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Happy birthday 早良様

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kisaku

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【Happy birthday 早良様】

「はーぁ…」
「どうしたんだ、弟子がそんなに大きなため息をつくものじゃないよ。」
「あ、すみません…」
今日でもう8月突入だ。
牙裂紅がため息をつく理由は、【ジャック・ザ・リバー(闊歩する自由)】崇道院早良の誕生日を後々聞かされて、祝えなかった事だろう。それがいまだに尾をひいているというわけだ。

師匠である桐ケ谷桜花から聞かされてから、牙裂紅は崇道院早良と言う人の鼻が異常に良いことをしって、なんとかして無臭の何かを作ろうとずっと研究していたのだ。
……その所為で月の半ばになったのだが…。
「やっと無臭の和菓子研究して作ったのに…。」
「その『無臭』も崇道院さんからしたら、無臭じゃないかもしれないけどね。」
「そ、そうですけど…、せっかくお誕生日だったのに何も祝わないなんて悲しいですよ」
「…。何か言うのはいいけど、手は動かして。」
「あっ、はい、すみませんっ」

日が暮れて、店も閉店になる頃合で、牙裂紅が桐ケ谷に提案を持ちかけた。
「あの、師匠?」
「何」
「今日、早めにお店たたみませんか?」
「……。そうだね、今日は御客様もこないみたいだし。仕事が片付いたら閉めようか。」
「あ、ありがとうございます!!」
「弟子の仕事が終らないようじゃ、閉めようにも閉められないけどね。」
「うわっ、すぐ終らせますっ!!」



そんなわけで、『葉桜』も店仕舞。

牙裂紅は小さな木箱をもって、地下で早良を探し回った。
「ち、地下に崇道院さんって、いっらしゃるのかな……?」
探し回った結果…いっこうに早良が見つからなく、ため息を漏らす牙裂紅。
 やっぱり上の方行かないといけないのかなーなんて思っていたとき、不意に後ろから聞いた事のない声がかけられた。
「呼びましたぁ?」
「ひぃっ!?」
驚きのあまり、今時聞かないような声をあげてしまった牙裂紅。
声をかけた人物――崇道院早良――は今時聞かないような声に笑っている。
「ひぃって…!ひぃって…!!あははは」
「す、崇道院さんっ!?…ですよね?」
間違っていたら不味いので一応確認してみる。
「そうだよ?」
 あぁ…、呼べばくるみたいな…!?凄いなぁ…崇道院さん…。本物だぁ…
「?」
「あっ、す、すみません…。えと、私アンダーヤードの巫牙裂紅と申します。」
「あ、どうもご丁寧に。崇道院早良です。」
何だこの会話は、と地下の者でなくても思いそうな、不思議ななんともいえない雰囲気が漂っている。早良は267位でトップランカー、牙裂紅は407位と極普通のローランカーだ。珍しい組み合わせとも、とりようによっては取れるだろう。
 な、なにやってるんだ私はっ!お誕生日のお祝いをしないとなのに!
「えぇっと…、あの…」
そこまで言うと急に口篭もってしまう。一ヶ月くらい過ぎたのだ、言い出し辛い。
 ほら言わないとっ!いつまでたってもお祝いできないんだからっ!!
牙裂紅は自分に言い聞かせて再度口を開いた。
「一ヶ月くらい前が崇道院さんのお誕生日と聞いていて、そのお祝いがしたかったんです!」
正直言っていることはごちゃごちゃで意味がわかりにくい。
が、早良は理解してくれたようで、解らないという顔はしていない。
「それで、これ…なんですけど…。」
と小さめの木箱を渡して、続ける。
「あぁ、ありがとねぃ」
「鼻がすっごく良いって聞いたので、一応無臭に近づけたつもりなんですけど…食べにくかったら捨ててくださって結構ですからね?」
妙な注意だと思う。が、これは牙裂紅の本心だ。
牙裂紅は嘘がつけない。というかついてもすぐばれるのでもうついていない。というか、馬鹿正直と言うか…。とにかく本心だ。
「?んー…ありがとねぃ?有難くもらっておくよ」
「あ、ありがとうございます!!本当に、本当に!美味しくなかったら残して下さいね?!お腹壊しちゃいますから!」
「え?あぁ、うん。」
「お誕生日のお祝いなのに、大分遅れてしまって…すみませんでした…。おめでとうございました…!」
牙裂紅は、それでは失礼いたしますと頭を深深と下げて、自分の家とは逆方向に走り出した後、慌てて戻っていった。


早良のもらった小さめの木箱の中身は、花魁草という花(?)を模した和菓子で、
和菓子特有の匂いはそれほどしない。
研究の成果だが…。
「うーん…やっぱりちょっと…」
と苦笑を浮かべる早良。
彼にとってはそれでも匂いがあるようだった。
早良はせっかくもらったのだしと一応は、食べきった…。らしい。

そして、あの木箱は二重になっていて、大き目の蓋の奥に小さな天狗と犬が合わさったような、そんな小さな手編みと思われる人形(?)が入っていた。
その人形の縫い目の所々にほんのり赤が混じっていたことは…気にしない事にしたんだとか…。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
1ヶ月遅れの早良さんへのお誕生日お祝いでした…。
すみません!ずっと書き終わらなくてっっ!!
そして早良さんのキャラクターもいまだつかめてません…。難しいです…。
鼻が凄くいいって聞いてこれしか浮かばなかったのが悲しいです…;
もっとちゃんとしたお祝いしないといけないのに…;
ぐだぐだで日本語が可笑しい文を許してください…

それでは改めて、遅れてしまいましたが…。
お誕生日おめでとうございました!!

早良さんにとって良い一年が訪れますように…!


※目を使ったあとは、目を休めるか、目薬を差すかしてくださいね
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