金宰陽の野望


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

学徒出陣の片腕であった金宰陽が韓遂らと反乱を起こします。反乱軍に立ち向かう越帝・学徒出陣、斉王・張春華。そして未だに領土を得ない日和見。彼らにはどのような運命が待ち受けているのでしょうか?




第四十一話・学徒出陣の帰還


学徒らは新たに大越帝国の帝都となった襄陽に久しぶりに帰還していた。

学徒「渦中の司馬懿からの報告を読んだが、ひょーりみは全然駄目みたいだな。」
こおろぎ「わしの見込み違いであったようですな。所詮、星占いと人相占い
ですからな。」
学徒「ボケッ!たかが占いでひょーりみを苛めたのか。そもそもどう考えても、
梁山泊のボスは張春華であったぞ。斉王は無能のひょーりみに任せたほうが
はるかに安全であった。」

こおろぎ「左様ですな。しかし…北部に封じた王どもはいずれは除かねば
なりません。とりあえず、学徒殿の天下を形にし諸侯を納得させるために
やむおえず王にしたに過ぎません。これから王たちの力を削減し、完全な
る統一体制を築くのです。古の項羽の失敗を繰り返さないよう慎重かつ
大胆に諸王を処分していかなければならないのです。」

学徒「まったく…先生の話は長すぎるぞ。それにしても越の版図は実質、荊、楊の
2州に過ぎん。それにテロリストどもも暴れているみたいだしな」

こおろぎ「袁紹の子らを担ぎ上げる審配、新鋭のテロ首領、劉備などですな。
あやつらは劉焉の援助を受けているとも言われますし、始末には今しばらく
時間がかかりそうですな。」


そのとき、情熱的がすごい勢いで駆け込んできた。

学徒「ノックくらいしろ!ボケッ!!」
情熱的「それどころじゃありません!涼王韓遂めが謀反でございます!」

学徒「はやっ!早すぎるだろ!まだ一ヶ月もたっとらんぞ。」

こおろぎ「韓遂は元々そういう男です。好都合ではありませんか、涼州を接収し
直轄領としましょう。」


だがこおろぎは反乱の規模を大いに勘違いしていた。野心家たちによる新たな大乱が
始まろうとしていた。



第四十二話・中野区の最期の巻


涼王韓遂率いる反乱軍の秦の王都、長安に迫った。それを迎え撃つため秦王
中野区は渭水に陣を敷き迎え討った。

涼軍の先方は馬超という若武者であった。

その蛮勇により秦王中野区民憲章の軍勢は次々に討ち減らされた。

馬超「馬休、馬鉄!」
馬鉄「ジェットストリームアタックですね!兄上!」
馬超「気味の悪い台詞を吐くんじゃない、普通に突撃しろ」

秦軍将校「秦王さま!馬超の軍が迫ってきておりまする!」

「後は、お前等に任す!俺は逃げるぞ!!」そういうと中野区は部下を見捨て
長安城に逃げ込もうとしたが、秦の兵士たちも狭い城門に殺到したため、大混乱
となった。この混乱の中、秦王は仲間の兵馬に押しつぶされ絶命した。

この後、韓遂らは悠々と長安に入城したのである。



これまでのあらすじ


後漢末期、会稽の名門に学徒出陣というどうしょもないどら息子がいた。
そんな息子を心配した母親は、学徒を無理やり洛陽の蔡ヨウ先生のところ
へ勉強へ行かせたのだが、旅の途中で甘寧という賊と決闘したが、コテンパに
やられ、学徒は甘寧の舎弟となってしまった。
もともと兄貴肌の学徒は甘寧党のなかで有力な人物となり、一大派閥を形成した。
甘寧党は討伐にし来た官軍の顔良、文醜を返り討ちにしその勢力を大きく拡大した。
しかし甘寧はパシリの孫権に殺され、その後を学徒が継ぐこととなった。
一大勢力を手に入れた学徒は荊州を平定。その力を恐れた朝廷は学徒を州牧に
任命し懐柔を図ったが、何を思ったのか学徒は朝廷の使者を追い返し、漢朝打倒を
宣言するのだった。
学徒出陣は全土の反朝廷軍を糾合し盟主として、戦いを推し進めるめついに漢朝の
巨星、袁紹を討ち破る。
さらに皇帝から禅譲され大越皇帝に即位する。しかしその実態は軍閥たちの盟主的
な存在であり、実質的な版図は長江以南に限られていた。そんな中、はやくも反乱
勃発、天下の趨勢は未だ定まらず。



第四十三話・ぷらっと捕らわれる


「中野区どのが討ち死にじゃと!」秦王死す。の一報が襄陽に届いたのは
ちょうど、学徒による親征軍が出陣式を終えたところであった。

こおろぎ「中野区殿はわれ等、学徒一門にとって命の恩人でありました。」

学徒「韓遂め、生かしてはおけん。先発隊のぷらっとにもよく伝えておけ。」

そのころ、先発隊のぷらっとは揚州より北上して豫州を通るところであった。
ぷらっとは学徒一門が会稽にいた頃から仕え、袁紹との戦いで活躍した越きっての
猛将である。そんなぷらっとは親友でもある、韓王金宰陽の軍と合流し、韓の
王宮で金と再開した。

ぷらっと「俺の精鋭五万と金の韓軍を合わせれば、反乱軍を討ち破るのもそう
難しいことではあるまい。」

金「そうだな。ところで、ぷらっと大事な話があるんだが。」
ぷらっと「なんだ?戦の話か?」
すると金はとんでもないことを言い出した「このままずっと越王に仕えている
つもりか?」ぷらっとは唖然として言葉が出ない。
金「俺と天下を狙わないか?俺が正帝、おぬしが副帝。その逆でも俺は一向に
かまわん。韓遂を討つよりいい話だろう?」
ぷらっと「何を言い出すんだ?つまらん冗談だな。」

すると金は手を上げ合図らしきことをした。すると韓の将兵が踏む込んできた。

金宰陽「今回の乱の首謀者は俺だ。越王方につく諸王も始末する手はずになっている。
そして、越の先方である、おまえをここで引き止める手はずもな。」

ぷらっとは金が冗談を言っているわけではないことを悟り、顔色が変わった。
ぷらっと「お前酔っているな。」
金「いや、俺はしらふだ」
ぷらっと「いや、酒じゃない血の匂いにだ。冷徹な知略を持つお前らしくもないな。
親友だと思っていたのだが残念だ。これから戦わねばならんとはな」

金「それは無理だな。お前の兵はとっくに武装解除している。越王の名を使ってな。
とにかくお前を傷つけるつもりはない。俺が天下を取るまでそう時間はかからん、
それまで軟禁させてもらうが悪く思うな。俺たちの栄華はすぐそこまで来ている。」

こうしてぷらっとは金に捕らえられ、さらに越の先方隊はここで解体されてしまった。



第四十四話・損権反乱を企む


越の先方は消滅したため、韓遂らはやりたい放題暴れることができた。
さらに学徒の甘寧党時代以来の仲間である金の裏切りは大きな動揺を生んだ。
当初は韓遂の単独の反乱であると思われていたのが、どれほどの裏切り者が
潜伏しているかわからなくなったからである。

そんな中、越帝はひょーりみに涼州攻撃を命じた。また越の監視も緩くなった。

ザビエル「逆賊、韓遂が留守である涼州制圧を命じる。これに成功した場合、
涼王の位を授けるか・・・。」

紫玉「なんか、越も切羽詰っているみたいだね。あたしらのことなんてもう
眼中に無いみたいね。」

ザビエル「ん~。まあ涼州はここと違って、越帝の強さはよくわかっている
だろうし、結構簡単に手に入るかもね。」

そのときである「動くな!」と損権が叫んだ。見ると剣を抜いた兵士たちを
つれている。

損権「皆の者!よく聞け!これから俺たちは、金宰陽殿に味方する!文句のある
奴は前に出ろ!」

ザビエル「ちょっと待て、なんでそうなるんだ!?」

損権「俺は、春華殿に言われて仕方なくついてきただけだ。ここにいる兵の
大半も同じだ。春華殿の命令でなくちゃ聞けんな。」

「まったくだ」と孔明も出てきた。

ひょーりみ「孔明さん、生きてたの・・・」

孔明「金殿の書状だ。ここで一手柄たてれば2州が与えられる。ここにいる
兵たちにも十分すぎるほどの恩賞が与えられるぞ。」

「おおっ~!」と兵士たちから歓声が上がる。そもそも荒くれ者にうける、カリスマ性
では損権、孔明はかなりのものである。春華という強力な押さえがなくてはこの集団を
抑えること用意ではない。

だがここでひょーりみらは越帝の名を出し、春華、呂布、勇魚の名を出しまくった。
他人の名を借りて説得しまくったのである。越帝の強さは第二次黄巾の乱に参加した
者であれば誰でも知っているし、春華の強さもよく知る兵士たちは恐怖に凍りついた。

ザビエル「あの越帝、斉王(春華のこと)に勝てると思うのか?はっきりいって死ぬよ。絶対。」

越帝らの威を借りて、ひょーりみらは兵士たちの説得に成功。ただちに反逆者として損権、孔明
を捕らえた。



第四十五話・ひょーりみ、反逆者を処罰し涼州へ向かう


ひょーりみ「両名は法によって厳正に裁かれねばならない。ザビエル、両名は
どのような刑罰に服すべきか?」

ザビエル「法によれば、反逆扇動者は100叩きの刑であります。」

ひょーりみ「よし!すぐとりかかれ!」

こうして、両名は100叩きの刑となった。「1!2!3!・・・」

渦中の司馬懿「あの~普通、こういう場合は極刑では?刑罰が軽すぎるのでは?」

ひょーりみ「法を厳格に執行することが大事だからね。できもしない刑罰を定めて
後々、困るようなことは止めようと思ってね。」

ザビエル「わが隊では、極刑はめったなことでは用いられませんから。もっとも
甘いわけではありませんよ。情状酌量などは一切認めない方針ですから。」

渦中の司馬懿「左様ですか」

こうして、損権らは100叩きの後、放逐された。そして改めて、ひょーりみ軍は
益州を出て、漢中を抜け、涼州へ向かったのである。



第四十六話・日和見、涼王となる。


さて、ひょーりみはそのまま北上して行き、涼州へたどり着いた。涼州を
守る馬玩らと激戦が続いたが、戦いの合間にザビエルらが越帝の恐ろしさを
説いて県令らを説得した。
まず、越帝への反逆を無謀と知る県令が降り、次に取るべき姿勢に迷う県令
が降り、やがてドミノのようにひょーりみ方になびいていった。
こうして涼州は意外にあっけなく平定されたのである。

ここにひょーりみは正式に涼王日和見を名乗り、紫玉を涼王妃、小銀玉を
涼公玉。ザビエルを涼国丞相、果物キラーを上将軍とした。

こうして日和見は地盤を得たのであるが、すでに戦いの前線は長安、洛陽
方面に移っており、それほど戦いを左右するものでもなかった(反乱軍主力
にとっては、日和見軍など恐れるほどのものでもなかった。)のだが、本国を
占領された精神的なダメージは大いに与えた。



第四十七話・果物キラーの活躍・その1


さて、果物キラーの名が史書に頻繁に登場するようになるのは、涼王(日和見)が
涼州入りしてからのことである。果物キラーは、幽州の北外れで生を受けた。
父は宦官に媚を売り、財を成した人物で評判は悪かったといわれる。

果物キラーは父の財産を元手に、鮮卑と取引をし貴重な汗血馬を仕入れ
その商いは大いに繁盛し財産を倍にした。彼はよく史書を読み、それなりに
習得していた。またそろばんの名人であったとも言われ梁山泊時代には
物資の管理などをしていたという。

その果物キラーが上将軍に抜擢されたのは、単に日和見にとって信用で来る
人材が少なかったからである。特に果物キラーが軍事的才能を期待された
わけではなく、ただ裏切る危険がないという理由だけで選ばれたのである。


日和見は涼王に即位したものの涼州には今だに馬玩ら韓遂の配下たちの軍が
おり、また長安を占拠していた反乱軍本隊からも救援部隊が放たれていた。
果物キラーはとりあえず、馬玩隊を足止めするためにわずかな兵力で出撃した。
彼の役目は、日和見が兵力を整えるまでただ、耐えることであった。



第四十八話・果物キラーの活躍・その2


「明日、果物キラーの陣に夜襲をかける!」と馬玩は意気込んだ。
李堪「確かに今日は新月、必ずうまくいくだろうな」

その頃、果物キラーの本陣では・・・
果物キラー「とてもじゃないが、涼王が来るまで守るなど不可能だ!敵は
こちらの倍はいるんだぞ。」

将校「仕方ありませんな。ここは思い切って引きましょうか?わが国の軍法
ではたとえ敵前逃亡とみなされても、解任程度ですみますしね。」

果物キラー「逃亡ではない。戦略的後退だ。とにかく後退するぞ。」

こうして果物キラーらは陣を捨てて新月にまぎれて撤退したのである。しかし
その途中で、渦中の司馬懿にばったり出くわしたのであった。

渦中の司馬懿「果物キラー殿。こんなところで何をしております?」

果物キラー「渦中の司馬懿こそ、こんなところに何用か?」

渦中の司馬懿「わたしは涼王の書状を持ってきたのござるが。」

果物キラー「涼王の書状・・・?え~と、死んでも陣を死守せよ・・・」

渦中の司馬懿「お分かりいただけましたか?今すぐ陣へお戻りなされ(ニッコリ)」

果物キラー「はぁ・・・まったく、わかった、わかった。何とかやってみるよ。
それから渦中の司馬懿は一刻も早く戻って殿の救援軍を催促してくれ。そんなに
長くもたないから。」

こうして果物キラーはとぼとぼと放棄した自陣へ戻るのであった。その頃、馬玩軍は
大混乱に陥っていた。

馬玩「なんだ!?敵陣に誰もおらん!おのれ!空城の計か!!」

そのとき闇夜から雨のような矢が降ってきた、どこに敵がいるのかも分からず、
うろたえるばかりの馬玩軍は壊滅した。

果物キラー「ふー怖かった。いきなり陣地に敵がびっしりいるんだもんな。
あれ?これって馬玩じゃん。何で死んでるの??」

こうして果物キラーは馬玩軍を大敗させたのである。



第四十九話・果物キラーの活躍・その3


李堪「何!?馬玩が討ち取られただと?おのれ果物キラーめやってくれる!」

武官「しかし、敵の本陣はめちゃくちゃですぞ。空城の計に十分に警戒しながら
もう一度、夜襲をかけるべきでございます。」

李堪「おう、馬玩の敵は必ずとるぞ。」

その頃、果物キラーの陣では、大急ぎで防衛設備の柵、矢倉、石垣などが
築かれていた。しかしあまりの突貫工事で施設はあまりにもぼろぼろであった。

工作兵長「上将軍!工事を急ぎすぎです!このような柵は役に立ちませんぞ!
それにこの石垣などひとりでに崩れてしまいます。矢倉も大風ひとつで倒れますぞ!」

果物キラー「時間がないんだからしょうがないだろ!とにかく急げ、それから
穴だらけだろうが!地形をぼろぼろにするな!」

工作兵長「むちゃくちゃだ・・・これじゃ夜襲をかけられたらひとたまりもない・・・」

そしてその真夜中、李堪らは果物キラーの陣に夜襲をかけたのである。

李堪「よし・・・音を立てるなよ、一気に陣を制圧する・・・」

「よし突撃!!」李堪の掛け声と共に時の声が響き渡り、将兵は突撃した。
「うわわわわ!なんだこの穴は!?」地形がめちゃくちゃなので次々に
穴に落ちる将兵、ひとりでに崩れる石垣に李堪の兵は恐慌をおこした。
李堪「馬鹿者!慌てるな!」

そのとき風が吹き、たちまち矢倉は倒れた。
「うわわわ!!!」李堪は矢倉の下敷きになり即死。
李堪軍は壊滅し、ことごとく果物キラーに降ったのである。



第五十話・果物キラーの活躍・その4


李堪、馬玩軍が壊滅した後。救援軍の梁興が到着した。

果物キラーは、二連勝で天狗となっていた。
果物キラー「梁興は疲れきっている!夜に夜襲をかけるのだ!」

将校「また夜襲ですか?梁興は名将ですぞ。そんな策にはかかりますまい。」

果物キラー「とにかく夜襲だ!俺を信じろ!」

果物キラーは夜襲の準備を進めたが、所詮は素人である詰めが甘い。飯炊きの
煙を大量に出してしまったのである。

韓遂軍将校「梁興さま、飯炊きの煙です。夜か明日の朝に仕掛けてくるに違い
ありません。」

梁興「馬鹿者!果物キラーは馬玩、李堪を赤子の手を捻るがごとく葬った名将
だぞ!そのようなミスを犯すはずがない!あれはわざとだ!到着したばかりで
疲れのたまっている我が軍をさらに緊張状態に置き消耗させるための策略である。
そんな手に乗っては成らん。果物キラーほどの将になると孫子の常識など通用せんのじゃ!!」

韓遂軍将校「さすがは梁興殿!」

しかし梁興の読みに反して、果物キラーは夜襲をかけてきたのである。

梁興「むう!さすがは果物キラー!裏の裏を読んで夜襲とは!まさに軍神・・・
グフ・・・」

こうして果物キラーは梁興も討ち取った。彼はその後、国士無双と呼ばれ
その名は全国に響き渡るのである。



第五十一話・馬超と馬休


痔痴元年12月(西暦191年)

国士無双果物キラーの活躍により日和見の涼州支配は確実なものとなった。
その頃、馬超らは優秀な一族を引き連れ、破竹の勢いで潼関を突破。
さらに洛陽を攻略しその雄姿は錦馬超と称えられるまでとなった。

馬休「さすがは兄上の武勇!涼州から洛陽まで、まさに敵なしですね」
馬超「だが、虎牢関の向こうには、天下にその名が轟き竜兵を恐れられる
張春華がいる。」
馬休「えっ?上島竜兵?」

馬超「(無視)ほかにも斉王は飛将軍呂布をはじめ、各地の英傑を従え西進
してきている。俺に・・・勝てるだろうか?」

馬休「兄上にしては、弱気ですね。って震えているんですか!?兄上!?」

春華、呂布・・・まさに絶対的強者による一方的な殺戮。馬超は自分の力量を
よくわかっている。勝てるはずがない・・・!齢25の若武者の震えはその夜、
泥酔しても止まることはなかったという。

その頃、越の親征軍は20万の大軍で襄陽を出て、韓の王都、南陽を包囲していた。

朝倉渦中「さすがは、金宰陽。南陽を落とすのは並大抵なことではありませんな。」

学徒「だが、確実に戦局はこちらに傾き始めている。金に呼応した勢力は思ったほど
ではなかったからな。」

朝倉渦中「各地からもたらされる情報を総合しますと。韓王の計画は8割がた成功して
いたようです。あきらかなミスは日和見殿の軍を奪い、馬玩らの部隊と共に漢中を制圧
する策が不発に終わった点、その後の日和見殿の破竹の勢いを予測できなった点ですな。」

学徒「ふむ。すると金のミスは日和見関係だけなのか?」

朝倉渦中「はい。そのとうりでしょう。このミスがなければ、今頃反乱軍は漢中、西涼、
洛陽、長安、南陽を抑えており、元々、陛下への忠誠に乏しく野心多き、呂布、張燕らも
容易に引き入れられたとおもいまする。そうなれば、益州の劉焉もここぞとばかりに我らに
牙を剥いていたことでしょう。」

学徒「そうか、随分と危うい情勢であったのだな。さすがは金。天下の策士ということか。
それにしても日和見に救われるとは・・・あの時、八戸を犠牲に助けたかいがあったというものだな。」

朝倉渦中「おおっ。八戸といえばいくつか目撃情報がありまして、どうも生きている可能性が濃厚だ
そうで」

学徒「くくくっ、まったく八戸のしぶといな。」

朝倉渦中「陛下、なんだか嬉しそうですな。」

学徒「それはそうと、今後はどのように賊を平らげればよい?」

朝倉渦中「そうですな。賊は長安、洛陽、南陽の比較的狭い区画に(といっても
結構広い)閉じ込めて、圧殺してしまうのが良策でしょう。」

学徒「長安の韓遂、洛陽の馬超、南陽の金宰陽か・・・。どれも難敵だのう。」

朝倉渦中「すでに我ら帝国軍は南から、斉王と諸王の軍は東から賊を攻め立てて
おります、これに涼王が西から攻撃を加えれば、韓遂、馬超、金宰陽の三角形を
より巨大な三角形で方位するととなりましょう。もっとも涼王にそれだけの大役
が勤まるかどうかは少々、不安ではありますが。」

学徒「そうか、よくわかった。情熱的を涼王への使者に出せ、すぐに韓遂を討つように
命じるのだ。」

こうして、情熱的は涼へむかったのである。



第五十二話・渦中の司馬懿と情熱的


情熱的が涼の都、武威へ入ったのは、ちょうど痔痴2年の元旦であった。

従者「情熱的様。つい最近まで戦場であったというのに、ずいぶん安定して
していますな。」

情熱的「うむ。よく統治されているようだ。それに兵備もかなり整っているようだ。
涼王もなかなかの者であるようだ。」

情熱的は武威の王宮で涼王らと面会した。

涼王「越帝の御使者ですか。遠路はるばるご苦労様です。あっ、別に皮肉とかじゃ
ないよ。」

聖天使ザビエル「それで越帝はなんと?」

情熱的「帝は涼王自ら軍を率いて、西から韓遂を攻めよとのことです。」

涼王「よくわかりました。準備は整っております。すぐに出発しましょう。
御使者殿はお休みになられてはどうでしょうか?元旦ですしね。渦中の司馬懿殿、
使者殿をご案内して差し上げて。」

渦中の司馬懿「御意。」

情熱的は、渦中の司馬懿につれられて個室に案内された。

情熱的「ところで渦中の司馬懿殿。涼王はこの地を治めてまだ日は浅いというのに
ずいぶんと人心を得ておられるようだな。」

渦中の司馬懿「まあそれも、涼王のお人柄ゆえでしょうな。」

情熱的「軍は随分と装備は充実しているようだが、どこからそんな予算が出て
おるのだ?」

渦中の司馬懿「はははは、実はのう、豪族たちがたんまりと富を蓄えておってのう。」

情熱的「なるほど、豪族が不当に蓄えた富を没収したのだな。」

渦中の司馬懿「逆でございます。涼王は豪族の資産をよく保護しております。豪族たちは
漢や韓遂らの時代には、突然の挑発などに悩まされていましたが、涼王は一切の挑発は
しないと宣言されました。また、市政を縛る法の数が多すぎると、不要であると思われる
ものは、学者の意見を参考にして廃されておりまする。その一方で、酷吏を用い、厳格な
法家思想のもと、一切の容赦のない刑の執行が行われており間する。これに関しては異論も
ありますが、すでに極刑、肉刑はめったな事では執行されませんし、財産没収も法からは
削除され・・・」

情熱的「もうよい!」

渦中の司馬懿「は?」

情熱的「もうよいといったのだ。」

渦中の司馬懿「何か気に触りましたか?」


情熱的「渦中殿・・・しばらく見ない間、随分涼王の肩を持つように成りまたな。
ちゃんと涼王の監視はしておられるのか・・・?」

渦中の司馬懿「はぁ・・・・そうでしょうか?」

情熱的「渦中殿は越帝と涼王はどちらが優れていると思われますかな?」

渦中の司馬懿「はぁ・・・・そうですな・・・」

情熱的「何故即答できぬ!渦中殿は越帝に対する忠誠心が薄らいできているようだな。
このことは帝に報告しておく、渦中殿はこのまま涼王に仕えなされ!」

そう言うと、情熱的はさっさと涼王宮を後にした。



第五十三話・涼軍、長安へ向かう


涼王「それにしても豪族のほうから資金を出してくれるとは思わなかったのう。」

ザビエル「それだけ韓遂ら粗暴な軍閥の統治が復活を恐れているのです。さて、
長安に向かいますか。」

こうして、涼軍は5万の軍勢と共に、長安へ向かった。

その頃、陳留には斉王春華らの大軍が集結。いよいよ虎牢関にこもる馬超ら
との戦いに挑もうとしていた。



第五十四話・斉王、張春華・その1


張春華は并州の生まれで、漢人ではないと言われる。その生涯は任侠的な
伝説に包まれている。すでに10歳にして人を斬り、17歳のときには荒くら者たちの
巣窟である梁山泊の女首領として君臨していたと言う。
正史にその名が現れるのは、ひょーりみが霊帝に監禁されたとに、その救出に現れた
ときからであるが、すでにその頃には全国的にかなりの知名度得ていたことが判明
している。

痔痴2年1月27日、張春華は陳留の地に大軍勢を集結させていた。
当時、その様子を見ていた、向こうの888という名の地元の長者は
当時の日記にこう記している。

「まるでアイドルの集会のようだった。斉王が一言、言葉を発するたびに
将兵から大歓声が上がり、興奮の坩堝であった。斉王は見事に諸王を統率
し遼東王、代王、晋王、趙王も、自らの地位が王位であることを忘れ、
当然のように斉王に従った。彼等の主人は斉王であり、越帝など眼中に無いように
見えた。」

陳留、斉、遼東、代、晋、趙連合軍集結地点

「マジ、馬鹿だろm9(*^ヮ^)キャハハ 」
「うおおおお!春華さま~!春華さま~!春華さま~!」

越帝の使いとして様子を見に来ていた迅義は唖然とした。
迅義「なんだこれは…まるで斉王が盟主のようではないか…。」

迅義の部下「はっ、斉王はすでに連合諸侯軍の絶大な支持を得ております。
全軍が斉王の手足のごとく動く出ありましょう。」

迅義「代王劉壁、趙王勇魚はともかく、プライドが高く、野心家の遼東王、
晋王まで斉王の言いなりとは信じられんな。越帝陛下ですら手なずけるのに
苦労なされている虎狼だぞ。」

迅義の部下「はっ、それが遼東王呂布は斉王にすっかり見せられてしまって
いるようで…。」

迅義「呂布が!?あんな筋肉女を好むとはな。どうかしているぞ。」

迅義の部下「晋王はただ、斉王の力を恐れてしたがっているに過ぎないようです」

迅義「そうか、だかそれだけではあるまい。これが任侠的な人徳と言うものなの
だろう。虎狼たちを猫のように手なずけてしまっている。もし斉王に野心が芽生えれば、
我が越帝陛下といえども、窮地に追い込まれるに違いない。」



第五十五話・斉王、張春華・その2


「は~い!進軍!進軍~!キャハハハハハ(*^ヮ^*)」

春華率いる5ヶ国連合の大軍勢は一路、虎牢関へ向かった。

馬休「兄上!斉王です!斉王が来ました!!!」

馬超「ついに来たか!!」

虎牢関からは斉王率いる見渡す限りの大軍勢が整然と並んでいた。5ヶ国の
旗がはためき、戦意はこれ以上はないというほど高まっているのが離れてい
ても感じられた。すると…

「ばちょ~くんいる?一騎討ちしない~?」

馬超「はぁ!?」

虎牢関の将兵は呆気にとられた。連合軍の総大将が黒王に乗ってのこのこと
現れたのである。

馬休「兄上、斉王に一斉射撃を加えれば討ち取れますが、いかがなさいますか?」

馬超「わざわざ了解を求めるとは…馬休、撃つ気は無いのだろう。ここで勝負に
応じねば、武士の恥であろう行って来る。」

馬超は虎牢関から単騎で出て、春華と対面した。春華は鎧を着ているが馬超には
その無駄なく極限にまで鍛えられた武人の直感で肉体が感じられた。

春華「それじゃ~いくよ」 馬超「応!」

勝負は一瞬にしてついた。馬超の槍はあっという間に吹き飛ばされ、次の
瞬間には馬から叩き落されていた。

馬超「なんという強さだ。まさに竜の化身。」

春華「降伏する??」

馬超「相手が人間であれば、敗北を恥辱とし死を選びますが、神仏であれば別です。
決して勝てる相手ではないと悟りました。」

春華「あ~よかった。虎牢関の守兵さんも降ってね~」

こうして春華は一滴の血も流さず、天下の要害、虎牢関を攻略したのだった。
このときばかりは趙王、晋王、遼東王、代王までもが春華を人ではないと感じたと言う。



第五十六話・韓遂の破滅・その1


その頃、長安の韓遂は涼王の軍勢を迎え撃つため。3万の兵で出陣した。
ところが

侯選「韓遂さま大変です!兵が脱走しております」

韓遂「なんだと!?我が精鋭がどうして?」

侯選「ひょーりみの間者が潜入しこんな物をばら撒いているようです」

韓遂「なんだ?父母の手紙??暴君韓遂から解放され、涼王の元で楽しく
暮らしています…って典型的なプロパガンダだろうが!大体、兵どもは字が
読めないはずだろうが。」

侯選「はあ、しかし村の長のサインや大体の内容くらいはわかるようで、
十分に効果はあるようです」

韓遂「おのれ~!こんな古典的な策をつかいをおって!!!反逆者はどこだ!?
俺自ら尋問してしょっ引いてくれる!!」

侯選「……」



第五十七話・韓遂の破滅・その2


小銀玉「侯選うまくいっているようだな。」

侯選「ははっ。韓遂めは父母の手紙の話を本気にして、兵士たちを疑っておりまする。
また無実の将が拷問を加えられ、自白を迫られておりまする。」

小銀玉「まったく、韓遂ほどの男がこんな手にかかるとは…それにしてもうちの軍師も
本当にやることが汚いな」

侯選「このままいけば、いずれ本当に脱走兵が現れるでしょうな」

その後もザビエルは韓遂方の将兵を買収し、あらゆる謀略をかけ続けた。
やがて、韓遂軍は自壊してゆき最期に韓遂は味方の兵に殺されて果てた。

涼軍もまた、悠々と長安に入場したのである。



第五十八話・ぷらっと救出


越軍の大軍が南陽を包囲してから、2ヶ月が経とうとしていた。

こおろぎ「陛下、ぷらっと将軍救出計画ですが…むむっ!なんと酒臭い。」

越帝のテントに入ると、学徒は女たちや宦官の中山幸盛らと戯れていた。
こおろぎは顔を真っ赤にしてどなった。

こおろぎ「中山幸盛!また貴様か!陛下に駄目人間にするつもりか!斬り捨てるぞ!」

学徒「ボケッ!うるさいぞ、こおろぎ。たかが宦官、見逃してやれ。とりあえず
今日は下がってよいぞ。中山幸盛。」

中山幸盛「御意(こおろぎめ、いつか覚えていろ…)」

こおろぎ「そんなことより、例の計画ですが…」

学徒「ああ、くノ一を使う計画だったな。うまくいくのか?」

こおろぎ「ぷらっと将軍は我が軍の宝。必ず成功させまする」

さて、南陽に軟禁されているぷらっとであったが、その真夜中。

「もしもし、ぷらっと将軍ですね。」と女の声が聞こえた。
「私、貂蝉と申します。将軍の救出に参りました。」

ぷらっと「なんだと?お前が??ところでそのシャカシャカはなんだ?」

貂蝉「シャカシャカ??ああこれですか。これはマラカスではございません」

そのとき、「貂蝉さま準備はできました。」と忍びが現れた。

貂蝉「城内の兵糧などはすべて焼き払います。洛陽、長安を失い反乱軍は、
士気が落ちております。警備も随分散漫となっておりますので安心して
ついて来てください。」

ぷらっと「そうか…」



第五十九話・ぷらっと、旧友を逃がす


孤立し、城内の兵糧を失った南陽軍はみるみる衰えていった。

朝倉渦中「そろそろじゃ。そろそろ金宰陽は根を上げ、場外へ脱出するはずじゃ。
主な脱出経路は二つある、宇喜多将軍、ぷらっと将軍はそれぞれの出口を固め
かならずや金を討ち取るのじゃ!」

「ははっ!」

それから数日後、ついに金は少数の兵を連れて場外への脱出をはかった。その途上、
ぷらっとの大軍とばったり遭遇した。

金宰陽「さすがだな。ぷらっと手抜かりはないな。俺の悪運もここまでか。」

するとぷらっとは兵に合図を送った。すると、ぷらっとの軍は二手に別れ、
道を明けたのである。

金「まさか、逃がしてくれるのか?…恩に着るぞぷらっと…」

こうして韓王金宰陽は少数の兵士たちと共に闇夜に消え去ったのである。



第六十話・軍法会議


翌日、ぷらっとは軍法会議にかけられた。

朝倉渦中「ぷらっと将軍。今回の大乱の首謀者である金宰陽を故意に逃がしたこと
は最大級の罪である。理解しておるな」


ぷらっと「はい。」

朝倉渦中「ならば軍法により死罪を申し渡す。」

学徒「待て!ぷらっとは俺が一介の会稽の住人に過ぎなかった頃から仕えている。
それを処断などできるわけがなかろう。」

朝倉渦中「法は法です。身内だからと言って例外を認めれば、法の意味がありません」

学徒「それならば、何が何でもぷらっとを処断すると言うのだな。」

朝倉渦中「御意。」

学徒「おぬし何様のつもりだ。」

「なな!?」学徒の思いがけない台詞に場内はざわめいた。

学徒「朝倉渦中よ。そちは余に仕えて2年足らずであろう。それにひきかえ、
ぷらっとは10年以上も学徒家に仕えているのだぞ!そちには、学徒家の人情
はわからぬまい」

朝倉渦中「……陛下がそうおっしゃるのであれば、したがいまする。」

こうして、ぷらっとは一命を取り留めたのである。