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その他の特性値」(2006/06/07 (水) 12:47:53) の最新版変更点

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**歪みと尖がり これまではデータの分布の中心やちらばりについて考えてきた。 しかしデータの分布は他にも、大小どちらかにゆがんでいたり、また上につんと尖がっていたり、ぺちゃんこだったりする。 こうしたデータの分布を表現するのに、 #ref(m3.gif) #ref(m4.gif) つまり平均からそれぞれの値の差(偏差)を3乗して平均を出したり(ゆがみ)、4乗して平均を出したり(尖がり)する。 このような偏差のk乗(k=1,2,3,4・・・)の平均値のことを、k次の平均まわりのモーメントと総称する。  成績データをつかって計算してみよう。 seiseki_m3<-mean(((seiseki-mean(seiseki))^3)) seiseki_m3 [1] -3736.766 seiseki_m4<-mean(((seiseki-mean(seiseki))^4)) seiseki_m4 [1] 306791.1 いま計算した3次・4次のモーメントは、測定単位に依存するので、どちらも標準偏差で割ってやって、単位に左右されないように調整してやるとよい。これをつかって歪度(κ3)と尖度(κ4)を #ref(kappa3.gif) #ref(kappa4.gif) で表すことにする。 これまた成績データをつかって計算すると、   seiseki_skewness<-seiseki_m3/(sampleSD(seiseki))^3 seiseki_skewness [1] -0.6087587 seiseki_kurtosis<-seiseki_m4/(sampleSD(seiseki))^4 seiseki_kurtosis [1] 2.72966 ここらでちゃんと関数の形で書いておこう >skewness<-function(x){ >m3<-mean( ( (x-mean(x) )^3)) >return(m3/(sampleSD(x))^3)} >kurtosis<-function(x){ >m4<-mean( ( ( x-mean(x) )^4)) >return(m4/(sampleSD(x))^4)} ためしにさっきの成績データを計算してみると skewness(seiseki) [1] -0.6087587 kurtosis(seiseki) [1] 2.72966 さらに収益率データで計算してみると skewness(t_shuueki_ritu) [1] 0.2203718 kurtosis(t_shuueki_ritu) [1] 2.758251 この歪度や尖度は、大きいのか小さいのか。 ためしに正規分布に従う乱数を1000個つくって、この歪度や尖度を計算してみよう。 seiki_bunpu<-rnorm(1000) ##正規分布に従う乱数を1000個つくって格納する。 mean(seiki_bunpu) [1] -0.1043721 sampleSD(seiki_bunpu) [1] 1.014130 rnorm()は、デフォルトでは平均0標準偏差1の正規分布に従う乱数を発生させる。 平均はゼロ付近であり、標準偏差は1あたりである。 さて歪度と尖度を計算しよう。 skewness(seiki_bunpu) [1] 0.02163942 kurtosis(seiki_bunpu) [1] 3.054034 参考のためにヒストグラムを描いておこう。 #ref(seiki_bunpu.gif) 金融経済学(ファイナンス)の分野では、日々の収益率から度数分布を計算すると、しばしばκ4は大きくなることが分かってきた。 何に対して大きいかといえば、先に見たとおり正規分布ではκ4は3になるのだが、収益率の尖度κ4これよりも大きい。 今、為替レート(円:対ドル、1989年1月~2003年6月)を用意して、収益率(Yen_shueki)を次の式で定義した。 Yen_shueki<-log(Yen)-log(Yen_1) Yen_1はYenより1箇月前の数値である。 為替レートを時系列データとして入力。 Yen <- ts( c( 129.13,127.15,132.55,132.49,142.7,143.95,138.4,144.28,139.35,142.15, 142.9,143.4,144.4,148.52,157.65,159.08,151.75,152.85,147.5,144.5, 137.95,129.35,132.75,135.4,131.4,131.95,140.55,137.42,137.97,138.15, 137.83,136.88,132.95,131,130.07,125.25,125.78,129.33,133.05,133.38, 128.33,125.55,127.3,123.42,119.25,123.35,124.75,124.65,124.3,117.85, 115.35,111.1,107.45,106.51,105.6,104.18,105.1,108.23,108.82,111.89, 109.55,104.3,102.8,102.38,104.38,98.95,99.93,99.57,98.59,97.37, 98.98,99.83,98.58,96.93,88.38,83.77,83.19,84.77,88.17,97.46, 98.18,101.9,101.66,102.91,106.92,104.58,106.49,104.29,108.37,109.88, 107.13,108.4,111.45,113.27,113.44,115.98,122.13,120.88,123.97,126.92, 116.43,114.3,117.74,119.39,121.44,120.29,127.66,129.92,127.34,126.72, 133.39,131.95,138.72,139.95,143.79,141.52,135.72,116.09,123.83,115.2, 115.98,120.32,119.99,119.59,121.37,120.87,115.27,110.19,105.66,104.89, 102.42,102.08,106.9,110.27,105.29,106.44,107.3,105.4,109.52,106.43, 107.75,108.81,111.07,114.9,116.38,116.44,125.27,124.06,119.06,124.27, 124.79,118.92,119.29,121.84,123.98,131.47,132.94,133.89,132.71,127.97, 123.96,119.22,119.82,117.97,121.79,122.48,122.44,119.37,119.21,117.75, 119.02,119.46,118.63), start=c(1989,1),freq=12) 最初の値を取り除いて、1か月分ずれた時系列データをつくってYen_1に入力。 データ数もひとつ少なくなっているので、最後のデータを付け加えて、Yenとデータ数を揃えた。 Yen_1<-Yen[-1] Yen_1<-c(Yen_1,118.63) Yen_1 [1] 127.15 132.55 132.49 142.70 143.95 138.40 144.28 139.35 142.15 142.90 143.40 144.40 148.52 157.65 [15] 159.08 151.75 152.85 147.50 144.50 137.95 129.35 132.75 135.40 131.40 131.95 140.55 137.42 137.97 [29] 138.15 137.83 136.88 132.95 131.00 130.07 125.25 125.78 129.33 133.05 133.38 128.33 125.55 127.30 [43] 123.42 119.25 123.35 124.75 124.65 124.30 117.85 115.35 111.10 107.45 106.51 105.60 104.18 105.10 [57] 108.23 108.82 111.89 109.55 104.30 102.80 102.38 104.38 98.95 99.93 99.57 98.59 97.37 98.98 [71] 99.83 98.58 96.93 88.38 83.77 83.19 84.77 88.17 97.46 98.18 101.90 101.66 102.91 106.92 [85] 104.58 106.49 104.29 108.37 109.88 107.13 108.40 111.45 113.27 113.44 115.98 122.13 120.88 123.97 [99] 126.92 116.43 114.30 117.74 119.39 121.44 120.29 127.66 129.92 127.34 126.72 133.39 131.95 138.72 [113] 139.95 143.79 141.52 135.72 116.09 123.83 115.20 115.98 120.32 119.99 119.59 121.37 120.87 115.27 [127] 110.19 105.66 104.89 102.42 102.08 106.90 110.27 105.29 106.44 107.30 105.40 109.52 106.43 107.75 [141] 108.81 111.07 114.90 116.38 116.44 125.27 124.06 119.06 124.27 124.79 118.92 119.29 121.84 123.98 [155] 131.47 132.94 133.89 132.71 127.97 123.96 119.22 119.82 117.97 121.79 122.48 122.44 119.37 119.21 [169] 117.75 119.02 119.46 118.63 118.63 定義どおり、収益率を計算する。 Yen_shueki<-log(Yen)-log(Yen_1) 最後はゼロなので、除いておく。 Yen_shueki<-Yen_shueki[-172] 収益率はこんな感じになった。 Yen_shueki [1] 0.0154521570 -0.0415924409 0.0004527619 -0.0742373536 -0.0087214926 0.0393179739 -0.0416078129 [8] 0.0347671021 -0.0198940842 -0.0052622468 -0.0034928432 -0.0069492983 -0.0281324029 -0.0596577567 [15] -0.0090298343 0.0471727904 -0.0072226184 0.0356288726 0.0205486682 0.0463882069 0.0643693920 [22] -0.0259457515 -0.0197657004 0.0299872544 -0.0041769569 -0.0631402344 0.0225213677 -0.0039943406 [29] -0.0013037811 0.0023190097 0.0069164121 0.0291315119 0.0147757945 0.0071245561 0.0377610271 [36] -0.0042226092 -0.0278329283 -0.0283577200 -0.0024771998 0.0385971259 0.0219009857 -0.0138424200 [43] 0.0309533327 0.0343710431 -0.0338037132 -0.0112858917 0.0008019247 0.0028118115 0.0532853691 [50] 0.0214416448 0.0375402880 0.0334050736 0.0087867456 0.0085805062 0.0135381990 -0.0087921056 [57] -0.0293463144 -0.0054365488 -0.0278211048 0.0211351798 0.0491097040 0.0144860090 0.0040939720 [64] -0.0193467052 0.0534234142 -0.0098552688 0.0036090265 0.0098910778 0.0124516816 -0.0163996545 [71] -0.0085509298 0.0126003381 0.0168793328 0.0923433688 0.0535707515 0.0069477999 -0.0188145583 [78] -0.0393250625 -0.1001752683 -0.0073604912 -0.0371894116 0.0023580282 -0.0122209078 -0.0382260714 [85] 0.0221285625 -0.0180987553 0.0208756039 -0.0383758178 -0.0138375633 0.0253458110 -0.0117850387 [92] -0.0277479708 -0.0161982894 -0.0014997136 -0.0221436997 -0.0516682887 0.0102877332 -0.0252412829 [99] -0.0235173659 0.0862667327 0.0184636632 -0.0296522328 -0.0139166418 -0.0170248683 0.0095148196 [106] -0.0594649858 -0.0175483966 0.0200582018 0.0048807465 -0.0512972401 0.0108541052 -0.0500344501 [113] -0.0088277029 -0.0270686859 0.0159128520 0.0418471099 0.1562281876 -0.0645439049 0.0722399090 [120] -0.0067480142 -0.0367370978 0.0027464542 0.0033391800 -0.0147745051 0.0041281432 0.0474383853 [127] 0.0450710541 0.0419797568 0.0073142098 0.0238301759 0.0033251864 -0.0461369984 -0.0310380857 [134] 0.0462134559 -0.0108629982 -0.0080472035 0.0178660135 -0.0383445449 0.0286196889 -0.0123262369 [141] -0.0097895130 -0.0205573912 -0.0339015517 -0.0127985144 -0.0005154196 -0.0730952890 0.0097060883 [148] 0.0411377518 -0.0428290501 -0.0041757067 0.0481813264 -0.0031065052 -0.0211512053 -0.0174115537 [155] -0.0586584264 -0.0111192099 -0.0071206687 0.0088522709 0.0363704350 0.0318369285 0.0389884071 [162] -0.0050200909 0.0155602618 -0.0318678952 -0.0056495013 0.0003266373 0.0253932010 0.0013412694 [169] 0.0123229108 -0.0107278133 -0.0036900411 さて、歪度と尖度を計算すると skewness(Yen_shueki) [1] 0.5298968 kurtosis(Yen_shueki) [1] 5.427148 たしかに尖度は正規分布の3よりも大きく、収益率の分布は正規分布よりも尖がっている(ファイナンス研究者がいう、収益率データの非正規性)。 もう一度、ヒストグラムを描いてみよう(正規分布のグラフと比較せよ)。 #ref(Yen_shueki.gif) ---- **ジニ係数 ジニ係数(Gini coefficient または Gini's coefficient)とは、主に社会における所得分配の不平等さを測る指標。ローレンツ曲線をもとに、1936年、イタリアの統計学者コッラド・ジニによって考案された。所得分配の不平等さ以外にも富の偏在性やエネルギー消費における不平等さなどに応用される。 係数の範囲は0から1で、係数の値が0に近いほど格差が少ない状態で、1に近いほど格差が大きい状態であることを意味する。ちなみに、0のときには完全な「平等」―つまり皆同じ所得を得ている状態を示す。 目安として、一般的には0.2~0.3(市場経済(自由経済)においては0.3~0.4)が通常の値と言われている。 ジニ係数(Gini('s) coefficient)を計算するには、数値のあらゆる組合せの絶対値の和を2*データ数^2*データ平均で割った値を求めればよい。 まず1951年の所得データについてジニ係数を求めよう。 shotoku1951<-c(5516,11107,14830,19428,31781) まずあらゆる組合せの絶対値の和を求めよう。 Rでループなどの制御構造はなるべく使わないのがスマートなやり方だが、基本に返って二重ループで回す。 buffer<-0 for(i in shotoku1951){ for(j in shotoku1951){ buffer<-buffer+abs(i-j) } } buffer [1] 243404 これを2*データ数^2*データ平均で割ると buffer/(2*length(shotoku1951)^2*mean(shotoku1951)) [1] 0.2944569 これも関数の形でまとめておこう gini_coeff<-function(x){ buffer<-0 for(i in x){ for(j in x){ buffer<-buffer+abs(i-j) } } return(buffer/(2*length(x)^2*mean(x))) } 1985年の所得データを使って shotoku1985<-c(247897,337088,419016,510747,709482) 1985年のジニ係数を計算しよう。 gini_coeff(shotoku1985) [1] 0.197251 したがって1951年に比べて1985年のほうが、少しは不平等は改善されている、といえる。 ジニ係数は不平等さを客観的に分析、比較する際の代表的な指標のひとつとなっているが、同じジニ係数で示される状態であっても、ローレンツ曲線の元の形が著しく違えば、実感として感じる不平等さがまったく変わってくる可能性がある。 (参考) 全国消費実態調査トピックス -日本の所得格差について-(総務省統計局) http://www.stat.go.jp/data/zensho/topics/1999-1.htm →[[國友直人(1992)『経済学入門シリーズ 現代統計学(上・下)』(日経文庫)]]へもどる
#contents **歪みと尖がり これまではデータの分布の中心やちらばりについて考えてきた。 しかしデータの分布は他にも、大小どちらかにゆがんでいたり、また上につんと尖がっていたり、ぺちゃんこだったりする。 こうしたデータの分布を表現するのに、 #ref(m3.gif) #ref(m4.gif) つまり平均からそれぞれの値の差(偏差)を3乗して平均を出したり(ゆがみ)、4乗して平均を出したり(尖がり)する。 このような偏差のk乗(k=1,2,3,4・・・)の平均値のことを、k次の平均まわりのモーメントと総称する。  成績データをつかって計算してみよう。 seiseki_m3<-mean(((seiseki-mean(seiseki))^3)) seiseki_m3 [1] -3736.766 seiseki_m4<-mean(((seiseki-mean(seiseki))^4)) seiseki_m4 [1] 306791.1 いま計算した3次・4次のモーメントは、測定単位に依存するので、どちらも標準偏差で割ってやって、単位に左右されないように調整してやるとよい。これをつかって歪度(κ3)と尖度(κ4)を #ref(kappa3.gif) #ref(kappa4.gif) で表すことにする。 これまた成績データをつかって計算すると、   seiseki_skewness<-seiseki_m3/(sampleSD(seiseki))^3 seiseki_skewness [1] -0.6087587 seiseki_kurtosis<-seiseki_m4/(sampleSD(seiseki))^4 seiseki_kurtosis [1] 2.72966 ここらでちゃんと関数の形で書いておこう >skewness<-function(x){ >m3<-mean( ( (x-mean(x) )^3)) >return(m3/(sampleSD(x))^3)} >kurtosis<-function(x){ >m4<-mean( ( ( x-mean(x) )^4)) >return(m4/(sampleSD(x))^4)} ためしにさっきの成績データを計算してみると skewness(seiseki) [1] -0.6087587 kurtosis(seiseki) [1] 2.72966 さらに収益率データで計算してみると skewness(t_shuueki_ritu) [1] 0.2203718 kurtosis(t_shuueki_ritu) [1] 2.758251 この歪度や尖度は、大きいのか小さいのか。 ためしに正規分布に従う乱数を1000個つくって、この歪度や尖度を計算してみよう。 seiki_bunpu<-rnorm(1000) ##正規分布に従う乱数を1000個つくって格納する。 mean(seiki_bunpu) [1] -0.1043721 sampleSD(seiki_bunpu) [1] 1.014130 rnorm()は、デフォルトでは平均0標準偏差1の正規分布に従う乱数を発生させる。 平均はゼロ付近であり、標準偏差は1あたりである。 さて歪度と尖度を計算しよう。 skewness(seiki_bunpu) [1] 0.02163942 kurtosis(seiki_bunpu) [1] 3.054034 参考のためにヒストグラムを描いておこう。 #ref(seiki_bunpu.gif) 金融経済学(ファイナンス)の分野では、日々の収益率から度数分布を計算すると、しばしばκ4は大きくなることが分かってきた。 何に対して大きいかといえば、先に見たとおり正規分布ではκ4は3になるのだが、収益率の尖度κ4これよりも大きい。 今、為替レート(円:対ドル、1989年1月~2003年6月)を用意して、収益率(Yen_shueki)を次の式で定義した。 Yen_shueki<-log(Yen)-log(Yen_1) Yen_1はYenより1箇月前の数値である。 為替レートを時系列データとして入力。 Yen <- ts( c( 129.13,127.15,132.55,132.49,142.7,143.95,138.4,144.28,139.35,142.15, 142.9,143.4,144.4,148.52,157.65,159.08,151.75,152.85,147.5,144.5, 137.95,129.35,132.75,135.4,131.4,131.95,140.55,137.42,137.97,138.15, 137.83,136.88,132.95,131,130.07,125.25,125.78,129.33,133.05,133.38, 128.33,125.55,127.3,123.42,119.25,123.35,124.75,124.65,124.3,117.85, 115.35,111.1,107.45,106.51,105.6,104.18,105.1,108.23,108.82,111.89, 109.55,104.3,102.8,102.38,104.38,98.95,99.93,99.57,98.59,97.37, 98.98,99.83,98.58,96.93,88.38,83.77,83.19,84.77,88.17,97.46, 98.18,101.9,101.66,102.91,106.92,104.58,106.49,104.29,108.37,109.88, 107.13,108.4,111.45,113.27,113.44,115.98,122.13,120.88,123.97,126.92, 116.43,114.3,117.74,119.39,121.44,120.29,127.66,129.92,127.34,126.72, 133.39,131.95,138.72,139.95,143.79,141.52,135.72,116.09,123.83,115.2, 115.98,120.32,119.99,119.59,121.37,120.87,115.27,110.19,105.66,104.89, 102.42,102.08,106.9,110.27,105.29,106.44,107.3,105.4,109.52,106.43, 107.75,108.81,111.07,114.9,116.38,116.44,125.27,124.06,119.06,124.27, 124.79,118.92,119.29,121.84,123.98,131.47,132.94,133.89,132.71,127.97, 123.96,119.22,119.82,117.97,121.79,122.48,122.44,119.37,119.21,117.75, 119.02,119.46,118.63), start=c(1989,1),freq=12) 最初の値を取り除いて、1か月分ずれた時系列データをつくってYen_1に入力。 データ数もひとつ少なくなっているので、最後のデータを付け加えて、Yenとデータ数を揃えた。 Yen_1<-Yen[-1] Yen_1<-c(Yen_1,118.63) Yen_1 [1] 127.15 132.55 132.49 142.70 143.95 138.40 144.28 139.35 142.15 142.90 143.40 144.40 148.52 157.65 [15] 159.08 151.75 152.85 147.50 144.50 137.95 129.35 132.75 135.40 131.40 131.95 140.55 137.42 137.97 [29] 138.15 137.83 136.88 132.95 131.00 130.07 125.25 125.78 129.33 133.05 133.38 128.33 125.55 127.30 [43] 123.42 119.25 123.35 124.75 124.65 124.30 117.85 115.35 111.10 107.45 106.51 105.60 104.18 105.10 [57] 108.23 108.82 111.89 109.55 104.30 102.80 102.38 104.38 98.95 99.93 99.57 98.59 97.37 98.98 [71] 99.83 98.58 96.93 88.38 83.77 83.19 84.77 88.17 97.46 98.18 101.90 101.66 102.91 106.92 [85] 104.58 106.49 104.29 108.37 109.88 107.13 108.40 111.45 113.27 113.44 115.98 122.13 120.88 123.97 [99] 126.92 116.43 114.30 117.74 119.39 121.44 120.29 127.66 129.92 127.34 126.72 133.39 131.95 138.72 [113] 139.95 143.79 141.52 135.72 116.09 123.83 115.20 115.98 120.32 119.99 119.59 121.37 120.87 115.27 [127] 110.19 105.66 104.89 102.42 102.08 106.90 110.27 105.29 106.44 107.30 105.40 109.52 106.43 107.75 [141] 108.81 111.07 114.90 116.38 116.44 125.27 124.06 119.06 124.27 124.79 118.92 119.29 121.84 123.98 [155] 131.47 132.94 133.89 132.71 127.97 123.96 119.22 119.82 117.97 121.79 122.48 122.44 119.37 119.21 [169] 117.75 119.02 119.46 118.63 118.63 定義どおり、収益率を計算する。 Yen_shueki<-log(Yen)-log(Yen_1) 最後はゼロなので、除いておく。 Yen_shueki<-Yen_shueki[-172] 収益率はこんな感じになった。 Yen_shueki [1] 0.0154521570 -0.0415924409 0.0004527619 -0.0742373536 -0.0087214926 0.0393179739 -0.0416078129 [8] 0.0347671021 -0.0198940842 -0.0052622468 -0.0034928432 -0.0069492983 -0.0281324029 -0.0596577567 [15] -0.0090298343 0.0471727904 -0.0072226184 0.0356288726 0.0205486682 0.0463882069 0.0643693920 [22] -0.0259457515 -0.0197657004 0.0299872544 -0.0041769569 -0.0631402344 0.0225213677 -0.0039943406 [29] -0.0013037811 0.0023190097 0.0069164121 0.0291315119 0.0147757945 0.0071245561 0.0377610271 [36] -0.0042226092 -0.0278329283 -0.0283577200 -0.0024771998 0.0385971259 0.0219009857 -0.0138424200 [43] 0.0309533327 0.0343710431 -0.0338037132 -0.0112858917 0.0008019247 0.0028118115 0.0532853691 [50] 0.0214416448 0.0375402880 0.0334050736 0.0087867456 0.0085805062 0.0135381990 -0.0087921056 [57] -0.0293463144 -0.0054365488 -0.0278211048 0.0211351798 0.0491097040 0.0144860090 0.0040939720 [64] -0.0193467052 0.0534234142 -0.0098552688 0.0036090265 0.0098910778 0.0124516816 -0.0163996545 [71] -0.0085509298 0.0126003381 0.0168793328 0.0923433688 0.0535707515 0.0069477999 -0.0188145583 [78] -0.0393250625 -0.1001752683 -0.0073604912 -0.0371894116 0.0023580282 -0.0122209078 -0.0382260714 [85] 0.0221285625 -0.0180987553 0.0208756039 -0.0383758178 -0.0138375633 0.0253458110 -0.0117850387 [92] -0.0277479708 -0.0161982894 -0.0014997136 -0.0221436997 -0.0516682887 0.0102877332 -0.0252412829 [99] -0.0235173659 0.0862667327 0.0184636632 -0.0296522328 -0.0139166418 -0.0170248683 0.0095148196 [106] -0.0594649858 -0.0175483966 0.0200582018 0.0048807465 -0.0512972401 0.0108541052 -0.0500344501 [113] -0.0088277029 -0.0270686859 0.0159128520 0.0418471099 0.1562281876 -0.0645439049 0.0722399090 [120] -0.0067480142 -0.0367370978 0.0027464542 0.0033391800 -0.0147745051 0.0041281432 0.0474383853 [127] 0.0450710541 0.0419797568 0.0073142098 0.0238301759 0.0033251864 -0.0461369984 -0.0310380857 [134] 0.0462134559 -0.0108629982 -0.0080472035 0.0178660135 -0.0383445449 0.0286196889 -0.0123262369 [141] -0.0097895130 -0.0205573912 -0.0339015517 -0.0127985144 -0.0005154196 -0.0730952890 0.0097060883 [148] 0.0411377518 -0.0428290501 -0.0041757067 0.0481813264 -0.0031065052 -0.0211512053 -0.0174115537 [155] -0.0586584264 -0.0111192099 -0.0071206687 0.0088522709 0.0363704350 0.0318369285 0.0389884071 [162] -0.0050200909 0.0155602618 -0.0318678952 -0.0056495013 0.0003266373 0.0253932010 0.0013412694 [169] 0.0123229108 -0.0107278133 -0.0036900411 さて、歪度と尖度を計算すると skewness(Yen_shueki) [1] 0.5298968 kurtosis(Yen_shueki) [1] 5.427148 たしかに尖度は正規分布の3よりも大きく、収益率の分布は正規分布よりも尖がっている(ファイナンス研究者がいう、収益率データの非正規性)。 もう一度、ヒストグラムを描いてみよう(正規分布のグラフと比較せよ)。 #ref(Yen_shueki.gif) ---- **ジニ係数 ジニ係数(Gini coefficient または Gini's coefficient)とは、主に社会における所得分配の不平等さを測る指標。ローレンツ曲線をもとに、1936年、イタリアの統計学者コッラド・ジニによって考案された。所得分配の不平等さ以外にも富の偏在性やエネルギー消費における不平等さなどに応用される。 係数の範囲は0から1で、係数の値が0に近いほど格差が少ない状態で、1に近いほど格差が大きい状態であることを意味する。ちなみに、0のときには完全な「平等」―つまり皆同じ所得を得ている状態を示す。 目安として、一般的には0.2~0.3(市場経済(自由経済)においては0.3~0.4)が通常の値と言われている。 ジニ係数(Gini('s) coefficient)を計算するには、数値のあらゆる組合せの絶対値の和を2*データ数^2*データ平均で割った値を求めればよい。 まず1951年の所得データについてジニ係数を求めよう。 shotoku1951<-c(5516,11107,14830,19428,31781) まずあらゆる組合せの絶対値の和を求めよう。 Rでループなどの制御構造はなるべく使わないのがスマートなやり方だが、基本に返って二重ループで回す。 buffer<-0 for(i in shotoku1951){ for(j in shotoku1951){ buffer<-buffer+abs(i-j) } } buffer [1] 243404 これを2*データ数^2*データ平均で割ると buffer/(2*length(shotoku1951)^2*mean(shotoku1951)) [1] 0.2944569 これも関数の形でまとめておこう gini_coeff<-function(x){ buffer<-0 for(i in x){ for(j in x){ buffer<-buffer+abs(i-j) } } return(buffer/(2*length(x)^2*mean(x))) } 1985年の所得データを使って shotoku1985<-c(247897,337088,419016,510747,709482) 1985年のジニ係数を計算しよう。 gini_coeff(shotoku1985) [1] 0.197251 したがって1951年に比べて1985年のほうが、少しは不平等は改善されている、といえる。 ジニ係数は不平等さを客観的に分析、比較する際の代表的な指標のひとつとなっているが、同じジニ係数で示される状態であっても、ローレンツ曲線の元の形が著しく違えば、実感として感じる不平等さがまったく変わってくる可能性がある。 (参考) 全国消費実態調査トピックス -日本の所得格差について-(総務省統計局) http://www.stat.go.jp/data/zensho/topics/1999-1.htm →[[國友直人(1992)『経済学入門シリーズ 現代統計学(上・下)』(日経文庫)]]へもどる

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