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【おいしいゆきだるま】


クリスマスイヴの夕方、その雪だるまはうまれた。
『で…できた………!』
 小さな女の子がぼくを作ってくれました。
黒くて尻尾みたいな髪の毛のかわいらしい女の子が、何故か四本の指でぼくを丁寧に作ってくれました。
 こんな何もないぼくらの雪の兄弟達からその子が作り出してくれました。
背も高くなって、外が見渡しやすくなりました。とても嬉しいと思います。
 『よし、もう戻ろう。・・・暗くなってきたし』
そういって女の子は不夜城の方に走っていきました。なんであそこに行くんだろう。ぼくは不思議で仕方ありません。
 
 ぼくを作ってくれたお礼になにができるだろう…。ぼくたちはとても長い間考えました。

そして辺りが薄明るくなる頃にやっと思いつきました。

 ぼくたちが美味しくなれば、きっとあの女の子も喜んでくれる、って。

そこでぼくたちは魔法使いに頼みました。
『ぼくを甘くておいしくて、食べられる雪だるまにしてください』
魔法使いはとても親切にぼくらの願いを叶えてくれました。


クリスマスに美味しくなったぼくは、不夜城の扉の前に行きました。きっとあの子がでてきてくれると信じながら、ぼくは待っていました。
『・・・・・・』
あの女の子はちゃんとでてきてくれました。ぼくに気付いてくれました。
『これ、昨日の…作った奴だ』
女の子はぼくを覚えていてくれました。
ぼくは精一杯、女の子がぼくの足元の紙を見つけてくれるようにお祈りしました。女の子はすぐに紙に気付いてよんでくれました。
【めりーくりすます
ここにいる ゆきだるまを たべてみてください】

『この雪だるまを、だべる…』
女の子はぼくを見つめて少し考えているようでした。でも、すぐに人差し指でぼくの肩の辺りを掬って食べてくれました。
『ぉ、おいしい…』
女の子は美味しいといってくれました。とても嬉しいと思いました。
それから、女の子は小さいぼくを食べてくれました。嬉しそうな女の子の顔がとても印象的でした。ずっと見ていたいと思ったけれど、それではいけないと思って、ぼくはしっかり周りの兄弟達に女の子のこの表情を見てもらうことにしました。

どんどんぼくは小さくなっていくようでした。どんどん視界も融けてきて・・・て・・・・・


お昼過ぎ、雪だるまだった兄弟は幸せそうに融(き)えていきました。
 女の子の恩返しができて、とてもとても嬉しそうでした。
また帰ってきたら・・・。きっと兄弟はあの子にあうんでしょう、そして今度はボク等と一緒に女の子を見守ることでしょう。




・・・・・・おかえり、ボク等の兄弟・・・・・