03.Brotherfood

ジンは頭を掻きながら一呼吸を置き
背負っていたロヘンを旭の前に突き出す
「ほら!」
「え?」
ジンの行動に旭はどういう意味なのか理解できていない
その表情をジンは理解してか旭に対してこう続ける
「餞別だ、受け取れ」
「でも、コレはジン兄さんが大事に使っているロヘンじゃないですか?」
「いいんだよ、元々お前にやるつもりだったしな」
「でも・・・もらえませんよ」

旭がロヘンを突返す
少しの間沈黙が続いたのち
ジンがため息をつきながら切り出した
「・・・・お前は相変わらず頑固だな、少しは空気を読めよ」
「・・・・・はあ・・・」
「わかったよ
んじゃあこうしよう。お前にこのロヘンを預ける。
もし、何年か経ってそれでも俺に返したいと思ってたなら返しにこい。
ただし俺とアソが認めるほどの立派な戦士になってな。
じゃなきゃロヘン突っ返すぞ」
長い沈黙の中
旭が答える
「・・・わかりました、必ず返しにきます」
「よし!いい返事だ!
・・・・旭、最後にオレらにロヘンを背負ったお前の姿、見せてくれ」

旭はジンの手からロヘンを受け取り背負う
「うん・・・似合ってる」
「ありがとうございます・・・大事に使わせていただきます」
改めて旭は支度を済ませ
いよいよ出発する
「では、ジン兄さん・・アソ兄、お元気で」
精一杯の笑顔で旭は2人に別れを告げる
最終更新:2009年09月08日 23:03