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「ねぇ宿彌…前から聞きたいことがあったんだけど」
 国際的に傭兵派遣を行っている総合警備会社、ダイナソアオーガン。 その中の一室、会長室。 そこで会長である宿彌の机の上にさも当然のように腰を下ろしている女性。 名前を篭森と言い、同じくダイナソアオーガン所属で、代表取締役。 一部では「月の姫」と呼ばれ、尚且つ「純白骸骨」のエイリアスをもつトップランカーだ。

 篭森は言葉を続ける。
「牡丹。 なんでそう言う名前にしたのかな? って、思って」

「んー…、ああそうだ、アーサーとかは、な…」

 宿彌は一瞬躊躇すると、即座に話をはぐらかせようとする。

 篭森はトン、と指で机を軽く打つと。
「質問に質問を被せるのは良くないよ、宿彌」

 と、両断した。

「牡丹餅てのがあるだろ? 僕はあれが好きでー…ごめんなさい」

 篭森は睨むのを止めるとため息をつく。

「宿彌は。 戦闘時の虚実ならともかく。 日常だと嘘はつけない体なんだから」

「あー…うん。 真面目に答えるよ。 牡丹…てのはね、花の王なんだ。 花言葉としても『王者の風格』…て言う風に。 アイツを最初に見たときに、僕はアイツに王が持つような気迫と仁を感じた…んだけどね」

 ちらりと宿彌は隣で休む牡丹を見る。 野生を忘れた牡丹の姿がそこにあった。守るべき腹を上に、仰向けで睡眠し、あげく涎と、鼻提灯まで出来ている。 しかも、悪夢を見ているようで時々ギャワッと呻いている。 酷い。

 「…今、その意味で捉えるには厳しいよね」

 宿彌が軽く靴先でつつくと、牡丹は、ねっねてないよっ!?と言うかのようにはね起きておすわりのポーズで止まる。涎はそのままだ。

 「…そうだね。 平和ボケは良いことだけどね、何か残念だよ」

 二人は無言になって牡丹を見つめる。


 牡丹はおすわりの姿勢のままで寝ていた。


 あ、鼻提灯割れた。