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Happy birthday 長島先生

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kisaku

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【Happy birthday 長島先生】

「今年も来たか…この日が・・・・悪い思いでしかねえよなんなんだよ。」
煙草に火をつけながら独り言を呟く【ジャッジメントペイン(審判の痛み)】のアルテ・長島。とそんな時聞きなれた二つの声が耳に入る。
「長島み―――っけ!」
「ホントだ――」
「……はぁ」
ため息をつきゆっくりと振り向いた先には【ドミニオントリック(支配権奇術)】の姫宮沁と、【ドミニオンロジック(支配権論理)】の姫宮成実の二人組みが満面の笑みで駆け寄ってくるところだった。
「今年も祝いに来てやったぜー!」
「うれしいでしょ~?」
確かに嬉しいといえば嬉しいが、が、だがしかし、
「今回はロシアンルーレットとか、魂生誕祭でチェーンソー(お前)VSとかじゃないだろうな…」
「なんだよ長島ー俺らがいつそんなひどい事したんだよぉ」
「そうだよー
でも今年は違うんだよ~今年はねぇ」
と、なにやらポケットに手を突っ込んで引っ張り出したのは・・・
四角い薄茶色のもの
「じゃっじゃーーん!」
「・・・・きゃらめる?」
「そう、キャラメル!食え食え俺らのおごりだぞ!」
無邪気で楽しそうな二人の顔を交互に見た後、特になんら変わらないキャラメルのようだと判断した長島はキャラメルを一つ口に含んだ。
――――そして あまりの不味さに吐きそうになり手で口を覆った。
「マッズ!?いや、はぁ!?」
「にゃははは♪」
「あははは」
苦闘の末ようやく飲み込む事に成功した長島は今も尚口の中の異様な味が残っているような感じのまま二人を見る。キャラメルをわたした二人は先ほどよりもより楽しそうに笑っている。
「それ、ジンギスカンキャラメルって言うんだぁ~」
「羊肉っぽい味した?」
興味津々で聞いてくるということは、試食はしていないのだろう。
「肉っぽい味もしねェしキャラメルっぽい味もしねェ」
「「へー」」
「お前らも食ってみてから渡せよ」
「嫌だよ、まずいって書いてあんのに食うわけねーじゃん」
「ねーっ」
そんなものを祝いの対象者に渡すなよ。と半ば呆れ顔で言ってやれば二人は楽しく祝えればいいんだと言って笑っていた。

「そうだ」
「あ?」
しばらくキャラメルの食わせあいをしていたが、突然思い出したかのように沁が口を開いた。
「これ届けてくれって、牙裂紅って子から伊紗、ドナー、俺経由で。」
と、小さな木箱を渡してきた。誰だよ牙裂紅って
「まぁ、誕生日プレゼントくれるってんだからもらっとけよ」
「そうだよ~、絶対普通のだよ?」
「普通なら・・・・まぁ…貰うが…爆発したりしないだろうな?」
「「さぁ?」」
「は?」
「いやー俺ら中身は見てないからな~」
「見てない見てない」
「こうして持ってても爆発してないんだから、大丈夫だろ」
なるほど、それはそうか。
「開けてみてよ~」
「そうだそうだ開けてみろよー」
二人にねだられ木箱を開けると、中には花を模した和菓子らしきものが入っていた。
「あ、翁草だ~」
「えーっと、花言葉は…『何も求めない』だってさ。にゃはははは♪」
さっきのキャラメルの味が残っているからか余計に警戒してしまう長島。なかなか手を付けられずにいると二人が花びらをつまみ食いしていた。
「あまーい」
「うめぇ、ほら長島。普通の菓子だぜ?」
「・・・じゃあ」
そうしてやっと彼も手をつけるのだった。


◆◇◆◇◆
長島先生、お誕生日おめでとうございます。
一度もお話したことはありませんが…遡羅さんのブログにお誕生日が載っていたので。
お噂によく聞いているのでお祝いをしないといけないなと思いました!
本当におめでとうございます!
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