05#1.Impulse


難破船の墓と呼ばれる地域に着いた旭は
ある海底洞窟の入り口で足を止める
「ココか・・・・」

さくらとチャトも旭にやっと追いついた
「マスター!!どうしたの、急に?」
必死に追いかけたせいで
なんとか呼吸を整えながらさくらは旭に聞いた
「さくら!チャト!
今からアクアリウムに戻れ!!
ヤツが生きていた・・・・今度こそ俺が!!!」
そう叫ぶと旭は洞窟内に消えていった

「ど、どうするニャ?さくら!!」
「どうするも何も・・・・
マスターを一人にするわけいかないでしょ!!」
そう言うとさくらとチャトも洞窟へ入る

洞窟内は海水が滴る音と
フライアイと呼ばれる一つ目のコウモリが羽ばたく音しか聞こえない
空気も冷ややかだ
その中をさくらとチャトは旭に
追いつこうと必死に走る
さらに奥に進むと大きな空洞が広がっており
真ん中に旭が立っている

「マスター!!!」
旭を見つけたさくらとチャトが大きな声を上げ
旭に向かって飛びついてきた
「バカッ!何でついてきた!!」
「マスターを一人にしていけないもん!!!!」
さくらは目を潤ませながら旭に怒鳴りつけた
「・・・そういう問題じゃ・・・・・」
「フフフ・・・・」
空洞の奥からクスクスと笑う声が聞こえた

最終更新:2010年02月23日 06:49