―――ダイナソアオーガンエレベーター内。 大豆生田桜夜楽は何時までたっても鈍感な宿彌について次はどんなアプローチをかけてやろうかと考えていた。
「やっぱり婉曲だとスー君会長は気づかないよね…ていうか、気づいても良いもんだと思うんだけどなぁ…あの鈍感トカゲ…」
日頃の不遇を思ってか桜夜楽の心に暗いものが満ちる。
「…こんなに何度もアプローチしてるのに…ていうかほんとは気づいてるのかな…気づいてて無視なのかな…はは、はははは」
日頃の不遇を思ってか桜夜楽の心に暗いものが満ちる。
「…こんなに何度もアプローチしてるのに…ていうかほんとは気づいてるのかな…気づいてて無視なのかな…はは、はははは」
乾いた笑いが響く。思考の渦に飲み込まれた桜夜楽はエレベーターがとっくに目的階に到着していて、更に移動が始まって居ることに気づかない。
到着を知らせる音がなる。
到着した階は―――会長室のある階だ。
扉が音もなく開く。
到着した階は―――会長室のある階だ。
扉が音もなく開く。
「やぁサヤヤ。 何か報告かな? 僕は少し出かけるから、その後でも構わないかな?」
へ?
「ん…? 違う?」
あれ、何だろこれ。
エレベーターが到着したら、スー君会長が目の前にいて、私のことサヤヤって呼んでる。
なんかっ親しみ込めてっサヤヤって呼ばれたぁっ意味は分からないけど多分あだ名で、親愛を感じたっ! …………。
エレベーターが到着したら、スー君会長が目の前にいて、私のことサヤヤって呼んでる。
なんかっ親しみ込めてっサヤヤって呼ばれたぁっ意味は分からないけど多分あだ名で、親愛を感じたっ! …………。
桜夜楽がふらりと傾く。その体を宿彌が優しく抱き止める。
「うわっ、どうした? 過労かな?? 無理したらダメだろ。 今日はもう帰って…えぇ!?」
桜夜楽はニヤついたまま気絶した。
宿彌は大慌てで救護班を呼ぶ。
救護班に運ばれる桜夜楽を見て宿彌は考える。
宿彌は大慌てで救護班を呼ぶ。
救護班に運ばれる桜夜楽を見て宿彌は考える。
「…サヤヤって言うの、気絶する程イヤだったのかな? うーん…嫌われてるのかね、僕」
後日、呼び名が元に戻ってしまい。
桜夜楽があれは一時の夢だったかとショックを受けるがーーーそれはまた別の話。
桜夜楽があれは一時の夢だったかとショックを受けるがーーーそれはまた別の話。
おしまい