リリちゃん。ちょ、暴れるな!おま、ぐあ!!」
ゴースの悲鳴が聞こえた気がしたがとりあえずブリッジから出る。一緒にハーミストも出てきた。
「えーっと、戦う可能性があるならハンガーに行って機体の整備を頼んどいて下さい」
「わかりました。すいません僕のわがまま聞いてもらっちゃって」
「気にしない、気にしない。持ちつ持たれつですよ」
という事は持たされる事があるということだろうか?
リクは整備を頼みにハンガーへ行くことにした。


699 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 02:51:19 ID:RvbP8B+4
「艦長!あの野郎は!?」
「ん?リク君ならハンガーに行きましたよ?」
「はぁ、あの野郎め・・・」
「リリちゃんは優しいですね。彼の為に覚悟を決めさせようとしたんでしょう?」
「そんなんじゃない。あまり人が死ぬのは嫌だからな」
「もうー、リリちゃんってばツンデレですね」
「だ・れ・が、ツンデレじゃァ!!」
「え、いやtyぐふぉあぁ!!」


ハンガーに格納されているグラビレイトの傍には一人の作業着姿の少年が座り込んでいた。
スケッチブック片手にグラビレイトの外観をスケッチしているらしかった。
「何やってるの?」
「ああ、班長に言われてね。この機体設計図ないからスケッチして装甲の形を考えてるんっす」
「設計図ならあると思うよ」
「マジで!?俺の苦労はどうなるんだよ・・・」
少年は頭を抱えながら落ち込んでいる。
コクピットに入ってイザナギに話しかける。
「イザナギ。機体構造の設計図を」
『了解しました。マスター』
ブレインチップ越しのスクリーンに機体構造が現れる。
それを少年の方へ送る。
「あ、ありがとう・・・」
いまだに床に突っ伏している少年をどうしたものかと見ていたら、
「こらぁ!ラウル!何突っ伏してるんだ、働け!」
「班長ー・・・設計図ありました・・・」
「機体のスケッチは無駄にはならんから落ち込むな!練習になりゃそれでいいんだ!」
「えっと、整備班の班長さんですか?」
大柄な男に話しかける。
「おう、悪いな。整備班班長のジョージだ」
「リク・ゼノラスです。で、あの機体の整備についてなんですけど」
「あの機体な、分かってる。ありゃそこのガキにやらせることにしてるから、せいぜいこき使ってやってくれ」
「ちょっと班長!?聞いてないっすよ!?」
「当たり前だ。今決めたからな」
ガハハハ!、と大口開けながら豪快に笑うジョージ班長。
「えっと、彼・・ですか?」
言っては悪いが少年の年齢は十四、五歳。
そんな子供にこの機体の整備が出来るのか?
「あーその点は平気だ。ラウルはそこらのガキとは少しばかり頭の出来が違う。並みの整備士以上の実力はあるさ」
耳打ちをしてくるジョージ。
「何で耳打ちなんですか?」
「あからさまに褒めたらあいつ調子に乗るからな。実力はあっても一人前じゃないんだよ」
「ん?班長、何こそこそやってんっすか?」
「お前が頼りないって話だ」
少し落ち込んでいる少年を置いて、豪快に笑いながらジョージ班長は去って行った。


700 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 02:52:15 ID:RvbP8B+4
「あー、ラウル・グリットっす。どうぞよろしく。あんたは?」
「リク・ゼノラス。こちらこそよろしく」
ラウルは俯きながら設計図の確認を開始したらしい。
「はー・・この機体かなり特殊っすね・・・モーターロック式だし・・・機体自体にブースターがついてないとか・・・・・・バッテリーちっさ・・・装甲は・・普通か」
「そんなに特殊なの?この機体」
ラウルの呟きが気になりふと聞いてみた。
「特殊も特殊。まず関節がモーターロック式ってのがありえないな」
「モーターロック式?」
「要するに関節にもろにモーターがあるってこと。普通は少し離した所にあるモーターでワイヤー巻きとるタイプなんだけどね。日本の戦術の為に作られた初期生産型ぐらいにしか搭載されてない筈だよ」
話によると初期生産型はわざとスペックダウンして作られたらしい。
モーターロック式の関節は動きが遅いためまずそれを使って戦った後に、敵が機体の情報を手に入れて生産ラインが整った所で本命のワイヤー巻き取り式を戦場に投入したそうだ。
モーターロック式の遅い動きではワイヤー巻き取り式の柔軟な動きには対応できなかったらしい。
「でも、機体パーツの重量が少なければモーターロック式の方が動きが直接伝わる分パワフルで速いんだ」
「そっか、重力場粒子・・・」
機体重量を軽くする事でモーターロック式の方が使い勝手が良くなったのだろう。
「んで二つ目。ブースターがついてない。機体を飛ばすにはブースター付けとかないといけないのにそれが無い」
しかし、この機体はスラスターのみで十分な飛行を行っていた。
「いや、もっと速くないとすぐに落とされるよ?」
「そうなの?」
「この間の戦闘ってさ、敵が全部陸戦装備なんだよ。空戦装備の敵に囲まれたらアウトだね」
そしてラウルは三本の指を立てる。
「それで三つ目。バッテリーが小さい。これは機体の性能のおかげだね」
粒子製造による継続的な発電。それによりこの機体は半永久的な活動が可能になっている。
「そして、今解決しなきゃいけない問題は二つ」
「武器とブースター?」
「正解。どっちも大変だよ、この機体独自の奴作んなきゃいけないし」
『武器なら設計図がありますが?』
「うあ!?誰?」
イザナギの声にラウルが飛びあがって驚く。
『失礼しました。私はグラビレイトのAI、イザナギとお呼び下さい』
「すげー!意思を持ったAIなんて初めて見た!」
『お褒めにあずかり光栄です。それで武器の設計図はいかがしますか?』
抑揚のない音声でイザナギは問いかける。
「んー・・・とりあえず基本思想ぐらいは知っておきたいからね。基本武装のデータくれる?」
いくつかのデータの譲渡が行われた所で、リクはラウルとイザナギに釘をさしておいた。
「ラウル、イザナギ。君達に言っておきたい事があるんだ」
『何でしょう?』
「何?」
「グラビレイトの事は・・あまり人に晒さないでほしい。最大でも整備班の中だけで留めておいてほしいんだ」
『その理由をお聞かせ下さい』
「理由は簡単だろ?量産されたくないってことだよ」
「そうだよ」
ラウルは分かってくれたがイザナギは納得していないらしい。
「この機体が量産されるってことは、それだけ強力な兵器が多くなるってことなんだ」
戦争の真っただ中にそれだけの兵器が量産される様な事になったら・・・
「一方的な虐殺になる。それだけは駄目だ。片方が完璧に滅んでしまう」
時間をかけた終戦の方が死者は少ない筈だ。だから・・・
「人がたくさん死ぬのは・・・嫌だ。我儘みたいだけど自分の所為で人が死ぬのが嫌なんだ」
『・・・了解しましたマスター。設計データにロックをかけます。ロックを解除できるのはマスターかラウルさんのお二人だけに設定します』
「ありがとう、イザナギ」
ラウルは頭をかきながら、
「俺、結構重い役目かけられてね?」
とつぶやいた。



701 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 02:53:10 ID:RvbP8B+4
多目的艦スタークはそこから更に二週間かけて、一番近くの基地のあるシベリア付近へ向かっていた。
道中敵と遭遇する事もなく、このまま何事も起こらないと思われた時に事件が起きた。
「艦長、おかしいんじゃないですか?これはさすがに」
「そうですね・・・パイロット召集。緊急ミーティングを行います」
ミーティングルームに集まったのは十五人。もとからいたパイロット六人にリク達の中でパイロットを志望した九人だ。
「全員集まった様なのでミーティングを開始します」
副長のカルラが中央で状況の説明をする。
「現在、我々はカラフト基地に補給と艦を降りるのを希望する方を降ろすために向かっています。しかし現在そのシベリア基地からの通信が途切れています」
部屋の中心にはホロスクリーンに基地の周りの地形と防衛兵器の配置が映し出されている。
「現状、我々は最悪の事態、つまり敵に基地が制圧されたと考えての行動を行います。よって艦内にはコードオレンジを発令しました。皆さんにはこの作戦でのフォーメーションを確認していただきたいのですが・・・」
ジョージ班長が通信越しに発言する。
[現状じゃ機体の換装パーツが足りてねぇ。新しく入った九人のうち三人しか空戦装備は積めないぞ]
「なので小隊を二つに分けます。と言っても新しく入った九人の内、六人を砲撃戦用の装備で艦表面に取り付き敵の迎撃、三人を遊撃にまわしたいと思います。その三人を決めてもらいたいんです」
[副長、グラビレイトのは別規格なんで俺が独自に用意したっす]
ラウルが通信で報告した。
「では、三人を遊撃、五人を迎撃、グラビレイトは単独による攻撃をお願いします」
今まで黙っていたハーミストが部隊割を発表する。さらにフォーメーション、指令のコード、撤退などの合図の説明をする。
「皆さんの健闘を祈ります。では、解散」
ぞろぞろと人が去っていく。
リクもその場を離れた。
遂に戦闘になった。恐らくこの艦の偵察は予定外で、さっき言っていた基地を制圧した部隊がグラビレイトを回収する手はずだったのだろう。
キセノの計画にひびをいれられた。だがそこで止まってはいけない。確実に・・・奴の息の根を止める。


三時間後、ハンガーでの待機をパイロットは命じられた。
想定通り敵に基地を占拠されていたようだ。それはつまり戦闘を意味している。
リクはコクピットで出撃を待っていた。
ラウルの武器の説明が入る
「こいつは重力場レールガン。銃身のレールにかけた重力による牽引で空気摩擦でプラズマ化した弾丸にさらに重力を乗せて打ち出すものだ。大体の装甲は重量と熱量で破壊できる」
『設計図の物とはだいぶ機構が違うようですが?』
「俺の独自の設計でトリガーと銃口を二つにした。それぞれの銃口に繋がってるから同時に発射して高威力にするもよし、交互に発射して連射するもよしだ」
「ブースターは?」
「高機動型フレキシブルブースターだ。三つのブースターの内、左右の二つは自由に動くから機動性が高い」
「だいぶスペック上がってるな・・・」
「まぁ、使いこなせるように頑張れ」
ラウルが去ると同時にイザナギの声がする。
『マスター、通信が入っています』
[やあ、リク君。気分はどうですか?]
「そんなにいいわけないでしょう、艦長」
[あんまりピリピリしない方がいいですよ?すぐに落とされてしまいますよ]
「分かってます。ちゃんと集中しますよ」
[艦長、やっぱりこいつ止めさせた方がいいんじゃないのか?]
リリの声が聞こえる。
「・・・なぜですか」
[お前の声、微妙に震えてるぞ]
「・・・・」
[そこまでして戦う必要ないんじゃないか?]
「あるからここにいるんですよ」
[ならその理由ってのはなんだよ]
[こらリリちゃん。人の事情にあまり首を突っ込むべきではないですよ]
[艦長は黙ってろ]
[ですが・・・]
「・・・いいですよ。話してあげます」
[無理して話さなくてもいいんですよ?]
「いいえ、無理じゃないですよ。ちゃんと言いたい事があるんです」


702 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 02:55:11 ID:RvbP8B+4
[で、なんだよ。お前の戦う理由]
「・・・どうしても」
リクの声質が変わる。
普段の礼儀正しい声色から、ざらざらとした暗い感情を込めた負の声色に。
「どうしても、殺したい奴がいるんですよ。そいつの所為で俺の人生はボロボロになってるんです」
[・・・え]
リリの掠れた様な声に反応もせずリクはさらに言葉を紡ぐ。
「そいつを殺すためならいかれてる戦場に出ることぐらいなんでもありませんよ?むしろ自分からでも戦場を作ってやります。いくらでも殺し
ます。誰にも止めさせやしませんよ。絶対に、絶対に息の根を止めて、死体の判別もつかないくらいぐちゃぐちゃにして、魂を壊してやるんで
す。魂なんて概念が無いのなら無理やりにでも作りだしてでも壊すんです。あいつは絶対に、この手で、壊してやるんです」
リクは目に狂気すら浮かべて淡々と言い切った。無理矢理に押し殺したような声で。
「戦場は怖いです。正直、震えは止まりません。でも、それを越えるほどに殺したい相手がいるんですよ」
[そ、れは・・・]
「すいません。でもこれで納得いただけましたか?」
言いきった直後から、リクの雰囲気は元のそれに戻っていた。
[・・・]
[・・・]
それを聞いていた二人は、一言も発せなかった。
「納得いただけたのなら通信は切りますよ?」
しばらくして通信は途切れた。


通信が切れた瞬間、ブリッジの空気が一気に緩んだ。
「艦長、彼はかなりの危険人物では?」
「だー!ビビった!あれなら千超えの敵に囲まれた方がまだましだっつーの!」
カルラとゴースが真っ先に口を開いた。
「確かに危険な雰囲気ではありましたが、でもそれは対象が個人限定のようですね。まだ観察段階と言ったところでしょうか」
ハーミストが珍しく誰に言うわけでもなく呟いた後、リリが肩の力を抜いた。
「あいつ・・・復讐なんてもんから解放してやりてぇな」
いつになくおとなしいリリの様子にゴースが茶化すようにいった。
「解放て・・どうすんだ?リリちゃん。ありゃ、死んでも止まらん口だぜ」
「そんなのは分かってるんだよ。でもさ・・・理屈じゃなくてさ・・・どうにかしてやりたいと思うんだよ。戦いじゃない方法で・・・」
「いつになく真剣ですねリリさん。まさか今ので惚れたりしましたか?」
いつもならそこでリリが暴れだすのだが、今回は・・・
「う・・・・そ、そんなわけねェだろ!!」
顔を赤くしながら言い出しっぺのカルラに迫るリリ。その様子は、まさしく・・・
(((ツンデレ?)))


二時間後、予定より早く敵との交戦に入る事が告げられた。
[敵艦が既にこちらへ向かっています。全基出撃準備をお願いします]
副長の連絡が入る。
「リクー、機体壊したらたたじゃおかねェからなー」
ラウルの間延びした声が聞こえる。
「わかってるって、僕も死にたくないし」
[リク君、たびたびすみませんね]
「艦長」
[君は出来るだけ出撃しないようにしますから]
艦長の気遣いのようだ。
「具体的には?」
[出撃した機体の総損傷率が一割を越えたら、ですかね]
「・・・結構速いですね」
[あまり部隊を損傷させるのも戦力の低下にしかなりませんしね。大丈夫ですよ、我々のの部隊は簡単には落ちませんし、それにあなたは切り札ですから]
「出来るだけやってみますよ」


703 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 02:56:12 ID:RvbP8B+4
敵部隊の構成は輸送艦一機、HB八機の編成。明らかにこちらを舐めてかかっている。
[第一小隊、出撃してください。第三小隊は迎撃用意。第二小隊は敵が近付くまで待機を]
六機が出撃する。八機に対して六機と数の上では負けているがそこまで劣っている訳でもない。
敵の一機が撃墜され、下の海に叩きつけられた。
戦場は海上、近くに島が点々としている。場所は、元日本領。カラフト付近。
防戦の中で敵に反撃を与える戦法で敵の損傷を誘う第一小隊。その防戦は二機目が海に落ちた時に切り替わった。
ミサイルの一斉射で隙を作った後、巧みなフォーメーションでダメ―ジを蓄積させる。
既に敵機の残りの中で五体満足なのは二機だけになっている。
「今回は、出番無しだな。残念、重力場レールガンのテストやりたかったんだけどなー」
ラウルが言葉とは裏腹に気楽そうに言った。
「いや、来るよ」
「え?」
「そろそろ来るって言ってるんだよ」
リクは敵の動きを見ていた。明らかに、こちらの戦力を読み間違えてる。
それにしたって三十機は積める輸送艦にたった八機は読み間違えすぎだ。
それならば・・・


「艦長!艦後方、六時の方向から熱源接近!!」
「カルラ君!」
「了解」
「チクショウ!間に合え!」
水中から艦載レベルのレールガンが発射された。カルラの電磁フィールド展開とリリの操舵の腕によりダメージは最小限に抑えられたが・・・
「状況は?」
「第三補助ブースター、第四レーザー砲、十七から二十八までの対空迎撃用機関砲、七十から七十三までの通路が損傷!」
「結構やられましたね・・・」
「補助ブースターがやられちゃ次はかわせないぞ!?」
「フィールドのエネルギーはフルで三回まで展開できます」
「問題ありません、あれだけのレールガンを搭載した潜水艦です。そう連射出来る物ではありません。それよりも敵の増援ですよ。第二小隊に
出撃命令、リク君に出撃準備をお願いしてください」
「敵艦浮上した!数・・十二・・この識別コードは・・・」
「ゴース君?どうしたんですか!?」
「・・・黒揚羽(ブラック・バタフライ)・・・」


[じゃあ、先行ってるぜ。リク]
「死なないでくれよ。リキ」
第二小隊は出撃した。第三小隊との協力で後方の敵増援を相手するらしい。
[リクさん、出撃の準備を]
「わかりました。カルラさん、敵増援ってどれ位なんですか?」
[十二機なんですが・・・]
「何か不都合でも?」
[エース機がいるんです。それもとびっきりの]
黒揚羽、一年前に戦場に出てきたルーキーで最初の三ヶ月でエースになったという。撃墜数も既に同盟軍トップクラス。たった一機で基地を制
圧した事もあるらしい。名前の由来は、蝶のようにつかめない軌道での戦闘スタイルにある。ふらふらとしている訳ではないが、全く機体が停
止しないらしい。撃墜どころか、攻撃を食らった事すら数えるほどだという。
「そんなの来て大丈夫なんですか?」
[だから準備をお願いしたんです。あなたが切り札ですから]
「・・・了解しました、その黒揚羽が出撃したらすぐに出ます」


704 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 02:57:22 ID:RvbP8B+4
黒揚羽と呼ばれるエースは戦場を縦横無尽に飛び回っていた。
「投降の意思は認められない。死にたいのか?」
攻撃は控えていたが、本格的な反撃に入る。
シールドに一体化している大型レーザーを構えて錐揉み飛行で弾幕をかわしながらブリッジを狙う。一撃で仕留める自信があった。もしブリッ
ジを落とせばさすがに奴らも止まるだろう。今回の任務は戦闘ではなく回収。上層部から回ってきた敵の新型の確保が目的の作戦だった。
戦艦を狙い、落とせば任務の半分を達成した様なものだ。
「つまらない任務」
ぼそりと呟き、トリガーを引く。
「レーザーきます!」
「フィールドは!?」
「間に合いません!」
黒揚羽は既にフィールド圏内に入り込んでいる。
カルラの警告に対してレーザーのエネルギーが放出されるのを見ている事しかできない。
レーザーは真っ直ぐブリッジに直撃コースで発射された。
「リク!!」
リリは思わず叫んでいた。
「なぜ・・・!?」
思わず黒揚羽は呟いていた。
確かにレーザーは発射された。そのレーザーは寸分の狂いなくブリッジに進み、そして曲がった。
[あー、あー、全軍に告ぎます。いったん戦闘を中止してください]
いきなり、スピーカーで特定の期待では無く、戦場のすべての物に話しかけ始めた見慣れぬ機体。
しかしその程度で戦闘が止まる訳が無く、一瞬戦場の注目を集めただった。
[今すぐ戦闘を中止しなさい。でなければ、落とすぞこら]
その機体は右手に構えた銃器を構えて、艦後方の敵部隊に発射した。
黒い光が戦場を貫いた。
一撃で、三機。そのすべてが戦闘不能に陥るも、パイロットは毛の先程の傷も負っていない。
レールガンを機体バックパックにマウントして様子を見ている謎の機体。
黒揚羽は喉が干上がる様な感覚がして、すぐに通信で戦闘中止の指示を送る。
すぐに戦闘が無くなる。
黒揚羽は目の前の機体が例の新型なのを理解した。
そして、それが厄介なパイロットのもとにいってしまったことも。
決して「強そうな」、「手ごわい」と言わないのは勝てる事を確信しているからだ。
[宇宙開発同盟軍エース、黒揚羽。あなたに提案があります]
声は返さない、しかし聞く意思を示すために新型と同じ高さまで降下する。
[ありがとうございます。話が通じそうで良かった]
青年の声が聞こえる。真面目そうな雰囲気が伝わってくる。
さっきの・・・一瞬感じた恐ろしさのかけらも見つからない。
[取引をしたいんです。あなたと]
取引?戦場で何の取引をするのだろう?
常識の範疇から外れた行動に周りが固唾をのむ。
[あなた方はこの機体の回収を命じられてここまで来た、そうですよね?]
見抜かれている。彼はいったい何者なのか。
[しかし我々はあなた達が制圧した基地で補給が欲しい。だから一騎打ちをしましょう]
誰もが唖然とした。今まで無敗のエースと呼ばれた黒揚羽に、一騎打ちを望むとは・・・
[僕が勝てば、あなた達は基地から撤退、この場も引いてもらいます。逆にあなたが勝てば僕はそちらに行きます]
しかも、とんだ策士だ。そう言われればこちらは受けざるを得ない。あの機体は任務として回収する必要があるというだけでなく、あの機体が
向こうに残ってしまった時のリスクは計り知れない。そして何より、この勝負の意図はこちらの本気をそぐ事だ。
機体の回収が任務である以上、一騎打ちでも撃墜が出来ない。それだけでかなり行動が制限される。
[別に一機対一部隊でもかまいませんよ?その方が良いというなら]
一人が激情して新型に突っ込んでいった。しかし新型はその場から一ミリも動かず粒子を散布しただけだった。
発射されたライフルの弾はどこに命中したのかも分からない程きれいに消え去っていた。
次に発射されたミサイルは粒子の膜にふれると爆発どころか残骸も残さず消えていた。
最後に突っ込んだ味方は手の電磁振動ナイフを新型の装甲に突き立てようとしたが、触れる前に味方の機体はべコリと音を立ててひしゃげた。
何があったのかも分からぬまま両手足を潰された味方機はコクピットブロックに損傷もなく海に落ちて行った。パラシュートによる脱出は成功
したらしい。
[どうします?]
黒揚羽は光通信で返答をした。
了承の返答を。


705 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 02:58:23 ID:RvbP8B+4
艦前方の戦闘は艦への攻撃で動揺したせいで五部五部に持ち直されている。立て直すには後方の敵の五割くらい落とせば何とかなるだろう。
リキは鬼神のような戦いぶりを見せた。
「はっはぁ!!落ちろぉ!!」
既にリキは二機落としており、今の一機で三機落とした事になる。既に三割、すぐに半分に達するだろう。
その時、機体がバランスを崩した。
「何だ!?」
[がぁ!?]
[ぐあぁ!?]
見れば後ろの二機が空戦装備の羽根を撃ち抜かれて飛行が困難になっていた。
「速く艦に戻れ!そのままじゃ的だぞ!」
傷ついた二機をかばいながら攻撃した機体を見ると、そこにはみとれてしまう様な漆黒の美しい機体が舞っていた。
肩に描かれたモチーフは黒い蝶。選別コードは、黒揚羽。


「艦長、グラビレイト出撃しました」
「リク君に頼るしかないですね。無事に基地を取り戻せればいいんですけど」
「第二小隊着艦、戦闘困難。空戦装備がやられただけらしいから換装すればまだいけるらしいけど?」
「狙撃装備に換装後、艦前方の第一小隊の火力支援にあたらせて下さい」
「それと艦長、一般回線で投降勧告が黒揚羽名義で届いてるぞ」
「読み上げてください」
「あいよ、カルラ」
「『連邦軍所属、ハ―ミスト・レイン准将に告ぐ。今すぐ戦闘を中止し、投降せよ。投降すれば諸君の身の安全は私、黒揚羽が保障しよう。我
々はそちらとの交戦が目的ではない。速やかに武装を解除し、投降せよ』だそうです」
「艦長、どうすんだ?」
「ふむ・・・投降するのは少し考えに入れとかないとまずい状況ですからね・・・リク君に繋いでください」
モニターにリクが映される。
[なんですか?艦長]
「黒揚羽との交戦がきついようならすぐに言ってください。投降勧告出されてますから」
[・・・なんて書いてあるんですか?]
「武力解除の後投降しろ、そっちの身の安全は保障するから、だとよ。黒揚羽じきじきの勧告だぞ」
[無理ですね]
「何が?」
[一エース程度が僕らの、いや僕の安全を保証するなんて]
「・・・もしかしてさっきの復讐したい奴が?」
[あの野郎なら上層部から命令まわすくらいできるでしょうね。現にこうしてエースの部隊が出てきている。目的はこの機体と、あわよくば僕の
命でしょうね]
「なら艦長、投降は無しだ!別の手を考えろ!」
「リリちゃん必死だねぇ。これはやっぱりあれkぐほぁ!」
履いていた靴を思いっきりゴースに投げつけるリリ。顔が真っ赤なのにはリクは気付かない。
[艦長、僕に案があります]
「それはこの状況を何とか出来るものですか?」
[恐らくは、敵が条件を呑めば]
「具体的には何をするんですか?」
[俺を囮に使います。餌にするんです]
「ちょっと待て。それお前が危険じゃないか!」
「おやおや、リリちゃんやっぱり必死だnぐほぇ!」
もう一方の靴もゴースの顔にヒットした所でリクは言う。
[大丈夫ですよ。まだ俺は死ぬわけにはいかないですから]
何だかんだ言って心配してくれているリリに微笑みながら言う。
「うっ・・・それなら・・・絶対に無傷で帰ってこいよ?絶対だからな!?」
[わかりましたよ。艦長、いいですか?]
「君に任せますよ。頑張ってくださいね」
通信が切れる。リリはまだ顔を赤くしながら心配そうに戦場を見つめている。


706 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 02:59:45 ID:RvbP8B+4
「あんな力技の交渉、見たことない・・・」
「どっちかと言うと脅迫ですね、あれ」
「すごい・・・同盟軍トップクラスのエースを手玉に取るとか・・すげぇ」
「あれ?リリちゃん、惚れ直しちゃった口かい?」
「てめぇそろそろ黙りやがれ!!」
「おま、俺先輩だぞ!?やめ、うわ、ギャー!!?」
ギャーギャーとうるさいリリとゴースの喧嘩を止めながらハーミストは言う。
「まだ一騎打ちが認められただけです。勝ったとは決まっていませんよ」
「う、・・・そうだよな・・・死ぬかもしれないんだよな・・・あいつ」
「一喜一憂しても何も変わんねぇっての。そんなに心配なら御祈りでもしたらどうだよ、案外効果あるかもしれないぜ?リリちゃん」
「始まりますよ!」


グラビレイトと黒揚羽は同時に動いた。
グラビレイトは対艦刀を構えての突進で戦闘を開始した。
黒揚羽は真っ直ぐな攻撃に当たる訳もなく、最小限の動きで横にずれる。
突きが終わった所を後ろから撃とうとした黒揚羽だが、スペックを読み間違えていた。
その突進は一瞬でマシンガンの射程外に出るほどの伸びがあった。
レーザーを構えてももう遅い、後ろを取られたことを察知したグラビレイトはさらに前へ進み射程外に逃れる。
レーザーの射程外まで行かれると、今度は黒揚羽が不利になる。
黒揚羽の機体は中〜近距離の射撃戦に特化していたからだ。
逆にグラビレイトのレールガンは射程がかなり長い。中距離での撃ちあいにも使えるが、遠距離での射撃にも向いている。
「くっ、速い!?」
黒揚羽は思わず驚いた声を上げた。
異常なほどのスピードで射程外に逃れたグラビレイトの射撃が返ってくる。
レールガンは高威力の武装である反面、連射性に劣っている。
電力を溜めるのに時間がかかる筈なのだ。しかし、そんな常識はすでに崩れている。
レールガンの連射と言う恐ろしい弾幕を黒揚羽はかわしていく。
「当たれ!」
リクの叫びがコクピットを震わせる。
「イザナギ、向こうの暗号回線の解析まだ?」
『進効率七十パーセントです』
「効率が悪い!解析モードを手動に移行、射撃間隔を0.8秒に固定!」
ヘルメット越しに現れるホロキーボードを想像の手で操作する。
実際の手は機体の操作に使われている。
さらに機体の周りの粒子の制御も同時に行う。
まるで阿修羅にでもなったかのごとく空想の手を四本動かし、実際の手二本も動かす。
「よし、解析完了!イザナギ、相手方にばれない様にシステム周りの改ざんお願い!」
十五秒でAIなら一分かかる作業をやってのけたリクは射撃をかわしながらこちらに接近してくる黒揚羽を見る。
『このままの速度で逃げていればすぐに敵の推進剤が切れるかと思われますが?』
「それじゃだめだよ。これはゲームだからね、ちゃんと勝ち負けが決まらないといけない」
『ゲーム、ですか』
「そう、ゲーム。条件合わせて、死人が出ない様にして、そして一騎打ち。これは戦争じゃなくてゲームになったんだよ」
射撃の為に速度を落としているグラビレイトになら、すぐに追いつけるだけのスペックがある黒揚羽は、すぐに距離を詰めてレーザーのエネル
ギーを充填して撃った。
狙いは今度もきっちりと新型の真軸を捉えていた筈。
「なぜ外れる?」
今度も逸らされたレーザーが海に着弾する。
「なら!」
射撃は実弾は効かない、レーザーは逸らされる。
しかし、法則性は見えていた。あの粒子にふれなければ・・・!
レーザーブレードを抜き、出力を上げて敵の粒子に突っ込ませた。
長いリーチと常に供給されるレーザーの高出力に負けるように粒子の層を抜けていくレーザーブレード。
しかし次の瞬間、粒子の層は消え去り新型はブレードを構えていた。
鍔迫り合いが起こる。黒揚羽は機体のスペックを少しずつ把握していた。
(この機体、モーターロック式の関節?でなければこの速い反応は考えられない)
粒子を戦術の要とした機体、既存の粒子ではなく新発見された様なものだろう。
しかし、関節の形式で弱点は見える。


707 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 03:00:40 ID:RvbP8B+4
(この機体は、軽い)
機体に蹴りを入れられれば装甲に致命的なダメージを与えられるぐらいに軽く作られていなければ、モーターロック式の関節など使う筈がない。
なのに、ここまで重い剣を持っているという事は、推進力は強いが高速戦闘は苦手なのだろう。
そう見切りをつけた所で黒揚羽は機体の足を半ば無理やり動かし、蹴りを入れた。
機体がよろめく。鍔迫り合いがとかれるも、機体のバランスが崩れて致命傷では無く右足が斬られるに収まった。
「そんな!?」
黒揚羽の足が、切断されて宙を舞う。
グラビレイトに対する蹴りは、確実に入った。しかしその感触は想像もしていなかったものになった。
重い。空に浮いていられるのが不思議なくらい、重い。
結果、十分な力もないままの蹴りの所為でバランスを崩し、片足が切断される事になった。
空戦時には重要なスラスターの大半は脚部に積んである。それが片方無くなっただけでバランスを取りづらくなってしまう。
機体の降下する勢いに身を任せてバランスを取り戻そうとするも、レールガンの攻撃でさらにバランスを崩される。
黒揚羽は落下しながらシールドを構えてレールガンを角度を合わせながら弾いていく。
手加減されたレールガンの出力でも、シールドはすぐにボロボロになり、砕ける。
何とか、ブースターの点火だけでもと黒揚羽がブースターで減速した時、グラビレイトは黒揚羽に突っ込んだ。
「うおおぉぉぉ!」
下は小さな島だった。地面と水平に押し飛ばされ、そして地面に激突した。
[チェックメイト。僕の勝ちですよ、黒揚羽]
黒揚羽の機体に通信が送られた。


完璧に負けた。
今、機体はブレードをコクピットハッチに突き立てられている。
脚部は右足が失われ、左足も蹴りの衝撃で中のワイヤーが切れている。
左手に持っていたシールドは砕かれ、左手自体も指先が無くなっている
右手は地面にぶつかり引きずられた時に付け根からもぎ取られていた。
頭部は関節部分が外れてコード類でかろうじて繋がっている。
そんな状況下で胴体へのダメージは背中のブースターユニットだけ。さらに、暗号回線への割り込みまでされている。
圧倒的ともいえる性能差に必死で食らいついていた時に、目の前の敵は片手間のように暗号回線の解析までして、そして余裕たっぷりの勝利宣
言までしてきた。
完璧な敗北。初めての負けが、ここまで完膚なきまでに叩きのめされるものだと思わなかった。
これだけの実力があった筈なのに、さらに上を行くものに負けた。
[部隊の撤退、してもらえますか?]
「くそっ!撤退させればいいんでしょう!?」
[えっ・・・]
リクは驚いていた。
撤退がスムーズにいく事では無くて、黒揚羽が、女性だった事に。
「あなた、女性だったんですか!?」
[女がパイロットやってちゃ悪い?どうでもいいでしょう!]
「いや、そのー、・・・すみません」
なんとなく謝ってしまった。黒揚羽は女性だった、しかも自分と同じくらいの年齢の。
[何で謝られなきゃいけないの]
「・・・女性相手に少し手荒な決着にしちゃって」
[・・・貴様、殺す・・・]
「へ?」
全てを呪い殺しそうな声が聞こえる。
[だまれ・・・私は正直本気で掛かっていたのに貴様は決着のつけ方に気を配れるほどの余裕があったと言いたいんでしょう!そうなんでしょう
!!]
「いや、あのそういうつもりじゃぁ・・・」
[うるさい!私の不敗伝説に傷つけて!なおかつここまでの手加減されて!・・・私は貴様を許さない・・・絶対に!私の手で!!殺してやる!
!!]
敵の回収部隊が黒揚羽の機体を回収して艦へと戻って行った。
「まさか切れられるとは・・・」
『確かにマスターにはデリカシーがありませんでしたね』
「ひどっ!?」
リク・ゼノラスの同盟軍との初陣の結果は女性エース、黒揚羽を撃墜。
両軍を揺るがすほどの結果だという事にいまだ本人は気付いていない。


708 名前: ヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 03:01:27 ID:RvbP8B+4
以上で二話終了です。
重力場レールガンはレールガンっぽいだけですのであしからず・・・
おまけで少し世界観の設定を公開

舞台

 西暦2040年、第四次世界大戦が二年目に突入している。
 十三年前に第三次世界大戦が終わったが、当時の日本が作った宇宙建造物の力が新たな戦争の火種となった。
 HBが開発された事で戦争は武装の換装の読みが重要になってきている。


世界地球主義連邦
 第三次世界大戦の宇宙建造物に危機感を持ち、人が宇宙に上がることを否定し始めた国の集まり。
 アメリカ・ロシアなどの大国のほかに小さな島国が加わっている。

宇宙開発同盟
 宇宙建造物のリスクを負ってでも宇宙の資源を求めている国の集まり。
 中国などの発展途上国をEUがまとめている。

南太平洋中立国家群
 オーストラリアおよび東南アジア付近の戦争をしたくない国家が集まった国家群
 強力な軍事力があるといわれていて領域内には入ると同時に攻撃される為、どんな国家になっているのかは不明
 一部では両軍のテクノロジーを手に入れているという噂もある

日本
 平和を提唱する憲法を翻して世界に戦争を挑んだ国。
 強大な技術力で戦争を有利に推し進めていたが、資源が不足して敗戦した。
 戦後は国家が解体されて様々な技術は世界に提示された。
 戦争を仕掛けた理由は不明。
 最終決戦で宇宙に巨大建造物を作り、そこから地球に攻撃を行ったことで世界に宇宙開発の否定派を作るきっかけになった。

JTC(ジャパン・テクノロジー・コーポレーション)
 第三次世界大戦時の敗戦国、日本の技術者による企業。
 宇宙開発同盟に協力している

HB(ヒューマン・バトロイド)
 JTCが開発した人型汎用兵器。
 様々な状況下に装備を変えるだけで対応できる汎用性から一般的な兵器となっている。
 様々なタイプがあり、大型、中型、小型の三つにさらに三区分されてサイズが決められている。
 小型一区分は十メートル以下、一区分上がるごとに二メートルずつサイズが変わる。大型三区分は二十六メートル越えなので十五メートル以

 上の大きさの差が出来る事がある
 換装により機体サイズや性能が細かく変わるため、素体を改良した機体が必然的に多くなる。
 場合によっては元の性能が高い機体が製作されて、エースの専用機になる事もある。
 そうなった場合は機体の名称とエースの通り名は同じものになる。
 エース機は性能特化型で、基本的に換装は出来ない事が多い。
 武装は実弾、レーザーの二種類に分類される
 実弾は重くて弾数制限があるが、使いやすい。
 レーザーはエネルギー切れを起こしやすいが、強力でエネルギーが切れるまで弾数制限もない。
 最新型にはAIが搭載されいるものもあるが戦闘時の情報処理の補助程度の効果しかない

強化孤児(チャイルド・アーミー)
 第三次世界大戦時に行われた孤児制度。
 孤児を一から教育して大量の兵士を作り出す方式、もしくはそうして作られた少年兵。
 終戦後、世界中から非難を受け、その制度は消えた。
 強化孤児は里親の所に行くか、軍人になるかの二択が迫られた為戦場にいるものも多い。


709 名前: ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 03:04:37 ID:RvbP8B+4
世界観と用語です
グラビレイトは小型三区分ですので十四メートル前後です


710 名前: ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 03:57:21 ID:RvbP8B+4
間違いがありました
704と705が逆です
すいません


711 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 12:13:15 ID:9dsud40k
>>710
 投下乙です! すみません、支援できませんでした。
 感想はしばしお待ちを……。

 そろそろ容量が危険域ですね……。


712 名前: 避難所から代理 [sage] 投稿日: 2010/08/30(月) 22:32:46 ID:6ck7wKDr
>>710
投下乙です! 二話目キタ―ヾ(≧▽≦)ノシ―!!
じっくり読ませて頂きます!

今現在規制されてる住人が多くて、雑談や投下が避難所中心になってますので、よろしければ避難所も覗いてくださいw
住人達はカオスの権化のような感じですが、気が向いたら雑談に参加してくれても……いいんですよ?(チラッ


713 名前: ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/08/31(火) 00:27:36 ID:+fOmgYZt
>>711-712
反応ありがとうございます
雑談参加したいんですけどね・・・
あのカオスの波に乗れるかどうかどうにも自信が・・・


714 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/31(火) 00:33:36 ID:qTEJhkJV
カオスの波っていうとなんかオサレで強そうだ


715 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/08/31(火) 04:41:22 ID:XVrXkDg2
 寝れないでござる! 全然寝れないでござる!

>>713
 君は波に乗ってもいいし、波を作ってもいい。
 このスレなら、話題を振れば誰か一人はノッてきますよw


716 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/01(水) 01:04:27 ID:wZKNkymW
test


717 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/01(水) 04:43:58 ID:zqF/QFWF
 本スレのみなさーん!
 避難所新スレですよー!

ロボット物SS総合スレin避難所19号機
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1283264490/


718 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/02(木) 04:44:01 ID:Bb2CTfv7
 相変わらず皆の規制は解除されず……。

 みんなー! 早く帰ってこーい! 本スレはいいところだぞー!


719 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/02(木) 11:24:14 ID:sGD9OuUe
ただいま!


720 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/02(木) 11:25:13 ID:sGD9OuUe
おお…帰ってこれたw


721 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/02(木) 11:28:55 ID:sGD9OuUe
まだやる事があるので、それを片付けたら、なんか喋ったり喋らなかったりしてみよう


722 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/02(木) 12:35:44 ID:sGD9OuUe
>>710
今更ながら投下乙です。
世界観や物語の雰囲気。艦の中や殺陣の臨場感とか、かなり好きな感じですが地の文が少し足りない気がしました。
冒頭部分や、シーンの切り替わり、何処で誰と、誰が喋っているのか、個人的にはちょっと分かり難い気もして、惜しいかなーと。
作品自体はかなり好きなので、◆BfO3GzMb/w氏の今後の活躍を期待しています。


723 名前: ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/09/02(木) 18:32:21 ID:ZEGRixLf
>>722
すみません初心者なもんで・・・

週末ぐらいに三話上げるために推敲頑張らねば・・・


724 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/02(木) 20:28:42 ID:sytbKY/9
>>723
自分も偉そうなことを言える立場じゃないので、お気になさらず。お互い、頑張りましょう!
本スレが過疎っている今だから、こそロボスレを◆BfO3GzMb/w氏色に染めるチャンスですよ!

三話の投下、楽しみにしていますね!


725 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 00:57:46 ID:jhbr1y2r
最近◆kNPkZ2h.ro作品の評価ってか好み具合が急上昇しすぎてマイベストが日本政府並に揺れ動いている。
元々ふわふわしてたけど。


726 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 01:00:51 ID:yactP4pH
>>725
Seirenes面白いですよね。今、特に投下を楽しみにしている作品の一つでもあります。
次回はヒーロータイム突入ですし、期待してます


727 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 01:04:23 ID:k/PFWTBM
 投下する時は容量に気をつけてね!


728 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 01:11:12 ID:yactP4pH
スレの要領って何KBまででしたっけ?


729 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 01:20:53 ID:k/PFWTBM
 501 KBですヨ。そしてテンプレの通り、ここは470 KBで次スレに移行します。
 そして現在は446 KB。つまりもう次スレは近いのさ!


730 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 01:27:10 ID:yactP4pH
投下するとしても、後一つか二つが限界ですかね。ラストを飾るのは誰だろう?
それにしても規制のせいで、今回はスレが物凄く長持ちしましたねw


731 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 04:23:58 ID:k/PFWTBM
 ですねー。
 2周年記念のお祭りは、できれば本スレでやりたかった……。


732 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 04:37:22 ID:qBcjJ9Cg
まぁあまりスレが更新し過ぎるとWiki管理人さんがログを取れないんじゃないのだろうかっていう
不安がある……。そこら辺詳しくないからあまりわからないんだけれども。


733 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 05:48:06 ID:k/PFWTBM
 ログ


734 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 05:50:44 ID:k/PFWTBM
 おうふ、途中で書き込んでしまった。

 ログについては管理人さんの力になれないなぁ……。


735 名前: ◆3C9TspRFnQ [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 21:25:10 ID:0NABVfXF
避難所がえらい勢いになってますねぇ…そんなんで本スレにひっそり投下。
手書きですが、うちの看板商品です。

http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/808/DA01.jpg

あと>>避難所450様、
覚えててくれて有難う。・゚・(つД`)・゚・。


736 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 21:39:59 ID:jyXFERQE
>>735
忘れるはずが無いじゃないですか! ツルギスタンの植民地政策や人身売買ブローカー。
自分が知らないだけかも知れませんが、ロボット物ではかなり珍しいんじゃないかなと思いつつ、楽しみに読ませて頂いてました。

そして、投下乙!
これがダイガストですか! 上半身のマッシブさと下半身のスポーティなデザインが良い感じに融和してカッコ良いじゃないですか!
キャラクターのイラスト、本編の投下と合わせて楽しみにしていますね!


737 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 21:52:02 ID:k/PFWTBM
>>735
 投下乙です!
 やだ……この胸に飛び込みたい……。
 しかしかなりのイケメンマッチョですね、彼w


738 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 21:56:09 ID:1/oqEHdR
test


739 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 22:00:19 ID:1/oqEHdR
解除キター!

>>735
投下乙です!
なにこれかっこいい……w想像してたのはもっと兵器っぽいゴツゴツした感じだったので、その分更にしびれましたw
ちなみに俺も続きを心待ちにしてる一人ですのでw


740 名前: 秋水 ◆3C9TspRFnQ [sage] 投稿日: 2010/09/03(金) 22:10:34 ID:0NABVfXF
ってよく見たらトリップだけじゃねぇか、俺!!
…えー、改めまして、>>735で投下しているのはダイガストでございます。

感想をいただいた皆様、有難うございます。
デザインがマッシヴだったり、人間フェイスだったりするのは、
『見る者に与える心理的影響を考慮に入れた』デザインに大江戸博士がしたからです。

その辺もおいおい、明かされてゆくのだと思います。
大江戸博士は黙ってられない人なので。


741 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 08:14:49 ID:MsK69iE4
>>735
ダイガストキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
堅牢さを指し示すシンプルなボックス系装甲とそれをくみ上げた逞しいフォルム、そしてバリ系のマッスルラインがスパイスになり――とにかくこれで地球勝つる!!



742 名前: ◆BfO3GzMb/w [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 15:11:44 ID:sop2f/aj
>>580
分厚い装甲がイイ!!
絵が描けるってやっぱりいいですね
画力が皆無なので羨ましいです

俺には駄文しか無いですし・・・
少しでも読みやすくせねば!
そして今日中に投下したい・・・まにあうかな?


743 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:26:30 ID:9G83BQaN
少女機甲録、随分久しぶりに投下します

容量は…ギリギリ間に合うかな…?


第5話

・前回までのあらすじ

「訓練に明け暮れる第28連隊第4中隊の少女達。
拙くチグハグながらも少しずつ、ゆっくりと成長を続けてゆく。
しかし、対ワーム戦争の刻一刻と変化する情勢は、
彼女達にこれまで通りの訓練と青春に明け暮れる日々を
与えてはくれないのだった……」

(ナレーションCV:若本・ぶるぁぁぁぁ!!・規夫)


744 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:28:23 ID:9G83BQaN
二日後

第4中隊が駐屯している高校のグラウンドに、自衛軍の車両が数台駐車していた。
2台は自衛軍制式の4輪の軽装甲車両(LAV)、1台は輸送トラックなのだが、珍しいものがそれらと共に並んでいた。
6輪の装甲車に砲塔が付いた、機動戦闘車両(WBV)、指揮通信車両(CCV)、そして小型無人偵察機(UAV)と
その発射ランチャーを荷台に積んだトラックである。

「あの機動戦闘車両、無人型だ…遠隔操作する”マリオネット”ってやつだよ、多分。
 UAVは砲兵の前進観測用機材…FFOSだね」

玲と二人で廊下を歩きながら、横目で並ぶ車両を見る麗美が呟く。
二人とも、陸上自衛軍のWAC用制服に制帽で整った姿で、襟には訓練生の階級章が縫い付けられていた。
麗美がそうだが、家族が自衛軍関係者なのが2名、軍事オタクが3名、第4中隊は兵器の名称をソラで言えるのが結構居る。
玲や由香里も、そんなに詳しいというほどでは無いが訓練で目にしたものや教本の写真に載っているものぐらいは知っている。
だから、さほど珍しそうな顔もしなかった。

「会議室」と書かれた空き教室の扉を開き、玲と麗美は中に入った。
既に室内には由香里と、自衛軍の幹部の制服と階級章をつけた数名、そして迷彩作業服で統制された第4中隊の女子全員が
整列して立っており、二人は由香里の隣まで歩いて止まると、幹部たちに向き直って直立不動の姿勢で敬礼をした。
それが終わると、由香里同様に不動の姿勢で「気をつけ」をする。

しばらく待つ。
基本的に、玲と麗美がやる事はあまり無い。
あくびをしない、身動ぎをしないでキリッと立っているだけだが、それを維持するのは退屈とはいえない労働だ。
やがて、事前の打ち合わせで決められた時間どおりに由香里が式進行を始める。

「連隊長挨拶、連隊長野礼寺1佐登壇」

新たに会議室には言った着たのは自衛軍1佐の階級章を制服につけた、壮年の男性だった。
男性が敬礼をし、玲・麗美・由香里、そして幹部たちも敬礼を返す。
そして整列している第4中隊の正面ほぼ中央列に相対する位置まで歩いて、向き直った。

数秒、間が空く。
気付いた玲が隣の麗美を肘で小突くと、思い出した麗美は慌てて中隊員の前まで進み、回れ右をして連隊長に向き直った。

「れ、連隊長にたーいし、敬礼!」



745 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:30:31 ID:9G83BQaN
掛け声と共に、麗美と中隊員全員が連隊長に敬礼を行う。
事前に何度も練習したにも拘らず、敬礼の動作は揃っておらず割とバラバラでタイミングがずれていた。
幹部たちは苦笑し、玲と由香里は「ダメだこりゃ…」「こいつらは…」と恥ずかしくなり、
麗美は中隊長らしく振舞おうと顔を紅潮させていて、連隊長は笑いもせず静かに敬礼を返し、敬礼の姿勢のまま左右に顔を向ける。
「直れ!」の掛け声で元の姿勢に戻る時も、やはりバラバラだった。
唯一、麗美の敬礼動作だけが綺麗な形でビシっと決まっていたのが、中隊長の面目をどうにか保っていた。

「連隊長訓示。 指揮者のみの敬礼」

とくにやり直しなどされる事はなく、由香里の式進行は続く。
麗美と連隊長が敬礼を交わし、終わると麗美と連隊長の目が合った。

(初李のお父さんだ…)

玲たちは口には出さなかったが、ほぼ同じ事を思った。 初李は特に感慨も無さそうな表情をしている。
初李の父親が自衛軍の幹部であり、玲たちが所属する第4中隊の上部部隊の第28連隊の連隊長であることは前もって知っていた。
自衛軍の連隊の編成は、「大隊」を抜かして中隊の上がすぐ連隊になっているため、中隊長の麗美にはこの連隊長が直接の上官となる。
だが、麗美も玲も連隊長にこうして会うのは初めてだった。
これまでは、部隊の完結式にもなにかの命令が下されるときも、連隊長は多忙で不在という理由で代理が遣わされてきたのだ。
今回、連隊長がこうして出向くのは何かの命令…おそらくは本格的な、第4中隊の実戦参加が伝達されるものだというのは想像できる。
それゆえに、玲や由香里にも緊張が走った。 麗美に至っては既に汗をかき始めている。
野礼寺連隊長はそんな彼女らの様子に、口元にほんの少しだけ微笑を浮かべた。


「第28連隊隷下、第4中隊は本日付で、北斗市防衛線久根別区における敵浸透部隊の進攻阻止、遊撃任務を正式に任ずる事となった。
第4中隊は人員、装備共に戦闘行為を持続するに足る状態に無いが、まことに遺憾ながら自衛軍はこの任を君達に要求せざるを得ない。
第4中隊には粉骨砕身、必勝の信念でもってこれに当たってもらいたい…」

そこまで言って、野礼寺連隊長は厳しい面持ちの玲たちの顔を見回し、フッと笑う。

「怖いか? 戦いたくないなら、拒否しても構わないよ。 どうせ、この命令も形式的なものだ。
定数に満たない中隊を投入しても、何の役にも立たないし、そもそもまともな命令ではない。
君たちの様な女子を、戦線に投入しようなどというのはな」

一瞬、虚を突かれた様な表情になる麗美、玲。 眉根をひそめる由香里。
中隊員は戸惑いの声を出してざわめき、自衛軍幹部たちはどこか諦めの付いたような微妙な表情を浮かべる。
思わず、玲は口に出していた。

「…それはどういう事ですか?」



746 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:32:35 ID:9G83BQaN
「言ったとおりの意味だ。 誰も、君達に戦争をすることを、まして死ぬ事を要求していないし望みもしない。
女子供が参加する戦争など、あってはならない。
君たち第4中隊は、今までどおり訓練と待機をしていて貰っても全く構わない。
どのみち、二個分隊程度の人員では戦力として期待しては居ないのだからね。
書類上は中隊になっており、自衛軍の方面隊総監に提出している書類も、人員を他の中隊に引き抜いた事は記載していない。
実は『4個中隊が存在している』という事にしないと、今度は方面隊が中央に報告する時に困るんだ。
「函館戦線は崩壊寸前です」、などという事をまだ発表するわけにはいかなくてね…おかげで苦しい戦いを強いられている。
その分の物資補充は書類記載どおりに廻して貰っているがね。

だから、君たちがたった14名の中隊である事も、戦闘に参加していない事も、誰も知らない。
いや、君たちだけではない。 志願学生兵士のうち、女子と1・2年生の男子は非戦闘職種か後方任務にしか従事させていない。
訓練未了の学生を、無駄死にさせるわけにはいかないし、正規の兵士に学生兵士のカバーをさせるわけにもいかない。
それは君たちも同じだ。 君たちが死ぬ必要は無い」

玲は少なからず動揺した。 それは思いもかけない言葉だったからだ。
これまで、いつかは出撃命令が下され、自分たちも戦闘に借り出されるときが来るだろうと思って訓練に明け暮れていたのが、
逆に、戦わなくてもいいと言われるなど、思っても見ないことだったからだ。

「それは…!」

玲が思わず大きな声で連隊長に何か言おうと声を出しかけた時、別の声がそれを遮った。

「ふざけないで!!」

玲、由香里、自衛軍幹部たち、そして中隊全員がその声の主、麗美に一斉に顔を向け、注目した。
普段の麗美を知る中隊の少女たちには、少なからず驚愕していた。
麗美はあろうことか、野礼寺中隊長、一佐という遥か上の階級の、目上の人に対して怒鳴りつけたのだ。
それも、怒りを含んだ強い調子で。

「私たちは、遊びでこんな所に来たんじゃない! 自分から戦うために来た子だっているし、周りに言われて無理やり来させられた子だっている!
でも、軍隊なんて入りたくて入ったわけじゃない! 戦いたくて戦うんじゃない!
戦わなきゃいけないから、他にどうしようもないから、戦うって覚悟を決めて、今まで訓練してきたんだ!
それを、今更戦わなくていい何て言うなら、戦うのは大人の仕事だとか言うなら、最初から私たちみたいな子供なんかを戦争させるために集めるな!!」



747 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:34:41 ID:9G83BQaN
野礼寺連隊長は、無言で麗美に正対したままその言葉を受け止めていた。
玲たちは、唖然として、目じりに涙をうっすらと浮かべながら叫ぶ麗美の姿を見つめていた。
中隊長の仕事なんかできない、とめそめそ泣いていた麗美が、こんな事を、よりによって連隊長なんて「偉い人」に
こんな風に声を荒げるとは信じられなかった。

そして、麗美は振り返って中隊全員の方を見回すと、言った。

「私が決めちゃうけど、いいよね?」

玲と由香里の方にも視線を向けて、確認するようにした後、返事が帰ってくる前に麗美はまた野礼寺連隊長に向き直り、
直立不動の姿勢からピシっとした敬礼動作をすると、大きな声で宣言した。

「第4中隊は命令を受領しました! 本日をもって、敵部隊の侵攻阻止の任務に付きます!!」

それを聞いて、野礼寺連隊長は口の端をやや笑うような形に曲げた。





「……一時はどうなる事かと思ったけれど」

30分後、一同は解散し普段の教室に一度戻ってきていた。
玲と由香里は幹部たちから引き続き、新しい装備の引渡しと説明があると言うので会議室に残っている。
面倒くさいお偉いさんとのご対面が終わったので、前述二名を抜かした中隊全員が緊張の糸がほぐれて教室内でそれぞれリラックスしていた。

「でもさあ……まさか麗美がああいう事を言うなんて思っても見なかったよねえ?」

最初に口に出したのは理玖瑠だ。
席に座って少々だらしなく頬杖を付いた姿勢で、前の席の美鈴や隣の席に腰掛ける真璃に話しかける。
しゃがんで真璃の机にあごを乗せていた翠がそれに同意する。

「まあねえ、言ったら悪いけど、普段のアレ見てると、いざ出撃、本番ってなってもオロオロしてるようなのしか想像できなかったね。
ある意味、物凄い意外だったよ」

笑ってそう言う翠に目を向けながら、真璃は背もたれに体重を預けて頭の後ろで指を組んで言う。

「……意外といえば、自衛軍の偉い連隊長さまがあんな事言い出すなんてのも凄い意外だったな。
戦わなくていい、なんてさあ……? まあ言ってる事は正論だけどさ。
私たちみたいなじょしこーせーが戦争するなんて事そのものが、元からおかしいんだし。
でも、ちょっと惜しかったかな。 お言葉どおりに拒否してれば、このまま『軍隊ごっこ』続けていられたかもしれないってのは」


748 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:36:52 ID:9G83BQaN
「うう……みんなごめん……私が勝手にあんな事言っちゃって……」

それを聞いてWAC制服(普段の女子学生服に着替えていない)の裾を両手でぎゅっと握り締めながら麗美が
泣きそうな顔になって、申し訳無さそうな声で呟いた。
麗美自身は、さっきはつい、野礼寺連隊長の、少女たちを志願させておいた自衛軍としてはあまりに無責任といえば無責任な
『今更』な発言に対しての憤りと勢いであんな事を言ってしまったのだが、冷静になってから考えると
命令を拒否して待機状態を続けていた方が良かった者も、中隊の中には少なく無いだろうと気が付いたのだ。
いや、少なく無いというより、むしろ過半数が「戦いたくない」派であろう。
積極的に軍隊の一員になってワームと戦いたいと望んでいるのは、この教室内では散乃と麗美自身、あとはこの場に居ない玲ぐらい。
戦争する事になってもさほど拒否感が無いのは元々軍事や国防に関心が高かったり、そういう家庭環境で影響を受けた真璃や有理、翠、初李ぐらいである。

「確かに、さっきの麗美の発言はあまりいいものではなかった。 むしろ、あの人に乗せられた感じがあるわね」

穏やかな、しかし少し冷淡な口調でそう呟くのは窓際の席に腰掛けて『軍事研究』を読んでいた初李だ。
彼女は視線は手に持って開いた本に向けながら、自分の父親でもある野礼寺連隊長を「あの人」と呼んだ。

「あれは、私たちを自分から戦争に参加させるために、わざとあんな事を言ったのよ。
私たちは今まで、ろくな教官も機材もないにせよ、曲がりなりにも軍隊としての訓練を受けさせられてきた。
なのにいざ、という時になって「本当は戦わなくてもいい」なんて言われたら、望んで軍隊に志願した子もそうでない子も、
自分が今までやってきたことはなんだったのか?、なんて思うのが心理という物でしょ?
今までやってきたことを無駄にしたくない、無駄だった事にされたくないという思いと、
麗美が言った様に、『今更なにを言うんだ』って思いが生じるから、そこは意地でも戦ってやるって言う風に考えちゃう。
あの人はそういう所をついて、私たちの誰かがそんな風に言い出してくれる事を狙って、あんな事を言ったのよ、おそらくね」

それを聞いて、「乗せられた」当人である麗美がますます泣き出しそうな顔になって小さくなる。
要するに、全部野礼寺連隊長の掌の上だったというわけだ。
望んで戦う者でも、いざ実戦、となると怖気づく事は少なくない。
そういう時に、命令されて強制されることではなく、自分から望んで挑んだ事だ、という風に誘導してやれば後から文句は出にくい。
初李が「あの人」と呼ぶ彼女の父親の目論みは、つまりは麗美みたいな、乗せられる生徒を出す事で
戦う事を学生兵士自身の意思で決めさせる方向に上手く持って行かせることなのだ。

「……でも、まあ、そうね。 麗美が言わなきゃ玲か由香里辺りが言ってた事かも知れないし。
あの二人が言うよりは、麗美が言ってくれてた事で結果的には良かったのかもしれないわね。
この中で一番の泣き虫で皆からからかわれてた麗美でさえ、ワームと本当に『戦争』することに覚悟を決めてるっていうんなら
自分だけ戦いたくないとか逃げたいとか思うなんて、恥ずかしくて出来ないもの」



749 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:40:09 ID:9G83BQaN
初李は本に向けていた視線をちょっとだけ上に向けて、少し考えるようにしながらもそんな事を言った。
そして、勝手に突っ走って独断でワームと戦う命令を受諾してしまった責任を感じて俯き加減だった麗美も顔を上げ、初李を見る。
初李は麗美と視線を合わせると、優しく笑った。
咲也も麗美の側によって、その肩にそっと優しく手を置く。

「大丈夫ですよ。 麗美が、私たちの中隊長がそう決めた事なんですから、『部下』の私たちはそれに従う義務があります。
麗美が率先して戦うと決めたのだから、皆付いていきますし、皆で全力でサポートしますから」

真璃も立ち上がってゆっくり麗美の方に歩みを進め、手を伸ばしてその頭をくしゃくしゃと撫で付ける。

「しょうがねーな、初李の言うとおり、中隊長様が戦うって言うんなら私たちだけ戦わないでサボるってのもできないし。
まあ私たちも頑張るからさ、麗美も頑張って一人前の指揮官になれよな?」

さらに散乃が駆け寄ってきて、麗美の背中をバシバシ叩いた。

「あたしよくわかんないけど、麗美のこと見直したよ! 凄くかっこよかった!
本番になったらワームをいっぱいやっつけて、あたしと一緒にダブルエース目指させてあげる!!
あたいがミハエル・ヴィットマンで麗美がオットー・カリウスね!!」

「痛ったい!! あんたよく欧州戦線のエースパイロットの名前なんか知ってるわね……」

麗美が目じりに涙を浮かべながら散乃に反撃のヘッドロックをかまそうとすると、今度は理玖瑠、美鈴、翠らが
やって来て麗美の肩や背中やわき腹を軽く叩いた。

「まあ私らは整備班だけど、裏方として精一杯の事はやるよ。 麗美の89式は特に念入りに整備と洗車するようにする」

「できれば皆が死なないような作戦とかをお願いします、と」

「中隊長が一人前に一歩近づいたお祝いに、中隊長の89式にドリル付けようよドリル! あと頭にツノとか!」

「ドリルとかツノってガンダムやグレンラガンじゃないんだから……ぶひゃっ!? ちょっといまわき腹小突いたの誰!?」

励まされると同時に弄られまくっている麗美の姿を側で見守りながら、留美と大が呟く。

「…麗美ちゃんって、あれで割と皆に慕われてるというか、可愛がられてるよね。
なんていうか、麗美ちゃんのあの発言で、空気が変わった気がする」

「そうだねー。 中隊長っていうよりマスコットに見えるけど、でも、なんていうか……
頼りないし、上手く行かない事があるとすぐ泣くし、空回りしてる事が多いけど、みんな麗美を助けてあげたいって思うんだよね」



750 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:43:09 ID:9G83BQaN
麗美の能力的な面での評価はあまり高くない。
実際、今まで中隊の誰もが麗美の言う事なんか聞かないし、辛辣な評価をしてきた。
実務の面でも人身掌握の面でも、怖がられて言う事を聞かせられる玲や、気配りができている由香里、あるいは早苗の方が上である。
しかし、かと言って別に麗美は悪く思われているわけではない。 むしろ、親しまれている。

「そういうの、なんていうのかな? カリスマ?」

「そうなのかー?」

そこへ真璃が割って入り、二人の肩に後ろから腕を回す。
三人の少女の顔が団子のように並んだ。

「麗美のはカリスマかどうかは判らないけどな、指揮官には兵の将と将の将ってのが居てな。
自分で能力を示して兵卒を引っ張っていくのが兵の将、まあ、最低でも小隊長クラスだな。
で、能力は大した事無いけど、周りの連中に、この人は自分らが支えてやらないとダメだ、って感じで
率先して働くように出来るのが、将の将…」

「漢の高祖劉邦を、その将軍韓信が、自分と劉邦の性質や器量の違いを表現するのに使った言葉ね
まあ、麗美が将の将と言えるとは思えないけど、劉邦も麗美も自分ひとりじゃ何も出来ない人間って
周囲に思われてるのは共通点かもしれない」

薀蓄を騙り始める真璃にさらに横から割って入ったのは有理だった。
有理は真璃や初李と軍事や兵器の話題で趣味が合うが、本分はどちらかと言うと歴史(戦史)オタである。
なので、こういう話には結構食いついてくる。
が、大と留美にとっては、

「…カンってどこの地方のことですか?」

「…難しくてよくわからない。 兵の将と将の将って結局同じじゃないのかー? 指揮官でしょ?」

それらの薀蓄語りはあんまり意味がなかったようで、有理と真璃は顔を見合わせて、ガックリと項垂れた。
……ゆとり教育ここに極まれり。 ワームとの戦争が激化して以来、社会に与えた影響は少なくない。
教職員の手も足りなくなり学校教育の水準維持に限界を感じ始めていた文部科学省は、従来の詰め込み式教育から
方針を切り替えて、教科書や試験の内容を簡略化し学校や教師の負担が少なくなる様にした新プログラムを導入していたが、
同時に色んなところで弊害も起きていたようだ。

「泉沢さん、漢というのは昔の中国にあった国の名前ですよ?」

早苗がやって来て、親切にも補足を入れてくれたが、大と留美は顔を見合わせてキョトン、とし。

「……中国大陸って人が住んでいないんじゃなかったんですか? 大昔にワームに占領されたって習ったけど」

「中国って大陸の事だったの? そうなのかー……」

「あの……ワームが現われる前の中国大陸というか、ユーラシア大陸の中央からこっち側は普通に人が住んでいましたよ?
というか、私たちが使っている漢字って、その中国から伝来したものなんですけど……」



751 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:46:46 ID:MsK69iE4
 


752 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:48:38 ID:9G83BQaN
これには早苗もガックリと来て、項垂れながら解説をするしかなかった。
真璃・有理・早苗は中隊内の個々の学力レベルに相当な開きがあるような気もしてきて、どんよりとした表情で顔を見合わせる。
留美や散乃があんまり頭が良くないのは知って居たが、大ちゃんまでもとなると、中隊内の他の子らのレベルも急に不安になってくる。
ふと、三人は少し嫌な事に思い当たった。

「ねえ真璃……麗美はここまで酷くは無い……よね?」

「私に訊くなよ……仮にそうだったとしてもさ、ほら、玲と由香里が居るし……私らとか初李とかで教えるって手もあるし……」

「さすがに麗美さんはここまで不自由とはおもいませんけど……」

ただのバカなら、無知ならいい。 知らない事は教えて身につけさせれば解決する。
問題はまともな平均水準以上の思考能力や想像力があるかどうかである。
頭を使って勉強した経験の少ないゆとり世代は、脳みそを使う上で大事な部分、肝心な部分が致命的に欠落している例が多いのだ。
部隊を率いる中隊長がそれでは、はっきり言って洒落にならない。
麗美が精神的にお子様で頼りない子だと言う事は全員が承知している。
しかし、麗美が『ゆとり』であるかどうかは、誰も知らないというか、確認していなかった。
なんとなく、早まったかもしれない……という空気が漂う。

そんな空気の流れを断ち切って、教室の扉を開けて玲と由香里が入ってきた。

「騒がしいわね、廊下まで響いてるよ? みんなちゃんと揃ってるー? ……というか何やってたのよ、あんたたち」

玲が揉みくちゃにされている麗美と女子たちをジト目で見ながら言うと、由香里がパンパンと手を叩いて指示を出す。

「はい、受領した新装備と弾薬の説明があるから、整備班は遊んでないで作業服に着替えて、10分後に校庭に集合。
あと、砲兵班の真璃と初李も来てね? 簡単な口頭説明だけだから」






「やっぱりこれ、私たち用の新装備だったんだね?」

「そうね……人員が増えないならせめて、少しでも良い装備をって配慮のつもりなんでしょうね。 あの人の考えそうな事だわ」

無人型機動戦闘車両の前に並んで立つ麗美と初李が、105ミリ砲を装備した車体に不釣合いな砲塔を見上げながら言葉を交わす。
その砲塔によじ登っているのは有理と翠だ。
結局、整備班だけでなく全員が校庭に集まってきていたため、他の何人かもその新装備に興味を示して
前部や後部を見て回ったり、巨大なタイヤの直径を計ってみたりと、新しい玩具を与えられた子供の様な状態になっている。
有理は、砲塔上部の搭乗用ハッチを開いて車内に体を滑り込ませた。



753 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:50:59 ID:9G83BQaN
「……無人型って言っても、一応人間が乗って操作できるようになってるのね」

「そりゃまあ、第4世代AI搭載型だけどさ、AIが壊れたら動かせないんじゃ冗長性が無いし。
元々車両類の人員省略化がAIの開発意義だからね。
砲手と操縦手無しで車長だけの状態で操縦から射撃まで、AIの補助で一人で全部できるよ。
その上で、AI制御で完全無人での作戦行動もさせられるし、人が乗らないときはあっちの指揮通信車から
遠隔で指示出すだけだから私たちみたいな人員が足りない部隊でも充分使えるよ」

ハッチから逆さまになった頭だけを車内に突っ込んで翠が解説する。
有理は、それだけ知ってるなら由香里の解説いらないんじゃないの?と軽口を叩きながら車長席に備え付けてあるAIの入出力用ディスプレイをオンにした。
同時に、休眠状態になって言った機動戦闘車のAIが起動する。

『JGSDF 日本国陸上自衛軍 防衛省技術研究部

戦術無人戦闘車両制御用OS/AI ”上海” Ver1.09』

ディスプレイには陸上自衛軍のロゴとともに文章列が表示され、それを読んだ有理は訝しげな表情をした。

「上海(しゃんはい)……?」

「AIを開発したの、中国からの亡命帰化技術者らしいよ。 まあ中国というか、台湾の人。
車体は純国産で、砲はドイツの設計だから、まあ三ヶ国の技術の集大成ってわけだね」

翠がすかさず解説を入れる。 が、有理はふーん、と聞き流した。
有理はソフトウェア方面には興味があるが、ハード面とかスペックとかに付いては割とどうでもいい。

「素直に言う事を聞いてくれるいい子なら、どこ製でも構わないわ」

そう言いながら、有理はタッチパネル式のディスプレイを操作して、機動戦闘車の各種ステータスをチェックし始めていた。






754 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:51:16 ID:MsK69iE4
 


755 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 18:59:33 ID:MsK69iE4
 


756 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:00:24 ID:9G83BQaN
「……で、こっちのランチャー射出式のUAVが、82式用の装備。 肩に取り付けて、ロケットモーターで加速・飛翔。
あとは指定した区域を自動で旋回して、観測情報を送ってくれるの。
滞空持続時間は最大4時間で、回収する時は専用のネットを張って、それに突っ込ませる方式。
ユニオン陸軍も同型のを使ってるけど、『ドローン』って愛称で呼ばれてるわね」

「うちで使うのはもっと可愛い愛称がいいな」

由香里の解説を受けながら、真璃がUAVの全周探索カメラのレンズを覗き込んで言った。
ドローンは端末とか働き蜂とかいう意味だが、響きが無機質で味気が無い。
すると、近くに寄ってきていた初李がUAVの可変展開式の姿勢安定翼を指で引っ張って開かせながら提案した。

「じゃあ、『リトルデビル』っていうのはどう? 翼の形がなんとなく悪魔っぽいし」

「……それ可愛いのか?」

「可愛くないの?」

真璃と初李はお互い顔を見合わせながら10秒くらい睨めっこをしていたが、やがて、真璃の方が根負けした、
というか他に代案も無かったので初李の提案に同意する形になった。

「結局、可愛いと思うセンスは人それぞれだしなあ……」




「で……具体的にあんた、どうすんのよ? 戦うって言っても何の目算も準備もなしに、戦えるものじゃないのよ?
そこは解ってる?」

「玲こそ、どうなの? 今まで何の考えもなしに、私たちに何度も何度もシミュレーションさせたり、
それぞれの動く癖や適性を入念にチェックしていたわけじゃないんでしょ?」

中隊のそれぞれが新装備の物珍しさに注目している頃、指揮通信車の後部ハッチの陰に玲と麗美が立って話していた。
ついにと言うべきか、連隊長直々の実戦参加命令が来たのだ。
玲は前々から覚悟していた事であり、そのための準備や対策を由香里に助けられながら進めてきた事ではある。
だが、麗美はそうではない。 確かにここ数日間の麗美の訓練の熱心さは、評価に値するものがあり、それなりの成果も見られる。
少しずつ、一人の兵士として自信が付いてきたというのはあるだろう。
しかし、麗美の「実戦に挑む覚悟」というものは、ごく短期間で醸成されはじめたばかりの、まだ芽を出し始めた程度のものでしか無い。
つい乗せられて、勢いで「戦います」なんて言ってしまった程度のものでは、指揮官としての覚悟もまだ固まっていない。
だから、当分実質的に中隊を取り仕切るのは、継続して玲と由香里に一任されるだろう。
そして実際、麗美は玲や由香里が考えてくれるから、なんとかなるだろうと思ってる節は見受けられる。



757 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:04:03 ID:MsK69iE4
 


758 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:07:35 ID:9G83BQaN
しかし、それではいけない、と玲は思う。 
玲は隊を運用する上で、役職を任せられる人員が少ない事に一番頭を悩ませている。
自分と由香里だけで隊の戦闘班と整備・支援班を動かす今の体制は、全くこの二人の能力だけに頼った脆いものだ。
仮にどちらかが欠けても、残った方の負担は大きくなるが、なんとか隊をまとめていく事はできるだろう。
では、残った一人も潰れてしまった時は? 何らかの理由で指揮が出来ない状態に陥った時は?
隊長と、そのサブを勤める副隊長がいるだけではダメなのだ。
軍隊には冗長性がなくてはいけない。 何処かの部品が欠けても、別の予備部品があればすぐに体勢を立て直せる。
例えば、正規の軍隊では士官が戦死しても、下士官が士官の代行として指揮を取る教育を受けているので戦闘を継続できのだ。
そして指揮を引き継いだ下士官が戦死しても、その次の指揮官が……という風に、指揮官がいなくなって兵卒が統率を乱す事は起こりにくいようになっている。
普段は補佐に徹し、いざという時は指揮官の代用になる予備部品……その役目を果たす人員は多ければ多いほどいい。
そのほうが、容易には崩れずしぶとく戦い、生き残る事が出来るからだ。

麗美は、その点では平時を任せられる良い指揮官であるとは到底言えない。
だが、少なくとも玲や由香里が指揮を出来なくなった時の、最低限の「予備」を果たせるくらいには、成長してもらわないと困る。

「基本の戦い方は今までのシミュレーションで叩き込んだ通り。 あれを守ってれば、そうそう負ける事は無いでしょうね。
ただ、皆が命令どおりに動いてくれるかが問題なのよ。 前みたいに、味方が射線上にまだいるのに射撃開始したり、とか」

「……うう。 いつまでもそれ引き摺んないでよ! 私だってちゃんと勉強してるんだから」

いつぞやのシミュレーションの結果を持ち出されて、麗美がまた泣きそうな顔になる。
はあ、とため息をつく玲は、麗美の指揮官としての資質に多いな疑問を持っていた。
どんなに訓練を繰り返しても、頼りない、というのは未だに大きい。

「ま、敵の数がこっちの戦力じゃ対処しきれないくらいの多数だったりして、退却しなきゃならない時以外はなんとかなるでしょうけどね。
次から、退却時の基本も訓練しなきゃならない頃かしら。
一応聞くけどあんた、敵の優勢下で味方の損害を極力抑えながら後方陣地に下がる時の基本はどうなのか、わかる?」

玲はあまり期待せずに質問した。
日ごろの座学でもシミュレーションでもまだやっていない部分であるが、これまでの戦闘の基本をしっかり理解していれば
正解できなくも無い程度の問題ではある。
が、麗美は割と平然と答えを口にした。

「そんなの、機動防御でしょ? 玲と咲也がいつもやってるやつ。
隊を半分ずつにわけて、片方が敵を撃ってる間に片方が下がって、下がったら撃って、前に残ってる方が下がるのを助ける。
あるいは、砲兵班を先に下げて、砲兵…真璃と初李が後方から制圧射撃を行っている間に私たち歩兵と騎兵が下がる。
そうやって下がった歩兵が、前もって用意していた後方陣地に伏せて、進撃してくる敵を待ち伏せ攻撃。
あとはそれを繰り返す……合ってる?」

「……なんであんたがカトゥコフの戦術を知ってんの!?」



759 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:13:33 ID:MsK69iE4
 


760 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:14:47 ID:9G83BQaN
玲は最初、口をあんぐりと開けて呆然としていたが、やがて驚愕の表情で叫んだ。
麗美の回答の前半部は、「今まで教えてきた戦闘の基本の応用」である。 ここまでは普通に及第点だ。
そして後半部は、大陸戦の社会主義連邦の「大祖国戦争」にてカトゥコフ少将がワームを葬るのに多用した戦術の応用である。

「なんでって……前の学校の教科書に乗ってたよ。 私は欧州戦線と東部戦線のところまでしかやってないけど」

「どこの高校の教科書に戦史なんか載せてる教科があんのよ!? そんなの、防衛大学校ぐらい……」

と、そこまで口にして、玲ははたと思い当たる事に気が付いた。
日本国内の普通科高校でも技術系高校でも、ふつう、軍事や戦史に関して教える学校なんて無い。
大学も同様である。 ただ一つを除いて。
玲は、その疑いを麗美に質問した。 まさか、とは思いながら。

「麗美、あんた……もしかして防大付属高等工科学校の生徒だった?」

「そうだよ? 私、こう見えて将来の士官候補生なんだよ。 身分も2等陸士だし」

防大付属高等工科学校は旧陸軍幼年学校・旧陸軍士官学校の流れを汲む、青少年を専門教育する事によって
将来の自衛軍の中枢を担う優秀な人材を育成する高等教育機関であり、卒業者はそのまま防衛大学にエスカレーターで進学する。
あるいは、卒業後に3等陸曹となって、そのまま陸上自衛軍に入隊する。
簡単に説明すると、最初からある程度の士官教育を受けて軍に入隊するエリート養成学校なのである。
麗美はそこの生徒だったのだ。

この発覚した新事実に、玲は道理で、敬礼は綺麗なしっかりした動作だし、制服の着方も決まっているわけだ……と
今更ながら得心がいった。
麗美がなぜ、玲や由香里から遅れて入ってきたのに中隊長なんかを任命されているのかといえば、彼女が
曲りなり・中途とはいえども正規の士官教育を受けた事がある唯一の生徒だったからだ。
しかし、それはそれで、玲は疑問を憶える。

「……じゃあなんで、あんたあんなにダメなのよ?」

「だ、ダメって酷いよ! そりゃ、私まだちゃんと指揮官らしいこと何にもわかんないけど……。
だって、まだ教科でならって無い部分ばっかりだったし、小銃だって分解整備と射撃予習はやったけど、実弾撃ったの
こっちに来てからが初めてだったし、それに、いきなり機士の実機動かさせたり戦闘シミュレーター乗せたりするし……。
玲の訓練教育が無茶苦茶なんだよ!
最初、機士の種別と役割だけ簡単に説明して、それですぐに戦闘訓練始めちゃうからみんな、自分に当てられた役割が
わかんなくて、戸惑ったり、好き勝手に行動しちゃうし!
私はいきなり指揮官なんかやらされたから、焦ってどうしたらいいか判らないし……。
私も皆もまだちゃんと基本を押さえてないのに、一人前の事をやらせようとするから、玲はみんなに嫌われてるんだよ?」



761 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:19:21 ID:9G83BQaN
麗美はそのように反論した。 実際麗美には自分がかなりダメな事は自覚できている。
が、由香里にも以前に度々指摘されたことがあるように、今の玲の訓練計画は結構無理があるのも事実だ。
それは玲もわかっててやっている事ではあるが、改めて指摘されると反論の仕様が無いのは認めざるを得ない。

「そりゃあ、促成だものね……それに、私や由香里もちゃんとした教官のやり方なんて出来ないし。
元々訓練に割ける時間の余裕はなかったけど、いよいよもって足りなくなってきた」

「そこは、私もわかってるよ。 連隊長は『学生兵士は前線に出してない』って言うけどさ、あれって半分嘘でしょ?
そもそもさ、軍隊に属した時点で、後方だからって安全じゃあないんだし、どっかで学生兵士に戦闘を命令してる部分はあると思うよ。
今朝みたいに私が乗せられた様にさ、志願って建前で、子供まで投入しなきゃならない状態まで逼迫してる。
現在の学生兵士の制度も一応志願制度だけどさ、そのうち事実上の徴兵制になるのは確実だと思うね。
……その前に、大人の徴兵制が来る、あるいはもう設立が進められてるんだろうけど。

私たちに教官が付けられないのって、つまりそういう事なんじゃないの? いろんな意味で私たちは捨て駒。
子供ですら志願して戦場に行くって言うのに、大人は志願しないのかって風潮を作って、
大人による民兵や義勇兵制度を整えて、そっちに本命の教官や訓練機材を揃えて、力を入れて兵士教育をする。
そういうやり口ってさ、戦前からこの国は変わってないじゃない? 絶対そうすると思うんだよね。
……どうしたの、玲?」

玲は、すこし呆然としながら麗美の紡ぐその推測に似た言葉を聞いていた。
麗美はそれを、どうしたの?と不思議そうな顔で見返す。
何か変なことを言ったのだろうか?と麗美は不安になったが、玲はそうではなかった。
むしろ麗美の状況分析は的確で、玲でも気付いていなかった部分に考えが及んでいるのに驚かされたのだ。
そう、最初のうちは玲たちのような学生兵士の志願は、世論を志願兵応募に動かすためのダミーとしての計画だったのだろう。
人類同士の大戦が終わって後、日本は旧軍を自衛軍に改編すると同時に旧来の徴兵制を廃止した。
徴兵制度は国力から若い労働力や壮年の熟練技術者を軍事力に奪う、諸刃の剣だ。
加えて、徴兵された兵士が全員、戦う意欲、高い士気を持っているとは限らない。
嫌々ながら兵役に就かされる者も少なくないからだ。
加えて、徴兵制度による任期兵役では、任期が満了すればどんな経験を積んだ優秀な兵士でも軍を去ってしまう。
職業軍人としてそのまま軍に残ってくれるものも居るが、少数だ。

それよりは、最初から軍に入る意欲を持った者だけを入隊させ訓練できる志願制度の方がメリットがある。
しかし、現在のワームとの戦いが劣勢になっている状態では、国家の総力を戦争に投入した総力戦にならざるを得ず、
そのためにはリソースを軍事力につぎ込める効率で徴兵制度の方がいい。
だが、既に徴兵制度を廃止して新しい体制が定着してしまっているので、再度徴兵制といっても国民は素直に応じないだろう。
……そこで、国の現状を憂いた勇敢な学生が志願して自ら戦場に赴くという学生兵士をまず募り、
子供に戦争をさせるくらいなら大人が、という論調を国民に浸透させる政治工作を行ったのだ。
良くも悪くもお人よしで、美談に弱く付和雷同する性格の強いのがこの国の国民性だ。
古くは幕末のころに、同じような手段が使われた事も二度や三度ではない。
ありうるべき事だった。



762 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:20:32 ID:MsK69iE4
 


763 名前: 少女機甲録 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:22:05 ID:/CWij+wZ
「……あんたがそこに気付くとは思ってなかったのよ。 結構状況を読む能力があるんじゃない。
これからは中隊長どのに対する評価を改めなくちゃ行けないわね? うちで唯一、士官教育を受けた事のある
エリート様なのも判明したし」

「ふふん、見直した?」

玲が素直にそう誉めると、麗美はニッコリ笑って胸を張った。
が、次の一言で再び叩きのめされた。

「それじゃ、明日からは幹部教育向けの高難易度な訓練を組んで上げるから。
はやく一人前の中隊長になって、私や由香里に楽をさせてくれないとね? 期待してるわよ、士官候補生さん?」

「うぐっ……! 墓穴を掘った……。 うー、やっぱり前の学校の事は言わなきゃ良かった……!!」

その場にしゃがんで両手で頭を抱える麗美を、玲は微笑ましく思った。
防大付属校に入学できるということは、麗美はこれでもかなり学力偏差値の高い少女であるという証拠でもあるからだ。
言動が子供っぽく性格も幼稚な面がある割りに、これでも麗美は地味に凄いのである。
何しろ、試験合格率は最大時には20倍超えという難関の部類。
他の有名大学付属高校に引けは取らない上、防衛大学そのものが超一流有名大学に合格するよりさらに難関なのだ。
その知力と、麗美の普段の「実質マスコットのダメ中隊長」っぷりの落差が、何故だか玲には愛しく思える。
ところで、ふと玲は麗美に対してもう一つ疑問な点がある事に気付き、それを口にした。

「それにしても……あんた志願でしょ? なんで、防大付属からこっちに転向してきたのよ。
こんな少年志願兵なんかじゃなくて、そのまま残ってたらエリートコースで士官、幹部さまじゃない」

玲のその質問に、麗美はしゃがんだまま地面を見つめて何時に無く真剣かつ深刻な暗い影をした表情でゆっくりと答えた。

「……私のお父さん、第28普通科連隊の所属だったんだ。 2ヶ月前に戦死した」



(続く)


764 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:23:56 ID:/CWij+wZ
投下終了

最終弾、だんちゃーく、イマ!


>ID:MsK69iE4
貴君の支援行動に感謝する


765 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:25:34 ID:MsK69iE4
>>764
投下乙!じわじわと読み尽くしてくれる!


766 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:35:15 ID:IRU0YEVv
>>764
 投下乙です!

 あ、容量が470越えたので、どなたかスレ立てお願いできますかー。


767 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:54:29 ID:/CWij+wZ
じゃあスレ立てしてみます


768 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 19:56:19 ID:IRU0YEVv
>>767
 お願いしますー。


769 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 20:07:48 ID:/CWij+wZ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1283598029/

スレ立て完了
テンプレ等記入ミスの無いかチェックを要請します


770 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 20:12:41 ID:IRU0YEVv
>>769
 スレ立て乙です。
 よくやった、ウチに来て遥さんにファックされてもいいぞ!


771 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 20:17:50 ID:MsK69iE4
>>769
あえて挙げるなら紹介文未定にヒューマン・バトロイド ◆BfO3GzMb/wぐらいか。
しかしそれよりも先ず乙である。


772 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 20:18:05 ID:IRU0YEVv
>>769
 ざっと確認してきましたー。
 とりあえずミスらしいミスはないです……多分。


773 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 20:18:54 ID:IRU0YEVv
 うわぁ、遅いよ私! なんか赤っ恥だよ!


774 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 20:36:35 ID:tQ19gdUF
>>764
投下乙です。後でゆっくり読ませて頂きますね

>>769
スレ立て乙です!

もしかしたら、自分も今日中に投下出来るかもです。


775 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 20:43:09 ID:IRU0YEVv
>>774
 多分大丈夫だとは思いますが、容量によっては避難所の方がいいかもしれません。


776 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 20:45:10 ID:tQ19gdUF
>>775
容量のことを失念しておりました…


777 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 20:47:14 ID:IRU0YEVv
 はっはっは、このドジっ子さんめ!


778 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 20:49:25 ID:tQ19gdUF
危うく、アレ……? 9レス目が書き込めないんだけど、なんぞコレ?ってなるところでしたw


779 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 20:52:33 ID:IRU0YEVv
 そ、それは危なかった……。

>777 :創る名無しに見る名無し:2010/09/04(土) 20:47:14 ID:IRU0YEVv

 この部分も容量に入るっぽいんで、想像以上に容量食うんですよねw


780 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 21:11:45 ID:mWers7Z2
>>764
投下乙です! じっくり読ませて頂きます!

>>769
スレ建て乙です! 戦艦の主砲を機動兵器の盾で受け止める権利をやろう


781 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/04(土) 23:23:46 ID:tQ19gdUF
>>764
検めまして、投下乙です。
ここ最近、成長目まぐるしい麗美が自分の娘のように可愛くて仕方がないです。(娘いないけどw
時折、見せる頭の良さや高い洞察力は防大附属のエリートで御座いましたか!
いよいよ、前線投入に麗美を覆う暗い影と物語が大きく動きそうな展開、続きを楽しみにしていますね!


782 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/06(月) 20:09:16 ID:2HHq26Jq
>>764
改めて乙です。
成る程そういう仕組みかあ。キャラクタ性と状況、一気に説得力が付いてがっつり引き込まれました。


783 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 17:13:10 ID:O1jfZUZH
カレー美味かった!


784 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 17:18:31 ID:O1jfZUZH
カレーと芋焼酎の組み合わせって字面的にはアレだけど、意外と大丈夫


785 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 17:20:08 ID:O1jfZUZH
37号機が動いているけど、実は36機がまだ埋まってないんだよ


786 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 17:26:35 ID:O1jfZUZH
かと言って提供出来るネタは無いので、誰かに怒られるまで独り言でも呟いていよう


787 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 17:31:43 ID:O1jfZUZH
外でも創作出来るようにノートパソコン買いました。外でもやるくらいなら最初から家に篭っとけと。未だに開封してませんw


788 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 17:37:13 ID:O1jfZUZH
職場で作品書く時用に使うことも考えたけど、メモリースティックで事足りてるし、本当に無駄な買い物をしたなーとしみじみ


789 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 17:40:32 ID:O1jfZUZH
本気で寂しくなってきたので、ケータイ使って自演しようかと思ったけど、その発想自体が寂しいことに気付いた


790 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 17:45:04 ID:O1jfZUZH
そもそも、ケータイ規制されとるしな!


791 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 17:48:34 ID:O1jfZUZH
誰も気付いていないなら、俺が一人で埋めてやるぜ! 俺にもそう思っていた時期がありました


792 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 17:52:53 ID:O1jfZUZH
怒られたら尻尾を巻いて逃げようと思ったけど、孤独に耐えれそうにないので、もうやめよう。SSの方に集中しよう。そうしよう


793 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 18:00:55 ID:P1qWQO0z
じゃあ俺が安価で埋める。>>795なんか簡単に描けるやつ


794 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 18:45:19 ID:P1qWQO0z
よくよく考えなくても人いないならできねーな。勝手に描いて埋めよう。


795 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 18:59:42 ID:O1jfZUZH
じゃあ、タカ坊でもw


796 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 19:46:40 ID:P1qWQO0z
>>796
ざくっと
http://dl5.getuploader.com/g/sousakurobo/826/%EF%BD%94a%EF%BD%8Ba.jpg


797 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 19:52:47 ID:O1jfZUZH
おー! 美少年系なタカ坊だ! 服装的には本編終了後の中二化し始めた頃のタカ坊になるのかな?


798 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 20:15:46 ID:P1qWQO0z
そんなつもり。さあ埋まれ埋まれ
http://dl5.getuploader.com/g/sousakurobo/827/blackg.jpg


799 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 20:17:05 ID:O1jfZUZH
やっほーう! ゲッター1だ! 次、マジンガーZも頼む!


800 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 20:19:55 ID:SntjZ7ig
 ペネ子と遥さんのツーショッt(ry


801 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 20:57:46 ID:P1qWQO0z
汚すぎワロタ
http://dl6.getuploader.com/g/sousakurobo/828/hygo.jpg

マジンガー把握。


802 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 21:00:22 ID:O1jfZUZH
ハイゴッグKakeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!
あのクローアームになら抱かれても良い


803 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 21:28:32 ID:HYXqID5p
>>799
ブラゲじゃないかい?
しかしこれもハイゴックもかっこいいなw


804 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 21:32:35 ID:O1jfZUZH
よく見るとゲッターレザーでかいな。ブラックの方か!


805 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 21:51:06 ID:cd5POa+6
気づいたら次スレに移行してた……まさにリアルポルナレフ状態
つか感想全く書けてなくてすみません。何時かまた。取り合えず
>>796
やだ……何この美少年カッコ良すぎる
なんか北斗の拳のレイ的な物を感じるw
>>798
とっても……マッシヴです……
何というか、絵のタッチで凄く荒々しい戦いしそうなゲッターですなw
>>802
改めてハイゴッグのハイセンスさに気付いたというか

まとめて投下乙です


806 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 22:08:06 ID:IiU4ITcL
大量の埋め乙ですwすげぇやw


807 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 22:56:19 ID:P1qWQO0z
http://dl5.getuploader.com/g/sousakurobo/829/majin.jpg

パソコン取られた間に風呂入って皿洗ってたらもうこんな時間。
難しいが後一個いけるかねえ。


808 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/10(金) 22:58:20 ID:O1jfZUZH
ひゃっほーう!かっけー!鉄の城だー!!
ゲッター、マジンガーとくりゃ、ガンダムだ!


809 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 00:05:55 ID:HWmGaRuf
母「ほら、約束どおりガンダムの模型買って来たわよ」
http://dl7.getuploader.com/g/sousakurobo/830/gaudummy.jpg


810 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 00:07:25 ID:wOr51lx6
わーー……い? あ……あ……あ……ありがとぅ……(涙目


811 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 00:43:00 ID:HWmGaRuf
>>800
面倒だったからくっ付けた
http://dl5.getuploader.com/g/sousakurobo/831/twoInShot.jpg

意外と埋まらんな。


812 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 00:59:10 ID:l1wYpA4Y
>>811
 やだ……なにこれ凄くかわいい……!

 埋めるなら、

 は
 か
 た
 の
 し
 お
 !

 が一番ですよw


813 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 01:59:07 ID:HWmGaRuf
>>812

だ が 断 る

さっさと埋めたほうが良いなら別ですが。
        
http://dl5.getuploader.com/g/sousakurobo/832/gryphon.jpg
黒いロボは例外なくカッコイイ。


814 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 09:19:35 ID:HWmGaRuf
結局普通の時間に起きた。
http://dl5.getuploader.com/g/sousakurobo/833/kingg.jpg

今回はただの埋めなので絵的な間違いを気にするより、とにかく描く。
遅いけど。


815 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 09:36:47 ID:phv5FkaB
じゃあロボスレのタガヤスン&リックをリクエストしてみよう


816 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 12:08:05 ID:HWmGaRuf
簡単にかけなさ杉なので反転コピペ。まあ叩き台だから◆Ps/JE/do86氏とかポリゴン氏とか長目氏とか遅筆氏とかがちゃんとしたデザインしてくれるよ、きっと。
http://dl3.getuploader.com/g/sousakurobo/834/TagaAndRick.jpg

あとブルタウラス描こうとしてたのが微妙に反映されている気がしないでもない。



817 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 12:17:43 ID:phv5FkaB
うわ、なにこのカッコイイの
こんなんじゃギャグにならないよw
書いてくれて本当にありがとう


818 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 12:37:31 ID:GwNS9syh
投下乙です!全部埋めネタとは思えない高クオリティww
>>806
鉄の城ktkr
滲んでくる躍動感が半端無いです
>>809
ママ―!ガンガルだよこれは!
>>811
やだ……頭わしわしして可愛がりたい……
>>813-814>>816
キンゲ&グリフォンとか俺の好み過ぎてヤバい
マジンガーと同じく躍動感が凄いですな、画像から飛び出てきそうな
つかタガヤスンとリックガチすぎるwwゲッターの世界に居てもおかしくないw

……まだ埋め大丈夫ですかね
もっと可愛い系のイラストが見てみたいので、ヴィル・フェアリスinメルフィーお願いできますか……?


819 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 12:42:04 ID:GwNS9syh
すみません、>>807でしたorz


820 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 12:50:11 ID:9QFhuMrK
好きなロボット全員集合過ぎてヤバイwwwエルガイム、ダンバインをお願いしたいw


821 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 13:47:36 ID:HWmGaRuf
人来てるのに好きなの描いてるバヤイじゃなかった。
http://dl6.getuploader.com/g/sousakurobo/835/Akiller.jpg

>カッコイイ
真に受けて言うと、トランスフォーマーの漫才とか、ああいうギャップがロボならではだと思ってたり。

>ガンガル
うるせえ亜空間ビームぶつけんぞ

頑張れ俺。


822 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 14:02:57 ID:9QFhuMrK
ガンガルじゃなくてアレだよな。亜空間ビームのアレ。名前が出てこないw


823 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 14:13:22 ID:l1wYpA4Y
バルディオス「これじゃあとても明日を救えそうにない……」


824 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 14:14:40 ID:9QFhuMrK
>>823
あ、それだ! お陰ですっきりしたよw


825 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 14:17:26 ID:l1wYpA4Y
 というか、なんで亜空間ビームは覚えてるんですかw


826 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 14:28:04 ID:9QFhuMrK
何故、覚えているかは自分でも謎ですが、亜空間ビームってネーミング良いですよね。


827 名前: PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM [sage] 投稿日: 2010/09/11(土) 14:46:12 ID:l1wYpA4Y
 よっしゃあ! 感想書くどぉぉぉぉぉぉ!!
 遅ればせながら、皆さん改めて投下乙です!

>>465
 ウホッ、これはいい砂砲……!
 やっぱりキャノンっていいものですよね!

>>523
 相変わらず恐ろしい量を書きますね、あなたはw
 しかしなんという密度。やはり氏の文は読む度に圧倒されます、色々な意味で。
 ギミックをフルに活用した戦闘って素敵ですよね。ワイヤー大好きなんで痺れましたw

>>587
 おっぱい! おっぱい!
 実は結構世紀末な世界観だったんですね、正義の執行者。
 さて、ロボスレのキャラで苗字がクロミネの人は大体悲惨な目にあってますが、果たしてこの黒峰はどうなってしまうのやら……。

>>607
 ペンドランがやんちゃ坊主っぽくてかわいいですね。なんか序盤はロクロー君と喧嘩ばっかしそうw

>>630
 まさか装甲車がロボットに変形するとは……車じゃなくて“クルマ”だったのはそのためだったんですね!
 こういう退廃的な世界観って大好きですw

>>674
 最初は誰が誰か思い出すのに少し時間がかかったけど、人気投票やってからは誰が誰かマッハで出て来るようになりました。こういうのに人気投票って便利だね!
 コッコとタルタかわいいよコッコとタルタ。
 相棒との再開のくだりはグッときました、こういうのっていいもんですよね。というわけであずみん、私と代わ(ry
 次回はまたあっちい展開になりそうでドキドキしてますw あずみんマジがんばれ!

>>693
 クラドセラケがどう魔改造されるのか、今から楽しみですw
 あと珍獣は若いというより幼(ry

>>764
 麗美かっこいいよ麗美。やる時はやる子って素敵ですよね。
 さて、今回で皆の結束が固まったわけですが、初めての実戦は上手くいくんでしょうか。
 それにしても本当に盛り上がってきたなぁ、今からワクワクが止まりませんw

 それでは、次回を楽しみに待ってますね!

 あと、すみません、今回書けなかった分は次スレの方に書きますのでー。

>>796
>>798
>>801
>>807
>>809
>>811
>>813
>>814
>>816
>>821
 なんという数とクオリティー……! 惚れてしまいます。
 あと、遥さんとペネ子を描いていただき、ありがとうございました!