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小ネタ『空多川ケイの告白』 毎熊との関係を否定するために〈ブルーローズ〉に乗り込んでみた 雪城「いらっしゃいませー。あっ、もしかして空多川さんですか? お話は伺ってます、ようこそー」 空多川「…………」 雪城「今日は、いいリンゴが入ったから、タルトタタンがお勧めですよ」 空多川「寧ろお嬢さんを嫁にほしいんですが」 毎熊「え!?」 空多川「毎朝おねえちゃんのためにメープルたっぷりのホットケーキを焼いてくれませんか?」 雪城「え? え? これって私プロポーズされてます? わー、なんか嬉しいです。こちらこそよろしくお願いしますー」 毎熊「!!!」 雪城「えへへ、女の人に告白されちゃいました。私初めてですよ」 毎熊「(俺のプロポーズには気付かなかったのに!! 俺のプロポーズには気付かなかったのに!!!!)」 小ネタ『冷泉カンナの予想』 水葉庵にて 法華堂「冷泉、居るか? また修復を頼みたいんだが……冷泉?」 冷泉「(戒さんとお付き合いねえ、考えたこともなかったけど、別に悪い気持ちは―――)」 エドワード『二人ともおめでとう、なんだか涙で前が見えなくなりそうだよ。ああメリー、ハンカチを貸してくれるんだね。今度五十倍にして返すから。戒、身体には気をつけるんだよ、少しでも悪くなったらすぐ帰ってきていいからね。虐められてもすぐに帰ってきなさい、決して殺しはしないように。してもばれないように後始末をしっかりするんだよ。君はそういうところには疎いから。そうそう、新居は何処にするつもりかな。ブラックシープ商会が家の外装内装家具その他細々に至るまで全部バックアップするから、遠慮しないでくれ。冷泉、この子は少し感情を表に出すのが苦手だけれど、悪い子じゃないんだ。よろしく頼むよ、くれぐれも…………』 冷泉「……姑がウザイからやっぱりいいわ」 法華堂「冷泉、何の話だ」 小ネタ『矯邑シュウの憐憫』 夏羽「あ? 矯邑か。この間はよくもだましてくれやがったな」 陽狩「結局はったりだったようですね。貴方、自分がスカラーであることに感謝した方がいいですよ」 矯邑「…………(同情に満ちた瞳)」 夏羽「なんだその目は、言いたいことがあるなら言えよ。解体するぞ」 玉九朗「繍殿! もしや彼らは、先日繍殿が契殿からお借りしていた、『ゆみなもちとくせいあーるじゅうはちしていどうじんし』とやらに書かれていた方か?」 矯邑「しっ、玉九朗さん。世の中には知らないで居た方がいいこともあるんだよ」 玉九朗「しかし繍殿、契殿曰く『しんやにじのかげきなころしあいせいてきないみで』が」 矯邑「いいから! ……私、ちょっとアンタ達に同情するよ。さ、行こう玉九朗さん」 夏羽「何だよ深夜二時って! 言えよ!! はっきり言えよ!! 不安になるだろうが!!!」 陽狩「(……何となく予想できた自分がちょっと嫌だ)」 小ネタ『篭森ミヅキの才能』 伊座波に借りた船の上 篭森「…………」 船員A「…………………………(篭森の方を見ながら息をのむ)」 篭森「……………来た」 船員A「!!! 凄え! あの大きさの鰹を骨格標本を餌に一本釣りしやがった!!」 船員B「しかも船上で捌き始めたぞ!」 船員C「なんて手際の良さだ……瞬きしてる内にナイフ一本で鰹が活け作り状態になってやがる!!」 篭森「じゃ、この美味しそうなとこだけ貰っていくから」 船員一同「「「はい! 後始末はお任せ下さい 姐 さ ん !」」」 篭森「(姐さん……?)」 小ネタ『村崎ユキコの日常』 ピヨ「どうしたんですかお嬢様、何か考え事でも?」 村崎「ピヨちゃん。実はね、私のミスティック能力のことなんだけど……」 ピヨ「【ヒーリングクック(癒しの料理)】が、どうかしたんですか?」 村崎「ほら、私の能力って、フランス料理のフルコース全部食べてもらわなきゃだめじゃない? それって効率的にはあんまり良くないでしょう」 ピヨ「まあ時間もかかりますし、瀕死の人間だと口にするのも一苦労ですね」 村崎「そう、だから発想を逆転してみたの」 ポリバケツに入ったどろりとした液体を取り出す 村崎「一応フルコース全品をミキサーにかけてみたの。これならあんまり苦労せずに素早く口の中に入るかなあって。後は能力が発動するか試すだけよ」 ピヨ「…………どっかから怪我人引っ張ってきます」 小ネタ『不死コンビのバレンタイン』 夏羽「二月半ばだっていうのに、何でこんなに寒いんだよ」 陽狩「そんな穴の開いた服を馬鹿みたいに着ているから寒いんですよ、まあ馬鹿ですから風邪を引かないのが最大の救いですかね」 夏羽「……お前の血で暖を取ってもいいんだぞ」 陽狩「どこぞの赤羊みたいな事を言わないで下さい。とりあえず、これでも着けてたらどうですか?」 夏羽「なんだこりゃ、マフラー?」 陽狩「何の変哲もないマフラーですよ」 夏羽「ミスティック能力がかかってる訳でもなさそうだし、刃が仕込まれてる訳でも薬品が染みこませられてる訳でもなさそうだな」 陽狩「私の首に巻いて安全を確かめる辺り流石ですが、本当に普通の代物ですよ」 夏羽「珍しいな。ま、寒いから有り難く貰ってやってもいいが、これで恩を売ったとか思うなよ。どうせお前の好みじゃなかった女からのもらい物だろうしな」 陽狩「いえ、今年も一つたりともチョコレートを貰えないだろう夏羽に、私がせめてもの愛をこめて編んだプレゼントです。はっぴーばれんたいんー」 夏羽「死にさらせ燃え尽きろ灰になれ! あとさりげなく自分はモテてる自慢するな! どうせ今年も爆弾魔からの偽装チョコ型爆弾のみだよ悪いか!!」 陽狩「……すみません、本格的に可哀想になってきたから止めますね」 夏羽「視線をそらすな哀れむなっ! 畜生無駄にマフラーの出来が良いのがまたムカツクっ!!」 小ネタ『匠さんのバレンタイン』 毎熊「解ってる、解ってるぞー。今年も〈ブルーローズ〉はバレンタインのカップルで満員御礼! 白花が俺に話しかけるヒマは無し! 渡されてもギリか試作品! 期待するな俺!! 期待したら負けだ!!!」 雪城「匠さーん! よかった、開店前に会えた」 毎熊「な、ななななななな何だ白花、何かあったのか?」 雪城「これ、受け取っていただけますか?」 毎熊「おーちーつけーオーレー、そーすうを数えるんだー……じゃなくて、ちょ、チョコだよな!? ギリチョコか? それとも試作品か?」 雪城「もう、何言ってるんですか! きちんと本命ですよ!!」 毎熊「ほ!? ほ、本命!!!???? 夢か!? 夢オチか!?」 雪城「しっかりお返事してあげて下さいね」 毎熊「返事!? ちょ、ちょちょちょちょっと待て、唐突で心の準備が……深呼吸深呼吸ー……あ? して、あげて?」 雪城「はい! 女の子の一世一代の告白なんですから、無視しちゃ駄目ですよー」 毎熊「……これ、お前からじゃ、ないんだ?」 雪城「? これは、さっき郵便受けに、匠さん宛に入ってたチョコレートですけど」 毎熊「………………………………………あ、そういうオチか」 雪城「私から従業員の皆さんへの分は、閉店した後で配りますねー」

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