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バレンタインデー

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kisaku

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【バレンタインデーには】

「師匠!師匠!」
朝っぱらからうるさく起こしてくる。今日はやけに楽しそうに起こしてきた、まったく良い迷惑である。
「おはようございます師匠!」
「…うん、おはよう」
本当に今日はどうしたのだろう?何の記念日だったか…
それを聞くと上機嫌で今日の日付とイベントについて話しだした。
「今日は2月14日ですよ?」
「そんなこと言われなくても解ってる」
「じゃあどうして聞いたんですか…?今日のイベントはご存知ですよね?」
「なんかあったっけ」
「ぁぅ…師匠はお忙しいから忘れてしまったんですか…」
とりあえず、今日はバレンタインデーだということは知っている。知っているが、僕に何の関係があるというのか、、、。
考えようとしたが、そのまえに。
「着替えたいんだけど、観覧料払う?」
そうそう、こいつがあまりにも楽しそうでハイテンション(?)だったものだから、うっかり着替えを忘れるところだ。
にこりと笑顔を向けるとボフッと音がしそうなほど顔を赤らめて出て行った。
「しっ、失礼致しましたっ!!!」

むぅ…師匠は何がしたいんでしょうかっ、あぁーあ…チョコ…渡せないかもしれない…。
「あぁっ!?」
朝ごはん作るの忘れてたぁあぁあぁ!?怒られないうちにでかしてしまおう。そうだ、間に合うかもしれないし!あとで謝ろう…。

着替えて戻ったら弟子が豆腐と格闘していた。いや、必ずしも手で豆腐を切らないといけないことはないと思うが…面白いので放っておこうか。しかしなんでいつも豆腐を持ち寄るのか…。
「あ、おはようございます師匠」
おこされた時も言っていた台詞をもう一度繰り返すというこの上なく可笑しい弟子に呆れつつ朝の話の続きを促す。
「二度目の挨拶ご苦労様」
「?あえ、二度目でしたっけ?すみません…」
「そうだ、お前今朝14日がどうのこうのって言っていただろう、何だったっけ」
「あ、あぁ!そんなこと言っていましたね!」
お前が言ったんだろうが覚えていろと突っ込みたい。
「うん、で?」
「あ、す、すみません…。
それでです師匠。」
切り替えの早い奴だ…
「今日はバレンタインデーなんだそうですよ!」
「そうだね」
「チョコレートをつくって、男の子にあげるイベントなんだそうです。」
「なんか違うと思うけど。」
「??」
「あーなんでもない。」
「そうですか…? えと、バレンタインなのでこれどうぞ!」
渡されたのはチョコが入っているらしい包み紙だった。牙裂紅の手には沢山の包み紙が入った紙袋が二つ。誰に渡すというのか…
「毒なんか入ってないよね?」
「入ってませんよ?!何の恨みがあって師匠に毒を盛らないといけないんですか?!」
「それ、誰に渡すつもりなの?」
あわてて否定している牙裂紅を半ばスルーし、紙袋の渡す相手を聞く桐ヶ谷。
「あ、これですか? お店にいらっしゃったお客さんに御礼のチョコとこっちはいつもお世話になっている方々のためのチョコです!師匠のは特別なんですけどね」
「そうなんだ。」
「はい! それじゃあ、ちょっと配ってきますね!」
そういうと牙裂紅は玄関を出て行くのでした。

  おしまい。。


◆◇◆◇◆◇◆
 解らなくなってきたのでおしまいです。
師匠わからないです。ごめんなさい
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