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阿呆

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tranquilizer

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―東区画郊外大広場「地と天の生まれる場所」

 「どんどんどんぱふぱふー、宿彌会長による『ドキッ人間だらけの巨大フリスビー。 クイズ風シチリアのかほり』はっじまっるよー! 進行は私、大豆生田桜夜楽がお送りしまーっす!」
 周囲の人間から歓声があがる。篭森企画のこのイベントには東西南北中央から沢山の人間が集まっている。 それぞれの区画の王に加え、中央のアイドル、姫君までと実に様々だ。
 「さぁっこのクイズの優勝者には豪華10000000W¢! さらにさらに世界旅行までつけちゃうよ! たーだーし、もしもクイズに負けたらー…」
 全員からどよめきの声があがる。

 「こちら! この巨大フリスビーに体をくくりつけてもらい、宿彌会長に投げ飛ばしていただきます! スリルたっぷり! 楽しいね!」
 歓声があがる、集団はクイズに参加したり、あるは観戦するためにここにきているのではない。 ギャグ漫画よろしく、人が宙をまう姿を見に来ているのだ。

 「それじゃーデモンストレーションいきますよー! こちらのフリスビーに80kgの人型をくくりつけまして…」

 「ちょ! まてい! なんでその人形俺の顔してんねん!」

 「何か聞こえますが無視しまーす。 それでは宿彌会長! お願いします!」
 「さよなら逆」
 「不吉な事いうなや!」

 宿彌はフリスビーを利き手で持つと全身に気功の力を込める。全身に行き渡った力を重心をうまく変化させ纏めていく。宿彌のバカ力が集約されたフリスビーはゆっくりと持ち上がり、彼を中心に回転していく。そして十分な加速がつくと、宿彌の手から勢いよくとき放たれた。 それはグングンと高度をあげ、ある時五つのパーツに分離した。あまりの遠心力に耐えられなくなった人形の間接が壊れ、両手足がちぎれ飛んだのだ。

 ちぎれ飛んだ手足は観客の近くに落下する。

 「ゲェッ逆の手が!」
 「俺のじゃねえ! けど何かイヤや! 肩がめっちゃゾクっとする!」
 「はーい今のはデモンストレーションですからねー、皆さんの体はもっと安全に固定しますし、人間の皮膚って意外とよく伸びるんですよー?」
 「怖っ!?」
 「意外に手足が伸びて良いかもね? さてさてエントリーはー経世さん、不死原さん、神城さんの三人です。 他薦によりエントリーされました!」
 「なんでや!? 嫌な予感はしてたけども!」
 「ふざけるな! だから陽狩がこんな下らない行事に行こうと言いだしたんだな!?」
 「他二人はわかるけどなんで俺だよ!」


 「きっと憎まれてるんでしょうー、大丈夫ですよ。 皆さんなら。 推薦理由にMだからって書いてありますよ? 張り切って間違って下さいね!」


 続かない
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